蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

七夕の、かなしい夜

2011-07-08 | 趣味

昨日は、七夕・社交ダンスパーティがあった。

通い始めて4ヶ月と少しの、レッスンが行われる、ホールで。
今回のダンスパーティは、そのホールが主催する、ダンスのお相手を探す趣旨のもの。
ぴったりのお相手が見つかれば、いっしょに練習したりして、
さらに発展を望むと、デモや競技大会に出たりするのだろう。
前々から、ホールの壁に貼ってあり、告知されていた。
オーナー・マダムも、アピールされていた。

そこのクラスメートに、ダンスがなかなか上達しないことを相談したら、
そのパーティに参加されてはいかが?と、アドバイスを受けていた。

ジムの日と重なるし、スケジュール上、結構、無理をしないといけない日時なので
どうしようかと迷っていた。

ジムに行く時間が過ぎ、もうジムには行けないんだから、パーティに行くしかない。

しかし、そんな、お相手(リーダー&パートナー)を探すような集まりには、
競技を目指すようなハイレベルの方ばかりではないかと、とても不安になった。
行きたくなくなった。
で、ホールに電話した。

「今日のパーティは、どんな方が来られるのですか?
わたしは、初心者ですが、場違いではありませんか?」

電話の向こうでは
「いえいえ、初心者の方で練習相手を探される方も来られますよ。
大丈夫ですから、来て下さい」

と、オーナー・マダムの、営業トークにまんまとひっかかり、
どんと背中を押されてしまった、わたし。

ひとりでも来場者が多ければいいのに決まってる。
「初心者の方はおられないので、居心地が悪いと思いますが、
それでもよければ、勇気を出して来て下さい」

なんて、言うはずがない。


で、自信もなく、渋々であったが、がんばって、行った。

なんのことはない。
マダムの嘘つき。
なにが、初心者も来られますよ、ですか。
もう~、あんな、嘘つき営業に引っかかるわたしも、わたし。

はじめは、一人ずつ、お誘いの声がかかって、踊る。(一本釣りみたいなもの)
男性は、自分が声をかけたものだから、
あんまり、すぐにダンスを中止するのも、よくないということで、とりあえずは、何曲かは踊る。
問題は、ずらりと男性・女性がそれぞれに列を作って(配給食糧をもらいに行くように)
ひとりずつ、ご対面~となり、踊る場面。
踊ると、列の一番うしろに、また並ぶ。
そうやって、いろんな人と踊る機会を設けてある。

わたしと踊った人たちは、明らかに、こいつ、ヘタ!!と感じたようだ。
感じるのは自由だが、大人なら、その胸のうちを相手に悟られないようにしていただきたい。
(→逆切れ)
明らかに、わたしの胸にグサグサくるような、はっきりとした態度。(悪い意味で)

そこでは、最初の人がいちばんマシで、一人一人、踊る度に、悪い方向に向かう。
(踊れば踊るほど、わたしのヘタさが、だんだん現れてくる)

一人の人と踊る場合は、ホールを一回りするのが、マナー。
なのに、4分の3しか回らなかったり、半分でやめたり。
ひどい人は、わたしがヘタで、足がもつれた途端、お辞儀をされて、はい、さようなら。
まだ、半分も踊ってないんですけど。
あなたは、試験官なの?

さすがに、それには、わたしは参り、椅子に置いていたわたしのバッグをがしっとつかみ、
早足で更衣室に駆け込んだ。

マダムの、「あら? お嬢ちゃん、もう帰るの? もっと、踊られたら?」
の声に、マダムの顔を見た。
真っ赤な口が耳まで裂けた、人喰い婆に一瞬、見えた。

「あんたみたいな、鼻ったれオコチャマが来るには20年早いよっ!!!」
「お嬢ちゃん」というコトバが、
耳から脳に伝達される際に、勝手にわたしのアタマで自動変換され、
ざわめきの渦に、こだまするような気がした。

「すみません、もう帰ります」
わたしは、苦い、ひきつった笑顔で応えた。

「フルーツポンチがもうすぐできるから、召し上がっていって」
というマダムの顔が、人喰い婆から、マダムに戻ったり、現実と悪夢を行ったり来たり。


女性の中には、他の教室の先生も混じっていた。
知らない女性でも、この人、先生なんじゃないかしら?と思われる人もいた。

わたしと踊ったときは、めちゃめちゃヘタで、リードがまるで伝わらない、
この男性、初心者か?と思った人がいたが、
その人が、めちゃめちゃ上手な女性と踊っていた。
女性が上手なだけやんっっ

中途半端な男性に限って、しょうもない態度に出る。
ほんとうにお上手な方は、あんなことしない。

なので、わたしは、あのホールにいると、バイ菌が移りそうで、
しなくてもいい余計な自信喪失をしそうで、
菌の繁殖で、傷が深まりそうで、

早足で、いや、駆け足で、その場をあとにした。

はやい話、負け犬、そのものだ。

七夕の夜は、カンペキ負け犬となり、お空の上の織姫さんと、彦星さんに、
遠くからもの哀しい遠吠えを、細~く、長~くした。

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