蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

ご近所・社交界

2009-12-06 | ご近所さん
日曜、朝9時から始まる、公園掃除に適する服選びに、苦戦した。
時間切れにつき、最後に選んだ、オワッているコートに、家族の一言、
「やる気の無さっぷりが、うまく表れている、ちょうどいいコートやね」
に背中を押され、たったった、と、走るものの、ちょっと遅刻。

「ハーイ!」
アメリカ映画に出てくるような、キャンパスで、クラスメートと挨拶するノリ。
実際は、「おはようございます」。
自治会の面々が、公園で一斉に枯れ葉ををかき集めている。
一家総出で参加しているファミリーもあり、子供でも、結構役に立つ。
「僕は、ちょっと旅に出てくる」と、小学生のお兄ちゃんの声。
気に入っているのか、何度もこのフレーズを使う。
そう言って、あっちこっちを、うろちょろ。じっとしていない。
弟「枯れ葉を袋に詰めたら、一袋につき1000円くれる?」
お兄ちゃん「1万円なんか、すぐ、貯まるな~。じゃあ、旅に出てくるわ」
第二、第三の平田オリザ君は、好奇心旺盛だ。

ご近所さん同志、近況報告が、あちこちで行われている。
老若何女、わいわい、「公園掃除」という名の、「課外パーティ」。
グラスを持つ代わりに、ホーキ片手に、
あっちの知り合い、こっちの知り合いのところに渡り歩いて、おしゃべりの花。

掃除が終わった後、参加者にはペットボトル入りのお茶が配られた。
その後、自治会館で本日開催の、うちの自治会の中高年サークルが主催する「バザー」を覗く。
そこでも、ご近所のお知り合いと、顔を合わせる。
「いいモノ、ありました?」
「シーツ買いましたよ。クリーニングするより安いから」

帰りに、隣接するスーパーの前で、別のお知り合いと出会う。
「バザー、行かれました?」
「いいえ、今回は、忙しくて」
笑顔で挨拶。何年ぶりだろう、あの人と会うのは。

ごきげんよう、ごきげんよう。
自分が、マリ―・アントワネットになって、宮中の人々に挨拶するよう?
王女役のオードリー・ヘップバーンにもなる私は、背筋を張って、明るく会釈する。
今朝は、いいお天気で、およろしいことね。→実際は、ベタな大阪弁。
脳内劇場は、勝手に進む。
別に私が偉そばっていて、先方がへりくだっているわけでもなんでもない。
日曜日、午前、爽やかモーニングの心象風景を例えれば、こういうシーンになるかなあ・・・と。

本来なら、憂鬱な自治会がらみの公園掃除も、映画仕立ての脚色をすると、とても楽しくなる。
さらに、帰ってから、NHK番組「のど自慢」を何十年振りかで、見た。
生放送なんだ、この、番組。
自分が年をとったせいで、番組を見る目や感覚も変わっていることに驚いた。
45分の間に、涙あり、笑いあり。
どこかに、素晴らしい公演を見に行ったような錯覚を覚えた。(→ノリすぎ)
自宅で、こんなに身近なネタで、こんなに楽しめるなんて。
(今、この瞬間だけの気分かも知れないけれど。次なる脳内上映予告編は、まだ未定)
夜は、帰りにスーパーで買った野菜で、家鍋だ。
安上がりにも程がある。

私、ひょっとしたら、お金があまりなくても、人とあまりお付き合いがなくても、
楽しいことが特別なくても、立派な人に囲まれなくても、
毎日、楽しく、一人になっても、
平凡な幸せを噛みしめて、生きていけるかも・・と、思った。