虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

明日の大人の勉強会の部屋について

2010-09-12 21:25:10 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
明日のココプラザでの勉強会の部屋について
くわしく書くのをうっかりしていました。

7階の和室です。 702号です。大人だけの勉強会は間違いがあるといけないので、毎回この部屋を取ることにします。

今から順に電話連絡をする予定ですが、もしかして
電話が通じない方もいるかもしれないので、
こちらにも書かせていただきます。

うっかりしていてすいません。

送ったメールで場所がまだはっきりわからないという方は、
ココプラザ 新大阪で
検索してみてくださいね。

世界一知能が高い IQ230の女性の知能上達法

2010-09-12 18:47:50 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
『「頭がよい」って何だろう』植島啓司  集英社新書

1985年のギネスブックでIQ230で
もっとも知能指数の高い人物として登録されている
マリリンという女性の話題が載っていました。

マリリン自身が語る
彼女の知的上達法は、次のとおり。

物事を書き留めたり、計算機を使ったりせず、頭の中で処理せよ。

なんでも断定せず、柔軟な心を保とう。
断定することは、学ぶことをやめることを意味する。
成就したいことがあれば、すべて自分で行動せよ」

というものでした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
子ども時代の柔軟な思考のあり方が、知的上達にいかに大切か
わかりますね。

上の著者は、子どもには、身近なものに対する考え方を教えるべきだと書いておられます。

必ずしも解答はひとつでないこと。
違った道順で同じ結論に至ること。
創造性は間違いの中にも潜んでいること。

などを、子ども時代にしっかり身に付けることこそ、
できるだけ最短距離を通って問題の核心に切り込めるようになる元となると。

幼児期から問いとひとつの答えを結びつける訓練をして、
学ばせることが、
子どもの頭を、大人のようにガチガチの固い状態にして、

必ずしも解答はひとつでないこと。
違った道順で同じ結論に至ること。
創造性は間違いの中にも潜んでいること。

という知的活動に不可欠な感性を
にぶらせないように気をつけなくてはなりませんね。にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ



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子どもの個性や才能をどう伸ばす? 2

2010-09-11 15:07:02 | 工作 ワークショップ
前回の続きです。

何かを上達させようと既存の価値観に子どもを乗せると、

製作でしたら、今日は絵の具の混ぜ方を教え、次は立体物を作らせて~と、大人の作った課題を次々与えてしまいがちですよね。
でも年がら年中、同じものばかり作って
成長がないように見えるときこそ、その子の内部で想像や考えが膨らんでいて、
成長しているときかもしれないのです。


子どもの活動は、それぞれとても個性的なので、
そうした大人が価値を置くものの外にこそ、
その子の興味や成長の可能性が隠れていることが
よくあるのです。

ですから、
ある活動が「好き」だから、急いで習い事に入れて「教えよう」とする前に、
ゆっくり、繰り返される遊びを見守る時間が大切です。
それから、そこに生まれてくる会話も。

子どもによっては、野球のようなスポーツが好きな場合でも、
その点数計算がおもしろいのであって、
実は算数が好きだった~という子もいます。

積み木が好きな子のなかには、設計図をかいたり、
数学的に空間を考えていくことに興味を持つ子もいます。

そうしたそれぞれの素質や関心に気づくには、
一歩引いて、
ゆっくり見守る期間がいるのです。

その一方で、
その子ならではの興味に気づいたら、すぐに何度でも、そうした活動ができるよう
時間や環境を整えてあげます。

エレベーターに興味を持ったら
内部が見える透明のエレベーターが設置してある場所に連れて行ったり、

お菓子作りに興味を持ったなら、すぐにも簡単なものを作らせてあげたりといった

素早い対応も

必要だと考えています。にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ



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子どもの個性や才能をどう伸ばす? 1

2010-09-11 14:28:11 | 工作 ワークショップ
今日は宝地図を書きこもう♪
ママラッチさん家のラッタくんのレッスンでした。

「久しぶりに積み木でお城作ろうか?」というと大喜び。
まずラッタくんが自由にお城を作り、その後、
ジオラマ地図絵本を見ながら
姫路城の縄張り図を意識して
お城の周りを作りました。
縄張り図は、ラッタくんのお城好きに触発されて、
私も最近興味を持っているものです。

製作活動にしろ、自由遊びの内容にしろ、何かを学んだり調べたりするにしろ、
その子その子の個性や才能をよく見て、

何かさせることを急ぎすぎないことと
同時に、すばやく反応して何かしてあげること

の両方大切だな~と感じています。

急がないで、急ぐ?

よくわからないですよね。

急がないというのは、大人の先入観だらけの既製品の世界に
すぐに子どもを当てはめない

という意味で急がないということです。
ラッタくんの例でしたら、工作好きだから、絵の具が好きだからと
子どもを連れて
絵画教室に直行するような行動です。
それとか、製作世界での価値基準で、能力を伸ばそうとあせらないということです。 

ラッタくんは虹色教室に来るたび何度も積み木のお城作りをしたがりました。
それに付き合ううち、
私は、ラッタくんはその活動のどんなところに魅了されているかが
ゆっくりわかってきました。

ラッタくんは、テレビアニメや戦国無双などのゲームを見て「かっこいい!」と感じて
お城が好きになった子ではありません。

建造物の造形美やステンドグラス、透明水彩で描かれた絵画などに
惹きつけられる幼いながらに独特の美的センスを持っています。

自分の世界がとても大事なマイペースくんなので、本人がしたいようにさせつつ、
興味を膨らませるお手伝いをするのが良いように感じています。

今は作品として、見栄えよくかっこよく作るよりも、

建造物の形や場所の持っている意味や
使われ方、
そこにあった戦略などに興味がある様子。

そうした興味のめばえを教育の名のもとに簡単につぶしてしまったらいけないな~

と感じています。

アウトプットを急がずに、その繊細な好みにていねいに対応したいのです。


自閉症の子とごっこ遊びを楽しむ方法   1

2010-09-11 09:18:48 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子
(神奈川での出来事の記憶が薄れてしまう前に
もう少しだけトムくんと過ごした時の話や考えたことを記録しておこうと思っています。)

虹色教室には自閉症スペクトラムの診断を受けている子たちも
何名からレッスンに来ています。診断は重度、中度、アスペルガー症候群などさまざまです。遊びや工作、学習などをして過しています。

いっしょに遊ぶうちに気づいた自閉症スペクトラムの子と
ごっこ遊びを楽しむ方法を紹介しますね。

自閉症の子は相手の動きや変化に合わせて柔軟に自分の出方を決めることが
苦手です。それで、かなり言葉が達者なアスペルガー症候群の子であっても
ごっこあそびはさっぱりできないという場合があります。

ごっこ遊びは対人関係のスムーズなやりとりを
身体で学ぶのにぴったりな遊びですから
できれば自閉症の子たちとも楽しみたいですよね。

そこで役立つのが、大きめの段ボールにいくつか四角い穴をあけた
小道具です。

この四角い穴を、ハンバーガーショプやアイスクリーム店の店頭に見立てて
段ボールをはさんだ あちらと こちら でやり取りすると、
四角い枠のおかげで、自閉症の子が自分の役割を想起しやすくなり、
人とのやりとりへのハードルがグーンと低くなるのです。

「はいどうぞ」「はいどうぞ」と物を四角の向こうから私動作だけで、
反対側で「ありがとう」と受け取ってもらって
ごっこ遊びが成立していくので、
とても楽しく遊べた~という成功体験につながりやすく
定型発達の子たちと、
ゆっくりと友だち関係を育んでいくこともできます。

小さな穴からビー球を入れるのは、
やりとりがさらに難しい自閉症の子たちも好む遊びですが、
反対側でコップを構えていて、
「ジュースください~」と遊べる上、
普段だと、相手に渡して、いきなり取り返そうとして
トラブルになったりするところ、
段ボールという目隠しがいい感じにごっこ遊びを進行させてくれます。

自閉症スペクトラムの子たちは機械に興味を持つ子も多いので、
動かっ車、定かっ車、回転の仕組みなども
段ボールに取り付けてあげると、
エレベーターで上にのぼっていく遊びや
ポップコーンやさんなど遊びが広がります。

自閉症の子たちとごっこ遊びを楽しいものにする上で大事なのは、
感覚的な刺激を楽しむ小道具をたっぷり用意してあげることです。
じゃらじゃらするもの。
ビー球、混ぜる道具、木製ビーズやどんぐり、場合によっては水
などです。

そうした道具を介して、支援しながらごっこ遊びを展開していると、
次第に遊ぶことが上手になっていく自閉症スペクトラムの子たちは多いです。

くわしい遊び方はまたの機会に書きますのね。にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ



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ふるまりさん、タロウくん、ハナちゃんに会ってきました♪

2010-09-11 06:48:54 | はじめに
神奈川で、お母さん、火って何から出来ているの?のふるまりさん宅にお邪魔して、
ふるまりさん、タロウくん、ハナちゃんに会ってきました。
(↑のリンク先でそのときの様子を記事にしてくださっています。
↓の記事にも)
★それは「ケンソン」です

↓化石発見にはしゃぐタロウくん。
★ほんとうの宝物
ふるまりさんとのおしゃべりに花を咲かせながら、
学校から帰宅したタロウくんと紙工作をして遊びました。

ふるまりさんの私の第一印象は、
意外なほど(?)、物静かで、穏やかなイメージ……
だったそうで、
マイペースなおっとり人間なので、それも良く言えば物静か……穏やか……と表現していただけるのか……。

そういえば、以前もブログを介して知り合った方にお会いした際、
その方が後から「ブログの饒舌なイメージとかなりちがって、
子どもの前でものすごく静か~な雰囲気に驚いた」とおっしゃっていたことがあります。

おそらく、ブログを書きすぎた結果、よっぽど「しゃべりすぎ!」なイメージが先行しているんじゃないかと……

今も昔も私は……地味で内向的な性格ですが、

なぜか今も昔も、
やんちゃそうな男の子たちや騒がしい女子高生集団や、
暴れん坊のちびっこたちとも、おしゃべりなおばあちゃん集団や飲んで騒いでいるおっちゃん集団とも、
おっとり~な自分ペースを保ったまま……
あっという間に意気投合して、数年来の友だちみたいに
なじんでしまうところ……
「ほじゃけんのう~」と誰とでもゆる~く意気投合する
母方の愛媛県民の血を継いでいるからかなとも思っています。

そうそう、ふるまりさん宅でタロウくんと遊んだ話を書くのでした。
いっしょに工作したり、算数遊びしたり、帰りにおしゃべりしながら見送ってもらったりしたのですが、
タロウくん、とにかく次々ひらめくタイプですから、同じように次々ひらめくタイプの私といっしょにいると、
そのひらめき度合いはさらに加速されて、
2人の間だけで、遠い世界にいっちゃう勢いでした。

そのひらめきの響き具合はというと、
たとえば、私がふるまりさん宅のマンションのエントランスホールの壁が
化石がたくさん含まれている大理石なことに気づいて、タロウくんに
化石に見つけ方を説明すると、
えらく感動したタロウくん、「ぼくは、何億年も前の歴史の上に住んでいるんだね~」と、心は太古の世界に飛んでいる様子で深くうなずきながらコメント。
(そこまでは……私も考えてませんでした……自分の住んでるマンションに化石が埋まっているなんて、確かに、
何か壮大な夢を感じさせる事実ですよね。)

いっしょに工作をして遊んでいたときも、
ふたりでアイデアを出しながら1枚の紙で線路やトンネルを作っていたら、ものの数分で、地下世界や火山の噴火口まで加わってました……。

今回、タロウくんへのおみやげとして教室の教材箱から、
鉱物などの珍しいものをあさって持っていったところ、かなりヒットしていました。
ふるまりさん宅には大阪に帰る途中でうかがったので、
教室の子どもたちへのおみやげの「やたらでかい箱にシールがいっぱい入ったもの」を、タロウくんのお宅に持っていってました。
それも少しタロウくんにおすそ分け。
残りが教室の子へのおみやげだと知ったタロウくん、
見送りの際には、「ぼくが持ってあげるよ」とそのシールの箱を抱えてエレベーターまで運んでくれ、
真剣な目でこちらを見つめながら、
「大阪の子たちに、おみやげをあげてね!」とお願いされました。
タロウくんの目には、このシールのおみやげを開けて、選んではしゃいでいる
大阪っ子たちの姿が見えていたのでしょうね。

こんな風に私もタロウくんも、
太古の昔から、未来から、地下から、山頂まで、忙しく想像力が飛び回るので
ふたりして忙しい、忙しい……

せっかくお邪魔したついでに、
教室でしているくりあがりやツルカメ算を小物で学ぶ
算数の解き方を、
タロウくんに見てもらったところ、
はじめて見る問題に最初は要領を得なかったものの
たちまち自分の頭をフル回転させて、「~こうだよね」「こうだからじゃない?」と、すっかり問題に引き込まれて、
それは面白そうに、考えて解きはじめました。
先取り学習で教えられたことを再現する子でなくて、
工作や遊びで自分で考える基礎が
きちんと身についている子のしっかりした思考力に関心しました。

タロウくんの話題ばかりになっちゃいましたが、
ふるまりさん、すてきな方でした。
お話できてうれしかったです。

それから、ハナちゃんもとても可愛らしかったです。
恥ずかしがりながらも、目を見開いて
こちらの一挙一動を観察していました。

ふるまりさん、どうもありがとうございます。
とても楽しいひとときでした。

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1時間は60分! 60 って、いっぱいだね♪

2010-09-10 19:14:28 | 算数
大きな大きな時計。
1時間は60分を体感するために、
分のめもりに、ハムスター人形を置いていきました。

「ね、もし、1時間と交換で、
60ぴきのハムスターがプレゼントで届いたらどうする?」
時間の計算問題が苦手な★ちゃんにたずねると、
うれしそうに大笑い。

「1時間は60分! 60 って、いっぱいだね♪」
時間について、ちょっと理解が進んだ★ちゃんです。

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絵本大好きクラブの参加についてのきまりです♪

2010-09-10 13:48:48 | 生徒募集 イベント参加募集
絵本大好きクラブへのお申し込みありがとうございます。
0歳児の弟さん、妹さんを連れての参加のお問い合わせがありましたが、
残念ながら下のお子さん連れの参加はお断りしています。
多人数で動き回ったり、
大きな声を出すことがあるので、0歳児には刺激が強すぎるように
思えるからです。
また参加が2~3歳児なので、
親御さんに手を取っていただいていっしょに参加していただく形に
なっています。

ベビーカーは、美術工房に入れることはできませんので、外の自転車置き場にたたんで鍵をかけて置いておいていただくことになると思います。

大人は1組2名まで(お父さん、お母さん)参加可能です。

室内で飲食はできませんが、館内の休憩所で飲み物を飲むなどすることはできます。にほんブログ村 教育ブログ 幼児教育へ



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絵本大好きクラブに来ていただく方々の発表です。

2010-09-10 10:45:47 | 生徒募集 イベント参加募集
9月16日 10時~11時半 
(ココプラザの美術工房)
の  

絵本大好きクラブについて

の発表です。
見立て遊びが主ですので、
3歳前後のお子さん中心に選ばせていただきました。3歳の子なら
遊びが盛り上がりやすいので、少しだけ予定より人数を増やしました。
せっかく申し込んでいただいたのに、今回は参加していただけなかった方々……
どうもすいません。

新米Kママさん はちbooさん korasukaruさん
ひなママさん 小太郎の母さん yoshiminn
タイママさん れなこさん ikkoさん 
らっちゃんさん かおりんさん どらどらさん 
ひよさん なおたろうさん  べべさん 
りんごさん てるちゃんの母さん
ゆらりさん まさやんさん あやねこさん
よきままさん  悠人ママさん

親子の22組です。

今日か明日中にメールを送りますので、電話番号と住所を
コメント欄にお願いします。
非公開で見させていただいて、連絡いたします。
ココプラザなら知っているという方は必要ありません。

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会話の素となる原型 2

2010-09-10 09:02:46 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達
前回の記事にあしやあそぼくらぶ の先生から次のようなコメントをいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こんにちは♪
ブログをスタートして約5ヶ月が経ちました。
記事を拝読させていただき
そう!それを伝えたかった!!ということが先生のこの記事の中にも詰まっています。
最近ブログを始めて改めて感じていることはもっと具体的に伝えることが必要なのかな・・・ということです。
もう、そのような事は充分理解されているだろうというのはこちら側の勝手な思い過ごしになっていることがありそうです・・・。
今回のあそもくらぶの“モシャシャあそび”意味のない意味のある遊びは、まさに先生のこの記事のような内容を親子で体感していただけるとプログラムしたものです。
これからもどうぞよろしくお願いします♪
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

意味のない意味のある遊び

それ、何?
と感じる方もいるかもしれません。

神奈川でトムくんと過ごしていたとき、私もこの『意味のない意味ある遊び』について、繰り返し考えをめぐらせました。

私がトムくんに「教えて」という言葉を教えようとしたとき、

トムくんは、「誰かに何かを教えてもらいたい」という気持ちや衝動を味わったことがあるだろうか……それがどういうものか理解できるだろうか……

という疑問がありました。



「納豆ください」は、納豆好きのトムくんにとって、それを奪いたい気持ち、妹さんとのブランコの取り合い、誰かに食べ物を与えられて満たされた記憶などから、身体になじむ言葉ではあるでしょう。

でも、「教えて」という気持ちを持ったことがないかもしれないトムくんが、
どうすれば「教えて」の意味の理解に至るのか……
(パターンの絵カードで丸暗記させても、その絵の通りに口まねするのが
やっとかもしれないですよね……)
それは難しすぎるように感じた課題でした。

が、トイレの場所を教えてもらうときした
「差し出された手を取って、ある場所に誘導するように連れて行く」という
ひとつの流れのある行動は、

物を渡して取り返して渡して取り返して……して、会話の原型を習得するのと
似て、
動きを繰り返しながら、「教える」という意味を理解するに至る
ひとつの基本的な形になるな~とも感じました。

幼児がこっちこっちと
誰かをある場所に引っ張っていくのは、
「教える」をひとつの目に見える形にしたものですね。

意味のないように見える
幼児が好んで繰り返す遊びは
ある認知に至るまでのひとつの型を含んでいるものです。

これもトムくんの話ですが、
トムくんとブランコをしていたとき、トムくんが前にこぎながら足を突き出すのに、
私はポンッと足の裏をたたく
という遊びをしていると、トムくんは、次に私がたたくだろうと期待して
足を突き出すようになってきます。

そのとき、予測を裏切って、「こわいこわい」と後ろにさがって見せると
「あれれ?」という表情が浮かぶのです。

こうなるだろう
そうならなかった

という事態に心が動揺して、トムくんの気持ちに
「正しい」と「正しくない」が意識されるようになったのがわかるのです。

幼児にしても、
このような経験を記憶するなかで、「こうなるかもしれない」なんていう
あいまいな言葉が生まれてきます。
(こうなると、自分は予測している。でも、それが正しいケースと正しくないケースが未来に起こりうることを知っている言葉ですね)

言葉は語学学習のテキストにそって学んで定着させるように
習得していくものではないのですよね。

いつもその前に
会話や言葉の素となる動作があって、
それを繰り返すなかで、自由に使いこなすことができる
言葉が形成されていくんですね。

意味のない意味のある遊び

それは、幼児の成長に欠くことができない学習の通過ポイントなのです。

幼児教育なんて何もしていないのに、おしゃべりで知恵がよく働く成長の早い子っていますよね。そうした子を観察していると、何か学ぶ前に
この意味のない意味のある遊びをたくさんしているものです。
そうした意味のない意味のある遊びを
たくさんしやすい環境で育っているとも言えます。

この意味のない意味のある遊びは、言葉の習得だけでなく、
集中して学ぶための型も、
大人の話を注意深く聞く型も、
自分の言いたいことを順序だてて説明できるようになるように
なるための型も
人の気持ちを理解するための型、
根気よく全力で物に取り組むための型なども
あります。
それは幼児の自然な行動の中で見られ、
じっくり繰り返しやらせてあげると、
顔かたちまで凛々しく賢い様子になっていきます。

現代の生活は幼児がそうした成長のための核となるような部分を
作っていく時間や場所を奪いがちです。
また時間があるときに、そうした型となる

意味のない意味のある遊び

についても紹介していきますね。

意味のない意味のある遊び をほとんどしないままに、
たくさん大人にインプットされて、
言葉を使い、いろんなことができるようになる子もいますが、そうした子を見ていると、
「ハイハイせずに歩き出す子」と同じで、
いろいろ気がかりな点を残したまま成長しています。

頭は良いけれど衝動的で、想像力が乏しく、ちょっと強迫的なほどのこだわりを見せることがよくあるのです。つまり、子どもなんですけど「間」がないんです。物の理解が表面的で発展しないものとなりがちです。
おそらくアウトプットしていることの多くが、自分の深い内面との接点がないままなのでしょうね。



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