分析もあるが、生々しいルポルタージュの迫力がある。論旨はイノベーションとパラダイム・シフトがあり半導体は電気製品・部品の変化にともない必要な種類、価格、生産手法が変わること。<o:p></o:p>
日本の半導体はゼロ戦と同じで<o:p></o:p>
・量産に向かない職人芸→部分最適化、摺合せ、共通化と標準化が遅れる<o:p></o:p>
・継続した「大きな技術開発」がない「改良・変更」→成功体験に縛られる<o:p></o:p>
・仕様が独自でその検証がない→言われる通り作る、なんでがない<o:p></o:p>
結果、日本の技術力が高いというのは神話、高品質には長けるが、低コストには弱い<o:p></o:p>
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企業はムラであり独自の文化がある、寄合所帯にしても相乗効果は難しい、国家プロジェクトは無駄が多い<o:p></o:p>
・Copy Exactly(開発と量産に同じ機械同じ工程) Copy Essentially(別工場にプロセス移転)に大別<o:p></o:p>
(http://yunogami.net/_src/sc435/EJ0994N48C8E8D86.pdf)<o:p></o:p>
・技術開発は「新しいもの」の開発か(日立:技術オタクの一点突破)、それとも「工程の最適化」(NEC:均一性)か<o:p></o:p>
・イノベーションとは「爆発的に普及する新製品」、「卓越した品質」ではない、安くなるため、量産技術が必要<o:p></o:p>
・開発工程の全部管理ができる、ファンドリーにも強い三菱、サムスン電子も開発と量産の境界なく、並行開発で社内競争<o:p></o:p>
・要素技術は日本、量産技術はサムスン電子、しかもインテグレーション技術があり歩留りよりも最終生産量と効率を拡大<o:p></o:p>
・NECは半導体を捨てたが、それでも低い利益率は改善しない、国内ターゲットで海外に弱い<o:p></o:p>
、コンソーシアムは寄合所帯でシナジーはなく企業文化の調整が煩雑、<o:p></o:p>
・System-on-a-chip(SOC、SoC)は国家プロジェクトとしてルネサスが担ったが、車産業の川下で独占(供給リスクが過大化)、ライン認定、過剰品質、メーカー納入価格に縛られ赤字、倒産、相変わらずの国家支援でリストラ<o:p></o:p>
・異なる地域での製品変化や価格・品質のマーケティング、「売れるものをつくる」があってこそ生産が拡大する(需要が先導する供給(生産))<o:p></o:p>
・時間軸のなかで、成功分野や生産方式への集中は「供給」の陥穽→インテルがスマホ・タブレットに乗り遅れる<o:p></o:p>
・日本が得意なのは、工程改善、摺合せ、持続開発→共進化と共退化にくっきり分かれる<o:p></o:p>
・半導体の製造装置で、大日本スクリーン(洗浄・乾燥)、東京エレクトロン(コータ・ディベロッパ)が首位、アルバック(スパッタリング)、荏原製作所(CMP)、ニコン・キャノン(露光)と検討。首位分野は液体材料の摺合せが暗黙知で独自性。<o:p></o:p>
・Imnvator(イノベーションとイミテーション)で模倣の先頭がこれからか、オリジナルをしのぐ解決策の提供→日本も創造的模倣能力を取り戻すべき<o:p></o:p>
・現地の生活を理解する、マーケティングにも海外経験が必要<o:p></o:p>
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結論は需要を見た仕様のありかた(製品内容、価格、生産方式)のマーケティング重視、創造的模倣、コンソーシアムや国家プロジェクト頼りの放棄、海外経験の重視と国内偏重からの脱却。楽しく読め、お薦めできる。<o:p></o:p>
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