蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

モヤシっ子の涙

2010-11-14 | 人生
生き方を、選んだ人

ある方のブログを、初めて読んだ。
彼女(日本人)は、結婚を控える恋人や、そのご両親(イタリア出身のフランス人)と
深い話を、真剣に話し合える。

相手が言っていることもわかり、自分の考えも表現できる。
素晴らしい。
心のなかを見せ合える、その関係も。

語学力だけでなく、その人生。

来年の夏、恋人と結婚される予定のようだが、結婚しても、しなくても、後に離婚しても、
すべて彼女の人生。
日本に帰ってきても、帰ってこなくても、彼女の人生。
子供が生まれても、生まれなくても、どの国で育てても、彼女の人生。

深~く、ため息が出る。


私の人生とは、まったく違う。

娘に、「すごいよね。おかあさんは、どうして、こんなに違うんだろう?」
と、ぼそっと聞いてみた。

娘は、こう言った。
「おかあさんは、選択肢の少ないレールの上で生きているから。
今さら、変更は、無理」
ぴしゃり。簡潔。


選んでも、なお、モヤシ

・・・・
よく、わかっている、・・・この娘。
私のように、こういうふうになって欲しくなく、
私は娘たちに、経済的に自立できる力をつけることに力を注いだ。
(最終的には、彼女たち、それぞれの力で、努力を実らせた)
幸か不幸か、「結婚したい」と思うお相手に、まだ巡り合えない様子だが。


私は、本当に少ない選択肢のなかで、生きてきた。
本当は、好きなだけ、360度の範囲で、自分の生き方を選べたと思う。
勇気が、なかった。
能力もなかった。

能力は、あとで骨太になって付いてくるかも知れない。
モヤシのまんま、その機会を自分でも遠ざけてしまった。
骨太どころか、弱弱しく死んでしまうような気がして、自分を甘やかした。

自分の選んだ道に、後悔はない、と、ブログにも書いている。
それって、ほんとう?

そう思う時もあるし、思わない時もある。


不毛のシュミレーションは、やめましょ

ひつつひとつ、能力の衰えを実感する、
今の私の年齢になると、もう、絶対に無理な選択肢。
過去にさかのぼって、若い時なら、ひょっとして可能だったかも?

そんな発想自体が、意味のないことだ。
不毛のシュミレーションをしても、時間は虚しく過ぎるだけ。


失敗や、後悔したことを含め、
無駄なことなど、ひとつもない、と、自分でよく言いきかせているではないか。

数少ない選択肢のなかから、安定したレールに進むことを選んだのは、
他でもない、自分ではないか。


今頃、今さら、なにを言っているのだろう。

成功を収めた、死の床の老人が、「ああ、わたしの人生は、楽しいものだった」
と満足げに言うシーン・・・

このブログを始めた頃、
「私は、『一生の終りで、楽しい人生だった』と思えるような、そんな時間を重ねたい」
と、喜々と書いていたように思う。


ローリスク・ハイリターンは、ありえない

いろんな世界を知ることは素晴らしい。
これまで接したこともない世界を知ると、今まで見えなかったものが、見えてくる。
考えたこともないことも、新しく思考の中に生まれてくる。
刺激があって、新鮮で、それはそれは、結構なこと。

でも、なんでも物事には、表と裏、光と影、明と暗があり、表裏一体。
お互いの逆の性質を、同時に併せ持つ。

ハイリスク・ハイリターンの挑戦的人生と、
ローリスク・ローリターンの守りの人生。


いま、私は、躍動的な時期を終え、静かな波に身をゆだねる。
といっても、死の床ではない、病室のベッドでもない。
こころだけでなく、まだまだ自由に、身体は自分の意思で動かせる。

なんだか、こういうと、私はものすごく高齢の人のように思われそうだ。
全く、そんなことはなく、今からでも、別の人と結婚だってできるぐらいの年齢。
(その前に、離婚しないといけないけれど)


とりとめないことを、あれこれ、想いが巡る。
いたずらに、文字数が増えるばかりだ。


自分ひとりで歩んだわけじゃない。
いままで、無事で過ごせて、感謝しないと、罰が当たる。


解き放たれたあとは、さて・・・

自分が命より大事と思っていた案件が、ひとつひとつクリアーされ、
お荷物も、身を縛るものも、巻き付くものも、ひとつずつ、緩められ、はがれ落ち、
なにもなく、裸になった私。
アタマも、こころも、透明・スケルトン。

生まれたばかりの、赤ちゃんになったようだ。
(哀しいかな、体は、逆。
→関係ないですが、ブラピの映画で、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」、深く、切なかった・・
いま、思い出しても、涙・・・
トップ画像は、その映画の1シーン)

なので、いろんな人の、いろんな人生を垣間見ると、大きく揺れる。
そんな人生、今まで、考えたこともなかったから。

(あくまで、それは、アタマのなかの話で、実際には、まだ、お荷物が、ずっしりあるのだが。
さらに、自分が重いお荷物になっているのだが)



選択肢の狭いレールを歩いてきた私、
これからは、どんな道を歩くのだろう。



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