虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

親がこんな力を身につけると、子どもは伸びる 2

2010-08-28 12:39:31 | 教育論 読者の方からのQ&A
過去記事でこんなことを書いたことがあります。
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子どもの自然な知力の発達を見守りながら、
新しい「おわん」を作っては、どこでも、ポタンポタン水がたまり続けている
状態にすることが
親のちょうど良い教え方だと考えています。

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実は、子どもだけではなくて、親にしても、
「こういう力が大事なんだ~」
「こういう部分を伸ばさなくては~」と目的をはっきりさせて、
おわんをつくって、それからポタンポタンと能力を溜めていく
というのがとても大切だと思っています。

親って、『フランチャイズ店の店員』の感性じゃいけないと
思うんですよ。

「最初にマニュアルを自分にインプットしたら、その後は、
それを繰り返すだけでOK」という捉え方です。

そうじゃなくて、『レストランの一流コック』のように、日々、自分を磨いて
成長していくような本当の意味での自分の成長が求められる
仕事なのでしょうね。

それは世間的に見て、
すばらしい親になるという意味ではなくて、

子育てという体験を通して、
「自分の中に新しい大切な力を育んでいこう」
「目の前の出来事ひとつひとつから、学んでいこう」
という柔軟な姿勢で、過していくということです。

「○○法」信者になって、
自分のやりたい育児法、教育法を突っ走っていくことや、
自分が夢見るゴールに子どもの手を握って、駆けて行くことではない
はずです。
努力は自分がするなら美しいものでも、
それを幼児という自分ではない存在に無理強いするなら、
支配やコントロールという醜さ以外の何ものでもありません。

「目の前の子どもを深く知る」
「子どもが自分を作り上げていく姿を、一歩下がって見守る」
「子どもが悩んでいるポイントに気づき、的をついた提案をする」

といった
相手を知る力『シナリオ力』を使って子どもと関わっていく技術は、
自分のやりたいことを子どもに投影する前に
学ぶ必要がありますね。

もし、相手の気持ちを察するのが極端に苦手で、
自分の子がどういう子か、何を望んでいるのか、何に関心があるのか、どんなとき喜ぶのか、どんな場合、意欲的か、どんなとき飽きてしまうのかといった詳細が、毎日いっしょにいても少しもわからない~という場合、

学習についてだけ「わからせたい!理解させたい!上手に教えたい!」と対話する力ばかりを
伸ばすのはどうなのでしょう?

親と子が同じ立場や視点に立っておらず、
お互いのビジョンが大きくずれていると、
親が熱心になればなるほど、子どもはやる気を失っていくという結果に
つながるかもしれません。

もちろん、「最初から、そういう能力がいる!」というわけではありません。

子育てにこういう力が必要なんだな~と気づくことで、
おわんができて、
それから子どもと過しながら、少しずつ学び続けることで、
ポタポタ~おわんに水が溜まるように
親の能力もアップしていくのだと思います。

大事なものは何か、気づいてさえいれば、
歩みがどれほどゆっくりでも、
必ず大成功が約束されているのではないでしょうか。
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親がこんな力を身につけると、子どもは伸びる 1

2010-08-28 09:03:14 | 教育論 読者の方からのQ&A
「頭ではわかったつもりになっても、
いざわが子に何かを教えようとすると
うまくいきません」
「同じことをしても、うちの子は
ブログの記事で紹介されている子のような反応をしません」という
声をいただくことがあります。

それで、直接、親御さんに会って、
どのように子どもに接しているのか見ていると、
いくつかの大きな問題に気づくことがあります。

ひとことでいうと、親御さんの、
『シナリオ力』(論理力の1つ)という「相手のことを知るための力が弱い」ため、
(弱いというより、そうした能力を、
自分の中に育てようと考えたことがないために)
子どもがだらだら~いやいや~うろうろ~とする
態度になっていることがよくあるのです。

子どもの無気力、無関心の原因が自分だなんていやですよね。

でも、考えてもみてください。
妙な例えですが……
私たちだって
自分が欲しくないものばかり、しつこく勧めてくるお舅さんとか、
自分の関心のないことばかり話し続ける姑さんとかと
四六時中過していたら、
意欲的に集中して、お舅さんや姑さんの話を聞こうなんて気持ちが
失われてきますよね。


『コミュニケーションのノウハウ・ドゥ・ハウ』  野口吉昭編 HRインスティチュート著  PHP出版

という著書によると、
この『シナリオ力』とは、

情報収集力  (相手の関心を引きつける情報を集める)

ビジョン共有力(相手のベクトルやゴールを共有する)

提案力 (相手の真の課題解決につながる提案をする)

という3つの能力です。

多くの親御さんが、相手ではなく、市場の情報を集めて、
(教材や習い事の情報を集めて)どちらがお得か見比べて、
判断する力は、
これまでの人生で磨いてきているのです。
でも、そうやっていったん集めて、選んで、決めたら、外注~
というパターンに慣れすぎて、
子どもという人間を相手にする場合、
自分自身、どのような能力を伸ばせばよいのか、ピンとこない
のかもしれません。

シナリオ力の3つに

『伝える力』(対話力の1つ)の

わかりやすい表現力

メッセージ力

パワースピーチ力

が加わると、次なる活動が生まれるとされています。
つまり、子どもがやる気を抱いて成長していく可能性が大きいのです。

有名な名コーチやカリスマ先生がいる習い事は、
後で紹介した『伝える力』(わかりやすい表現力・メッセージ力・パワースピーチ力)
はすばらしいノウハウを持っている可能性があります。

でも、個人的なその子の個性にフォーカスして
教室運営はできませんから、
基本的に『シナリオ力』はないものなのです。
だから、子どもの関心やビジョンや好むやり方などにピッタリ合えばいいですけど、そうでない場合のが多いのです。
それか、ある一時期は、ピッタリ合っていても、子どもの知能の成長とともに
飽きて嫌になる可能性も高いのです。

そうしたことを考えても、やっぱり、子どものやる気や伸びへの
家庭や親の影響力は
大きいですよね。
家庭が、教育の土台を作る場となるように、
親も少しずつ学んでいく~というのが、とっても大切なこと
と思っています。

次回はシナリオ力の伸ばし方について書きますね。
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老荘哲学の本 と IQの高い子を育てるとっておきの方法 1

2010-08-27 17:11:44 | 教育論 読者の方からのQ&A

常識を覆す速読術「フォトリーディング」 1に次のようなコメントをいただきました。
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今までフォトリーディングに関する本を2冊読み、やってみようとしましたが、技術になじめないことと、読むスピード自体は結構早い方なので(と思います)、あまり必要性も感じず、結局できずじまいでした。
でも、先生の活用法をみると改めて、「このような活用がむしろ目的なのね!」と思いました。

いつも、ブログでの本の簡潔な引用とそれに対するコメントがとてもわかりやすく、お忙しい中でどうしてこんなことができるのだろうと思っていましたが、ちょっとその秘密がわかったような気がします。

ブログ上でのアウトプットが良い効果を生んでいるのでしょうね。子どもと同じで、アウトプットが大事なんだな~と改めて思いました。

ところで、「時の輪」が紹介されていましたが、老荘哲学についても初心者向きの本を何かの機会に紹介していただければうれしいです。

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老荘哲学の本で初心者向けといえば、

クマのプーさんの「のんびり」タオ

が、誰でも楽しく読めてわかりやすいのではないでしょうか?
私が高校時代に感動したのは、シノダ・ボーレンの「タオ心理学」で、
これもとても読みやすい本です。

(↑『時の輪』はマニア向け?で読みにくいですよ。私の場合、かなり昔からシャーマンの少女を主人公にした児童文学を書く予定をたてていて、資料としてこの手のものを集めています。

クマのプーさんの「のんびり」タオ

の中にこんな例話が載っています。
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クマのプーとウサギとコブタが道に迷ってしまいました。
どちらの方角に歩き出しても、同じ砂堀り場に突き当たってしまうのです。
そこで、プーさんは、
「ぼくたち家をさがしているのに見つからないんだから、
この砂掘り場をさがすことにしたら、
きっと見つからないと思うんだ。そうしたらいいぐあいでしょう。
だって、なにかをさがしてないものが見つかるかもしれないし、それがちょうどほんとうはさがしていたものってことになるかもしれないもの」
とプーさん。
ウサギはこの話をバカにします。
その後、プーさんは突然
「それじゃあ、コブタ、うちへ帰ろうか」と言うのです。
「でも、プー」「道、知っているの?」とコブタがたずねます。
「いいや」とプー。「でも、ぼくんちの戸棚のハチミツのつぼが十二個入っていて、もう何時間もぼくのことを呼んでいるんだ。さっきはそれがよくきこえなかった。だってウサギがっしゃべってばかりいるんだもの。……」とプーさんは、ちゃんと迷い道から抜け出すことができたんです。

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あるとき、プーさん、こんなことを言っています。
「ウサギはりこうだね」とプーは考え深げにいった。
「うん」とコブタ。「ウサギはりこうだ」
「それにアタマがいい」
ふたりはしばらく黙っていた。
「そのせいだと思うんだよね」と、プーがいった。
「あいつがいつもなんにもわかっちゃいないのは」

プーさんの世界では、
ウサギは  <りこうであるための知識>
フクロは  <賢そうに見せかけるための知識>
イーヨーは <なにごとかについて泣き言をいうための知識>
を持っていて、それぞれプーさんより賢いわけだけど、
実際に、物事をうまく行うのはプーさんなんです。

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そんなプーの姿勢を
老子の教えの根本「道」(タオ)の実践者、タオイストの生き方と重ねているのが、
『クマのプーさんの「のんびり」タオ』です。

タオイズムの基本は、
あらゆる日々の営みの真価を十分に認め、そこから学びとり、
それとつきあっていくことです。

「自然で、単純で、飾り気がなく、正直」なプーの姿は、
「天地のあいだにある自然の調和はいつでも見出しうるもの」と説く老子が
理想とする生き方そのもの。

老荘哲学では、この世は、わなをしかけるものではなく、貴重な教えを
もたらす師そのものであり、
森羅万象を支配する宇宙の法則に「世の塵のひとつ」となって、
天地のあらゆるものの背後で作用するタオ、道を学んで歩むようにすすめているのです。
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タオについての話はこれくらいにして……

ビジネス本ブームは相変わらず続いているものの、それに、
高速学習についての本が加わりました。速読術や頭の回転を速くする~という本類、毎日大量に読んでます。

中で、ちょっと心に引っかかった話題が、
『頭の回転が50倍速くなる 脳の作り方』苫米地英人 フォレスト出版
に載っていた

IQの高い子を育てるとっておきの方法

です。

著者の友だちで、
子どもの受験とかに反対するタイプの人がいらっしゃるんです。
その方の娘さんが、
ハーバード大学とスタンフォード大学の両方に合格したので、
「どういう教育をしたの?」と著者がたずねたのだそうです。

とにかく子どもには小さい頃から、
物事のカラクリを説明させてきたんだ。何でもいいけどね。
信号でとまると、「何で車は信号でとまらなくちゃならないのですか」っている
質問をする。
そうすると子どもが一生懸命説明する。
とにかく世の中に対して、いつも説明させていたんだ」

説明するという行為をさせることで、
抽象度の高い世界がつくれれば、IQはあがるそうなのです。
説明原理を与えるということは、一度事象の抽象化が必要ですから、
抽象思考をすることと同じなのだとか……。

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虹色教室通信をずっと読んでくださっている方は、
もう耳にタコができるくらい繰り返しているのですが、

工作したり、ブロックで遊んだりするとき、
子どもと会話すること、作っているものについて、説明を求めることは、
とても子どもを賢くするんですよ。
日常のさまざまな場面での会話も同じです。
ただのおしゃべりから、少しだけステップアップして、
抽象思考を導き出すような会話の方法を、
教室では大事にしています。
親御さんたちの勉強会でも、具体的に伝えられたらなぁ~と思っています。


大人だけの勉強会についての発表です♪

2010-08-27 15:10:46 | はじめに
9月13日

午前10時~12時 
ROYママさん らんさん アニカリンさん ジェニーさん
みどりままさん maiさん ぞのさん まつさん きょんさん
タイママさん ななみママさん  めいママさん ikkoさん ユニコさん
 

午後 4時~6時 
がんもさん  cclefさん kの母さん はすみ2名 澪ちゃんママさん
よっちゃん あさひさん さぶりえるさん ここさん 
pigmonママさん ぴーなつさん asibeサン かえるさん

9月27日(月)   夜  7時~8時40分(掃除時間を少し取っています。もし、部屋があまり散らかっていない場合、9時まで残って学んでいただけます)も加わりました。
korasukaruさん さくらさくさん ゆうままさん こうようママさん
どらどらさん  Maryさん ノンタンさん こなっちママさん
悠人ママさん ママパンダ


9月23日(祝) 夜  7時~8時40分まで

ROYママさん らんさん ぼるさん がんもさん そらままさん
はちbooさん たくままさん ところてんさん 
さくらさくさん Bigmamaさん オリーブさん ジェニーさん
みどりままさん どらどらさん ゆらりさん maiさん ぞのさん


9月13日の午前と午後はこれ以上の募集はできませんが、
もしこのどちらにも入れなかった方で、9月27日 夜7時~
の勉強会でもかまわないという方がいらっしゃれば、
下のコメント欄に書き込んでくださいね。
あと2名ほどはお受けできます。


わがまま、不機嫌、大泣き、弟や妹への暴力 で、困っています 1

2010-08-27 08:55:33 | 幼児教育の基本
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
わがままや、不機嫌、大泣き、いつまでも泣き止まない、
すぐむくれてすねる、
親が見ていないところで、弟や妹をげんこつでパンチしたり、
いきなり突き飛ばしたりする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そうした3~5歳児の姿にとまどって、
どう子育てしたらよいのか困惑している方々から相談を受けることがよくあります。

叫んだりわめいたり、怒り狂ったり、泣き続けたり、物にあたったりする
姿が、あまりに激しく毎日続く場合、
大きく分けて原因は3つ考えられると思います。

ひとつは、発達障害があって、感覚の過敏さから耐えられなくなって騒ぐ、パニックを起している場合。

もうひとつは、身体を十分使った外遊び、睡眠や休憩、安定したリズムの暮らし、刺激が強過ぎない環境などが保証されていない場合。

思いきり暴れたり、大きな声を出す、自由に動き回ることがあまりできない場合、身体の不調から、常にかんしゃくを起すようになります。
(保育園、幼稚園の先生や友だちと、
気持ちが通いあえない場合。
また集団の場でずっと良い子で過している場合も、家でずっとぐずぐず~する場合がよくあります)

3つ目は、ほとんどの幼児にあてはまることですが、

なんらかの要求を言葉で言い表すことができない場合、
それが激しい感情の爆発となって、外へあらわれます。
また、「お母さんの言うことをきかない」という、やや消極的な
表現をする子も同じ理由です。

3つ目のような感情の爆発を目の当たりにすると、
「泣いていないで、言葉で言いなさい!」と叱る方がいますが、
幼児は自分の中で沸き起こっている感情の意味がわからず、それを言葉で表現できないからこそ、
こうした激しい身体表現となってしまうのです。
そこで、「また~」
「泣かないで、説明しなさい」と言った、騒ぐことを禁じる言葉をかけると、
自分の感情を抑圧してしまいます。
すると、今度、その傷跡に触れるような出来事に
ちょっと遭遇するだけで、さらに激しい爆発をするようになります。

子どもが、泣く、わめく、暴力を振るう、かんしゃくを爆発させる
という行為をするときは、

何か苦しみがあって、それを誰かに受け止めてもらいたい
という身体をはった身体表現である場合がほとんどです。

まず、きちんと苦しい気持ちを受け止めてあげて、
心のわだかまりをといてあげることが大事です。

『未来をひらく愛の子育て』イザベル・フィリオザ  PHP
の中で著者のフィリオザは、
次のように語っています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
泣き、叫び、震えることは、子どもにとっては、苦しみを吐き出し、
緊張から解放され、心のバランスを取り戻すための最良の方法なのです。
子どもが持っている心のバランスを回復する力を信じましょう。
子どもはどうすればよいかを自分で知っています。
あなたがそばに寄り添い、子どもの言い分を聞き、
涙を流すのに付き添ってあげれば、
子どもは感情を爆発させた後で、再びリラックスし、自信を取り戻し、
居心地のよさを手にすることができるのです。


どんな場合でも当てはまる万能のやり方はありません。でも、この子、この親、この状況ということであれば、最適の反応の仕方があるはずです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イザベラ・フィリオザ は、
「常に子どもを満足させることは誰にもできないし、
要求する前に満足を与えてしまうと
ニーズを感じる力を身につけることができないし、
フラストレーションに対応する健全なやり方を学べない」としています。

一方、子どもが怒りを爆発させているとき、
いつまでもひとりで泣かせておくこと(無視したり、罰のように
意地悪い対応をすること)対応や、
感情を抑圧させ、外に出させない対応は、
かえってフラストレーションに耐えられない性質を作ると
語っています。
大きくなると、ちょっとフラストレーションにぶつかるだけで、耐え難い痛みを感じて、依存症や○○中毒、非行行為などに逃げるように
なるそうです。

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『プロの課題設定力 』の著者の方から コメントをいただきました♪

2010-08-26 18:36:31 | はじめに
主婦 と ビジネス書 1
に『プロの課題設定力 』の著者の清水 久三子さんから
コメントをいただきました。とてもうれしいです。
主婦 と ビジネス書 2
主婦 と ビジネス書 3
でも書いていますが、
この『プロの課題設定力 』の本。お家で専業主婦という方にも
オススメです。自分の生き方、子どもの育て方に一本芯を通したいな~
というとき、良い指針になりますよ。

清水 久三子さんは、2歳のお子さんのお母さんで、
☆タフ&エレガントな日々
というブログの中で、すてきな子育ての様子もつづっておられます。
どうぞのぞいてみてくださいね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちょっとだけ前回の続きです。
教育に関する記事をまとめました♪ 1

教育に関する記事をまとめました♪ 2
で、
読むのがうんざりするほど、
地頭力やメタ認知力を話題にした記事にリンクしています。

前回の記事で取り上げたような入試問題が、
「わかるわかる」と自力で解いていけるようになるには、
ただ訓練するだけでは難しいのです。

何を自分がしたらよいのか、
自分の目で見て、判断できる力が必要なんです。遊びでも、生活でも。

親から、「はやく~しなさい」「これはこうするの」などと、
誘導されながら、旅行ツアーのツアーガイドさんの言うままに
あっち行ったり、こっち行ったりしてるような状態で
勉強や練習を重ねても、
中の上~レベルの問題となると、手も足も出なくなってしまうのです。

子どもにも、↑の『プロの課題設定力 』に書かれている
課題を自分で設定していく能力こそ大切なんですね。

また、学習する上で、
ロジカルシンキング(論理思考)だけでなく、
「前提を疑う」「見方を変える」「組み合わせる」
という3つの基本的な考え方から成り立っている
ラテラル・シンキング(水平思考)にも配慮することが、
後伸びする子を育てる必須条件なのでしょう。
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親の学習(子どもに教える方法) ポイント2

2010-08-26 15:43:43 | 教育論 読者の方からのQ&A
中学や高校の入試問題を見ると、
幼児期や小学生の時期にどんな教え方をすればよいのか
見えてくる場合がよくあります。

写真は、偏差値が中の上クラスの中学入試の問題です。

特にめずらしい問い方をしているものではなく、
高学年の子なら、
このくらいの問題がきちんと解けると良いな~という内容です。

省略してある方眼紙が描いてあって、
(P,Q)と点を表すとき、

点(15、23)から右へ1、左へ3、次に下へ4……
と進んだ先の点をあてる問題

点(27,18)から右へ3、次に上へ2と行くことを繰り返して、
方眼紙から外にでる手前の点をあてる問題

などが出ています。

こうした問題、見た目は難しいのですが、
教えてもらって、誘導されるままに解いていくなら、
幼児だって解ける問題なんです。

「右に3いってね、それから上に~」と教えていけば……
また、それが定着するよう
繰り返し訓練すれば、誰でも簡単に解けますよね。

でも、実際に、小学生が、らくらく
こうした中学入試の問題を解いていけるかというと
難しいのです。

なぜかというと、
「これはね、こうやって、こうやって、こうするのよ」という説明を受けて
やるのなら、
幼児でもわかるレベルの問いだったとしても、

それ以前に、

問題を読んで、「あ~こういうことが問われているのか」と理解する力

「こういう手順で、解いていけばいいんだな」と
自分で解く手順を考える力

そうやって、全体を押さえてから、ミスがないように
部分部分に集中する力

が必要だからです。

解き方を易しくかみくだいて説明して解けるようになったところで、
そうして、大人に、「何をすべきか決めてもらっては、作業している子」は
ちょっと問い方が変わればできませんよね。
(最近、人気の通信教材も、□ の中を埋めていきながら、解説が誘導するままに解き方を覚えて、同じタイプの問題で復習~という
学習スタイルのものが多いですね)

幼児がおもちゃで遊ぶときにも、すぐすぐ説明したがる方がいますよね。
でも、そうした説明したがりでお世話が大好きな大人が近くにいると、
子どもは、
いくらおもちゃは上手に遊べるようになっても、
自分で察して、自分で判断し、自分で試行錯誤する力が、
奪われていきます。


それまでしたことがないものを目にして、
自分なりにあたりをつけて、「こうかな?」「こうやるのかな?」と
だいたい察することができたり、
失敗しつつ、自分の行動を改善して、
「できる」状態にしていくことが大事で、
0歳くらいの赤ちゃんでも、本能的にそうした行動を取ろうとする力を
宿しています。
ただ、過干渉で過保護で、何でも先に教えようとする大人がいると、
それはできるようになっても、
他の場面で応用がきかない~
誰かに説明してもらった後でないと、
どんなに易しいものも考えられないという癖がついてしまいがちです。


この問題を小5の男の子に解いてもらったところ、
(27,18)から右へ3、上へ2といくのを繰り返して、方眼紙の外にでる手前の点を見つけるときに、
つらつらと、全ての点を書き続けていました。
そして、解けました。

確かに、答えは出たわけだけど、
だいたいこの問題は○分以内に解かなくちゃならない~という
目安がありますよね。
つらつらつらつら~全て書き出していたら、いくら時間があったって
足りません。

こんなとき、どんな力が必要かというと、
自分のしている作業の途中で、やっていることを再検討し、
「効率的に工夫して解けないかな?」
「ルールはないかな?」と俯瞰した視点から眺めなおして、
改善、修正していく力。
それから、時間配分に気をつけて、
大きな流れを意識しながら、テストをしていく力です。

繰り返しになりますが、
「これをしなさい」と言われて、何も考えずに努力するだけでは、
いっこうにこうした問題が解けるようにはならないのです。

多くの人々が錯覚に陥るのが、
「プリント型の学習で、どんどん枚数をこなしていくと、
知らない間に、何学年も飛び級した問題が解けるようになる」という
教材です。
確かに、上のようなテスト見てもらえばわかるように、
練習次第で、幼児でも、難しい入試問題が解けます。でも、肝心の
プリントで扱っている以外の、飛び級した問題が解けるのか
というと怪しいのです。
本当に問われているのは、できるできないじゃなくて、
メタ的視点で、新しい問題を眺めて、自力で解き方を構築して
正確に解いていく能力で、

「高校レベル」が解けているとあっても、
それは錯覚に等しい場合が多いのです。

おまけに、そうした訓練をすることによって、自分の頭を使って
全体から入って解いていく力が、
衰退していくことの方が多いのです。

長くなったので、次回に続きを書きますね。


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常識を覆す速読術「フォトリーディング」 1

2010-08-25 17:49:59 | 本の紹介
私はこれまでずっと速読術の本を喰わず嫌いしてきて、
「本を読む速度をわざわざ訓練で速めてどうするの?」
と思っていたんです。

でも、
☆「たくさん本を読む秘訣はありますか?」という質問をいただいてから、
そうした訓練をしたいわけじゃないけど、
どんなものか知りたいという好奇心から、

『あなたもいままでの10倍速く本が読める』
(常識を覆す速読術「フォトリーディング」)ポール・R・シーリィ フォレスト出版
という本を買ってきました。

そうして、一通り、読んでみて……

なんだ……私、この「フォトリーディング」というのできるわ~♪
まぁ、正確にできているかは測りようがないけど、これまで便利にこの方法を使っていろいろこなしてきたし、
「フォトフォーカス状態に入る」ための方法というのも、
昔からの私の本の読み方そのものだわ~
とびっくりしました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「フォトリーディング」というのは、脳の神経ネットワークに直接、情報をダウンロードする方法なのだそうです。
入手された情報は、意識で認知される前に、即座に処理されます。
取り込んだ情報を後で引き出すためには、
はっきりした意図を持ってフォトリーディングを終了する必要があります。
具体的にはアフォーメーションによって、取り込んだ情報をどう処理すべきか脳に指示した上で終了するようにします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
具体的に、私がフォトリーディングをどう活用しているかというと、
日々、パラパラ~と読んだ本が、
明日はこういう内容の記事を書きたいなと思って寝ていると、
寝ている間に、その記事に必要な情報だけが頭の中で検索されて、
朝には、書きたい内容に即した本と、それについてまとめた文章が
浮かび上がってくるんです。

寝ていて神経が休まるから、そんなことが起こるのかと
思っていましたが、
考えてみれば、それにしてもうまくいきすぎ……。
命令すれば勝手に作業してくれる状態が、日々、確実に
レベルアップしていて、時間が短縮できていますから。
ちゃんとひとつの技術なんですね。こういうのも。

フォトリーディングをする際には、
フォトフォーカスというユニークなものの見方をします。
意識の範囲内ではなく、脳全体を使ってものを見る感じ。
その真髄は、「ソフト・アイで見る」という方法で目を使うことです。

この「ソフト・アイ」で見るという概念は、
古くから存在し、中国の老荘哲学や、メキシコのよう呪術師ドン・ファンも
この概念に言及しているそうです。

言及しているそうです……と書いたものの、
私は10代後半から、この老荘哲学やドン・ファンの『時の輪』に惹かれて、よく読んでいたので、
「すべてを見る視線」という感覚が古来から伝えられていることは
知っていました。

だからといって、そうした視線を持とうと訓練したわけでもないのですが、
老荘哲学やドン・ファンの言葉が好きなので、
心の持ち方はそうした本に倣うようにしてたのですが、
「ソフト・アイ」の方法というのは、そうした心のあり方を作って
本を読むものらしい……。
「ソフト・アイ」については、『五輪書』の著書である剣士・宮本武蔵が、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2種類のビジョンがあります。
ひとつは「見」と呼ばれるもので、
外観や表に見える動きを観察すること。

もうひとつは「観」といい、ものの本質を見ることです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と説明しています。
フォトリーディングでは「観」のメリットを利用します。

平静、集中、創造力、直感、そして視野を拡大する力です。

この「観」って、
虹色教室で、子どもたちにも、工作やブロックでの製作活動や、知能ゲーム、感覚教具などで遊ぶ時に、
それらの力が最大限に伸びることを心がけてきたことなので、
ちょっとうれしくなりました。

フォトリーディングのような高速学習の世界では、

目的を明確にすること

学ぶ理想的な状態に入ること

フロー状態を作り出すこと

事前に調査すること

「全体から部分へ」

キーワードを見つけること  途中で方針を再検討する

リラックスした集中状態

肯定的な暗示

達成感とともにプロセスを終了する

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
といったことが重要らしいんですが、

まさに教室で、日々、大切にしてきたことばかりで、
「子どもたちが、こういった学習状態を自分で作りだせるように
私は教えていたんだったわ~」
と本を読んで、
感動してうなずきました。

速読術についての話を超えて、
心に残る読書でした。

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科学館等に幼児期から連れていくと、飽きませんか? 1

2010-08-25 13:21:40 | 教育論 読者の方からのQ&A
コメント欄で次のような質問をいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先日、大阪であった「サイエンスフェスタ」に行きました。
 ちりめんモンスター、スライム、人工いくら作り、ホタルの第一幼虫を顕微鏡で見たり、蚕を頂きました。子供は3.5歳ですが、楽しんでいました。

帰ってから、主人と二人で話していたとき、
主人が「何もわからないときから、サイエンスフェスタみたいなところに連れて行くことはいいことなんだろうか?もう少し理解できる年齢になってからでもいいのではないか?あまり頻度に連れて行くと、飽きたり、新鮮さがなくなったりしないだろうか?」といいました。

息子は科学館が好きで、年に3.4回行きます。
興味があるから、サイエンスフェスタに行きました。

私は、「フシギだな。面白いな。」って気持ちが芽生えたらそれでいいなと思っています。そこから「なぜ?」という疑問が生まれたら、自分で深く追求していくだろうし、主人の言うように深く考えていませんでした。小さいときから、頻度に連れて行くと、飽きちゃうのでしょうか?

本人の興味のあることに、親がどの程度協力的になればいいのでしょうか?
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科学館や博物館や美術館、ご質問のサイエンスフェスタなども、
連れて行って、楽しかった~で終わりでは、
飽きたり、新鮮さがなくなるかもしれませんね。

でも、
行けば行くほど、深く理解しはじめ、
成長するにつれてしっかり理解するようになる方法もありますよ。

インプットしたものを、ハードルの低い簡単な方法で、
アウトプットする方法を学んでおくのです。

うちの子たちが、幼い頃、
そうした場所に出かけると、
帰宅してから、見たものを工作で再現して遊びました。
また、すぐにごっこ遊びに取り入れて
遊んでもいました。

以前は、東急ハンズ大賞の展示会を毎年していて、
家族でかかさず見に行ってました。
行くたびに、すごく創作意欲が湧いてきて、いろんなものを
作った記憶があります。
といって凝ったものでなく、ちょっと楽しむ程度の作りで10分工作……
できあがりよりも、見てきた新しいアイデアを試してみるのがメインでした。

そんな風にお出かけや体験のあとで、ちょこっと工作をするうちに、自分で
遊園地に行けばジェットコースターを紙で作り、科学館に行けば
展示品を工作で作って遊ぶようになっていました。

工作をしていると、
「ジェットコースターはどうして逆さまでも落ちないんだろう?自分も同じ仕組みを作り出せるかな?
ジェットコースターの動く仕組みを利用して、他の何か作れるものはないかな?」となどと、
よく考えることが大好きになっていました。
「物作り」は、「考える」ことを「楽しみ」に変える魔法です。

幼児にしても、紙を丸めて、石ころの柄を描くといった
工作をするだけで、次から
石ころの柄や形をよく観察するようになり、
なぜ、丸いのか、なぜしましまがあるのかと
考えるようになるのです。

そうしてよく考えると、
「もっとくわしく知りたい!
もっとていねいに観察したい!
何度見ても見れば見るほど新しい発見があり、知識が膨らんでいく」
という状態になります。

そんな風に、テレビでも見るように、サ~ッと何かを見るので終わらせず、
見たものをアウトプットする簡単な方法を
たくさん身に付けていけば、飽きるどころか
見れば見るほど興味が高まるようになるんです。

教室の子らとお出かけしたあとも、
お出かけ時に見たものや、体験したことを
何度も再体験して遊んでいます。

レストランに食べ歩きをするばかりでは
料理の腕は上達しないし、
しまいにグルメ熱は冷めてしまうかもしれませんよね。

でも、ごちそうを食べて、それを家で再現して
料理することを趣味にしている人はどうでしょう?
レストランに行くたびに新しい発見があり、
自分の能力アップにつながる知識を吸収することができるのではないでしょうか?

また、機械についても、こんなことが言えます。
工場見学に出かけて、一番熱心に機械を見ているのは、
そうした機械を製作しているエンジニアの方かもしれません。
毎日、機械に触れているから飽きるかというと、
クリエイティブに作り出し生み出す仕事に関わっている限り、
そんなことはないと思うのです。
でも、単に「めずらしいもの見たさ」で見ている大人や子どもは、
数回、行けば飽き飽きしてしまうかもしれません。

質問はサイエンスフェスタでしたね。
サイエンスフェスタ等で見たものを、自分で簡単に再現する方法や
抱いた興味をどうやってアウトプットするか、
具体的な方法をたくさん知っていると、
行けば行くほど、たくさんのことを吸収し、
興味が高まっていくことと思います。
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予測が100%当たってびっくり?

2010-08-24 18:09:21 | 教育論 読者の方からのQ&A
今日は、3,4歳の女の子たちの月1回のグループレッスン日。
4歳になって間もない★ちゃん、☆ちゃんのお母さん方から、
「実は、初めの頃は、半信半疑だったんですけど、
先生のおっしゃる通りに、工作環境を整えてのんびり子育てしていたら、
次はこんな風に成長しますよ、という言葉そのままに成長していくのに
びっくりしています。
3歳になった頃、4歳頃には、ボードゲーム類を好むようになるので、
目につく場所に準備だけはして、無理にやらせないようにと
聞いてたんで、その通りしてたんです。
でも、買ったときは興味なしですし、そんな時期来るのかな?と怪しいくらい
だったんですけど、やりたがるとき、適当に駒を進めて遊ぶという本人のしたいように触らせていたら、
4歳の誕生日が近づいたら、ひたすらゲームをしたがるようになりました。」
★ちゃんのお母さん。
「うちの子は、オセロに夢中です」と☆ちゃんのお母さん。

どちらも、急に知能が急成長したように見える時期の前は、
しばらくボーッとして何もせず、停滞する時期があったそうで、
それも私が言っていた通りになったと驚いておられました。

「子どもって自然に育てていたら、こんなに賢く育つんだ~」と
日々、うれしい驚きを感じて、生活してくださっているそうで、
うれしいです。

今回のレッスンで、子どもたちは文字ブームでした。
といっても、ひらがなの書きを練習させているわけではないので、
それっぽい「うそ字」が多いのですが……。

ごっこ遊び中、「メニュー表作って!
コーヒーとアイスコーヒーとバナナジュースの。それから、レシートもいる。」「チケットも!」「手紙も」
と、紙に書いてある文字は何でも取り入れたい様子。

早期にひらがなの書きを練習させず、3,4歳まで自然な発達を
待っていると、「文字の敏感期」と言えるような
文字にとても敏感な時期が来ます。
それまでに、ひらがなをワークなどで教えてしまうと、
この時期に、文字が社会でどのように使われているのか、
興味しんしんで、「自分も書いてみたい」と強く願い、
遊びに文字をどんどん取り入れようとする意欲が薄くなる子もいます。

空腹感がなければ、食べたいと思って食べ物を探さないのと同じように
知識も、敏感期の強いエネルギーで吸収しないと、
知っているために、文字を見ても無関心という状態も起こりがちです。

子どもの自然な成長を信じ、
その時その時に最適な働きかけをすることが大切ですね。


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