ゆりてつ(2) (サンデーGXコミックス) | |
クリエーター情報なし | |
小学館 |
・松山せいじ
非テツなのに百合ヶ咲女子高の鉄道部部長をやることになった日野はつね。この作品は、はつねが、撮りテツ能登まみこ、駅弁テツ石塚まろん、乗りテツの鶴見はくつるという3人の鉄道部の仲間たちにいじられながらも、彼女たちと友情を育んで、鉄道の魅力にハマっていく物語だ。
この巻では、ゆりてつ部5番目のメンバーが加わる。といっても、部員ではなく顧問の先生だ。ゆり鉄部は、まみこたちが急に立ち上げた部なので、正式な顧問がいなかったらしい。そこで、やはりテツの1年英語担当の滝沢このみ先生が自ら名乗りをあげたようだ。
ちなみに、このみ先生は、現在結婚相手募集中で自称永遠の17歳(学校教師なのに17歳はないだろう)。見た目は20台中頃だが、実際はどうももう10歳はいっているらしい。酒癖が悪く、泣き上戸で、酔っぱらうとかなりのはずかしいところを見せる。ゆりてつ初めての模型テツだ。
この作品の特徴を一言で表せば、「テツ」と「萌え」の融合といったところか。何しろ登場人物が全員可愛らしい。「鉄子」ものといえば、同じ小学館から出ている「鉄子の旅」が思い浮かぶが、絵柄の影響で、あちらにはさすがに「萌え」を感じる人はいないだろう。しかし、こちらは「萌えキャラ」ばかりなので、そちらのほうも十分に楽しめるかも。
面白いのは、登場人物全部が「はつね萌え」なところだ。部のメンバーのみならずこのみ先生まで、隙あらばはつねを独占しようとする。そのどたばたぶりがなんとも笑えてしまうのだ。
ところで、この巻にはすごいゲストが登場する。あの横見さんだ。「鉄子の旅」では、もっぱらヘンな人として書かれていた横見さんだが、ここに登場する横見さんは、なんだかカッコいい。
本書からは、鉄道旅の楽しさが伝わってくるのはもちろんだが、ゆりてつのみんなの可愛らしさも魅力的だ。一度読めば、その虜になってしまうのは必定だろう。
☆☆☆☆☆
※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。