「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法 | |
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しばらく前にKYという言葉が流行った。私などKYと聞くと、つい「危険予知」のことだと思ってしまうのだが、ここでのKYの意味は、「空気読めない」ということである。この「空気」というやつはなかなかやっかいなもので、日本国中、あらゆるところに漂っている。
例えば、なんとなくその場の雰囲気が、そちらの方向を向いていると、それが間違っていると思っていても、なかなか反対意見を言いにくいと思う。また、サラリーマンの場合、他の人が残って仕事をしていると、残業の必要がないのに、帰りにくいのではないか。
すべて、「空気」のなせる技だが、だいたいにおいて、「空気」に流されていると碌な事にはならない。それでも、「赤信号みんなで渡れば怖くない」とばかり、つい、「空気」に流されて突っ走ってしまうのが我々日本人だろう。しかし、人生の勝者となるためには、悪い「空気」の正体を見抜いて、その「空気」を自分に都合のよいように作りかえることが必要なのだ。本書は、まず、「空気」を4つのタイプに分類して、それを動かすための4つのテクニックを紹介している。これらのテクニックを身につければ、ビジネスなどの場をリードしていくのに役立つだろう。
輪を好む日本人は、その副作用として「空気」に流されやすい。サービス残業の問題から、3.11の大災害のあとで起こった色々な風評被害。論理的に考えればおかしいと思うはずなのに、皆が「空気」に流されてしまう。しかし、いつも「空気」に流されていたのでは、行きつく先はとんでもないところだ。大切なのは、きちんと自分の頭で考えること。本書は、そのための一助となるものと思う。
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※本記事は、「本の宇宙」と同時掲載です。