写真は2歳3ヶ月の★くんと☆ちゃんのレッスンの様子です。
玉そろばんで数遊び中。
前回、子どもの想像力や思考力の広がり方や伸び方というのは、
身近な大人が何を認識し、どんなことをよく思い出し、どんなことを口にしているか、
どんな発想をして、何に価値観を置いているかと密接な関わりがあろようだ、
といったことを書かせていただきました。
それなら、具体的にどのような働きかけ方をしたらよいのか、
2歳3ヶ月の★ちゃん、☆ちゃんのレッスンで
親御さんたちに学んでいただいたことを中心に
紹介させていただきますね。
★ちゃんは、後ろが開いたり閉ったりする車(本来は警察の護送車らしい)を手に、
「ゴミ収集車」と言って遊びだしました。
「ゴミ収集車」で連想できるものって何でしょう?
収集日があること。
街中回って、ゴミを集めること。
ゴミってゴミ袋に入ってますね。カラスがゴミに悪さしないように気をつけている地域もあります。
ゴミ収集車のお家はどこでしょう? ゴミの焼却場でしょうか。
ゴミ収集車のお友だちは誰でしょう? 働く車たちでしょうか。
子どもが「ゴミ収集車」と言って遊び出したら、
いっしょに遊んであげている大人が、ちょっと頭をひねって
連想できるものをいろいろと遊びに取り入れると、
たちまち子どもも記憶力と想像力と思考力をフルに使って遊び始めます。
「そうだ、今日は月曜日だから、ゴミの収集日だわ。9時までにださなくちゃ。」と言って、
袋にゴミに見立てたものを入れて、
ゴミ出しの真似をすると、
子どもは喜んでそのゴミを収集して遊ぶだけでなく、
収集日は曜日で決められていたりするんだな、いろんなルールがあるんだな、
と直観的に学びますし、
カラスがゴミをつつきにくる、というストーリー展開を
楽しむこともできます。
2歳児と遊ぶときは、あまり説明的ではなく、(教え込んだり、わかっているかたずねたりせずに)
あくまでも雰囲気で、楽しくてワクワクする気持ちを
膨らませるために、さまざまな言葉を駆使して遊びます。
遊びのなかで、ゴミ収集車に「お家に帰りたい!」と言わせたり、
「お友だちと遊びたい!」と言わせたりして、
ゴミの焼却場や働く車たちを登場させるのもいいですね。
★ちゃんのお母さんによると、普段は、★ちゃんがこうして「○○車」と言って遊び出すと、
「ふーん、ゴミ収集車なの」と言うだけでおしまい……となっていたそうです。
幼い子たちは親や年上の子らに誘われて、
イメージの世界を広げ、考える楽しさを学びます。
普段、身近な大人が、どのようにイメージを広げ、どのように思い出し、どのように考えているかが、
そのまんま幼児の想像力と思考力が育まれるスペースであり環境となります。
かる~いねんど(100円)でクッキー遊び。
1回遊んだら、後は固まって遊べなかった~となる
遊びもたまには必要。
無駄に見えますが、子どもの心に、柔らかかったものが、固くなって2度と元に戻らなかった
という経験が残ります。
★くんは、物をよく観察して、物の作りを記憶するのが得意です。
☆ちゃんは、お料理の手順のように
流れのある作業を記憶することが得意です。
そうした子どもの得意な記憶がどのようなものか
知っておくことで、
子どもといっしょにする遊びをより豊かにすることができます。
また、子どもに何かを見せてあげるときに、
子どもの得意な記憶がより鮮明なものになるよう
ていねいに見せてあげることができます。