11月18日
日付が変わってもお神楽は続く。
「手草(たぐさ)」は次の「山の大王」を迎えるための神勧請の舞だそうで、一人で演じられる渋い演目。
そして「山の大王」には山の神様とそれを迎える祝詞師(のっとじ)が登場して掛け合いを演じる。
本来はお国言葉全開で掛け合うのだろうが、遠来の観客を意識して方言を訳してくれたり、地元の人たち向けの内輪の冗談を挟んだり、アドリブで笑いを取って長い夜にスパイスを入れる。
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丑三つ時に演じられるのは「貴船」。夫に浮気された妻が貴船神社で呪いをかけて鬼女になり、それを夫が安部清明に相談するという、なかなかおどろおどろしい演目。
次の「鍾馗」は鍾馗=スサノオノミコトが鬼を退治するという勇ましい一幕。
この後、「天神」と「蛭子(えびす)」という演目があったはずなのだがなぜか写真なし。眠くてぼーっとしていたのだろうか。
「蛭子」は恵比寿様が観客の間から魚を釣り上げるところがコミカルで面白かったのだが。
「四剣」は名前の通り、剣を持った4人が東西南北の災禍を剣の徳でなぎ払うという舞。
組太刀では跳んだりはねたり、迫力満点。
この神楽が終わるといよいよクライマックス、神懸かり託宣の儀式。
大元神楽が国重要無形文化財に指定され、大学の研究者たちまで集まるのはこの「神懸かり」があるからでもある。
昔は珍しい儀式ではなかったそうだが明治政府によって禁止され、目の届かない山村などにだけ残ったものらしい。
最初に話してくださったおじさんによると舞手の中の3人が神懸かりの候補として選ばれ、もう何日も前から精進潔斎していたそう。
過去3回の式年祭では実際に神懸かりが見られ、一度などは舞手ではなく、見物していたおじいさんが神懸かり状態になったのだそうだ。
儀式の始めには神職を先頭に神懸かり候補も交えて藁でできた長い蛇を持ってぐるぐるまわる。
蛇を神様の姿とするのは去年見た出雲大社のお祭りと一緒だ。
先頭の神官は急に方向転換をしたり後ずさったりするので後ろの人たちは引きずられて大混乱。
これも神懸かりを呼ぶための神聖な儀式ではあるのだが、見ている分には大層面白い。
神職による厳かな挨拶の後
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「五龍王」という陰陽五行説をもとにしたと言う神楽。神懸かりにはなくてはならない舞なのだそうだ。
そしてまた大きな幣を持った神官たちが場を清めた後
神楽の舞手たちが神懸かり候補を一人一人こづきまわし、ぐるぐる回転させて神懸かり状態に持っていこうとする。
まわりにも神楽団の人たちが座っているのは客席に舞手たちが倒れ込むのを防ぐため。
「もっと回せ、回せ」と大きな声が飛び、全員汗だく。回される候補者たちは目もうつろになってふらふらになるまでこづきまわされるが、この段階で神懸かりになることはなかったよう。
さらに天井から藁蛇がつるされて、これを神職、候補者、神楽団の人たちが大きくゆする。
あまりにも激しくゆするので真ん中にいるおじさんたちなど弾き飛ばされそう。
この段階で神懸かりになることもあるそうだが、結局今年は神懸かりになる人は出ず、神様のご託宣を聞くこともできなかった。
あるいは外部の人間があまりにも多くつめかけたせいかも、といささか責任を感じてしまう。
最後に注連主が神様に感謝を捧げて、神事としてはこれで終了。
すでに外は明るくなってきたが、この後にもまだ神楽は続き
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「黒塚」は女に化けた悪い狐が山伏をだまし、武士に退治されるというお話。
途中にコミカルな掛け合いなどあって、神事の後の気楽さにふさわしい。
そしていよいよ最後の演目は「塵輪(じんりん)」。
仲哀天皇が鬼を退治する話だが
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巨大な面の鬼が花火とともに三匹も出てきて大迫力。
こうして無事にすべての演目が終わり、市山神友会の会長さんが最後のあいさつをされたのが朝の9時。
ということでこちらの神社には前日の午後3時から延々18時間も座り込んでいたことになる。
さすがにお尻と脚が痛くなったし、夜中の長い演目の途中ではまぶたが重くなったこともあったが、しかし演目の多彩さ、演じ手の皆さんの真剣さに退屈することはまったくなかった。
神懸かりのご託宣を聞くことはかなわなかったものの、ツアー一同、大満足で桜江町を後にした。
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日付が変わってもお神楽は続く。
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本来はお国言葉全開で掛け合うのだろうが、遠来の観客を意識して方言を訳してくれたり、地元の人たち向けの内輪の冗談を挟んだり、アドリブで笑いを取って長い夜にスパイスを入れる。
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丑三つ時に演じられるのは「貴船」。夫に浮気された妻が貴船神社で呪いをかけて鬼女になり、それを夫が安部清明に相談するという、なかなかおどろおどろしい演目。
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次の「鍾馗」は鍾馗=スサノオノミコトが鬼を退治するという勇ましい一幕。
この後、「天神」と「蛭子(えびす)」という演目があったはずなのだがなぜか写真なし。眠くてぼーっとしていたのだろうか。
「蛭子」は恵比寿様が観客の間から魚を釣り上げるところがコミカルで面白かったのだが。
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組太刀では跳んだりはねたり、迫力満点。
この神楽が終わるといよいよクライマックス、神懸かり託宣の儀式。
大元神楽が国重要無形文化財に指定され、大学の研究者たちまで集まるのはこの「神懸かり」があるからでもある。
昔は珍しい儀式ではなかったそうだが明治政府によって禁止され、目の届かない山村などにだけ残ったものらしい。
最初に話してくださったおじさんによると舞手の中の3人が神懸かりの候補として選ばれ、もう何日も前から精進潔斎していたそう。
過去3回の式年祭では実際に神懸かりが見られ、一度などは舞手ではなく、見物していたおじいさんが神懸かり状態になったのだそうだ。
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蛇を神様の姿とするのは去年見た出雲大社のお祭りと一緒だ。
先頭の神官は急に方向転換をしたり後ずさったりするので後ろの人たちは引きずられて大混乱。
これも神懸かりを呼ぶための神聖な儀式ではあるのだが、見ている分には大層面白い。
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「五龍王」という陰陽五行説をもとにしたと言う神楽。神懸かりにはなくてはならない舞なのだそうだ。
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まわりにも神楽団の人たちが座っているのは客席に舞手たちが倒れ込むのを防ぐため。
「もっと回せ、回せ」と大きな声が飛び、全員汗だく。回される候補者たちは目もうつろになってふらふらになるまでこづきまわされるが、この段階で神懸かりになることはなかったよう。
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あまりにも激しくゆするので真ん中にいるおじさんたちなど弾き飛ばされそう。
この段階で神懸かりになることもあるそうだが、結局今年は神懸かりになる人は出ず、神様のご託宣を聞くこともできなかった。
あるいは外部の人間があまりにも多くつめかけたせいかも、といささか責任を感じてしまう。
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すでに外は明るくなってきたが、この後にもまだ神楽は続き
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「黒塚」は女に化けた悪い狐が山伏をだまし、武士に退治されるというお話。
途中にコミカルな掛け合いなどあって、神事の後の気楽さにふさわしい。
そしていよいよ最後の演目は「塵輪(じんりん)」。
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巨大な面の鬼が花火とともに三匹も出てきて大迫力。
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ということでこちらの神社には前日の午後3時から延々18時間も座り込んでいたことになる。
さすがにお尻と脚が痛くなったし、夜中の長い演目の途中ではまぶたが重くなったこともあったが、しかし演目の多彩さ、演じ手の皆さんの真剣さに退屈することはまったくなかった。
神懸かりのご託宣を聞くことはかなわなかったものの、ツアー一同、大満足で桜江町を後にした。
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