蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

浪花極道のおんなたち

2009-12-08 | 人々の風景
しーーーんとした、車内。
誰一人、おしゃべりをする人もない、その静寂を破るのは、女性。特徴、チンピラ風。

チンピラという人種は、今まで男性の専売特許のようなものだと思っていたが、
いえいえ、昨今は、女性もその分野に進出しているようだ。

二人連れの若い女性。
座席に、お互い向き合うように、ででーんと場所を取り、斜交いに座っている。
片方の女性が、「聞いてえな」と、一方的にぺらぺら話す。
28歳という、その女性。
だんだん自分の話に酔ってきてるかんじ。話をさえぎらせない。

なんといっても、まず、話の内容が、ガラが悪い。
さて、どんなオハナシかと言うと・・・

パチンコで、お金を全部使ってしまった。突然、煙草が無性に吸いたくなったが、お金がない。
煙草を吸おうとして、そこで出会った男性と、お金をめぐるトラブル発生。
想像するに、寸借詐欺??
男性が女性から、だまし取られたお金を返せ、訴えるなどのひと悶着。
彼をとりまく家庭の事情、そして、家族の関与。
女性と母親との、パチンコ代のおカネの貸し借りの様子、やりとり。
別の日、パチンコ代稼ぎのため、女性紹介を装って、18歳の男の子相手に、金品詐欺未遂。
彼とのやりとり、その様子、一部始終。

こうやって書くと、客観的で理路整然としていて、なんてことないのだが、
ガラ悪キーワードは、人物を示す単語。
話の登場人物である、「おかん」「おっさん」「ガキ」。
あと、その道(悪道)の専門用語。
ストーリー展開は、犯罪一歩手前、あるいは、犯罪の内容、手口。
女性紹介(売春斡旋)、詐欺、脅迫。

「ガキが、チャリで来やがってよー。
ガキ、カネもってないくせに、オンナ紹介しろって言いやがって」
「騙されるほうが悪いんやで。
おっさん、てめえがボンクラのせいで、騙されてやがって、なにほざいとるんや」
「どついたろか」「シバけや」
「カネ、オカンからむしり取って、5分でスってもてよー」

うまく、再現できない。
少しは方言もあるのかも知れないが、
私の知っている単語に置き換え、同時通訳するような感覚で聞いていた。
いつもは、行きの車内は、私にとっては、リビング空間で、居眠りタイムなのだが、
昨日は、最初から私が降りるまでの、20分間、ずっと聞いてしまった。
「極道ひとり漫談」みたいなかんじ??
まあ、それはそれは、軽快なテンポで話は進む。
あの短い時間内に、よくあれだけ凝縮した内容の、臨場感あふれる話が、出来たものだ。
ある意味、彼女はトークの才能がある。
単語やフレーズによっては、早すぎたり、声が小さくなったりして、
聞きとりにくいところもあるので、緊張感をもって必死で聞いてないと、聞き逃す。
そこまでして、なにも聞く必要もないのだが、個人的には、ああいった人種にお会いすることも、
袖振り合うこともないので、衝撃もあったが、興味もあった。

それにしても、ガラが悪いにもほどがある。
感心するほど、笑っちゃうほど、だ。
極道路線キャラを目指す、吉本の芸人研修生だったりして・・・??
そう言えば、聞き役の人、若手お笑いコンビの「アジアン」に、似てるかも?
彼女に、まんまとノセられた?

大阪には、そこかしこ、文化がわんさか詰まっている。
いい意味でも、悪い意味でも。