夜な夜なシネマ

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2013年12月24日 | 映画(さ行)
《さ》
『最高の人生のはじめ方』(原題:The Magic of Belle Isle)
監督ロブ・ライナー、主演モーガン・フリーマンながら、日本では未公開。
どうりで二番煎じのような凡庸な邦題ですが、原題は“The Magic of Belle Isle”。
著名な西部劇作家のモンテは、妻を亡くして以来、書く気なし。
そんな彼になんとか意欲を取り戻させるべく、
甥っ子はなかば強引に彼を避暑地“ベルアイル”へと連れて行く。
隣家には夫と別居中のシャーロットと3人の娘、ウィロー、フィン、フローラ。
気むずかしそうなモンテが作家だと知り、
次女のフィンは「想像力」を身につける授業をしてほしいと言い出し……。
オッサンの妄想、いや、ジジイの妄想が入っていますが、
このくらいのラブシーンならまぁ許容範囲かと。
ふれあいがあったかい、ちょっといいお話でした。

《し》
『思秋期』(原題:Tyrannosaur)
2010年のイギリス作品。
『ボーン・アルティメイタム』(2007)や『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(2007)などにも出演していた、
俳優のパディ・コンシダインの長編監督デビュー作。
妻に先立たれた失業中の中年男ジョセフは、衝動的な怒りを抑えられない。
酒を飲んでは大暴れ、自暴自棄な毎日を送る。
ある日、やはり大暴れした後に飛び込んだのがチャリティショップ。
経営者とおぼしき女性ハンナは、ジョセフのために祈ってくれると言う。
神の存在など信じないジョセフだったが、ハンナと過ごすうちに心がほぐれて……。
怒ってばかりの酒浸り男と、夫からのDVに遭っている女と。
これに近所のシングルマザー、そのヒモのようなバカ男。
かなりしんどくてツライ話ですが、ラストには希望の光。
原題は“Tyrannosaur(=ティラノサウルス)”なんですけど、
この邦題で同年代の人なら、思い出すのはやっぱり岩崎宏美ですよね?

《す》
『ストーム・インパクト』(原題:Stonados)
アメリカのTVM(テレビ放映用の映画)。
マサチューセッツ州のプリマスは、イギリスの清教徒たちの最初の入植地。
その記念公園近くで水上竜巻が起こり、展示されていたプリマスストーンと、
ツアーガイドの女性が竜巻に呑み込まれてしまう。
それから30分後、数十キロ離れた同州のケンブリッジに石が落下。
理科教師火山学の第一人者ジョーは、妹で警察官のマディの依頼で現場へ。
そこへやってきたのがジョーの旧友である気象予報士リー。
かつては一緒に気象研究を重ねたがなんとなく疎遠になっていた2人。
リーはまた共に研究しようじゃないかと言う。
そうこうしているうちに、今度は同州のボストンを水上竜巻が襲う。
岩を伴った竜巻は、そのうち上陸するのではとジョーとリーは予測。
海上局に危険を報せに行くが、証拠がなければ警報は発令できないと言われ……。
台詞と台詞の間(ま)が悪いですが、妻を亡くして年頃の娘と息子を育てることに苦闘する父親がいい感じ。
海上局の女性幹部まであっという間に岩に直撃されてご臨終というのはアンマリだ~。

《せ》
『セブン・デイズ・イン・ハバナ』(原題:7 Dias en La Habana)
フランス/スペインのオムニバス作品。
これが監督デビューとなるベニチオ・デル・トロを含む世界各国の映画監督7人が、
キューバの首都ハバナを舞台に、月曜から日曜日までの各1日を描いています。
『ユマ/月曜日』、『ジャムセッション/火曜日』、『セシリアの誘惑/水曜日』、
『初心者の日記/木曜日』、『儀式/金曜日』、『甘くて苦い/土曜日』、『泉/日曜日』。
どれも20分を切る程度の長さで、中には苦手な作品やワケのわからない作品も。
私が特に好きだったのは「火曜日」で、主演はエミール・クストリッツァ
ユーゴスラビアの名監督でありながら、本作ではメガホンを取らず、本人役で出演。
ぐでんぐでんに酔っぱらって映画祭の授賞式に出席する姿はあながち芝居でもないのか。
監督が異なるにもかかわらず、「水曜日」と「土曜日」に繋がりがあるのもおもしろいところ。

《そ》
『ソハの地下水道』(原題:W Ciemności)
2011年のドイツ/ポーランド作品。
「ソハ」とは地名かと思っていたら、主人公の名前でした。
1943年のナチス占領下のポーランド。
下水修理屋のソハは、若い相棒と共に、時には空き巣などをしながら暮らしている。
ある日、ナチスの迫害を恐れて地下水道に逃げ込んだユダヤ人と遭遇。
ナチスに突き出されたくなければ金を渡せとソハは要求。
地下水道を知り尽くしているソハは、彼らに隠れ場所を指示、食糧も調達する。
終戦後にイスラエルから表彰された実在の人物だそうですが、
最初から善人だったわけではありません。むしろ嫌な男。
良心に従って行動しようということ。それを思い起こさせる作品でした。

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