虹色教室でたくさんの子どもたちと接していると、
0~3歳の時のお母さんの子どもへの接し方で
その後、知的な課題が好きな子に育ってくるか、嫌がるようになるかが
だいたいわかります。
気がかりがどんなささいなものでも、少しすると必ずといっていいほど目の前の壁となってド~ン!とあらわれるので、
子どもが知的な課題を拒絶しはじめたときに、
もう少し幼い頃、気にかかっていたことをもっとはっきり言葉にしておけばよかったのでは……と反省することもよくあります。
でも学習っぽいことを嫌がるようになる子というのは、能力に遅れのある子よりも
成長がはやく、お母さんお父さんのいろんなことをしてあげたい気持ちを刺激してくれる子が多いので、急速な成長期にささいな気がかりを伝えても
うまく伝わらない場合が多いのです。
(いったん知的な課題を避けるようになっても、
お母さんが気持ちや子どもの環境を少し修正していけば、
幼児期なら自然な知的好奇心が強い状態にもどっていくので、それほど心配いりません)
子どもが知的な課題を嫌がるようになるお母さんの態度と、勉強好きになるお母さんの態度は見たところほとんど区別がつきません。
どちらも優しくしんぼう強く、子どもへの強い愛情が感じられます。
ただひとつだけ少しちがうところがあります。
大きくなると知的な課題に喜んで取り組むようになる子のお母さんは、
子どもが何を喜んでくれるかな~?
喜んでることを何度でもしてあげたい。子どもが機嫌がよくて楽しそうにしていることこそ幸せ♪
という気持ちが子ども自身に伝わるような接し方をしているのです。
知的な課題を嫌がるようになるお母さんは、
子どもが何かができるようになること。マスターすること。
短所が減ること。
に気持ちがいっていることが多いのです。それが子どもに伝わって、子どもの表情に時折、とまどいや不安や緊張が浮かんでいるのです。
また少しでもはやく次のレベルの課題にすすんで欲しいという思いが
子どもが楽しんで繰り返していることが
少し年齢の幼い子の遊びだったり
いつも遊びたがる電車遊びやままごとだったりしたときに、
子どもが選んで好んでしていることをお母さんはよく思っていない
あなたが選ぶもの 好むもの=良くないこと つまらないこと
あなた=つまらない子
という具合に子どもに伝わっていて、自分への自信や信頼感を失い
自信がないからチャレンジしない
チャレンジしないからできないことが増える
の悪循環に陥ってしまいがちなのです。
すると子どもにその場、その場の快感ばかり求める
態度が身についてきます。
子どもを知的な課題を避けるように(勉強嫌いに)育てようと思えば、1~3歳の時期に、
その年齢以上のものを求める
大人の完璧主義を押し付ける
を繰り返せば簡単にそうなります。遊びでもお片づけでもしつけでも、その子の発達段階を超えたことを期待されていると、
最終的には知的な課題全般への消極的な態度となっていきます。
お母さんがそのつもりがなくても、習い事が多いと、よくない体験も増えると思います。幼い子の習い事には要注意です。
きちんと教えることに徹するのは禁物です。
4歳半くらいまでの子には
子どもがやりたいこと9に対し、大人が教えたいことさせたいこと1
くらいのバランスを保つことが大事です。
この比率は、子ども自身が成長にともなって縮めていきます。
自分から、[教えて~!もっとじょうずになりたい!」と言う様になります。
たとえば食事なら、わかりやすいかもしれません。
食べることが好きになってもらいたいのに、
食事に塩を入れすぎるのはおかしいですよね。
おいしいなと思ってもらうことに気持ちが行かず、
よりたくさん塩分を取らせることに気持ちが行くと、そんな奇妙な調理になって、しまいに食事を見るのも嫌!となるのはわかりきっています。
知的な刺激も塩加減、バランスが大事です。
まず「おいしいこと!」つまり「楽しいこと!おもしろいこと!もっとやりたいと感じること」が優先されなければ、知的な課題を目にするだけで逃げ出したい気持ちを育ててしまうのです。
きちんとまとめられていないので、このテーマに関しては
またの機会にもう少しくわしく書きますね。
写真はボランティア先の様子です。
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