4月26日
宿の朝食は7時半から、その後送りの車の出発が8時15分とかなり慌ただしい。
が、これに文句を言うわけにはいかない。なぜなら「おとぎ亭」さんでは妻籠宿まで無料で送ってくださるのだから。
昼神温泉を出発した車は本降りの雨の中、国道256号を北西に向かう。
この道は花桃街道と名付けられている通り途中にもたくさん樹が植えられていて、標高の高い集落など満開の花に埋もれてとてもきれいで思わず歓声を上げる。
夕食はなんだったが、サービスのとてもいい今回のお宿、昨夜は雨のために中止になったが夕食の後にも無料で星の良く見える場所に案内してくれるイベントがあり、運転してくれたお兄さんによると夏は空の晴れる夜中頃、秋には雲海も見られる夜明け頃に案内しているとか。スタッフはいつ寝るのだろうか。
30分で妻籠宿の駐車場に到着。
本来は中山道を歩くつもりで馬籠宿までの送りをお願いしてあったのだが、この雨では歩く気になれないし、お兄さんも忙しそうなのでここで降ろしてもらい、バスの待合室にあるコインロッカーに大きな荷物を預けて街並み保存地区へ向かう。
駐車場からちょっと坂と階段を上がると
おお、早速趣きのある街並み。
まだ9時前なので人通りもなく、雨戸も固く閉ざされているけれど
それがまたタイムスリップしたようにいい感じ。
特に元の観光案内所だった可愛い建物の先、桝形を折れた先の寺下地区に入ると
まるで時代劇のセットに入り込んだようだけれど、雨で木の香りが漂って何とも言えない。
軒先のあちらこちらにちょっとした花や飾り物があるのもそのさりげなさがいい。
お店はまだほとんど開かないけれど、休憩所があったので覗いてみると
季節柄5月人形が飾られていて、よく見ると宴会場面にはエレキを抱えたじいさまも。
こちらは営業中の本物の郵便局。
手前は郵便資料館になっていて、歴代ポストが並んでいるのがポスト好きにはツボ。
次のバスまでまだちょっと時間があるので、1ヶ所ぐらいは見学しようと妻籠宿本陣へ。
入場料300円を払って中に入ると
座敷がいくつも繋がって広い。
作家の島崎藤村の実兄が最後の当主だったという妻籠宿本陣だけれど、実はこの建物は平成になってからの復元。
脇本陣の方が重文指定された建物なのでそちらに行くべきだった、とは帰ってから知ったこと。
街並みのはずれにある小さな水車と高札を見たら1時間ちょっとで妻籠宿滞在は終了。
もうちょっといたいほど、しっとりした雨の妻籠は魅力的だった。
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