アメリカがシリアのアサド政権に対して軍事攻撃に踏み切りました。
地中海に展開していた米軍の駆逐艦二隻から、ミサイル(トマホーク)59発を発射して、アサド政権軍の空軍基地を攻撃したというものです。米軍は、IS(過激派組織イスラム国)に対する空爆は行っていますが、シリア内戦開始以来、アサド政権軍への攻撃は初めての事です。
新聞などの報道によりますと、この攻撃は、アサド政権軍が反政府軍に対する空爆で化学兵器を用いたというものに対する反撃で、空爆に参加していた飛行機の基地を狙い撃ちしたものです。
今回の突然にみえる米軍のミサイル攻撃は、化学兵器と思われる症状で多くの死者や負傷者が出たと報道されて以後のトランプ米大統領の発言を聞いていると、シリアに対する考え方がこれまでとは変わったらしいことが窺え、何らかの介入が予想出来たような気もします。
しかし、それにしても、中国との首脳会談の真っ最中でのミサイル発射は、大変な驚きでした。
知らされた中国の国家主席は、さすがにその場で米大統領を激しく非難することはしなかったようですが、アサド政権はもちろん、全面的に支援しているロシアは国際法違反だと激しい非難を開始しました。
緊急に開かれた国連の安全保障理事会においても、米ロは激しく対立し、メンバーである15か国のうち、アメリカの軍事行動に理解を示したのは5か国と報じられていて、アメリカとても無条件で正義の味方とはなれない感じです。
今回の米軍攻撃の端緒となったものは、化学兵器が使用されたということのようです。アサド政権は使用を認めていませんし、ロシアもその根拠は明らかでないと主張していますが、どの軍隊が使用したのか、あるいは保有していたのかはともかく、この地域において再三化学兵器が用いられたらしい被害は報告されています。化学兵器の使用は条約によって禁止されているそうですが、約束事の無力さを痛感されるばかりです。
今回の軍事行動に反対する国は、国連憲章に反すると主張しているようですが、そもそも、国連憲章に反することなど多くの国がこれまでに数えきれないほど行ってきていますし、特に常任理事国が当事者の場合は、結局はやりたい放題という感じもしてしまうのです。
アメリカの今回の軍事行動については、化学兵器使用に対する報復とされていますが、それは一面の事であって、その裏には多くの思惑もあることでしょう。幾つかの国に対する警告といった意味もあるかもしれませんし、国内、国外における政治的思惑もあるのかもしれません。
ただ、今回の米軍のアサド政権軍に対するミサイル発射は、我が国に対する影響も小さくないことを真剣に考える必要があるように思うのです。
つまり、今回の軍事行動は、直接・間接に北朝鮮政権に対してプレッシャーを与えることになるでしょうし、大統領不在の韓国政権の状況も加えて考えれば、米軍の行動を中東での出来事などと評論している時ではないような気がするのです。
訳の分からないような学校設立に伴うゴタゴタや、情けなくなるような某大臣の発言も腹立たしい限りですが、海に囲まれているからわが国は安全だと考えているような私たちも、もう少し真剣に国家の安全について考える必要があると思うのです。
( 2017.04.10 )
地中海に展開していた米軍の駆逐艦二隻から、ミサイル(トマホーク)59発を発射して、アサド政権軍の空軍基地を攻撃したというものです。米軍は、IS(過激派組織イスラム国)に対する空爆は行っていますが、シリア内戦開始以来、アサド政権軍への攻撃は初めての事です。
新聞などの報道によりますと、この攻撃は、アサド政権軍が反政府軍に対する空爆で化学兵器を用いたというものに対する反撃で、空爆に参加していた飛行機の基地を狙い撃ちしたものです。
今回の突然にみえる米軍のミサイル攻撃は、化学兵器と思われる症状で多くの死者や負傷者が出たと報道されて以後のトランプ米大統領の発言を聞いていると、シリアに対する考え方がこれまでとは変わったらしいことが窺え、何らかの介入が予想出来たような気もします。
しかし、それにしても、中国との首脳会談の真っ最中でのミサイル発射は、大変な驚きでした。
知らされた中国の国家主席は、さすがにその場で米大統領を激しく非難することはしなかったようですが、アサド政権はもちろん、全面的に支援しているロシアは国際法違反だと激しい非難を開始しました。
緊急に開かれた国連の安全保障理事会においても、米ロは激しく対立し、メンバーである15か国のうち、アメリカの軍事行動に理解を示したのは5か国と報じられていて、アメリカとても無条件で正義の味方とはなれない感じです。
今回の米軍攻撃の端緒となったものは、化学兵器が使用されたということのようです。アサド政権は使用を認めていませんし、ロシアもその根拠は明らかでないと主張していますが、どの軍隊が使用したのか、あるいは保有していたのかはともかく、この地域において再三化学兵器が用いられたらしい被害は報告されています。化学兵器の使用は条約によって禁止されているそうですが、約束事の無力さを痛感されるばかりです。
今回の軍事行動に反対する国は、国連憲章に反すると主張しているようですが、そもそも、国連憲章に反することなど多くの国がこれまでに数えきれないほど行ってきていますし、特に常任理事国が当事者の場合は、結局はやりたい放題という感じもしてしまうのです。
アメリカの今回の軍事行動については、化学兵器使用に対する報復とされていますが、それは一面の事であって、その裏には多くの思惑もあることでしょう。幾つかの国に対する警告といった意味もあるかもしれませんし、国内、国外における政治的思惑もあるのかもしれません。
ただ、今回の米軍のアサド政権軍に対するミサイル発射は、我が国に対する影響も小さくないことを真剣に考える必要があるように思うのです。
つまり、今回の軍事行動は、直接・間接に北朝鮮政権に対してプレッシャーを与えることになるでしょうし、大統領不在の韓国政権の状況も加えて考えれば、米軍の行動を中東での出来事などと評論している時ではないような気がするのです。
訳の分からないような学校設立に伴うゴタゴタや、情けなくなるような某大臣の発言も腹立たしい限りですが、海に囲まれているからわが国は安全だと考えているような私たちも、もう少し真剣に国家の安全について考える必要があると思うのです。
( 2017.04.10 )
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