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『君を愛したひとりの僕へ』

2022年10月21日 | 映画(か行)
『君を愛したひとりの僕へ』
監督:カサヰケンイチ
声の出演:宮沢氷魚,橋本愛,蒔田彩珠,田村睦心,浜田賢二,園崎未恵,
     西村知道,平野文,水野美紀,余貴美子,西岡徳馬他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、『僕が愛したすべての君へ』の30分後。
観はじめて数分後には、私はこの順序で観てよかったと思いました。
 
登場人物は全員同じ。
しかし『僕愛』では暦と和音の物語となっていましたが、
『君愛』は、『僕愛』では謎だった「交差点の幽霊」と暦の物語と言えましょう。
 
両親が離婚することになり、『僕愛』では母親についていくことを選んだ暦は、
この『君愛』では父親についていくことを選びます。
姓も『僕愛』の高崎ではなくて、日高。
 
父親が勤務しているのは虚質科学研究所で、まさに並行世界の研究所。
暦は研究所長を務める女性の娘・佐藤栞という少女と出会う。
やがて恋心が芽生えたふたりは、いずれ結婚する相手だとお互いのことを想うように。
 
ところがある日、暦の父親と栞の母親が再婚すると言い出す。
兄妹になったら結婚できないと勘違いしたふたりは、駆け落ち同然に家を飛び出すのだが……。
 
ネタバレになりますが、『君愛』にももちろん和音が登場します。
ただ、こちらでは和音はあくまで暦の協力者。
事故に遭って亡くなった栞は「交差点の幽霊」になってしまった。
栞をそこから救い出すには、栞を「暦とは絶対に会わない並行世界」に連れて行かねばなりません。
暦を追って虚質科学研究所に就職した和音は、それに手を貸すことになります。
 
大好きだった人を、絶対に自分とは会わない世界に連れて行く。
そんなことをしたら、好きだった記憶も何もかも消えてしまう。
それでも、彼女が死んでしまうよりは、自分を忘れて幸せに生きてくれるほうがいい。
 
『君愛』を観終わるときには『僕愛』のエンディングを思い出し、切なさに包まれる。
 
さて、どっちの順序で観ますか。

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