良い本で、これは座右に置いておくと為になるし便利だ。知見は:
・条保町で裏鬼門から上下に16町
・町割は縦(行)4つ、横(門)8つで450㎡(135坪)
・四面町、四丁町、両側町(街路単位)
都市の環境を分析しているのが卓見
・排水は側溝で「ちりあくた」と「洪水」の源→取水源が不明、井戸と上水も
・汚物まみれで、16世紀の肥料化まで都市は汚染と病疫
・祇園会は不衛生な都市環境の反映
・法勝寺の九重塔は構造が弱く、地震耐力なし
・東・西市という面の官製市から、町尻通(新町)や三、四、七条という通り商業に定住店舗
・土倉・酒屋が金融機能、合銭の輩(やから)の出資
・酒屋と西京神人の麹座と北野社(延暦寺)
・巷所は街路を住民が宅地や耕地に変えたもので、右京左京大夫が認めるに至る→道路が狭くなる
・葬送と宿(清水坂と奈良坂など)を検非史庁が管理、祇園社では犬神人
・足利家と相国寺
・大山崎と石清水八幡宮の神人(じんにん)と灯油販売の油座
植生も興味深い
・都市に近い里山、常緑広葉樹→落葉広葉樹→槇などの採取で乾燥→乾燥に強い赤松→赤松は水を吸う→乾燥し下木下草の育成不良→松茸の生育、書物にも松茸は多いが平茸は少ない
・戦国時代の上京と下京と構
・法華宗の台頭と浄土真宗の山科本願寺から石山本願寺と衰退、西本願寺への復活
秀吉の都市改造
・街区の細分化
・御土居
・高瀬川は屎尿を扱う、屎尿屋と肥桶保管も
・寛文堤で鴨川の治水も完了し御土居は不要に、橋も恒久化
京都の都市史理解に必読、安い、まとまっている