雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

戦略的互恵関係

2024-11-16 18:22:33 | 日々これ好日

     『 戦略的互恵関係 』

   APEC(アジア太平洋経済協力会議)に出席中の
   石破首相
   短時間ではあるが 幾つもの首脳外交を行っているようだ
   中国の習近平との会談では 「戦略的互恵関係」の推進などを
   確認し合ったとか
   会談出来たことは良かったし 関係良化の一歩であって欲しいが
   この「戦略的互恵関係」という言葉は 「こんにとは」と
   同程度の意味だと 感じてしまうのだが・・
   同国との関係は 極めて微妙で難しいようだが
   大国であり 永久に近隣関係にあるのだから
   親密になれないまでも 公平で平安な関係を築きたいと願う

                   ☆☆☆  

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敦良親王の誕生 ・ 望月の宴 ( 125 )

2024-11-16 08:07:24 | 望月の宴 ④

     『 敦良親王の誕生 ・ 望月の宴 ( 125 ) 』


こうしているうちに、中宮(彰子)のご懐妊のご様子は、御修法(ミズホウ)や御読経、様々な御祈祷、それほどでもない事なども、前回の例にならって、御指図なさったが、十一月二十五日になって産気づかれて、たいそう苦しげそうである。
例の聞きづらいほどの御祈祷など様々な声などが部屋中に満ちている。されど、御物の怪などの何の気配もない。
そうした事は安心していらっしゃれるのも、限りなくお尽くしになった御祈祷の効験であろう。たいそう平らかに、ほどなくして御子(敦良親王)がお生まれになった。

それからも、何よりも後産の御事がどうなるかと大騒ぎなさったが、それもほどなくお済みになった。まことにめでたいことだと思われてお喜びであるが、それも前に劣らぬ男御子の御誕生なので、殿の御前(道長)をはじめとして、これほどの慶事はあまりにも信じられなく、空言かとまでお思いになるほどであった。
帝におかれてもお耳になさって、早速に御剣(ミハカシ)を賜った。
すべて何事も、もっぱら前回の例を一つとして違うことなく引き合いになさる。女房の白装束などは、この度は冬なので、浮文・固文・織物・唐綾など、すべて言いようもなく立派である。この度は袴さえも白くしたので、こうあるべきだとばかりに、白妙の鶴の毛衣のようにめでたく、新宮の千歳のご寿命も推し量られる。

御湯殿の儀の有様などは、先の若宮(敦成親王)の時で分るはずなので、書き続けることはしない。
御文博士(読書博士。漢籍のめでたい一節を読む。)も同じ人(蔵人弁藤原広業)が参上した。すべてが全くすばらしく、何とも申し上げようがないほどである。
三日、五日、七日の御産養(ウブヤイナイ)などの御作法は、むしろ前回よりも盛大のように見受けられた。
この度は、行事にも慣れて、簡略になさることもなかった。

さて、帥殿(ソチドノ・伊周)は、このところしきりに水をお飲みになり、御食事などもどうされたのかと思うほどお召し上がりにならなくなり、とても以前の人のようではなくなり、お痩せになってしまわれた。
ご気分もたいそう苦しくお悩みのようである。ずっと、御斎(トキ・身を慎んで、勤行に励む生活を送っていた時のことを指す。)にてお過ごしの時は、たいそう太っていらっしゃったのが、いまは俗人の生活をなさっているのに、このようにお痩せになられたのをどうしたことかと、心細く思わざるをえないが、松君の少将(伊周の嫡男道雅。従四位下右近衛少将、十八歳。)のことが、万事につけ誰よりもご心配なさっているが、これからどうなるものかと、哀れに胸の詰まる思いで嘆かれているのも、まことに無理ならぬ事で、昔と違ってまるで変わり果てた中関白家の没落を、やるせなくお思いになるのも、まことにそうであろうとお見受けする。

帝におかれては、若宮(敦成親王)を恋しく思われるにつけても、今宮(敦良親王)をご覧になりたいお気持ちにつけても、「やはり、早々に宮中に参られよ」とばかり、中宮(彰子)にお申し入れなさる。

     ☆   ☆   ☆

 

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