今回のジャカルタ滞在はちょうどラマダーン月の真っ最中。
以前はドバイにラマダーン中に行ったことがあったので、ジャカルタはどんな具合かとても興味があった。
まずは昼間の飲食だが
こんな具合に一応目隠しをして外から食べている人が見えないようにしている店も多いものの、現地の人はあまり気にする風もなく、断食をしていない人は平気で人前でも飲食しているし、列車内で食事サービスが普通に行われていたのも以前の記事の通り。
ジャカルタには中華系住民も多いので、みんながみんな断食するわけではないのだ。
ジャカルタの日没後の断食明けは17時50分頃だったが、15時を過ぎると街中の食堂や屋台が料理を作り始める。
ブロックMスクエアというばりばり庶民派のショッピングモールの周りにはおそらくラマダーン期間中だからだろう、食堂が通路わきに料理のバットをたくさん並べ、低いテーブルを用意している。
これを2,30分も前から購入し、時間が来るのを真面目に待っている姿はドバイと同じ。
このバットにずらりと並んだおかず類がとてもおいしそうで、大事を取って最終日の夜18時ごろに注文してみたら、おかずはまだ並んでいるものの、すでに予約で売り切れていると断られてしまった。
注文がいっぺんに集中するので食堂はどこも大忙し。
ボゴールからの帰路では電車の中で断食明けの時間を迎えた。
その途端に乗客が一斉にペットボトルを出して水を飲み始めた姿が微笑ましく、女の子たちはパンやお菓子を食べ始めた。
普段は飲食禁止の車内も、この時ばかりはもちろんおとがめなし。
おなじみ「ホカベン」やスタバなどのチェーン店ではラマダーン用特別メニューも用意している。
少し意外だったのはジャカルタではお店の営業時間が通常通りだったこと。
屋台などは夜遅くまでにぎわっている様子だったが、ドバイのようにフードコートが午前3時まで営業というほどのお祭り感覚ではない感じ。
ラマダーンを口実に短縮営業していたのは博物館などの公的施設だけだ。
ちなみに敬けんなムスリムである友人によると、ラマダーン期間中に辛いのは昼間飲食できないことではなく、朝の3時に起きて食事をしなければならないことだそうで、夜も遅いのでどうしても寝る時間が短くなってしまうとか。
←クリックすると大きくなります。
ホテルのサフール(断食前の食事)も配達時間が2時45分から3時15分とあったので、頼んでみようかと思っていたがやめた。
とまあ、思っていたよりは普段通りのジャカルタで、せっかくなのでこの国最大、東南アジアでも最大と言うモスクに行ってみた。
市の中心、独立記念塔のすぐ近くにあるマスジッド・イスティクラル。
これも「独立モスク」と言う意味で、スカルノ時代に17年かけて1978年に完成している。
まずは小さな丸いドームのある建物の下の玄関から靴を脱いで入ると
外国人と見た途端に若い女性の英語ガイドが飛んできて、外国人専用の靴置場に案内してくれる。
ここで名前、国籍、宗教などを記帳したら2階へ。露出の多い服装の欧米人などは上っ張りを貸し出されていたが、普通の格好をしていればここではスカーフをかぶる必要もない。
信徒がお祈りをするメインホールはこの階にあるが、異教徒は入れない。
入口にはお祈りの時間を示す掲示板があって、これによれば今年のジャカルタの断食は4時31分から17時52分の13時間21分。
インドネシアは赤道直下なので毎年ほとんど時間は変わらないそうで、「私たちは北欧にいるムスリムに比べれば全然楽ですね」とガイド嬢。
さらにもう1階上がってテラスに出るとメインホールを一望。
頭上の大きなドームは直径45mで独立の年を示し、その下に円形に並ぶ12本の柱は預言者ムハンマドの誕生月にちなむ。
さらに回りのテラスが5階建てなのはイスラムの5つの柱にちなむそうで、数字にいちいち意味がある。
壁はすべて風が通るようになっていてエアコンはなし。ステンレスと大理石で作られたほとんどストイックな空間でコーランなど読む熱心な信者も見えるが
ゴロゴロと寝転んだり、集まっておしゃべりしている様子がのどかでいい。
ガイド嬢によると、ラマダーンの最後の10日(この日にちょうど始まった)は特にモスクで心穏やかに過ごすのが良いとされているとか。
ホールの説明が終わると回廊に出て大きな中庭越しにドームを見る。
ミナレットが1本だけなのは国が一つである象徴だそうで、その向こうには独立記念塔も見える。
中庭にあるグリッドもすべてお祈り用にメッカの方角を向いていて、屋内のホールだけで6万人、まわりのテラスやこの中庭まで合わせるとこのモスクの収容人数は20万人だそうだ。
回廊の隅には巨大な丸太でできた太鼓とくりぬいた木を叩く楽器があって、ヒンドゥー起源のこれらをアザーンの時に叩くのはインドネシアならではとか。
一通りの案内が終わったところでちょうど礼拝の時間になったので、ガイド嬢とは別れてもう一度3階のホールから見学。
意外に礼拝が始まってからでも人が次々入ってきたり、ゆる~い感じがいい。
ところでモスクの窓からは道を隔てたお向かいにあるカソリック教会が見える。
そこでモスク見学の後はそちらへ。
こちらはオランダ植民地時代の1901年に建てられたジャカルタ大聖堂。
大聖堂と言うにはかわいらしい大きさだが
壁のタイル画、説教壇、オルガンなど立派なもの。
中はひんやりと吹き抜けのモスクより涼しくて、大勢来ていた見学者はフィリピンあたりからの旅行者っぽい。
さらにここから歩いて10分ほど、ガンビル駅のすぐ近くにはプロテスタントのイマニュエル教会があるが
こちらは日曜礼拝後だったためか門が閉まっていて、中の見学はできずに残念。あるいは他に入口があったのかもしれない。
ところでモスクがそれ以前からあったカソリックとプロテスタントの教会のそばにあるのは偶然ではなく、宗教的調和と寛容のシンボルとしてあえてこの場所を選んだのだとか。
また互いの祝日には行事に参加しあうこともある、とはモスクのガイド嬢の話だが、こういう話こそもっと宣伝すればいいのに、と思う。イスラムは本来寛容の宗教なのだから。
ラマダーン月のジャカルタ、インドネシアの懐の深さがちょっと見られて良かった。
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以前はドバイにラマダーン中に行ったことがあったので、ジャカルタはどんな具合かとても興味があった。
まずは昼間の飲食だが
こんな具合に一応目隠しをして外から食べている人が見えないようにしている店も多いものの、現地の人はあまり気にする風もなく、断食をしていない人は平気で人前でも飲食しているし、列車内で食事サービスが普通に行われていたのも以前の記事の通り。
ジャカルタには中華系住民も多いので、みんながみんな断食するわけではないのだ。
ジャカルタの日没後の断食明けは17時50分頃だったが、15時を過ぎると街中の食堂や屋台が料理を作り始める。
ブロックMスクエアというばりばり庶民派のショッピングモールの周りにはおそらくラマダーン期間中だからだろう、食堂が通路わきに料理のバットをたくさん並べ、低いテーブルを用意している。
これを2,30分も前から購入し、時間が来るのを真面目に待っている姿はドバイと同じ。
このバットにずらりと並んだおかず類がとてもおいしそうで、大事を取って最終日の夜18時ごろに注文してみたら、おかずはまだ並んでいるものの、すでに予約で売り切れていると断られてしまった。
注文がいっぺんに集中するので食堂はどこも大忙し。
ボゴールからの帰路では電車の中で断食明けの時間を迎えた。
その途端に乗客が一斉にペットボトルを出して水を飲み始めた姿が微笑ましく、女の子たちはパンやお菓子を食べ始めた。
普段は飲食禁止の車内も、この時ばかりはもちろんおとがめなし。
おなじみ「ホカベン」やスタバなどのチェーン店ではラマダーン用特別メニューも用意している。
少し意外だったのはジャカルタではお店の営業時間が通常通りだったこと。
屋台などは夜遅くまでにぎわっている様子だったが、ドバイのようにフードコートが午前3時まで営業というほどのお祭り感覚ではない感じ。
ラマダーンを口実に短縮営業していたのは博物館などの公的施設だけだ。
ちなみに敬けんなムスリムである友人によると、ラマダーン期間中に辛いのは昼間飲食できないことではなく、朝の3時に起きて食事をしなければならないことだそうで、夜も遅いのでどうしても寝る時間が短くなってしまうとか。
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ホテルのサフール(断食前の食事)も配達時間が2時45分から3時15分とあったので、頼んでみようかと思っていたがやめた。
とまあ、思っていたよりは普段通りのジャカルタで、せっかくなのでこの国最大、東南アジアでも最大と言うモスクに行ってみた。
市の中心、独立記念塔のすぐ近くにあるマスジッド・イスティクラル。
これも「独立モスク」と言う意味で、スカルノ時代に17年かけて1978年に完成している。
まずは小さな丸いドームのある建物の下の玄関から靴を脱いで入ると
外国人と見た途端に若い女性の英語ガイドが飛んできて、外国人専用の靴置場に案内してくれる。
ここで名前、国籍、宗教などを記帳したら2階へ。露出の多い服装の欧米人などは上っ張りを貸し出されていたが、普通の格好をしていればここではスカーフをかぶる必要もない。
信徒がお祈りをするメインホールはこの階にあるが、異教徒は入れない。
入口にはお祈りの時間を示す掲示板があって、これによれば今年のジャカルタの断食は4時31分から17時52分の13時間21分。
インドネシアは赤道直下なので毎年ほとんど時間は変わらないそうで、「私たちは北欧にいるムスリムに比べれば全然楽ですね」とガイド嬢。
さらにもう1階上がってテラスに出るとメインホールを一望。
頭上の大きなドームは直径45mで独立の年を示し、その下に円形に並ぶ12本の柱は預言者ムハンマドの誕生月にちなむ。
さらに回りのテラスが5階建てなのはイスラムの5つの柱にちなむそうで、数字にいちいち意味がある。
壁はすべて風が通るようになっていてエアコンはなし。ステンレスと大理石で作られたほとんどストイックな空間でコーランなど読む熱心な信者も見えるが
ゴロゴロと寝転んだり、集まっておしゃべりしている様子がのどかでいい。
ガイド嬢によると、ラマダーンの最後の10日(この日にちょうど始まった)は特にモスクで心穏やかに過ごすのが良いとされているとか。
ホールの説明が終わると回廊に出て大きな中庭越しにドームを見る。
ミナレットが1本だけなのは国が一つである象徴だそうで、その向こうには独立記念塔も見える。
中庭にあるグリッドもすべてお祈り用にメッカの方角を向いていて、屋内のホールだけで6万人、まわりのテラスやこの中庭まで合わせるとこのモスクの収容人数は20万人だそうだ。
回廊の隅には巨大な丸太でできた太鼓とくりぬいた木を叩く楽器があって、ヒンドゥー起源のこれらをアザーンの時に叩くのはインドネシアならではとか。
一通りの案内が終わったところでちょうど礼拝の時間になったので、ガイド嬢とは別れてもう一度3階のホールから見学。
意外に礼拝が始まってからでも人が次々入ってきたり、ゆる~い感じがいい。
ところでモスクの窓からは道を隔てたお向かいにあるカソリック教会が見える。
そこでモスク見学の後はそちらへ。
こちらはオランダ植民地時代の1901年に建てられたジャカルタ大聖堂。
大聖堂と言うにはかわいらしい大きさだが
壁のタイル画、説教壇、オルガンなど立派なもの。
中はひんやりと吹き抜けのモスクより涼しくて、大勢来ていた見学者はフィリピンあたりからの旅行者っぽい。
さらにここから歩いて10分ほど、ガンビル駅のすぐ近くにはプロテスタントのイマニュエル教会があるが
こちらは日曜礼拝後だったためか門が閉まっていて、中の見学はできずに残念。あるいは他に入口があったのかもしれない。
ところでモスクがそれ以前からあったカソリックとプロテスタントの教会のそばにあるのは偶然ではなく、宗教的調和と寛容のシンボルとしてあえてこの場所を選んだのだとか。
また互いの祝日には行事に参加しあうこともある、とはモスクのガイド嬢の話だが、こういう話こそもっと宣伝すればいいのに、と思う。イスラムは本来寛容の宗教なのだから。
ラマダーン月のジャカルタ、インドネシアの懐の深さがちょっと見られて良かった。
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