娘と
大阪市立近代美術館(仮称)心斎橋展示室
に行ってきました。
幼い子たちも美術に親しめるようにいろいろな工夫がしてあって面白かったです。
展示室なので、それほど広くないのですが、
お近くの方はぜひ! おススメです。
きっと子どもが美術の世界に興味を抱くようになりますよ。
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フットワークが軽い娘とは、
お互いの仕事や授業が終わる時間に待ち合わせて
美術や映画やきれいな風景を見に行くことがたびたびあります。
娘は幼いころから、何でも自分から動いてやってみて、
それからいろいろと学んだり、反省してみたり、考えを練ったり、
新しい目標を見つけだしたりするタイプでした。
とにかく、「はじめに、行動ありき」の子なのです。
「おそらく内向的感情直観寄りかな?」と思われる娘は、
人と関わっていく力は、とても繊細かつ鋭い感性の持ち主です。
)
とても愛情深く親密に付き合う一方で、
適度な距離感を保ち、境界線を維持する術に長けていて、
相手の意見を十分受け入れて、共感を示しつつ、
自分の言いたいことははっきりと伝えることができるという
人間関係の上級者?……楽しい子です。
私が性格タイプについて考えをめぐらすことが多いのは、
それぞれが持っている個性的な長所について、好奇心を抱きつつ、
より多面的なより深い気付きを
得たいと感じているからです。
人はどうしても自分の感性を通して、相手を眺めていますから、
どんなに先入観を抜きにして眺めようと努力しても、
わからない価値はわからないままだし、
相手にとっては長所であるものを、せいぜい
「嫌な面だけど目をつむっておいてあげよう」くらいに捉えていることが
よくあるのです。
といっても、性格タイプについて考えるときは、
人の個性の多様性に気づいて、
相手の言動に対して、自分なりの解釈で決めつけてしまいがちな態度を、
一歩後ろに下がってちょっと控えて、
客観的に眺めるための指針にする
程度がちょうどいいくらいに思っています。
性格への理解を広げるつもりが、自分の先入観の枠にあてはめてしまったのでは
元も子もありませんから。
わが子たちが幼かった頃、私は性格タイプについてなど知る由もなく、
ただ漫然と、
子育てしていました。
でも、それぞれの子のアンテナに引っかかるものに共感して、
やりたがる体験をたくさん提供し、それぞれの子が持っている弱点に足元をすくわれないように
ほどほどにフォローして育てていたら、
結局、後から思うと、娘も息子もそれぞれの性格タイプに沿った子育てになっていました。
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夕食後、娘が、
「これまでいろいろやってきて、失敗もいっぱいしてきたけど、
そのおかげでいろんな人から褒められることが多いし、
以前なら憧れていたようなことも、簡単に実現してしまうところがあるんだけど……。
でも、新しい良いことがあっても、ああこの先、こんな流れで進んで、最後はこうなるんだろうな、
なんて妙に先を読む癖がついて、
うれしいはずの出来事に
わくわくできないことがよくあるのよ」と言いました。
私 「確かに、☆(娘)は、思いたったら即実行で、とにかく始めないと気がすまない
ところがあるから、いろいろやってきているだけ、
☆の年齢の時の私に比べて、何倍もしっかりしているところがあるわ」
娘 「そう、できることは増えてるけど、それにつれて、
うまくいってても、あんまり感動もないのよね」
それを聞いて、子どもたちといっしょに出かけた本屋の帰りに、
「よくそれだけ次々読みたい本があっていいな~お母さんは飽きるとか、もう読みたい本がなくなったとかないの?
新しい分野とかどうやって見つけるの?」
と娘から、興味しんしん……という口調で読書で新しい興味を広げていく方法について
たずねられたことを思い出しました。
それで、「そうやって、いろいろできることも増えて、褒められることも多くなってきたのに、
あまりワクワクしないって言うのなら、
そろそろ自分にとって新境地って思われる世界に一歩踏み出す時なんじゃないの?
☆はさ、小さいときから、自分にとって心地いいかとか、楽しいかとか、
敏感に感じ取って、それを言葉で表したり、
迷うことなく実行に移す子だったけど……。
それは長所で、おかげで、いろんなことにチャレンジしてもきたのよ。
でも、同時に、自分でも今自分がしていることに限界を感じて、
もうそろそろ次の段階に移ったらいいって思っているときも、それを言葉にしつつも、
いったん自分にとって心地よくって楽しいなってなじんだことから
抜けられなくてくすぶっちゃうよね。
教室の子も、自分の気分をよくしてくれるものに目ざとくて、
はっきりと、自分の主観的な評価をする子って、そういうところがあって、
楽しそうだけど、困ってるときもあるわ」
娘 「それそれ!まさに、私の性格!
友だちが海外に留学するから、私も何かしたくって。英語をもっと勉強しようかと思ったけど、
それよりいっぱい本を読んだ方がいいのかなとも思ってるのよ。
その留学する友だちっていうのが、それは読書家で、日本の文学者の本なんかも
たいてい読んでいるの。それで、私も、何か自分を向上させることがしたいって思うのに、
つい、今、楽しいって方に流れちゃうのよね。
本っていっても、何から読み出せばいいのか迷うし、お母さんが買ってきた本
見せて」
娘は、私が買ってきた数冊の本から、内田樹先生の『最終講義』を見つけて、
「あっ、これ、私も買おうか迷ってたのよ」と手に取りました。
「その本は、読みやすいはずよ。ユングの読んでない本があったんで、どっちを買おうか
さんざん迷ってそれにしたけど、☆も読んでくれるならよかったわ」
私はそう言うと、
いつもダンナから、これ以上、本を買うな~2階の天井が抜ける~」とぶつくさ言われているもんですから
自分で自分に言いわけするように「娘や息子に回し読みして、私も何度も読み返すなら、本買ったっていいじゃない。一階に置くから……」と心の中でつぶやきました。