エチカの鏡でおもしろい授業の取り組みをしている聖徳学園小学校の様子が
取り上げられていました。
テレビでこうした学校を紹介すると
どうしても極端な部分だけが強調されるので、
良いとすることを鵜呑みにするわけにはいきませんが、授業のアイデアや発想は面白いな~と共感して見させていただきました。
☆IQを伸ばす教育の最前線 聖徳学園小学校とは?
集団教育として
こうした頭をいっぱいいっぱい使っていく時間を作ろうとすると
どうしても最初からIQの高い子を集めることとなるのは
仕方のない気もします。
基礎学力が身につきにくい子には、能力を限界まで伸ばしていこうとする授業が、
結局、基礎の基礎すら身につかない授業になるかもしれないという
リスクを負うからです。
しかし集団教育という場を離れて
小集団や家庭教育の場では
IQの高低にかかわらず、聖徳学園小学校で大事にしている
IQを伸ばす
思考力、熟考力、多角的に考える能力を伸ばす
自由な雰囲気の中で自発性を大切にする
といった教育のあり方がとっても大事だと思っています。
IQが取り上げられると、かならずIQなんてペーパーをこなせば
上るもの、あまり信憑性がない……
などといQ批判をする方も出てくるのですが、
それはIQの数値をあまりに過大視して、IQに完璧な幻想を抱きすぎていて、IQの問題内容を丁寧に
見ていないからそう感じるのだと思います。
IQは、普通の学力とは違い想像力、推理力、応用力、理解力、判断力、記憶力などを総合的に数値化したものですから、
小学校の学習のように
予習をしたから成績が上ったり、
一部の訓練で他の能力は弱いまま(たとえば計算訓練で計算はできるけれど文章題は解けない状態で、低学年のテストでよい成績を取るような)
簡単に数値が上げれるものでもありません。
小学校のテストでは、その単元を繰り返し練習したから覚えていて100点ということもよくあります。しかしIQの場合、想像力、推理力、応用力、理解力、判断力、記憶力が測られるわけですから、そんなに単純ではありません。
ただIQの数値を上げたいがために
バランスの悪い教え込みや訓練を大人がしていたら別ですが……。
聖徳小学校ではIQを伸ばすための知能教育として「応用力」を鍛える授業
「漢字熟語ポーカー」というものをしていました。
応用力を鍛える「漢字熟語ポーカー」とは?
児童同士で行う対戦ゲーム。
漢字が1文字書かれているカードを配り、手札は6枚ずつ、場には6枚のカードがオープン。
3回までのカードチェンジで熟語を作っていく。
例えば熟語の組み合わせが1つなら10点。
熟語 「?」
10点 + 10点 + 10点
私も、幼児たちと文字の学習や知識を学ぶときに、このように得点やトランプゲームのルールを加えて、
適度な複雑さの中で、頭をフル回転させて取り組む工夫をしています。
そうすることで、知識を覚える力も
計算力も戦略を考える力もついてくるからです。
こうした学習法を、「IQ130以上の子の授業だから~」
難しいにちがいないと判断して、
軽くスルーするのは間違っているように思います。
こうした適度な複雑さは、
小学生ならたいてい好きだからです。
もし難しかったら、子どものレベルに合わせて
ゲームのルールを調整すればいいですね。
聖徳学園小学校の授業は、考える力の基盤を作るのにはとてもよいけれど、
それが実際、受験などの実践力につながるか……?
となると疑問も多いのではないでしょうか?
中学入試では進学塾頼りの現状もあるかと思います。
そこには、小学校の集団教育でできる
限界も感じられます。
虹色教室で、子どもたちをゲームで遊ぶ状態から中学入試の実践問題へと
移行させていくとき、
ゲームはゲーム
受験問題は受験問題として
切り離したままでは難いな~と感じているからです。
オセロが受験に役立つには
オセロでに身につけた思考を入試問題でどう生かすか、
翻訳してしるしてあげる必要があるからです。
私は以前、このブログをする前に
☆幼児も解けちゃう中学入試算数(難関中学の算数も難しくない)というブログを作っていました。(なつかしい~という方は、そうとう前からこのブログを読んでくださっている方々ですね。おっちょこちょいなので、数値の書き込みミスがあったらごめんなさい)
そのブログで、伝えたいけどなかなかうまく伝えることができなかったことなんですが……
遊び ゲーム の世界 純粋にそれに熱中すること
勉強 受験 研究 の世界 そこで我慢してがんばること
のふたつの間には
中間ゾーンが必要なのです。
その二つが水と油みたいに分かれていなくて、行き来できるものがいるのです。
たとえば、算数パズルは、遊び ゲームの世界に属していますが、
そうした算数パズルに文章の長い問いがついている
ぴぐまりおんの問題集なんかだと、
パズルを解く楽しみを、文章を読んで理解し思考していくというレベルに
スムーズに移行させてあげられるのです。
そこで必要なのは大人の適切なフォローで、
パズルさえたくさん解けばいい~問題集さえこなせばいい~では
なかなか実践で役立つ力につながりません。
この話……長くなってしまうので、またの機会に書かせていただきますね。
写真は、アニメのビデオを見るとき、実感できる「半分見た」「4分の1だけ見た」という感覚を、実際問題の中で体験するとどういうものになるか、
眼で確かめられる教材にしたものです。
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