ブログ仲間 Trintrin さんと今年最初のデートで市ヶ谷へ。
お堀端から上がる坂道、昔叔母の家がこっちにあってよく来たな、とノスタルジーに浸っていると周りは大日本印刷の施設だらけ。
そんな中やってきたのはこちら。
「JICA地球ひろば」は開発途上国に関する活動を紹介する施設で
緒方貞子さんに関する展示や、子供向けのアクティビティなどもいろいろある様子。
が、我々の目的はここの2階にある食堂でお昼を食べること。
11時半の開店前に並んでメニューを眺めるうち、我々の後ろにも何人かの行列ができた。
入店したら券売機で食券を買って、所定の場所で渡すとすぐにトレーが出てくる。
すっきりときれいなテーブルについて
本日いただいたのはラオス大使館お墨付きの「ゲーン・ノーマイ」=竹の子のスープ煮。竹の子の他に豚肉とキクラゲが入り、あんかけ風にとろっとしてタイ米のご飯に合う。大根サラダにスープも付いて700円。近所だったらしょっちゅう通いそう。
デザートにはフェアトレードのコーヒーとチョコレートもいただいて、次は坂を下って防衛省の正門へ。
昨年の年末にTrinさんが感じの悪い電話にもめげず予約してくれた、市ヶ谷台ツアーに参加するのだ。
まずは門の前で身分証明書を見せて予約を確認、ICチップ付きの入館証をもらったらゲートをくぐる。
正面に立派な庁舎を見ながら、脇のベンチでもらったパンフレットを見ながら13時半のツアー開始を待つ。
午後見学の定員は20名、ガイドは真っ赤なダウンコートの女性2名に、退官後雇用延長中というお話好きのおじさん一人。
時間になったらまずは注意事項。女性係官、絶対に勝手な行動は許さないという気迫満々。
その後は靖国通り沿いに少し歩いて大本営地下壕跡の見学へ。
入口でヘルメットを渡され、全体の見取り図を説明されたら中へ。
地下壕と言っても入り口は土手にあるので階段を降りることもなく、ちょっと拍子抜けするほど地表に近い。
中はもちろんコンクリートがむき出し、一番興味を示されるのはトイレの跡。
中には貯水槽があり、その脇に炊事場や浴場もあったそうだが、湿度が高くて大変だったとか。
思ったほど大きくなく、壁の調査跡から見える鉄筋は細く頼りなげで、アルバニアで見たティラナのバンカーの方がずっと頑丈そうに見える。しかもこの施設が作られたのは昭和16年の8月というから真珠湾の前。その頃でもこの程度の物しか作れず、それでアメリカに戦争を仕掛けたのだから無謀もいいところ。
地上にある参謀本部から階段でつながっていたそうだが、爆撃されたらひとたまりもなさそう。とおじさんに聞いてみると陸軍本部は爆撃されることはなかったそうで、「交渉相手がいなくなったら戦争を終わらせることができないでしょ?」となるほど。
地下壕を出たら次に向かうのは市ヶ谷記念館。
平成12年に防衛庁が六本木から移転して来た際に旧庁舎が取り壊され、その際に象徴的な部分だけを移設、復元したというもの。
玄関には建物正面に取り付けられていた時計と桜の紋章が飾られ、ここで靴を脱いでスリッパに履き替える。するとスタッフが靴をきれいに外向きに並び替えてくれて、さすが自衛隊(?)と妙な所で感心してしまった。
入ってすぐにあるのが以前は2階にあったという大講堂。
昭和9年に造られたここが昭和21年の東京裁判の舞台になったということで、最初にビデオを見た後、スタッフがくわしく裁判官や被告たちの座った場所など教えてくれる。
2階のバルコニーが傍聴席、
正面の玉座があった場所には同時通訳のブースが作られたのだとか。
大講堂の説明が終わったら2階へ。
バルコニーから見ると大講堂を実際よりも大きく感じさせる工夫がよくわかる。
士官学校時代、昭和天皇の休憩所とされていた旧便殿の間を見たら
その隣の旧陸軍大臣室へ。部屋の中央には旧庁舎の大きな模型が置かれているが、ここはもちろん、昭和45年に三島由紀夫が自決した場所。
事件当時、自分は小学校6年生だったがニュースは鮮明に覚えている。
翌日の遠足のためにおやつを買いに行って、帰ってからテレビをつけると大騒ぎ。そして翌朝は当時、朝日新聞を取っていたので首が転がった写真が一面に載っていたのだ。
若い女性スタッフが「これが総監が襲われた時の刀傷です」とドアの脇に付いた傷を見せてくれるが、「三島が自決したのはどこですか」と聞くと「すいません、わかりません」とあわてておじさんに聞きに行く。するとその場所には何の説明もないが金属プレートがはめ込まれている。案内をするからにはこれを知らないとまずいでしょう。
しかし「あの左側の窓を開けてバルコニーに出たそうです」というのはちゃんと知っていて教えてくれた。
一階に戻ったら少しフリータイムがあって講堂内の展示を見るが
たくさん並べられた資料を見るには時間が少なすぎる。
記念館を出たら高いアンテナを見ながら住居費、食費無料という隊舎の脇を通り
保育所もあるという厚生棟へ。
2階にある広報展示室で「自衛隊、大事な仕事してるでしょ」というビデオを見て、その後は1階にある売店でまたしばしフリータイム。
ここには自衛隊柄のバッグやTシャツ、ピンバッジやぬいぐるみまで売っている売店があるのだがなぜか3つに分かれていてそれぞれ違う店らしく、売っているものも店主もそれぞれユニークですごく面白い。
ここで以前横須賀で見た「しらせ」のキャップを見つけてとうとう買ってしまった。どこでかぶるのやら。
防衛省まんじゅうも見つけたけれどここも時間が短くて、買えなくて残念。
門まできっちり見送られて、2時間半の見学は終了。
地下壕見学には700円必要だが、防衛省見学ツアーは予想以上に楽しめた。
大人の社会科見学は癖になりそう。
Trintrinさん、またよろしくね。
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