JR野田阪神駅の近くで、2階は画廊で1階は本屋と古本屋になっているという
ちょっと珍しいお店を見つけました。
画廊とつながっている本屋らしく
棚には海外のインテリアや美術や建築に関する本が
並んでいました。
そこでいかにも娘が好みそうな1冊を目にとめたわたしは、
娘を誘ってその店に行ってきました。
意外にも、娘は、「これは絶対、娘が気に入りそう!」と目当てにしていた
『フランスのガールズライフスタイル』の本ではなく、
『ロンドンのガールズライフスタイル』の本を選んで購入していました。
帰りしなに、娘がこんなことを言っていました。
「お母さんが見つけてくれたフランスの本は、わたしがこれまでこうでありたいって
形そのもので、理想として目指してきたものよ。
私の趣味をそっくりなぞったみたいだったし、でも、
これはすっかりわたしの中に浸透している、すっかり了解しているって
感じもしてね。
ロンドンの本の方は、わたしの中からは決して生まれてこないような
新しい種類の刺激がいっぱいあったの。
インテリアもファッションも、強烈で奇抜なおしゃれさがあって、
最近、自分のテーマにもなっている『個性』ってものを探求する見本にもなりそうで……
それで、ちょっとわたしの趣味とは違う感じのロンドンのガールズスタイルの本にしたのよ」
娘の名前は、わたしが子どもの頃からずっと憧れていたイギリスのファンタジー作家に
ちなんで名づけました。といっても日本ではごくありふれた名前なのですが、
娘がバイト先や学校でフランス人の方に会うと、「あなたの名前はフランス人の名前ですね」と
親しみを込めて話しかけられることがよくあるそうです。
おそらく、イギリスでもフランスでも(ついでに最近の日本でも)一般的な名前なんでしょうね。
そうした名前のせいでも、わたしがヨーロッパにかぶれているからでもないのですが、
娘はフランス語の響きや、フランスのインテリアや雑貨のデザインなどに
成長するにつれて強く惹かれるようになりました。
娘は、「自分だけのオリジナルを大切にして、
自分自身に誇りを持ち、生活を自分の美的な感性で彩って楽しもうとする」という子で、
そうした生活スタイルを作っていくことに余念がない子です。
最近、気づいたのですが、そうした生き方や考え方そのものも
フランス人のそれに近いようです。
わたしとは異質の感性を育みながら成長していくわが子たちを傍らで眺めながら、
強いジェネレーションギャップと好奇心を感じています。
帰宅後、娘に勧められてドミニック・ローホーの『シンプルリスト』という本に目を通しました。
この本では、自分が好きなことや思いで、夢などのリストを作ることを勧めてして、
そうすることで、
内面を奥深く見つめるようになり、一度はあきらめた夢を見つけられたり、
眠っていた創造力が呼び起こされたりするとしています。
リストは心を磨く道具であり、暮らしをコントロールし、時間を節
約し、ど忘れや勘違いや
ストレスを防いでくれるのだそうです。
この本の魅力は、「本当の自分に出会うためのリスト」「毎日をシンプルに生きるためのリスト」
「幸せが再生産されるためのリスト」「五感を磨くためのリスト」「自分と人生をもっと好きになるためのリスト」
「悩みから解放されるためのリスト」……など人生をいきいきと歩んでいくために必要なさまざまな切り口から、
自分を揺るがすようなリストの例をたくさん挙げてくれている点です。
娘はすでにほとんどのリストに明確な答えを出しているということだったので、
わたしも「自分と人生をもっと好きになるリスト」のなかから、
『成功体験のリストが成功を呼ぶ』
というタイトルを選び、そこで紹介されていた「自分の証」リストを
ノートに書き込んで、ひとつひとつに答えを書いていく作業に取り組んでみました。
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<「自分の証」リスト>
★自分のすぐれた点や自分のなかで価値があると思うところ
★ほかの人とは違う自分の精神的特徴
★自分の長所
★誇らしく思う50のこと
★これまで学んだ専門や積んだ経験
★ほかの人に提供できるもの
★自分を必要としてくれる人々
★自分がなにかをもたらすことができた人々
★自分を好いてくれる人々、その人たちに好かれている理由
★自分はどういう人物か
★自分がただ「存在する」ためにできること(自然のなかをひとりで歩くこと、
ガーデニング、夕日を見ること、パンをこねることなど)
★これからしたいこと(期限と方法)
★もう二度と言わないこと
★もう二度としないこと
( 『シンプルリスト』 ドミニック・ローホー 講談社より)
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↑この本には、「自分の証リスト」の他にも何十種類も目的別にたくさんの
自分への質問が用意されています。
わたしは、自分のアンテナに引っかかったことを適当にやりはじめるタイプで、
自分の暮らしについても、他人からどう見えるかということも考えることはほとんどないのですが、
こういうリストに取り組んでみると、頭がすっきりする心地がしました。
娘は自分が何が好きで何をしたくて、どのような能力を持っていて、どこに向かおうとしているのか、
いつも正確に把握しながら、研ぎ澄まされた感性で事に取り組もうとする子です。
この本に挙げられていたリストも、これまで何度も自分なりに考えてきたことで、
この本を利用するとしたら、そうした自分なりのリストを具体的に次の目標や体験につなげていくには
どうすればいいのか、自分のリストの改善点はどこかというろころに
あったそうです。(わたしは、リストそのものが目新しく、自分がいかに自分の生活をぞんざいに
扱ってきたかに気づかされました)
「自分の証リスト」に取り組むうちに、
こうしたおびただしい数のリストに深い自分なりの解答を出し続けることができるほど
わが子がひとりの個人として成長いること、
わたしが知らないところで、人と関わり、挫折や成功を体験し、
好きなものに心を動かされたり、自分の内面を見つめたりしてきた事実に
驚きを覚えました。
そうですよね。わたしの「子ども」でなく、ひとりの「人」なんですよね。
娘は自分を律することや、自分のライフスタイルを創造していくこと、内面を見つめること、
成功について模索すること、
「自分が誰で、何を好み、何を苦手とし、これからどのように歩んで行こうとしているか」を
見極めていく術に、わたしよりずっと長けているのです。
こうしたことのできるできないは、生きてきた年月と関係ないものなんでしょうね。
子どもが大きくなってくると、教えることより教わることや学ぶことが増えてきます。
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