パリが文学でいかに取り上げられているかというイメージとパリに住んだ日本人を2部構成でまとめている。厚い本だが面白い。カフェ、ファッション、レヴューが日本に影響を与えたとあるが、日本もパリに浮世絵やパリ博(11年毎)で影響を与えている。
さらに、時系列で世紀末(1826~1909)、民衆運動と近代戦争(1910~1918)、第一次世界大戦からの復興(1919~1924)、黄金の20年代から世界恐慌(1925~1932)、不安の時代からの戦時下のパリ(1933~1945)に時代区分してあり、理解の助けとなる。
知見は:
・銀座でのカフェ文化の移入:プランタンとパウリスタ
・資生堂はパリモードを活用:後進のためイメージ形成
・ジャポニズム(1851年から)
・エッフェル塔(1889年 第4回パリ博):アナーキストの時代
・日本でボヘミアンはセーヌの代わりに墨田川河畔を志向→本当か?
・パリのエロ・グロのイメージは黄金の20年代
大変面白い