虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもは、見るものから背後の考え方まで学んでいる という話

2010-04-28 10:23:03 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
子どもの頃の記憶の中に、
○ちゃんのお母さんとか、○屋さんのおばちゃんといった子どもの目で観察した大人の姿が思いだされるのですが、
それがあなどれないのですよ。

癖や性格や人が通常外に見せない心の暗部まで子どもの目にはちゃんと映っていて、
「教えよう」と思っているところは伝わらないのに、
「教えるつもりがなかったところ」でいっぱい学んでいるものですから。

学ぶといえば、子ども時代は、
目にするものの背後にある人の考え方やアイデアを、
五感からその場の空気を自分の魂に写し取るように学んでいたんだな~と感じます。

けっしてオーバーな表現ではないのです。
大人の私にはもうない独特の感性が,子ども時代にはあったように思えるのです。どの記憶を振り返ってみても……。
大人になった私が推測して付け加えたのでない……
当時を伝える細かい描写が、
記憶の中に残っているのです。

何かと私におけいこ事がさせたかった母の思惑ははずれにはずれ、
何をさせても上達する意欲がゼロだった私ですが、今思うと、
目にするものや経験から、それは多くのものを学んでいたようです。

母は時折、タッパーウェアーの販売員の方々の子どもたちを預かるベビーシッターの仕事をしていました。江坂のガラス張りのビル内の仕事です。
まるで植物園のように観葉植物をここかしこに配置してありました。
当時にすると、海外のビジネススタイルを取り入れたとてもめずらしい
建物だったのです。

親しい人に頼まれてしている仕事だったため、
母は、夏休みや冬休みには、私や妹を連れてその職場に通っていたのです。
小学生の私にとって、そこはキラキラしたまぶしい映画の中の世界のような場所でした。

そこで目にしたものから受けた印象は、
私から職場とはこんなものという既成概念の枠を壊してしまいました。
「この世界には、さまざまなビジネススタイルがあって、アイデアとエネルギーがあれば、
自分の働く場や未来も新しく創り出していけるんだな~」というものでした。

そこで、私は子どもたちと遊ぶ仕事を任されていて、
「あぶくたった」などのさまざまな伝承遊びや、なぞなぞをして
2~6歳くらいの子たちの相手をしていました。

母がおやつの買出しに行くときについていくと、
「いくつかは個包装のお菓子にしないと、食べきれないで持って帰る子がいるとき困るのよ。赤ちゃんが飲み込まないサイズの手で持てるのがいいわ。」
「ポテトチップスはどの子も好きだし、調整がきくからいいわ」「チョコは服を汚す子がいるわね」などとつぶやきつつ買っていました。
「いろんな年齢の子、いろんな好みの子、さまざまな親のニーズに配慮して
こうしたものは買わなくてはならないんだな」
と感じました。
その買出しで感じたことが、仕事をしたり、ボランティアをしたりするときの
形の基本になっています。

母にすれば、
私や妹を職場につき合わせてすまないな~。習い事にでも行かせてあげると有意義に時間が過せるだろうに……と感じているようでした。
でも、母が「私のために」
とお金を使ったものからは
ほとんど学ぶものはなく、
どうでも良いと思う場では、いろいろ学ぶことがあったのですよ。

以前、記事にした子どもの頃の出来事↓でも、子どもの私はクリーンな空気もその背後の緊張した大人たちの心のありようも社会の状況も、隈なく観察しています。

★だ~れが 殺したクックロ~ビン~?? 1

★だ~れが 殺したクックロ~ビン?? 2

また、大人たちが繰り広げるドタバタ↓も、その心の微妙な揺れまで目に写し取っているんですよね。

★同じ屋根の下で

それと幼稚園の子どもでも、大人の動機が純粋なものかどうかを見極める
目を持っているんです。↓
★番外 子どもの頃の思い出

子どもたちと接していると、
その瞳は、見るものを吸い取り紙のように
魂に刻んでいるのがわかります。その意味や背後にある考え方までも。
そうして心に響いたものを土台にして、
人生を築いていくのでしょうね。

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小学校受験問題で楽しく頭を使おう♪

2010-04-27 21:12:51 | はじめに
見る 聞く 感じる
がしっかりできるようになると、頭を使う問題にチャレンジするのが楽しくなってきます。
小学校受験問題は、子どもにとって頭を存分に使う
面白い問題が多いです。

★かんたん♪ きれい! な小学校受験問題 1

★かんたん♪ きれい! な小学校受験問題 2

★小学校受験「重ね図形」の問題を楽しく解く方法

★小学校受験「注意力」の問題を楽しく練習する方法 2

★ウルトラマンカードで小学校受験問題にチャレンジ♪

★ウルトラマンカードで小学校受験問題にチャレンジ♪2

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幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 5<感じる>

2010-04-27 12:10:35 | 教育論 読者の方からのQ&A

幼児が「よく考える」ようになるために大事な3つめのことは、
「感じる」です。
特に自分の気持ちを感じて味わうという意味の「感じる」が大切だと思います。

「感じる」って、考えることと関係がなさそうですが、
幼児期に情緒的なものが十分発達しないと、
小学生になって、
ちゃんとがんばる気持ちの軸になるものがなくて、
「だるい~」「なんで、そんなんしなきゃならないの?」「どうでもいい」「べつに~」が口癖の子になってしまうかもしれません。

「できるようになりたい」
「ほめられたい」「認められたい」
「達成したとき気持ちがいい、スカッとする」「お友だちと共感しあいたい」「自分自身に満足」「もっとお話を読みたい」「あんな風になりたい」
といった前向きな気持ちは、

幼児期に、はずかしい、悲しい、うれしい、くやしい、さみしい、
といった気持ちをたくさん経験して、
大人に共感してもらったり、ゆっくり気持ちと向き合うのにつきあってもらって、自分の気持ちに通じていく先に生じてくる思いです。

幼児期に、悲しくても、寂しくても、「早く早く」「今忙しいから」「まだ泣いてるの?」「もうお姉ちゃんでしょ」と、感情を無視するように
教えられていると、
自分の基本の気持ちがだんだんわからなくなってきますよね。

そうすると、「どうして、人に優しくしなくちゃいけないのかわからない」
「どうして勉強しなくちゃいけないのかわからない~」
と、気持ちに関わることには、どれにも疎くなってしまうのも
仕方ありません。

子どもと接するとき、「教えたい」ことで接するのでなく、
気持ちを通いあわせることを一番にすることが、
「考える」ことを得意にする近道です。

ふしぎなだ、うれしいな、わくわくするな、悔しいな!できたらいいのにな、
いいな~うらやましいな、気持ちいいな、楽しいな

そうした気持ちが引き金になって、「知りたい」「学びたい」「考えたい」
という意欲が生まれるからです。

気持ちに気づけないのに、
知識だけインプットされても、
無気力や燃え尽きにつながる過剰ながんばりを生むだけですよね。

幼児期は、気持ちいいな、面白いな、不思議だな~といった「感じる」を
育むように心がけると、
自然と学ぶ意欲が高くて、
よく考える子に育っていくと思いますよ。


幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 4 <聞いた後で>

2010-04-27 10:56:14 | 教育論 読者の方からのQ&A

「聞く」にもいろんな技術があります。記憶力が良く、語彙が多く、
園や学校生活をいきいきと楽しんでいる子というのは、この聞く力が発達した子が多いです。

「語りかけ育児」や、アウトプットを求めずにシャワーのように子どもに
言葉をかけましょう~

と最初に発言した方は、
おそらく、子どもと大人の間に自然なコミュニケーションの形があることを前提として、そうした方法を紹介したのだと思います。

絵本の読み聞かせにしてもそうです。

まだ言葉がしゃべれない赤ちゃんであっても、
非言語の状態で、大人と子どもの間に、身振りや表情や目の動きや、
なん語によって、
「思い」がいったりきたりする関係があって、それを補うように
「語りかけ」や「読み聞かせ」があるのなら、
それは子どもにとって貴重な体験となるはずなのです。

が、この「語りかけ」や「読み聞かせ」が、子どもの「聞く」力を鈍らせ、
大人に素直に心を開かない状態を作ることもあるのに注意していただきたいのです。

どういう声かけがよくないか……というと、
日本人がテレビ画面に向かって、「あほやな~こうしたらいいのに、ぶつくさ~」と独り言を言うことよくありますよね。
テレビから返事があるとは思ってないので、
自分が見たまま、そこで感じたことを外に吐き出してそのまま~という言葉です。

また、テレビゲームをしていて、
「もっと右右!」「だめだめ、そうじゃなくて、あっちに行かなきゃ。はやく取りに行って!」とゲーム画面の主人公に向かって、
声に出さないとしても、独り言を言い続けるときがありますよね。
これも、テレビから返事があるとは思っていないので、
言いっぱなしです。

カセットテープに絵本を音読して録音するとき、
ひたすら読むことに集中しますよね。
これもカセットテープが何を考えてるかなんて考えず、
言いっぱなしです。

この機械に向かって「言いっぱなし」の習慣が、
そのまま乳幼児に向けての言葉かけでも使われているケースを
見かけることがよくあります。

そうした機械に対するような言葉かけは、どこで集中して、どこで受け答えすればよいのかコツがつかみにくい上、

子どもの内面から伝えたい、しゃべりたい、会話のキャッチボールがしたいという気持ちを
引き出しにくいです。

「伝えたい、しゃべりたい、会話のキャッチボールをしたい」という気持ちを育てるには、
大人の側に、子どもの言葉を聞きたいという姿勢があって、
子どもの言葉に共感する言葉と、
それを膨らまして子どもの気持ちを引き立てる言葉を返すことが
大事だからです。

つまり、「語りかけ」が上手になるということは、

まず大人が「聞く」のが上手で、
「うなずく」のが上手で、
子どもの言葉をうまく膨らますという点で「語りかける会話が豊富」という
意味だからです。

そんな風に大人が上手に「聞く」姿勢をしめしていれば、
子どもは自然に、どうやって人の話を
聞けば良いのかマスターします。
「聞く」といった簡単な動作でも、やはりお手本がないと難しいからです。


幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 3 <聞く>

2010-04-27 08:36:55 | 教育論 読者の方からのQ&A




上手に「考える」ことができるようになるには、
その前にできるようになっておくといいステップのふたつめは

上手に「聞く」ことです。

2,3歳の子にはじめて会うと、
耳の機能には何も問題がないのに、
まるでまったく耳が聞こえていないように見える
時がある子がけっこういます。

お母さんや私が呼びかけても、振り向いたり音のほうに顔を向けたりしないで、
好きなことをしています。
また、何かをひっくり返したりして、ガラガラ大きな音がしても、
その方をちらりと見ることもないのです。

幼い子は同時に2つのことをするのが苦手ですから、
何かに夢中になると、耳がお留守……となりがちなのですが、
わざと聞こえていても無視しているように見える子の場合、
大人の対応や生活環境に気をつけると、直ってくることがほとんどです。

「聞く」力の良し悪しは、自分の心の中で考えた言葉を「聞く」力とも
関係がありますから、「考える」力に大きな影響を及ぼします。
もし「見える」ものだけで反射のように答えを出すばかりだと、
少しも考えが深まりませんよね。

人の話も周囲の音も自分の心の声も、しっかり集中して「聞ける」技術
を身につければ、じっくり考える力が育ってきます。

それでは、どうしたら「聞く」のが上手になるでしょう?

一番良い方法は、お母さんが不必要なことをしゃべりすぎないことです。
「語りかけ育児」という言葉があるくらいですから、
シャワーのように子どもに言葉をかけたらいいんじゃないの?
と思うかも知れません。
確かに、語りかけるコツをきちんと押さえて、子どもの興味と聞きたい思いを
引き出しながら、語りかけていくのなら、とてもすばらしいのです。
でもだいたいの場合、
お母さんが子どもに声をかけるほど、子どもは音への反応を鈍化させて、

全部聞いていたらきりがない上、きちんと聞いてもどうでもいいことばかりだからBGMのように聞き流す

という習慣をつけています。
そうした場合、声かけというのは、「遊んできたら?それか~し~てっていって。何がしたい?よかったね。ほら、あれで遊んでおいで。これで遊ぶ?」といったものです。
それも、子どもが新しいものを目にして、真剣に頭を使おうとしているとき、
お家よりもお外で遊ぶ際や、お友だちを前にした際、
大人がしゃべりすぎてしまうと問題が大きい気がします。


2、3歳の子なら、「何をしようかな?」「あれ面白そうだな」
「触ってみようかな」「あれで遊ぼ」と、自分の頭で考えて決めることを
すべて、お母さんが横から
ロボットのリモコンスイッチを押して操作するように
言葉で指示を出しているのです。
もちろん、幼児の方は、そうしたことは自分で決めるべきと
わかっていますから、自分で自由に遊び出すのですが、
お母さんがたくさん指示を出す場合、
大人の声にはいっさい耳をかさないことが習慣になっている子も多いです。
そこでさらにたくさん声をかけ、さらに無視するという
悪循環に陥っています。

軽度発達障害があって、呼びかけると聞こえていないようだったかと思うと、小さな音にも敏感……という子もいるのですが、
ほとんどの場合は、自分に向けられる音が多すぎて、全てに反応していられないから、
自分に呼びかけられる声に鈍感になっているという障害とは無関係の
もののように見えます。

また赤ちゃんの時期から、そうした「こうしたら?」「ああしたら?」と背後から子どもの気もちを代弁する声かけは多いけれど、

あやして笑わせたり、手遊びしたりして、
子どもの顔を見て反応を引き出しながら、きちっと声をかけることは
少なかったという場合、

「聞く」ことが、とても苦手な子になりやすいように感じます。


幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 2 <見た後で>

2010-04-26 16:55:10 | 教育論 読者の方からのQ&A

幼児はいろいろなものを「見る」のが好きですね。

「見る」にもいろんな技術があります。
理解力や思考力、発想力が高い子というのは、この見る技術に長けた子が多いです。
親子で楽しめる「見る」技術をいくつか紹介しますね。

見ているものを言葉で表現する

クワガタとか、恐竜とか、新しい靴とか、アニメのキャラクターとか、子どもの今のお気に入りをよく見て、それについて話をすると、子どもはいくらでも話したがりますよね。
「ここはとがっているね。のこぎりみたい。黒くてつるつるして、ランドセルみたいな色ね。手に乗せたらちくちくするのは、どうしてかな?」

子どもの好きなものを見ながら話をするとき、
色や感触、何に似ているか、どう感じたかなど、
大人も本気でよ~く観察して、言葉にしようとつとめると、
子どもの感性や表現力が変化してきます。
色にしても、「うすい茶色、空のような透き通った水色、濃い赤、光っている黄色」など、観察するほど、表現が工夫できますよね。
教えるよりも、いっしょに楽しむことが大事です。

文章の表現力がつくだけでなく、IQの問題や小学校受験問題などを解く力もアップします。

見たときのヒラメキを言葉にする

子どもは、何か見ているとき、
「そうだ!いいこと考えた!」と思いつくことがありますよね。
例えば、
「冷たいコップをほっぺたにあてたら、ほっぺが冷たくなるんだよ~すごいでしょ~」といった大発見を報告してくれます。
そんなとき、すごいね~と関心をしるしたり、
大人もちょくちょくこうした発見やアイデアを口にしていると、
発想やアイデアが言葉にしやすくなって、何か作るときや問題を解くとき
良いアイデアが浮かびやすくなります。

ある時間をおいて見る

「家の前の水たまり、~~くらい大きいね」と会話して、次の日どうなったか見る。
お月さまの位置を話題にして、何時間かしてから見る

水たまりに葉っぱ落として変化を見る など。

推理する力や理由について考える力などが刺激されます。

鏡 虫眼鏡

鏡を通して見る
虫眼鏡で見る

観察の仕方を工夫すると、考えることが楽しくなってきます。

見たものを遊びで再現する

美容室に行った後で、美容師さんになりきってお仕事する
宅配便のお兄さんのまね、
駅員さんのまねなど、経験したもの見たものを再現して遊ぶと、
記憶力や観察力が高まってきます。

見たものを工作やブロックで作る

働く車を見たあとで、働く車をブロックや工作で作ってみる
といったことをすると、
工夫したり、考えたりすることが楽しくなってきます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「見る」ことが上手になれば、画数の多い漢字を覚えるのも
易しくなりますね。
親子で楽しく「見る」技術を身につけると、
いつでもどこでも、しっかり考えることができるようになりますよ。


写真は10個の小豆入りボトルを数え中の男の子。


幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 1 <見る>

2010-04-26 13:21:13 | 教育論 読者の方からのQ&A

「うちの子あまり考えません~」と親御さんが嘆く子に会ってみると、

考えるために必要ないくつかのことが身についていないのがわかります。

上手に「考える」ことができるようになるには、
その前にできるようになっておくといいステップがあります。

ひとつは、上手に「見る」ことです。

よく見る
ていねいに見る
よく似ているものを思い浮かべたり、違いを考えながら見る
見て不思議に気づく
見て好奇心が刺激され、調べたいと思う
動きのあるものを見る
考えながら見る
人の表情をよく見る 目を見る

というように「見る」ことを極めていけば、必ず「よく考える」ことにつながっていきます。

1歳代の子とお散歩に行くと、歩く先々で「じっくり見る」と面白いものにぶつかります。
小学校の校庭をのぞくのも好きですし、水たまり、花のおしべめしべ、
ポストの投入口の中、ありの行列、はとたちの日向ぼっこ、
日光が当たっている部分と影になっているところ、
お風呂屋さんのえんとつなどなど……きりがありません。
幼い子ほど、そうしたものに感動し、よりていねいにじっくり見ようとします。
葉っぱに毛虫がいれば、何度でも何度でも見たがります。

合理的に効率的に目的地に直行!
ではなく、歩いて、子どものペースでさまざまなものを見て、
見たときの思いや発見を話し合って共感しあうことが、
「見る」能力を高めて、
「考える」力のベースになります。

幼児にしても、小学生にしても、「よく考えない」ということの裏に、
「よく見ていない」ということがあります。
算数の問題も、国語の問題も
「よく見る」だけで解けるものは多いのです。

でもいったん「見ない」癖がついてしまった子には、
どうすればいいのでしょう?

子どもがぼんやりしているように見えるとき、「ぼんやりしている」と思うのでなくて、「何を見ているのかな?」と視線の先を見ると、
何かに気を取られていることがよくあります。
そうした子どもが見ているものについて、いっしょにおしゃべりして
楽しむようにすると、見方が変わってきます。
また、「よく見ない」子には、忙しく動き回るという子もいます。
外で、子どもが発見したものを報告してもらって「すごいね~!どこどこ?」と感動していると、
さらに面白いものを見つけようとするはずですよ。


かつて日本は、数学がとても得意な国だった……

2010-04-26 07:12:45 | 算数
過去記事です♪

日経Kids+
で、朝倉仁氏がこんな文章を寄稿しておられました。

かつて、日本人の数学の能力が世界一といっていいほど高かったのは、
昔の子どもたちがよく遊んだからだと思います。
いろいろな場所で遊ぶことで空間の認識力を身につけたり、
仲間との遊びでは、必要なルールを考えながら行動した。
秘密基地をひとつ作るにしても工夫が必要だし、いたずらするにしても、
バレないように必死で考えた。
つまり遊ぶことは子どもの頭をよくするのです。
幼児期から問題集ばかりやらせることはすすめません。
遊ぶべきときに遊ばせる。
これが算数を伸ばすには、一番必要なことなのです。


算数の能力と、遊びの関係……いろいろな場でお聞きします。
虹色教室の私立小学校へ通うお子さんをお持ちの
親御さんからこんなお話をお聞きしました。
英語が授業にある以外それほど公立と学習内容は変わらないのですが、
3年生にもなると授業についていけない子がけっこういて、
100点満点のテストで10点に満たない点を取るなどかなり心配な子もいるそうです。

私が小学校受験に勝ち抜いて、私立小学校に通っている3,4年生と会って感じるのは、対象とじっくりのんびり関わらず、
あまりに瞬時に答えに結び付けようと思うあまり、

できそうなものは図だけ見て問題を読まずに答えを出して、
少しひねったものは解き方を教えてもらって答えを覚えておこう

とする態度です。
小学校受験向けの文字のないプリントをたくさん解きすぎた弊害なのかな?
とも感じます。
ただ、上の2つの態度には
遊び不足や日常体験の不足もかなり大きくあるような気がします。

たとえばトップクラス問題集2年生にこんな問題があります。

さやかさんは つるをおるのに、おととい もっていた おり紙の
半分をつかいました。 きのうものこったおり紙の半分を使い、きょうも
のこったおり紙の半分を使ったので、のこりが23まいになりました。
はじめに おり紙を何枚もっていましたか。


こうした問題は、受験のために
巧緻性を高めるためにおり紙をする

とか、プリントでたくさん問題をこなす

とかいったことより、おり紙でもお菓子でも
あげたりもらったり、残しておいたり、半分に分けてみたり、
喧嘩したり、取り合いになったり、くやしい思いをしたり、うれしかったり……
そうした感情を中心とする生活や遊びが基盤となって
解けるようになるものです。

訓練という名の下で
子どもに教え込んでいっても、
応用問題になるほど
手も足もでなくなります。
それよりも、日々の暮らしや遊びの世界の豊かさをじっくり
満喫することこそ、
子どもに自分で考え、解決する力をつけていくのだと思います。

写真は、科学クラブで『信号機』を作ってきたお友だちの作品を
試しているところです。この日は旅行の様子を写真でまとめてきた作品も見せてもらいました。

発表すること、それを見ることは、子どもの世界を大きく広げるきっかけになると思っています。お友達が作る作品を何度か見るだけでも、「自分も作りたい」「こうして発表したらいいんだな」といったイメージができてきますよね。




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個性的な資質を伸ばすのに大切な3歳児 4

2010-04-25 16:26:02 | 教育論 読者の方からのQ&A
知的な課題が好きな子に育つお母さんの態度 嫌いな子に育つお母さんの態度



小学生と話していると、
「マンガを読むのもめんどくさい」
「ゲームをするのもめんどくさい」という子がけっこういます。
遊ぶのもめんどくさいし、何をしようかと考えるのもめんどくさいそうです。
以前、児童館でボランティアをしていたとき、
児童館の館長先生が、
「多くの子どもが、おもちゃで遊ばず、おもちゃを壊す、崩す、蹴ることばかりするのは、
どうしたものか……」と嘆いていたことがあります。

子どもたちの姿を見ていると、
どんなことをすれば自分が楽しい気もちになるか、それが持続できるかが
わからない様子でした。

子どもは、3歳くらいから、ひたすらそれを探求しはじめます。

どんなことをすれば自分が楽しい気もちになるか、それが持続できるか
は、探求すればするほど、
遊べば遊ぶほど、豊かになり、洗練されていき、
自分の個性的な潜在能力と結びつきます。

人は自分が最も得意としていて、
伸びる可能性のあることに
本気で取り組んでいるとき、一番楽しい気持ちになるし、
いつまでもそれをしていたいと思うからです。

幼児は、全身全霊をかけて自分の潜在能力探しをし続けている
と言っても良いくらいです。

大人がそれを手助けしようと思うなら、次のようなことが大切です。

★ まだ上手に言葉にできない部分を助けつつ、よく話やアイデアを聞いてあげること

★ 問題にぶつかったとき、自分で切り抜けられるように見守り、
適度に手をかすこと

★ 子どもの興味をより広い世界につなげてあげること

★ 大人が「ここは干渉しない方がいい」というタイミングを知り、我慢できること

★ 子どもが必要なもの(紙や描く道具やはさみやブロックやシンプルなおもちゃなど)と、前回の経験が生かせるような忙しくない生活リズムが確保されていること

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