人間って、欲が深い。
自分でも、今は最高に幸せだと思っているのに、(あ、夫との戦闘状態、どうなった?)
なぜか、ぽっかり、こころに穴があくことがある。
祖母が人生の最終時期によく言っていた言葉。
「ああ、自分は幸せや。幸せすぎて、はやく死にたい」
NHK連ドラのカーネーションでも、ヒロインの祖母が、老いて「はよ、おまいりしたい」と言っていた。
死にたいことを、「おまいりしたい」、と言うのは、わたしの祖母と同じ表現だ。
祖母は天寿を全うし、大往生を遂げた。幸せな人生だと思う。
(おとなしく寡黙で辛抱強い、縁の下の力持ち。黙々と働く明治生まれの祖母。
幼い頃、わたしたち、きょうだいは、よくお世話してもらっていた。感謝、感謝)
凪(なぎ)状態は、こころが安定していて幸せなのだが、その幸せは長くは続かない。
幸せが飽和状態になり、麻痺してくると、退屈になり、生きがいを失い、
「ああ、はよ、おまいりしたい」になる。
虚しいなあ・・・
どんな多くの人に囲まれようが、栄誉に満ちあふれかえろうが、
(幸か不幸か、わたしには、無縁ですが)
とつぜん、自分と対決しなければいけない。
ああ、そういえば、アレをいただいた方に、お返しを返さなきゃ。
いつ、なにを? どこで買おう?
もうひとり、もらいっぱなしで、ほったらかしている人がいたっけ。
今週末の段取りは、えーーっと・・・
そんな先のことより、今日、持って行くものは・・・
あれこれ、考えたり、行動したり、ないアタマを使わないといけない。
ぼーーっとしていると、時間は、刻々と流れていく。
「幸せすぎて、はよ、おまいりする時期」は、まだまだ来そうもない。