蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

キラキラ光る、幸せの瞳。なにが、見える?

2011-05-15 | 暮らし

ある方から聞いた話。

その方の学生時代の友人が、つい最近、リタイアされたそうだ。
ある程度の期間、単身赴任されていて、
留守を守る奥さんは、子供(息子さん)と、楽しく暮らしていたそうな。
ご主人が帰ってきた時だけ、歓迎ムードで、
あれこれ世話を焼き、料理に腕をかけ、満足してもらって、機嫌よく赴任先に帰っていただく。

奥さんのご奉公は、一種のメリハリのようなもので、
ご主人が外で働き、お給料をもらっている限りは、ご自分の役割も果たしておられた。
それに、一時だけのガマンで、あとは天国。

さて、ご主人サマ、単身赴任も終わり、リタイアに。

毎日、夫が家にいる!!
奥さんは、ブルーになった。(そうだろうなあ・・・)

息子さんが、ご主人(お父さん)に、こそっと言ったそうな。
「お母さん、離婚を考えてるみたい」

ご主人も、企業の犠牲者。
すき好んで、単身赴任をしたわけではない。
家族を引き離す、単身赴任の労働形態が当然の如くまかり通るのは、日本だけだそうだ。
外国では、家族が別々に暮らすということは、すでに、家族の役割を果たしてないとか。
でも、子供は18歳になると、とっとと親元を出て、自立する。
メリハリ。

夫との結びつきは弱いけれど、子供とはいつまでたっても離れられない。
子供の自立心を育てる弊害になり、自分の子供への執着心も、断ち切れない。
夫不在のなか、親子の悲劇。
子離れできない母親から可愛がられ続ける子供が、かわいそう。
いずれ、子供が親離れした時には、母親は、空の巣症候群。
更年期の鬱症状と重なると、重症になることもあるそうだ。


奥さんは、
昔、昔の、小さな小さな、とるに足らぬような、夫婦間での不満を、今でも鮮明に覚えていて、
それをご主人に、愚痴るそうだ。

よくそんな昔のことをいつまでも覚えていて、しかも、まだ根に持っていて、・・・・と、ご主人は、驚かれる。
このお話、実に、わたしのケースと似ている。
わたしも、昔の、小さな出来事を、その場で解消できずに、不満を持ったまま、
30年近く、まだ心のなかに鬱積したまま抱え込んでいる。

その30年の間に、利子が利子をよび、高配当も加わり(ああ、株や、預貯金なら、とてもよかったのに・・・)
小さな不満は、むくむく大きく成長し、しかも、姿や性質も変わって、別の悪魔か、化け物に、変身している。

世の中には、似たような人もいるんだなあ・・・と、その奥さんの話を聞いて、感慨に耽った。

奥さん、大変だろうけれど、ご主人も大変。
どちらが悪いでもない、二人とも、大変。
これからのリタイア生活、老後を、お二人は嵐の中の、壊れた小船で、突き進むことができるのか?
嵐は止んでも、小船の底が破れ、水が徐々に入って、浸水、沈没の危機は付きまとう。

ひとごとなら、クールに、冷静に、両方、お気の毒、なんて言えるけれど、
自分のことなら、一方的に相手を責めるかも知れない。
だが、ウジウジと引きずっているのは、
その場で自己主張できなかった自分の非も大きいと、わたしは自覚しているが。
自分の蒔いた種。自業自得。


ジムでエアロバイクをこぎながらテレビを観ていると、昼メロが放映されていた。
ドロドロものだが、こういうドロドロはお昼には、受けがよろしいようで、
そのなかの、悲劇のヒロインが言っていたセリフ。

「わたしは、いつも笑い声のする、普通の暖かい家庭に育ちたかった」

へえ~。わたしは、思った。
笑い声がするのは、普通の家庭やったんや~。
現実は、そんな漫画か、昼メロみたいなことはありませんよ、ドラマの主人公のお嬢さんっ。
それを間違えてはいけません。

「わたしは、いつも笑い声のする、とても立派な、類まれな優秀な幸せな家庭に育ちたかった」
が、正解。

脚本家に、またまた、してやられてしまった。
アンチテーゼ。
うまい方法、というか、結構、安易な常套手段ではあるが。
ひっかかってしまった、平凡な視聴者の、わたし。

ここまで、ブログで引っ張って書くぐらい、こころに残ったのだから、あの脚本家の勝ち?
いえ、わたしが、単純で、いつも同じところで、脚本家の策略にまんまと、ひっかかっているだけだが。
いつまで経っても、学習能力なし。

まあ、それはそれとして・・・(ドラマの話は、おいといて)

世の中には、よく似た、一見、幸せな家庭があるんだなあ・・・というお話。
見た目は、幸せそのものでも、いろいろ抱えているわけです。

ああ、今日も幸せ。この幸せに感謝。
なんて(わたしも時々言ってますが)、
自分だけがジコチュー的に幸せで、自分ルールをゴリ押し通し、
自分以外の家族メンバーは、不幸せかも知れない。
家族の不幸せの上に、自分の幸せがあり、
家族の幸せの上に、自分の不幸せがある。

持ちつ持たれつ、お互い様。
家族は、互助会みたいなものですね。

どこの家にも、見方によって、いろいろ虹色にも、玉虫色にも見えるってことでしょう。
わたしは、家族にこころから尽くしている。
家族もそれを感謝して、ああ、なんてすばらしい家族。
こういうドラマ、視聴率は絶対稼げません。

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でも、わたし、NHKの朝ドラ「「おひさま」大好きです。
登場人物、全員が、イイひと、善人。頑張り屋さんで、感激屋さん。
毎朝、涙はらはら流しています。
目薬効果、絶大。