要点は格差(1%の金持ちとそれ以外)、1%による支配は政治と大企業の協調(ロビー活動、法律制定)で国際的に貿易管理や囲い込みや技術保護に至っているという主張だ。<o:p></o:p>
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大企業が大嫌いのようで、ウオールマートによるシャッター商店街、安く安定した供給だが、効率主義で必ずしも健康に良くない上、川上の農業・畜産の大企業化をもたらしたと説く。価格と品質のトレード・オフだがアメリカは資本主義の大企業化に行き着いてしまったのが実情だろう。その反対にオーガニック産業は成長しているが、売っているのは「イメージ」となっているが本当か。<o:p></o:p>
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農業政策がアメリカの外交上の優位性を保っているとは初めて知った。モンサント社の種、農薬、ライセンス料の囲い込みや政治と絡んだ多国展開戦略には驚いた。GMのサーモン、種の普及とヨーロッパはじめ輸入規制の鬩ぎ合い、米韓FTAで韓国が支配下に置かれたISD条項の事例など恐ろしい。IMF方式とは財政再建と外資参入、企業収益向上により資金回収をするというのも、お金はただではない、もうけまっせということだ。<o:p></o:p>
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アメリカのデトロイト市破綻など、対応は「予算削減」、「競争導入」、「規制緩和」、「民営化」で一昔前の日本みたいだが、どれも効果の根拠がないとクルーグマンなどが証明している。公的教育が、民営のチャーター・スクールになっている、独立特区として民営の行政地区まであるというのは行き過ぎで、「人を助ける税金を払いたくない」、「所得税率の低下とトリクル・ダウン・エフェクト、都市開発のリップル・エフェクトの期待外れ」が要因だ。<o:p></o:p>
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レーガン時代のブードゥ経済だった、サプライ・サイド・エコノミクスにより所得税率低下、財政悪化、所得の再配分の低下による格差拡大、その結果「安さ」志向により、大企業による効率化の進展がメカニズムだ。教育こそが成り上がりや機会均等になるのだが、それも金がないと機会もないとは夢のない社会だ<o:p></o:p>
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内容は現象の列記であり、経済的、政治学的な考察が少ないのが難点。読み物としては軽い。なお、200ページのPPPについて最後はPartnershipが正しい( http://en.wikipedia.org/wiki/Public%E2%80%93private_partnership )<o:p></o:p>
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