雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

佐々木朗希選手は何処へ

2024-11-30 18:37:15 | 日々これ好日

     『 佐々木朗希選手は何処へ 』

    佐々木朗希選手の 移籍先が注目されているが
    ドジャースとの密約説が 報じられている
    真偽のほどは分らないが まだ若い選手だけに
    明快な形で メジャー移籍を果して欲しい
    その才能は 多くの専門家が認めるところだが
    凄い選手は 大谷翔平選手だけでなく
    きら星の如くいるはずだし スケジュールは厳しい
    謙虚に 数年かけて飛躍出来るチームに
    入団出来ることを 祈りたい

                  ☆☆☆
     

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歴史を変えた沓の行方 ・ 今昔の人々

2024-11-30 10:34:38 | 今昔の人々

     『 歴史を変えた沓の行方 ・ 今昔の人々 』


その出会いは、蹴鞠の場であった。
中大兄皇子(ナカノオオエノオウジ)は、鞠を蹴り損じ沓(クツ)が脱げてしまった。すると、そばにいた蘇我入鹿(ソガノイルカ)は、その沓を外に蹴り出してしまったのある。
まだ若い皇子は、蹴り損ねたうえ沓を蹴り出されてしまったので、顔を赤らめてぼう然と立ち尽くしていた。
その時、その場にいた中臣鎌子(ナカトミノカマコ・のちの藤原鎌足)は、その沓を拾って皇子のもとにお持ちした。皇子は、恥を重ねることなくその場を収め、鎌子に厚い信頼を寄せることになったのである。

その後、皇子は鎌子を折りに付けお召しになって引き立てられたが、鎌子もそれに応えて十分な働きを見せた。
ある時、皇子は鎌子に重大な決意を明かした。
「入鹿は、常日頃無礼を働く。天皇の仰せ事に反する行いもある。この世に入鹿があれば、世のために良くない」と暗殺を持ちかけたのある。
二人は策を立て、仲間と機会を慎重に待った。

そして、大極殿で節会が行われる時、「入鹿を討つのは今日だ」と手立てを固め、謀をもって入鹿の剣を預かり、天皇の御前で、ある皇子が上表文を読み始めたので、その隙を突いて、鎌子は自ら太刀を抜いて走り寄り、入鹿の肩に切りつけた。入鹿が走って逃げようとするのを、中大兄皇子が大刀を取って、入鹿の首を打ち落とした。
すると、その首は飛び上がって、高御座(タカミクラ)の前に参り、「私には何の罪もありません。何事によって殺されるのですか」と申し上げた。
天皇はこの企てを前もって知らされておらず、女帝でもあられるので、恐れられ、高御座の戸を閉じられたので、首は戸に当たって落ちた。

これが、世に知られた乙巳の変(イッシノヘン・大化の改新)の始まりである。
中大兄皇子は二十歳、中臣鎌子が三十二歳の頃の事であった。これによって、天皇家中心の政治が行われ、中臣鎌子に始まる、後の藤原氏台頭の切っ掛けとなった事件でもあったのである。
それにしても、中大兄皇子の脱げた沓を入鹿が蹴飛ばしたりしなければ、このような事件は起きなかったかもしれない。また、その沓が鎌子がいた辺りに飛んで行かなければ、二人の深い主従関係は生れなかったかもしれない。
沓が飛んで行ったのは、たまたまのことなのか。それとも、何らかの意志が働いたのであろうか・・・。

     ☆   ☆   ☆
( 「今昔物語 巻二十二の第一話」を参考にしました。)


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「今昔の人々」 ご案内

2024-11-30 10:32:56 | 今昔の人々

    『 今昔の人々 』 ご案内 


『今昔物語』は、平安時代後期のわが国最大の説話集です。
正確な作者名は不詳ですし、成立年度も同様ですが、収録されている作品から、1120 年から間もない頃に成立したのではないかと推定されます。もっとも、その時に一度に完成したのではなく、数度にわたって完成させていったものと考えられています。

その内容は、天竺・震旦・日本の仏教に関連するものを中心に幅広い伝承や民話や歴史上の事件なども加わっています。多くは、経典をはじめ様々な文献から引用されたものに手を加えた物のようですが、出典が不明な物も少なくありません。
そのボリュームは膨大で、全31巻(うち3巻は欠けている)で、物語の数としては1000話を相当超えています。
当ブログでは、『今昔物語拾い読み』というカテゴリーで、10年近くかかって読み終えたばかりです。

今回、新たに『 今昔の人々 』というカテゴリを開設しましたのは、その膨大な作品の中から、個人的に興味を惹かれた作品をお借りして、その中の登場人物に焦点を当てる形で「小さな作品」を作ってみたいと考えたからです。
この作品集は、若干視点を変えるだけで、「今昔物語」そのものを借用する物になりますが、本来の趣旨を歪めたり、作品その物を傷つけてしまう可能性があることも懸念しております。また、今昔物語の中には、歴史的事実と相違したり、誤訳と思われる部分もありますが、そういう部分も、原則としてそのまま使わせていただくつもりです。
おそらく、学術的には何の意味も無いでしょうが、単なる読み物として、また、今昔物語そのものに興味をお持ちいただく切っ掛けになればと考えております。

拙い作品集になる恐さを感じておりますが、気楽にお楽しみいただければ幸甚です。

         ☆   ☆   ☆

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