2月22日
船は昨晩、南シェットランド諸島を離れ、魔のドレーク海峡に突入。
ここからは海がおおいに荒れる・・・はずだったのだが、昨晩ベッドに入ってからちょっと揺れていたものの、今朝も全く大したことがない。
朝食の時、一度だけ椅子が横滑りしたが、結局それ以上の揺れはなし。
具合が悪くなった人もほとんどいないようだし、乗客全員肩透かし。
「どうせなら大荒れのドレーク海峡が経験してみたかった」というイギリス人のおっちゃんに同意するのは無い物ねだりのぜいたくというやつだろうか。
穏やかな船内でスタッフによる最後のレクチャー。
南極でペンギンの数を数えている団体の話とか、オキアミの話とか。
手つかずの自然のように見える南極も、地球温暖化の影響がオキアミの数やペンギンの勢力図の変化で顕著に分かるんだそうだ。
夕食の前にはラウンジでオークション大会。
南極基地のTシャツや帽子、スタッフの著書や写真が並べられ、
シャクルトンゆかりのウィスキーの復刻版や、今回の航海図なんてちょっとそそられるものもあったが、競売の値段はどんどん吊り上げられて、とてもじゃないが貧乏人には手があげられない。
みなさん、お金持ちで気前がいい。売り上げはもちろん、南極関連の活動に寄付される。
2月23日
船で過ごすのもいよいよ今日が最後の一日。
まだドレーク海峡のはずだが、波はこの通り穏やかそのもの。風も明らかに冷たくなくなっている。
船のエンジン音が急に静かになったが、あまりにも順調な航海でこのままでは早く着きすぎるため、2基のエンジンの1基を停めて速度調節していると聞かされた。
午前中には部屋に預けていたスーツケースが配られ、請求書もやってきて、デッキごとに順番に清算手続き。
と言ってもチップと、船内で買った本代だけ。
清算が済めば こんな「南極行きました証明書」がもらえる。
午後2時には南アメリカ最南端のホーン岬を通過。
この高い崖の右手には半島が伸びていて、そこにチリの海軍基地がある。
ホーン岬とはこの高い崖のことなのか、基地のあるところのことなのか、と写真を撮る一同混乱するが、どうやら岬はこの高い崖、ただしここは近づくのが大変なので、灯台や岬のモニュメントは基地の近くにある、というのが正解らしい。
船の墓場として有名なこの難所も、今日は穏やかに通過。
この後にはスタッフによるシップ・ツアーがあるとのことなのでこれに参加。
こういうのって航海の始めにありそうだが、このクルーズの場合にはレクチャーがたくさんあったので後回しになったということだろうか。
毎日お世話になったマッドルームには防寒着やブーツがもうきれいに洗濯されて干されている。
クルーズの時以外はいまも海洋探査船として現役のこの船、頭上の大きな装置は探査機器の巻き取り機だと初めて教わる。
電気系統がいかれた時のための手動舵輪を見て
さらに船底のエンジン・ルームを覗かせてもらう。1988年建造だそうだが、メンテナンスはしっかりされているようでとてもきれい。
コントロール・ルームの機械にはいささか時代を感じるが
最後だからか、ロシア人クルーも愛想がいい。厳しいキャプテンでなければロシア人の皆さんとももう少しお近づきになれたのだろうか。
ちなみにこちらのお兄さん、「まるで映画に出てくるKGBの殺し屋みたい」と密かに大人気。実はこの船には小さなジムがあるのだが、行った人によるとクルーは毎晩ジムでトレーニングに余念がなかったそうな。
そして最後の夕食には「キャプテン・ディナー」ということで厳しい船長がようやくおでまし。
さすがにこの時ばかりは愛想よく、ドレーク海峡を穏やかに通過できてラッキーだったとご報告。
なんでも我々は大きな嵐が通り過ぎた後に海峡に入ったそうで、一日早い日程だった姉妹船は大荒れで大変だったのだそうだ。
最後にはクルーズ・スタッフが全員でご挨拶。
みなさん、お世話になりました。
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船は昨晩、南シェットランド諸島を離れ、魔のドレーク海峡に突入。
ここからは海がおおいに荒れる・・・はずだったのだが、昨晩ベッドに入ってからちょっと揺れていたものの、今朝も全く大したことがない。
朝食の時、一度だけ椅子が横滑りしたが、結局それ以上の揺れはなし。
具合が悪くなった人もほとんどいないようだし、乗客全員肩透かし。
「どうせなら大荒れのドレーク海峡が経験してみたかった」というイギリス人のおっちゃんに同意するのは無い物ねだりのぜいたくというやつだろうか。
穏やかな船内でスタッフによる最後のレクチャー。
南極でペンギンの数を数えている団体の話とか、オキアミの話とか。
手つかずの自然のように見える南極も、地球温暖化の影響がオキアミの数やペンギンの勢力図の変化で顕著に分かるんだそうだ。
夕食の前にはラウンジでオークション大会。
南極基地のTシャツや帽子、スタッフの著書や写真が並べられ、
シャクルトンゆかりのウィスキーの復刻版や、今回の航海図なんてちょっとそそられるものもあったが、競売の値段はどんどん吊り上げられて、とてもじゃないが貧乏人には手があげられない。
みなさん、お金持ちで気前がいい。売り上げはもちろん、南極関連の活動に寄付される。
2月23日
船で過ごすのもいよいよ今日が最後の一日。
まだドレーク海峡のはずだが、波はこの通り穏やかそのもの。風も明らかに冷たくなくなっている。
船のエンジン音が急に静かになったが、あまりにも順調な航海でこのままでは早く着きすぎるため、2基のエンジンの1基を停めて速度調節していると聞かされた。
午前中には部屋に預けていたスーツケースが配られ、請求書もやってきて、デッキごとに順番に清算手続き。
と言ってもチップと、船内で買った本代だけ。
清算が済めば こんな「南極行きました証明書」がもらえる。
午後2時には南アメリカ最南端のホーン岬を通過。
この高い崖の右手には半島が伸びていて、そこにチリの海軍基地がある。
ホーン岬とはこの高い崖のことなのか、基地のあるところのことなのか、と写真を撮る一同混乱するが、どうやら岬はこの高い崖、ただしここは近づくのが大変なので、灯台や岬のモニュメントは基地の近くにある、というのが正解らしい。
船の墓場として有名なこの難所も、今日は穏やかに通過。
この後にはスタッフによるシップ・ツアーがあるとのことなのでこれに参加。
こういうのって航海の始めにありそうだが、このクルーズの場合にはレクチャーがたくさんあったので後回しになったということだろうか。
毎日お世話になったマッドルームには防寒着やブーツがもうきれいに洗濯されて干されている。
クルーズの時以外はいまも海洋探査船として現役のこの船、頭上の大きな装置は探査機器の巻き取り機だと初めて教わる。
電気系統がいかれた時のための手動舵輪を見て
さらに船底のエンジン・ルームを覗かせてもらう。1988年建造だそうだが、メンテナンスはしっかりされているようでとてもきれい。
コントロール・ルームの機械にはいささか時代を感じるが
最後だからか、ロシア人クルーも愛想がいい。厳しいキャプテンでなければロシア人の皆さんとももう少しお近づきになれたのだろうか。
ちなみにこちらのお兄さん、「まるで映画に出てくるKGBの殺し屋みたい」と密かに大人気。実はこの船には小さなジムがあるのだが、行った人によるとクルーは毎晩ジムでトレーニングに余念がなかったそうな。
そして最後の夕食には「キャプテン・ディナー」ということで厳しい船長がようやくおでまし。
さすがにこの時ばかりは愛想よく、ドレーク海峡を穏やかに通過できてラッキーだったとご報告。
なんでも我々は大きな嵐が通り過ぎた後に海峡に入ったそうで、一日早い日程だった姉妹船は大荒れで大変だったのだそうだ。
最後にはクルーズ・スタッフが全員でご挨拶。
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