JR京都伊勢丹は大阪と同じくJRと伊勢丹の共同だが、売上956億円(店舗面積1.3万坪 坪効率61万円/月/坪)(以下同様)であり、地下の食料品と土産で稼いでおり成功事例だ。ここは奇抜な設計で段々の店舗だが、駅前立地を生かし、しかも周りにデパートがなく、お土産需要を捉えたのが成功の要因だ。<o:p></o:p>
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今回、JR大阪三越伊勢丹が6割減床するとあり、世の中では失敗と烙印を押されているが考察してみる。下記の3つの要因であり、ターゲット、企画、立地に課題が明確だ<o:p></o:p>
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①三越にこだわった<o:p></o:p>
堺筋にあった三越の名前と50~60代をターゲットに落ちついた店舗と平場(企画展示、ブランド切り分けと対極の伊勢丹得意の手法)が「地味」で裏目にでた。若向きはルクアで補完し相乗効果を期待したのだろうが二極化を生んだのみだ<o:p></o:p>
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②ルクアと同じビルを分け合う<o:p></o:p>
デパートとして1.5万坪は大丸、阪神に見劣りがする規模、ルクアも入れて2.1万坪で構成すると競争力があった。今の大きさは中途半端であり商業企画が問題<o:p></o:p>
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③ルクアが阪急側で人通りが多い<o:p></o:p>
地下・デッキの入口も分かり難く、阪急梅田駅、地下鉄梅田駅、JR大阪駅コンコースの動線からも外れている。設計時点から三越伊勢丹は立地が不利だ<o:p></o:p>
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その上、梅田は新宿を2割超えるデパート集積地だ。坪効率で考えると阪急うめだのみが平均的水準を超えるが、大丸梅田などはその半分もいっていない。さらにその半分くらいの水準が三越伊勢丹だ。大丸梅田も増築したが、各階は専門店との併合であり、デパートもあるショッピング・センターみたいだ。なお、大丸はリストラも早く専門人材よりも「貸床」の志向が強い。<o:p></o:p>
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センターWエスカレーターで分かり易い店舗であり、上品な雰囲気も気に入っていたのだが、下記の坪効率ではいかんともしがたいと判断されたのだろう。賃料もこれでは殆ど支払えないレベルでJR西日本としても堪忍袋の緒が切れるのも良く分かる。<o:p></o:p>
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日本を代表するデパート:2012年度 伊勢丹新宿本店 2,368億円(1.9万坪 104万円/月坪:驚異的で日本を代表する店舗だ)、 西武池袋本店 1,792億円(2.7万坪 55万円/月坪)、阪急うめだ本店 目標1,880億円(2.5万坪 62万円/月坪、周辺にメンズ館5千坪あり、日本最大規模、京都、神戸を閉鎖し梅田集中の旗艦店)<o:p></o:p>
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大阪駅周辺では:JR大阪三越伊勢丹 300億円(1.5万坪→6千坪に縮小か 17万円/月坪)、ルクア370億円(6千坪 51万円/月坪)大丸梅田店622億円(1.9万坪 27万円/月坪)、阪神梅田本店817億円(うち食料品が30%)(1.6万坪 43万円/月坪)<o:p></o:p>
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今後、阪神梅田本店が建替える予定だが、食品・スナック(イカ焼き)、催事(全国弁当、北海道展 など)、タイガース・ショップを残し、阪急うめだ本店と連携するのが得策と考える。また、ヨドバシの二期開発もある。<o:p></o:p>
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集中による競争は、集約として他のエリアに打ち勝つ長期的立地形成もあるが、梅田はどう見ても商業床が多すぎる。ハコモノ商業であり、駅集中で昔の池袋(駅袋といわれた)を彷彿とさせる。周辺にある商業ビルとのエリア内競合も発生している。しかも、福島や中崎町、茶屋町の歩ける街が周辺に発展しつつある。<o:p></o:p>
ハコモノ商業で梅田エリア内の優劣がつき空室が発生し、淘汰に向かう懸念がある。というのも梅田への集客が今以上に劇的に伸びる、つまりは需要が拡大すると考えにくいからだ。その理由は商圏人口(誘致圏)の拡大がそれ程見込めないこと、競合の都市は少ないがもともと京阪神それぞれひとつひとつなこと、交通としてマストラの高速化や低料金化が見込めず、梅田は車利用で駐車場が郊外ショッピング・センターに比べ利用しづらいことにある。<o:p></o:p>
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ビルの中のお店より、個人のやる路面店が好きだ。暖かく、オーナーの個性や店屋の味がある。しかも歩いて楽しい。<o:p></o:p>
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