ゆったりしていたのもあり430冊、ちょっと多め
食関連で面白い本が多い
お好み焼きの物語 近代食文化研究会 お好み焼きの歴史を史実から探る圧巻の書、細工物の甘い文字焼き、駄菓子屋も文字焼き、鯛焼きの出現、洋食屋台(お好み焼き(天もの:ソース))、お好み焼き店舗、もんじゃやき店舗
海を渡ったスキヤキ グレイ・サリバン 日本とアメリカの食の関わりを、明治時代から、最先端のハワイ料理まで解説、面白い観点
マグロの最高峰 中原一歩 マグロの漁法、鮮度の保ち方、歴史、味わい方、資源保護、うまいお店の選択と紹介など行き届いたルポ
最後の職人-池波正太郎が愛した近藤文夫 中原一歩 てんぷらは「現代の蒸し物」、雇われと独立、油の温度と交換、穴子の仲買人早乙女勝、伏高、味噌は徳島の桜味噌と岡崎の八丁味噌、大根おろしはてんぷらにのせる、賀茂茄子やじゃがいもは生醤油で→池波
テニスでも面白い本がある
フェデラーの一瞬 デイヴィッド・フォレスター・ウォレス 奇才の訳注だらけのテニス分析、ATPの権力、観客の楽しみ方、生の迫力、ベースライン・プレーヤーへの変革、天才的なジョーダン、フェデラー、勝つためのストローク手順、精神安定とチック
風俗関係でも良いのが読めた
吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日 森光子 吉原の花魁の2年間、時間遊びと全夜遊びで寝具も違う、通うと段々高くなる値段の矛盾、書くと処女に帰ると信じて、宮崎夫妻に救われ、その後結婚、圧倒的な事実
グランドシャトー 高殿円 高度成長と「あねさん」とのかかわり、ポン煎餅の持つ出会いと別れ、力強く悲しい、しっとりくる
趣味となった庭園や京都もの
全貌 日本庭園 —象徴庭園から抽象枯山水へ 中田勝康 具象・象徴・抽象に庭園を分け、100の事例とともに解説、具体的で宗教や時代の分析は面白い、データベースとして活用できる、細川和氏が徳島の青石を天龍寺に寄進
京のまちなみ史 丸山俊明 分かり易いイラストと写真で京都の街区や街の形成過程が分かる
祇園祭温故知新 京都市文化市民局文化財保護課監修 多方面の関係者からの多面的な考察を基に、祇園祭の歴史、変容を取りまとまる
歴史関連も読み始めると面白い
椿井文書 馬部隆弘 偽作を証明する論文、不毛であると思いながらも正す勇気、自治体の伝説捏造など新しい史学
大名倒産 浅田次郎 大名倒産を狙い私財をため込む隠居と、立て直しに奔走する四男の若殿、永遠に生きる神と死ぬが喜びのある人間の対比、ユーモア一杯で楽しい
日本のミステリはヴェテランが面白い
桃源 黒川博行 真面目な新垣と映画オタクで肥満・痛風の上坂とのやり取りが笑える、沈没船詐欺と沖縄の模合にヤクザも絡む、警察の昇進競争と女性関係も面白い
きたきた捕物帳 宮部みゆき 久々の宮部の新境地、バディものに近いが、見習いと謎の釜炊きに盲目のおかみさん、そして深川でのめりこむ、今後に期待
DV、ネグレクトなど暗いが最近のミステリも
さよならが言えるその日まで 高木敦史 父の誘拐事件と事故での死亡、探っていくうち、誘拐された男児も、DVの継父も裏がある、そして自分も、最後のどんでん返し連続のまとまりが見事
あの子の殺人計画 天祢涼 連鎖するネグレクトと、母親殺し、マインド・コントロールの風俗、小学生のナイトも里親で警官に、入り組むトリックと叙述トリック、そして迎える更なるネグレクト解決
海外は大御所ばかりになった
その裁きは死 アンソニー・ホロヴィッツ ホーソーン&ホロヴィッツもの、弁護士殺人と怪しい関係者、レッド・へリング一杯の読ませる文章と構築は見事なフーダニット、殺人犯がちょっと、最後の手紙が圧巻
壊れた世界の者たちよ ドン・ウィンズロウ 連作、男くさく、麻薬がらみ、アメリカ称賛の連作、うち、パラダイス に" 父親"と"母親"は名詞である前に動詞だ は至言だ
特捜部Q アサドの祈り ユッシ・エーズラ・オールスン アサドの経歴が明かされ、仇敵に拉致された家族の救出にベルリンに、方や地元で引きこもりの家族殺人通報ゲームオタクの事件解決
作家の秘められた人生 ギヨーム・ミュッソ 孤島で起こった殺人事件、関係者がつながり、殺人犯と思われた作家の裏には恋人の殺人が、繰り返される入れ子状の謎の解明、最後が驚異
ネヴァー・ゲーム ジェフリー・ディーヴァー 新シリーズ、コルター・ショーがゲーム見立てシリアルキラーと自分の父親殺害事件を捜査、犯人の意外性とメディア操作と選挙など現状のアメリカの問題点を指摘
昨年は、経済書や都市計画の関連で良い本が少なかった。最近、目が疲れて読む速度が遅くなっている。また面白くない本は早目に読み飛ばす。