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『僕が愛したすべての君へ』

2022年10月20日 | 映画(は行)
『僕が愛したすべての君へ』
監督:松本淳
声の出演:宮沢氷魚,橋本愛,蒔田彩珠,田村睦心,浜田賢二,園崎未恵,
     西村知道,平野文,水野美紀,余貴美子,西岡徳馬他
 
乙野四方字の小説2作をアニメ化して同時公開。
2作のうちどちらを先に観るかで、鑑賞後の感情が異なりますよという触れ込み。
 
私はこちらを先に観ました。109シネマズ大阪エキスポシティにて。
単に上映時間の都合ですが、こちらを先に観ると鑑賞後は「切ない」。
映画も本も「切なさ」が必須だと思っている私としては、
まぁこの鑑賞順のほうがいいかなと思って。
 
並行世界(=パラレルワールド)が存在し、人々がそこを往き来できることがわかった近未来が舞台。
人は生まれたときからいくつもの選択場面に出会い、その都度、自分で選択している
主人公の高崎暦が意識した初めての選択は、両親の離婚でどちらについていくかを迫られたとき。
 
母と暮らすことを選んだ暦は頭脳明晰。たいして勉強していないのに、成績は常にトップ。
あまりに勉強ができすぎるせいで皆から敬遠され、友だちはひとりもできず。
高校では友だちを作ろうと決意して、首席入学者が指名される総代スピーチを拒否。
2番目の成績で入学した瀧川和音が代わりにスピーチをすることに。
 
こうまでして友だちを作る所存でいたのに、相変わらず友だちはいないままだったある日、
話したこともなかった和音から突然声をかけられる。
なぜだか和音は暦に腹を立てている様子だが、どうも話が噛み合わない。
放課後に呼び出されてカラオケボックスに出向くと、
和音は自分が85番目の並行世界からやってきたと言い出す。
彼女がいた世界では、暦と和音は恋人同士らしく……。
 
そもそもSFは頭がこんがらがって苦手です。
本作を観る前は「もしもこっちの選択をしていたら」というだけの話だと思っていたので、
『スライディング・ドア』(1997)みたいな話かと思っていました。
そうしたら、バリバリのSFではないですか。
 
85番目の並行世界ということは、85回選択したということなんですね。
回数が増えれば増えるほど、ゼロの自分とは違う人生になっている。
 
両親のどちらかを選んだら、祖父が可愛がっていた犬が死んだ。
犬に死んでほしくなくて、違うほうを選んだら今度は祖父が死んだ。
祖父の言うとおり、死んだらもとには戻せない、それがすべて。
 
居眠りするとワケわからなくなっちゃいますからね、
何が起きているのかしっかり観ましょう。
 
どの世界にも君がいる。
100通りの僕がいたとして、100通りの君を愛す。

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