なんと言っても「イレーヌ」の実物が拝める。 E. G. Bührle Collection ( http://www.buehrle.ch/index.php?lang=en )が所蔵とは知らなかった。この絵は高校時代から知っていて一度は本物を思っていた。外国出展にしては珍しくコーティングガラスの向こうで(ライトの反射があった)あったが、意外に厚塗だった。また、手の薄い絵の具の重ね塗りがほんわり見事だ。(対比的技法は凄い)この絵は、背景の緑と手前にある金髪の波打ちとの対比のなか、白磁の顔(かんばせ)がある。職人ルノアールの腕の見せ所だ。<o:p></o:p>
後期のパステルデッサンの「勝利の女神」(個人蔵)が良かった。白・センナー・バーントセンナーの3色で力強い。全体に体系は洋梨型だが、輝きには白が、陰にはバーント・センナーが使われ内から満ち溢れる力がある。<o:p></o:p>
「レース帽子の少女」(ポーラ美術館)など、久々に見ると驚くほどの白の厚塗りがある。色の反射を考えた技法であるが、特徴である薄塗り重ねも多い。やはり後期は緑と赤の対比があり力強く好きだ。<o:p></o:p>
ルノアールの特徴として企画展示でビリジアン(Viridian)とコバルトグリーンの分析が興味深い。特にビリジアンは好きな色だ。水彩でW&Nでは、濃いと緑だが、薄めると青に見える。深い湖のような色だ。ルノアールでも肌の補色や木々の表現に多い。<o:p></o:p>
国立国際美術館の建築は立派だが、施設機能はロッカー・トイレなど分りにくいし、梅田から歩くと遠くて足が短くなるような気がする。また、テーマ別展示なのも目新いが、個人的には年代順が好きだ。後期の作品が少なかったのは残念。ボストン、シカゴなどの美術館からの絵が懐かしかった。<o:p></o:p>
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イレーヌは良かったがなんとなく物足りなかった。<o:p></o:p>
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