Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

鳥取・島根の旅 10 出雲湯村温泉

2011-12-08 18:00:22 | 国内旅行
11月7日

出雲大東駅からまた木次線に乗って、木次駅で下車。
 駅前のタクシーを拾って湯村温泉までお願いする。

湯村温泉までは田園風景の中を20分ほど。
しかし料金は3000円を超え、気の毒に思ったのか人のよさそうな運転手さん、「ここ、本数は少ないけど、バスもあるんですよ」
着いた温泉のおばちゃんも、「ここまでタクシーで来たの?バスなら200円なのに」
知ってたけど、ちょうどいい時間のがなかったんですよ。

 出雲湯村温泉は山間の川の両岸に民家が何軒かあるだけの地味~な温泉地。
乗用車一台がやっと通れる道の片側に湯の上館と言う渋い旅館、そのお向かいにこの宿が管理する共同浴場がある。
 
 おばちゃんがいるけど入浴料は券売機で支払う。320円、だったかな。

番台の横で靴を脱ぎ、廊下を通って小さな脱衣場へ。
ちょうど母娘が帰り支度をしているところ、平日のお昼時だったためか、この後はしばらく貸切状態でラッキー!
  
この建物は10年ほど前に改装されたそうだが、壁、柱、天井はすべて木造、床と浴槽は石造りで何とも落ち着くいい感じ。
アルカリ単純泉のお湯は加温も加水もしない源泉かけ流しだそうだが、癖のないお湯はちょうどいい温度。

この外には露天もあって
  
対岸に民家があるので板塀はあるが、川からの涼しい風が吹き込むうまい造りになっている。
ただこちらの浴槽の床はコンクリートなので肌触りが悪く、やっぱり内湯の方が気持ちいい、とそちらで長湯をさせていただいた。

温泉を出て一息入れたら島根で最後のお食事。来る前からチェックを入れておいたのは共同浴場から1分のこちら
 オーベルジュ雲南

  
築100年の民家を改装したと言う店内はとてもすっきりと明るい。

ここの縁側であっただろうテーブルでいただいたランチセット。
 まずは雲南野菜のバーニャカウダ。野菜の味が濃い!
 さつまいもとかぼちゃのスープはさつまいもの方が優勢な味。
 そしてメインはこちらのパスタ。
15種類以上もの野菜が使われているが、まずは見た目の美しさに思わず声を上げる。
食べ進めても出るわ、出るわ、パスタより野菜が多いなんて初めて。しかも葉物やら根菜やら、その野菜の一つ一つがとてもおいしい。
中に一つ、ニンジンのようだがとても甘いものがあったのでマダムに聞いてみると「よくぞ気が付いてくださいました。あれは柿なんです。」柿入りパスタも初めて。
 デザートも大盤振る舞いで、温泉水を冷やしたという水までおいしく、大満足。

最後の客になってしまったのでマダムが話し相手になってくださる。
昨年の店のオープンのために関東からいらしたそうだが、建物も食材もとても気に入ってらっしゃる様子。

2階にある泊まれる2部屋も見せていただくと
 
どちらもすっきりと居心地よさそう。

湯の上館といい、ここといい、この小さな村はなんとセンスがいいのだろう。
またここに来て宿泊してみたいものだが、このあたりはレンタカーで回るのがよさそうだ。

川の対岸にはもう一軒、国民宿舎の温泉があってそこに入ってから帰ろうかとも思ったが、バスの時間がまた中途半端なのであきらめて、おとなしく200円の市民バスに乗る。

最後は木次の駅前のスーパーでお土産を物色。
 
もちろん消えものばかり。

宍道駅からはタクシーに乗って出雲空港へ。
 
最近空港にマスコットネームのようなものをつけるのがはやっているが、ここも今は「出雲縁結び空港」になったそうな。
こういうのってひどく安っぽいと思うのだが、由緒ある出雲がこんなことでいいのか。

しかし空港の名前を除けば鳥取も島根も郷土愛にあふれつつ、穏やかでとてもいいところだった。
山陰、また来なくちゃ。


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「日展」&「モダン・アート、アメリカン」@国立新美術館

2011-12-05 18:38:16 | 機内食・映画・美術展
友人に誘われて六本木の国立新美術館へ。

  
雲一つない青空の下、周りの木々もきれいに紅葉して
 
建物の中に差し込む光がきれいだ。

まずは知人からいただいたチケットで「日展」へ。
友人の知り合いは書で入選しているのだが、正直「書」はまったくわからない。
中学校以来ご無沙汰の書道、この年になってみるとやってみたいとは思うのだが。

素人が見ても楽しいのは工芸部門。
染色やら陶芸やら、自分の好き嫌いで見られるので楽しい。
今回特に目を引かれたのは漆工芸。実用的な食器などではなく、絵画としての漆工芸は手法も様々、こんなにいろいろな表現ができるのかと驚かされる。

日本画部門も鑑賞するのが楽しい。
いかにもな着物美人の絵から、油絵かと思うようなものまで、こちらも表現は多彩。
しかしどこか柔らかい色合いがやっぱり油彩よりもこの国の空気には合っているように思う。

膨大な作品の数に圧倒されながら一通りめぐってロビーに出るとジョージア・オキーフのポスターに目が行ってしまった。
同じ館内でフィリップス・コレクションの「モダン・アート、アメリカン」展をやっているというのでそちらへも入場。

モダン・アートもアメリカ絵画もあまり趣味ではないのだが、ジョージア・オキーフだけは興味がある。
 今回はポスターになっていたこれを含めて4点。
いずれも小さな絵だが、ほかの作家がまだヨーロッパ絵画の模倣から抜け出ていなかった1920年代、この人だけはすでに自分のスタイルを確立してしまったところがすごいと思う。
オキーフだけ、もっと見たいなあ。

他の作品ではエドワード・ホッパーあたりが面白い。
ニューヨークなどの大都会を描いた作品が多くなるとヨーロッパとは違う方向が見えてきて、やっぱりアメリカにはモダンアートが似合うと思う。

美術館は楽しいけど疲れる、ということで鑑賞後はミッドタウンの「Nirvana New York」でカレーブッフェ。
 ここはカレー屋で、カレーは確かにインド風だけれどその他は店名の通り、あまりインド風ではない。
 だからインドでは決して出ないような生野菜のサラダなどあって、でもマスタードとおろし生姜であえた叩ききゅうりは美味。今度真似してみよう。
 およそインド風ではないデザートもしっかりいただいて、ごちそうさま。

帰りに「とらや」をのぞいたらこの子が連れて帰れというので
 連れて帰った。


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鳥取・島根の旅 9 海潮温泉

2011-12-03 23:00:08 | 国内旅行
11月6日 続き

出雲市駅からは特急やくもに乗って宍道へ。
  
ここでツアー仲間と別れて一人、木次線へ乗り換え。
 ここからの列車は1両きりのワンマン車両。

 30分ほどで出雲大東駅に着くと構内に旅館の若旦那さん(?)が迎えに来てくれていた。

宿までの道中ではまるでガイドさんのように流暢にヤマタノオロチ伝説を聞かせてくださる。
このあたりこそスサノオ伝説の中心地なのだ。

今夜の宿は海潮(うしお)温泉。
 山の中なのに海潮とはこれいかに。

  
お部屋はきれいで広々、窓の外には川が流れ、その向こうには県道が通るがうるさくはない。

 いろいろ用意されたお菓子で一服したら、さあ、お風呂、お風呂。

 館内は増築を重ねたらしく、おなじみの提灯から先、お風呂までは廊下が結構長い。

お風呂は男女の入れ替え制で、到着日の夜はこちら。
  
それほど大きくない内湯だが、お風呂の中から押扉を開けるとそのまま露天に出られるようになっている。

ついでに翌朝入れ替わりになったお風呂がこちら。
  
内湯はそれほど変わらないが、露天がこちらの方が大きく、庭の景色もいい。
  
隣のお風呂との間は大きな岩で遮られているが、実は端はつながっていて、竹の仕切りはあるものの覗こうと思えば小さい方の露天は覗けるというちょっと危険なお風呂。
 と言うわけでこんな注意書きがある。

お湯は無色無臭で柔らかい肌あたり。ほんのわずかに塩味がする、そのために「海潮温泉」と呼ばれるようになったとか。
特に特徴はないお湯だが、適温でゆったりできる。

食事は一人ながらお部屋食。
 華やかなお膳で、お造りも奥出雲和牛のしゃぶしゃぶもとてもおいしい。
これだけでも十分なのだが、この後も
  
中に海鮮がいっぱい入った茶わん蒸しと、うにソースの甘鯛。
  
さらにパイ包みのビーフシチューまで来るからとてもくるしい。
でもこのビーフシチューもなんだか家庭的な味でおいしかった。
 デザートの葛餅とリンゴのコンポートまで、とてもきれいな食事に満足。

翌朝もゆっくりお風呂をいただいて、ほかのお客さんはすでに出て行ってしまった食事処で朝ごはん。
 ちゃんと手のかけられた朝食はうれしい。

チェックアウトの時間まではまだ余裕があるので、ちょっと歩いて「古代鉄歌謡館」という施設へ。
  
月に2度、神楽の公演がある施設のようだが、それ以外に人が訪れることはあまりないとみえて、扉は開いていたものの、入ると管理人さんがあわてて電気をつけてくださった。

  
中央階段では大きなおろちがとぐろを巻き、新旧とりまぜた神楽の面などが展示されている。
ビデオではこの近辺の神楽の様子が流されているが、ずいぶんあちこちに伝統が残っているよう。
出雲らしくおろちが登場するものが多いようだが、八雲立つ丘でお世話になったガイドさんによると神楽におろちが入るようになったのはわりと最近のことらしい。

宿に戻ってチェックアウトし、若旦那に駅とは反対方向の須我神社まで送っていただく。
前日に話を聞いて興味を持ったのだが、ここは若旦那さんの一押しスポットらしく、ほかのお客さんも来ているのを見つけてとてもうれしそう。神社の中まで案内してくださるが、いろいろ詳しくて本当にガイドさんみたい。出雲の人からは品のいい郷土愛の深さが感じられる。

  
その自慢の須我神社はスサノオノミコトが奇稲田姫と来て
「八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる その八重垣を」と読んだところという。
現在のお社は江戸時代のものだそうだが、裏に小高い丘を背負っているところがいかにも由緒ありげ。

 境内には苔むしたシバリンガのようなものが荒神社として祀られているし
さらに奥へ続く小さな鳥居があったのでこれをくぐってみる。
 
すると道は雑木や竹林の中をずんずん登って行き
  
注連縄で仕切られた先に小さな祠があった。
これは御祖神社といってアシナヅチノミコトとテナヅチノミコトを祭っているそうだが、この森の中こそパワースポット、出雲大社よりもこちらの方が手を合わせなければ、という気分になってしまった。

今回の神社めぐりはこれにて終了。
バスで出雲大東駅へ戻り、次の目的地へ向かう。 

 

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