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水の事故は静かに起きる(ニューズウィーク日本版の記事から)

2013-08-11 16:36:43 | 時事

            
 関東以西では、8月に入ってこのところ35度以上の猛暑が続いている。夏休みでもありプールや海は、家族連れやグループで水と戯れる人たちで一杯だ。そして必ず夕方のニュースで報じられるのは、水死者のことだ。水で溺れた人々だ。

 ニューズウィークの記事は「たいていの場合、人が溺れるときは静かなものだ。テレビや映画で見るような大声で助けを求めたり、誰かに手を振ったり、派手にバシャバシャと音を立てることはめったにない。
静かに溺れる5つの理由
 人間は溺れかけると、窒息しないように「本能的な水溺反応」と呼ばれる行動を取る。これを最初に提言したフランセスコ・A・ピア博士は、米沿岸警備隊の機関誌オン・シーンで次のように説明している。

1)ごくまれな場合を除き、溺れかけている人は助けを呼ぶことができない。呼吸器官は呼吸を最優先するようにできており、発声は二次的機能にすぎない。従って満足に呼吸ができないなら声は出せない。

2)溺れかけている人は、顔が水の上に出たり沈んだりを繰り返す。顔が水から出ている短い時間は、息を吐き、酸素を吸い込むのに精いっぱいで、声を出す前にまた沈んでしまう。

3)溺れかけている人は手を振って助けを求めることができない。人間は溺れかけると、本能的に両腕を水平に広げて水をかき、体のバランスを取ろうとする。そうすることで顔を水の上に出し、呼吸しようとするからだ。

4)溺れかけている人は自分で腕の動きをコントロールできない。水中でもがいている人がその動きを自分の意思でストップして、手を振ったり救援者のほうに移動したりするのは生理学的に不可能だ。

5)本能的な水溺反応を示している間、その人の体は水中で垂直の姿勢のままで、足は効果的なキックができない。このため溺れ始めてから20秒〜1分で体は水中に沈み始める。
 子供を海やプールに連れて行く親には、もっと分かりやすい方法がある。水遊びをしている子供はキャッキャと声を上げるもの。静かになったら要注意だ。面倒がらずに子供の近くに行って理由を確かめよう」

 実際のところ大人の溺死者は、たいていアルコールを飲んでいるか、遊泳禁止区域に入っているかだろう。
 わたしも若い頃ビールを飲んで泳いだことがある。波打ち際に上がると同時に顔面蒼白となり激しい嘔吐を繰り返した。アルコールを飲んで泳ぐのはもってのほかだ。恥ずかしい経験だった。

 ということは、大人の場合は溺死を避けることが出来るわけで、アルコール以外にも睡眠不足とか、風邪が抜け切っていないとか、体調が思わしくないなどの状態では泳ぐのは控えた方がいいだろう。

 特にカップルは、要注意だ。女性の前では、男は格好つけたがるからね。子供の場合は、親が目を離さないことに尽きる。楽しい思い出だけを持ち帰りたいものだ。