夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈た行〉

2013年12月25日 | 映画(た行)
《た》
『ダーケストアワー 消滅』(原題:The Darkest Hour)
2011年のアメリカ作品。
『イントゥ・ザ・ワイルド』(2007)がとてもよかったエミール・ハーシュ。
B級の香りがする本作に主演とのことで気になっていたものの、
シネマート心斎橋で観逃して、DVDにて鑑賞。
自作のソフトウェアを売り込みにモスクワへやってきたショーンとベン。
これで大儲けするはずが、機会を設けてくれたはずのスカイラーに
まんまとオイシイとこ取りされてガクッ。
ヤケクソ気味でナイトクラブへ、アメリカ人女性のナタリーとアンと知り合う。
ところが、突然の停電後、透明のエイリアンが地球侵略を開始する。
ナイトクラブに居合わせたスカイラーを含む5人は、
生き残りと人類存亡を賭けた戦いに身を投じることになるのだが……。
エイリアンの進入を封じる要塞を発明したオッサンは、
焦ったアンによって死に追いやられ、
残った3人(スカイラーは早々に死亡)を助けた軍人は、
「そりゃここまで助けてもらったけれども、
最後まで助けないなら助けたことにはならない」とショーンから言われる始末。
とってもB級、DVDで十分な1本でした。
エミール・ハーシュもロマン・デュリスみたいに、こきたなくなってもたなぁ。

《ち》
『チョコレート・ガール バッド・アス!!』(英題:This Girl Is Bad Ass!!)
2011年のタイ作品。
叔父と二人暮らしの少女ジャッカレンは、華麗な運転テクを持つバイク・メッセンジャー
報酬次第でどんな危険なブツの配送も引き受けるのがウリ。
ところがある日、消え失せたすべてのブツを1週間以内に回収せよと
ギャングのボスであるピアックから言い渡される。
メッセンジャー仲間のネーウの協力を得て回収に乗り出すジャッカレンだったが……。
クリーニング屋の色っぽい未亡人に恋をするワン、
ワンの旧友でハクション大魔王風のヒゲならぬ眉が自慢、奇天烈な格好のルン、
ジャッカレンに片想い中の幼なじみでブサメンのドゥアン、この3人がワラける。
まったく理解不能なギャグも多数ですが、アクションは楽し。
主演のジージャー・ヤーニンって、井上真央と池脇千鶴を足して3ぐらいで割った感じ……
てなことありません?

《つ》
『次の朝は他人』(英題:The Day He Arrives)
2011年の韓国作品。
映画監督のソンジュンは、先輩のヨンホに会うためにソウルへ。
ところがヨンホがなかなかつかまらず、
駄目だとわかっていながら元カノのキョンジンを訪ねてしまう。
思いのほかいい感じで迎えられるが、もう会わないと決意。
その後ようやく会えたヨンホとともに、ヨンホの馴染みのバーへ。
そのバーの女性オーナーがキョンジンにあまりにも似ていて……。
今年は同監督の『よく知りもしないくせに』(2009)と『ハハハ』(2010)もDVD化され、
すべて観ましたが、どれもモノクロ、ちょっとレトロな雰囲気。
バーや食堂の名前が“小説”だったり“多情”だったりして興味深い。
淡々と交わされる会話を含め、独特の面白さはありますが、
ともすれば睡魔に襲われてしまう作品です。この3本でもうええかな。

《て》
『テイク・ディス・ワルツ』(原題:Take This Waltz)
2011年のカナダ作品。サラ・ポーリーの監督2作目。
チキンの料理研究家で本を執筆中のルーと、その妻でフリーライターのマーゴ。
優しく愉快なルーに守られて幸せに見えるが、
マーゴの心にはいつも漠然とした不安や物足りなさがある。
ある日、マーゴは取材先で青年ダニエルと知り合い、激しく惹かれてしまう。
偶然にも彼は彼女の斜向かいの住人であることが判明し、
マーゴは感情を抑えきれなくなるのだが……。
「不安になることが怖い」というマーゴの気持ちはなんとなくわかりますが、
全体に漂う洒落たイメージのみが残り、心には響きませんでした。
ただ、ルー役のセス・ローゲンが『50/50 フィフティ・フィフティ』(2011)に続いて泣かせます。
マーゴのシャワー使用中、毎回いきなり水が出ることがあり、
マーゴはシャワーの故障で修理が必要だとルーに叫びます。
彼女がダニエルのもとへ行く決意をした日、
ルーは毎回シャワーカーテンの上から水をかけていたことを明かします。
「80歳になったら話すつもりだった。君が笑ってくれると思って。気の長い冗談さ」。

《と》
『トールマン』(原題:The Tallman)
アメリカ/カナダ/フランスの作品。
監督はホラーファンの期待を集めるフランス出身の新鋭ですが、
ミステリー色が濃くて、ホラー苦手な私でもOK。
ワシントン州の炭鉱町コールド・ロックは、鉱山の閉鎖によりすっかり寂れている。
この町で、幼い子どもばかりが忽然と姿を消す事件が発生。
住民たちは犯人とおぼしき背の高い男を“トールマン”と呼んで怯える。
看護師のジュリアは、医師だった夫を失ってからも住民の面倒を見つづけていたが、
ある日、ジュリアの息子デヴィッドがトールマンに連れ去られ……。
さて、ここから完全ネタバレです。
誘拐の犯人は実はジュリアで、先行き真っ暗の町に生まれた子どもたちの将来を悲観し、
貧困に喘ぐことなく恵まれた人生を歩めるようにと考えてのことでした。
死んだと思われていた夫も本当は生きていて、夫こそがトールマン。
で、どうなるかと言うと、逮捕されたジュリアはその事実を黙秘し、
トールマンはまた別の不幸な町と協力者を求めて旅立つ(推測)……てな感じ。
結構おもしろかったですが、ちょっと反則気味ではないかと。

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