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蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

迷い道、くらくら、うねうね

2012-04-25 | お出かけ

昨日、体育館のあるスポーツセンターに行った。
一度、そのセンターには人に連れて行ってもらったことがある。

今度は、別の人を連れて行く案内人として、わたしがナビゲーター役をした。

スポーツセンター近くまでは、覚えている。
でも、さらにぐっと近く、至近距離になると、記憶が曖昧になる。

えっと~・・・たしか、このあたりで、曲がったような・・・でも、次の筋だったかなあ・・・

自分だけならいいが、人を導くとなると、間違えてはいけないというプレッシャーが、のしかかる。

確実路線を取り、ぐるり大回り、スポーツセンタ周辺を約一周したところ、
お連れした人に、「えらく遠いんですねえ」と、素直な感想のなかに、げんなり疲労感漂うボディランゲージを読み取った。
弱ったなあ・・・と思いつつ、
目立たないものの、ちょこんと貼ってある「→スポーツセンター」の小さな標識を見つけ、
おお、間違ってはいなかった・・・と、ほっとした・・が、・・・・。

その一角にあるであろうセンターが、見つからない。
→矢印に沿って、ぐるぐる回る。
ぐるぐる、延々とぐるぐる、いつまでも、ぐるぐる、は、わたしの得意技だ。

だんだん、お連れさんが、わたしではラチがあかないと判断したようで、
通行人に「スポーツセンター、どこですか?」と聞き始めだした。

連れて行った人に聞かれては、わたしの沽券にかかわる(そんなもの、あるのか? Too small)
わたしも負けじと、広場に面して立っている建物から出てきた年配の男性に、尋ねた。
「スポーツセンター、どこですか?」(にっこり笑顔)
「さぁ~。知らんねえ」(浮かない顔)
と、おじさん。

近いはずなんだけどなあ・・・

次に広場のど真ん中にある駐輪場に、とめていた自転車を取りに来ている女性に聞いてみた。
自転車に乗り、地元の駐輪場を利用しているのだから、近隣・地元住民であることは、間違いない。
「スポーツセンター、どこですか?」(この人なら、絶対、知っている。自信満々)
彼女の反応は・・・
「さぁ~・・・知りませんねぇ・・・」

(なに? このおばさん、・・・
わたしが、知らないと答えているのに、「そんなはずないでしょ?」みたいな不満そうな顔して詰め寄ってきて)
彼女の顔に、そう書いてあった(ような気がした)。


え~、ふたりとも知らないとなると、お連れさんが尋ねていた人を含めて3人の人が、知らないと答えたわけだ。
そんな知名度の低い場所なのか。
行政の運営する、市民のためのセンターなのに、地元の人に、これほどまで浸透していないとは。
この認知度の低さ。
行政がPRを怠っているのか、地元住民の意識が低いのか、余裕がないのか。
(逆切れモードにスイッチが入る)

近隣の人でも知らないような場所に、遠くから来たわたしが、お連れさんを無事に案内、到達することができるだろうか。
なかば、がっかり、肩を落としたわたし。
彼女の、ここまで来た時間、労力、交通費、店で食べる時間を惜しんでコンビ二で買って準備した食品・お茶、
なによりも、自分だけならまだしも、
その日、彼女の後半のスケジュールを無駄にしてしまったとしたら、とても責任を感じる。

なにがなんでも、探さねば・・・と、やる気まんまんで、パリで迷子になったかのごとく、自主的にパワーがあふれ出た。
自転車の女性に聞いた直後、即座に、カラダの位置を90度回転し、目の前の建物を見た。
なんのさえぎるものもなく、ほんとうに、ほんとうに、目の前、まん前。

すると、その建物に掲げられている、「スポーツセンター」という表記が目に入った。

なんやっっ
目の前やんっっっ

それにしても、住民のみなさま、ながらく住んでおられ、目の前であろうが、なんであろうが、
興味のない建物、施設には、なんの関心もないのだ、ということのほうが、驚きだった。

3人もの人々、しかも、通りすがりではなく、確実に毎日、そこでなんらかの関わりのある人々が、
「知りません、そんな建物、施設なんて」と答える、その事実に、わたしは、のけぞりそうになった。

お連れさんを案内している、という役割より、そっちのほうが印象が強くて、
無事、スポーツセンターにたどり着いたものの、その喜びは、すでに薄れていた。

しかし、建物に入ったところ、入り口の雰囲気が、目指す会場とは違うようなかんじ、
案内にも、その日、催されるイベントの告知がされていないので、
あれれ? 間違えた? 会場自体を? 日にちを?
恐る恐る、見当をつけて建物内部を進んで行くと、閉ざされた会場の外側から、音楽が漏れ聞こえた。
ああ、やっぱり、ココだった・・・と、ほっとした。


これだけ、脳の回路に、しっかり焼き付けておけば、次回、来るときは、迷わずにたどり着けそうだ。
とりあえずは、有効期限3ヶ月ぐらいは、この道順の記憶、持ちそうだ。

 

 

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