虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

広汎性発達障がいと診断されたり、広汎性発達障がいの疑いを指摘されたら 7

2012-02-06 13:43:45 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

前回の続きの前に、

「読みと書き」に問題を抱えるのではないかという

心配があった年長さんのレッスン内容のひとつを紹介します。

筆圧の弱さや文字の形を把握することの難しさとともに

自分の興味のない課題に取り組むことに困難を抱えていた子のための

就学準備の様子です。

 生き物が好きなので、図鑑をコピーして、

お気に入りの生き物の写真を切り抜いて

名前を書いています。

 

名前を上手に書けるようになったら、

その生き物について知っている情報を

文章にして書き添えていく予定です。

 

こうした課題に取り組めるようになるまで、

椅子に数秒間座っていることも、相手の話に少しの間耳を傾けることも

できないくらい多動が激しい状態が続いていました。

 

現在は、勉強に対して自分でも自信がついてきたようで、

就学に向けて意欲的で積極的な態度が見えてきました。

今回のレッスンでも、こうした書き取りの後で、算数の長い文章問題にも

真剣に取り組んでいました。

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前回の続きです

 

 

その状態で、その女の子の発しているものと、大人の発しているものの

バランスを整えようと思ったら、

いったん大人がしゃべるのを一切やめて、

子ども側からのどんな微細なサインでも感受できるくらいの

静けさを作りだすことが大切だと思われました。

 

 

と書きました。

 

「その女の子が発しているものと、大人の発しているものの

バランスを整える」ために「大人がいっさいしゃべることをやめる」

と書くと、

いかにも、女の子側のエネルギーが弱弱しかったり、少なかったりするので、

その小ささに大人が合わせるようなイメージがあるかもしれません。

子どもの目線に合わせるために、大人がしゃがみこむような……。

 

でも、この場面では、

そうとばかりは言えないのです。

 

確かにその女の子からは他の子に遅れまいとする競争心も、

お母さんの期待に応えられるように振舞おうとする気迫も

ほとんど感じられませんでした。

 

お母さんのまなざしは熱心過ぎるほどにその子に注がれていましたが、

その女の子といえば、

お母さんの顔に恥ずかしそうな笑顔を向けることはあっても、

お母さんの気持ちに頓着する様子もなく、

いたってマイペースな態度でお手本をしめすわたしの手元も見つめていました。

 

ですから、目に見える尺度で判断すると、

その子のお母さんの熱意が非常に強くて、

その女の子の意欲が非常に弱いからバランスが悪いようにも思えるのです。

 

でも、わたしの目からすると、つまり

実際にその場にあった潜在的な可能性を考慮して言えば、

その女の子は目を輝かせたまま微動だにできないほど

目の前の工作見本に心を奪われていて、わたしの方に強い好奇心を向けているのが

感じられましたし、

お母さんの方は子どもに声をかけるのに忙しくて、

工作内容に対して関心が薄くて、不注意な様が目立っていたのです。

 

子どもの側は学習内容に対して強い関心を抱いているけれど、

お母さんの側が学習内容に対する関心が弱すぎるので

バランスが悪いために、

子どもにばかりかまけて、子どもの集中力を奪っているという

困った状態があったのです。

 

そこで、自分の持ち場に帰って工作する際も、

極力、子どもに声をかけるのも

手を出すのも控えていただいたところ、

その子は、自分なりの発想で、他のどの子も作らなかったような美しいケーキを作りました。

紙皿の周囲は、何色かのクレヨンでていねいに塗り分けられていて、

ストローで作ったろうそくには

火が灯っているように見える加工がされていました。

スパンコールは半透明のテープで

ていねいに貼られていて、見るからにおいしそうなケーキでした。

この女の子はわたしが作り方の見本を見せていた時に、

自分ならどんな風に飾ろうかと想像を巡らせていたのでしょう。

目をキラキラさせて見つめていたのは、

手のなかから物が作られていく様子に心から感動していたのかもしれません。

素材の美しさに敏感に感じとっていたのかもしれません。

「静けさ」を作りだすということは、

ただおしゃべりをやめるということではなくて、

そうした子どもの言葉にならない声に耳を澄ますということです。

子どもにたくさん言葉をかける時には、

それが大人の心のざわつきから生まれるノイズとならないように

子どもの発しているものと、

自分の発しているものとの

バランスについて考えてみることが大事です。

 

作った作品をみんなに見てもらう発表の時間には、

お母さんが何も言わないのに自分からケーキを持ってきて、

積極的に振舞うその女の子の姿がありました。

顔には自信に満ちた笑顔が広がっていました。

 

次回に続きます。

 

 

 


広汎性発達障がいと診断されたり、広汎性発達障がいの疑いを指摘されたら 6

2012-02-04 19:06:41 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

お母さんの話によると、その子は保育所で集団の活動から離れて

ひとりで遊んでいることがよくあるそうでした。

他の子らがわれ先にと材料を選んで作っていくなかで、

その子は恥ずかしそうな笑みを浮かべて、相変わらずもじもじしていました。

 

お母さんは心配でたまらない様子で、他の子らに遅れないように

材料を取るように言ったり、作り方を見るように促したり、作る場所を指示したり

していました。

 

わたしはというと、その子のお母さんの心配をよそに、

その子に対してはほとんど声をかけずに様子を見ていました。

ただ黙っていたというより、他の子どもたちとは

たくさん会話を交わしていたのですが、あえてその子に言葉をかけるのは控えていました。

 

というのも、お母さんがその女の子にかけている言葉の量の多さに対して、

その子が発する言葉が少なすぎる……というか、

ほとんど皆無に近くて、

目や表情や素振りでお母さんに向かって何かを訴える様子もなかったので、

ここでわたしまでも、「さぁ、このお皿にこれを貼ってね」「こうやって作るのよ」「どっちがいいの?」と

言葉によってその子を動かしてしまったら、

ますますその子の心が置き去りになってしまう気がしたのです。

 

言葉であれ、関心であれ、期待であれ、要求であれ、態度であれ、

 

「大人側が子どもに発しているものや 向けているものの量」と、

 

「子どもが大人に向かって発しているものや 向けているものの量」が、

 

あまりにバランスが悪い場合、

 

どんな形であれ交換しているものの量が同じか、

少し子どもの量が勝るくらいに調整することが

大事だと実感しています。

 

女の子の周りには、「その子にもっと積極的に動いてほしい」という

お母さんの強い期待からくる張り詰めた緊張感が

ありました。

 

また、女の子のお母さんがあまりに頻繁に指示する言葉をかけていたため、

女の子は自分の言葉で意思表示する必要を感じていないようでした。

 

その状態で、その女の子の発しているものと、大人の発しているものの

バランスを整えようと思ったら、

いったん大人がしゃべるのを一切やめて、

子ども側からのどんな微細なサインでも感受できるくらいの

静けさを作りだすことが大切だと思われました。

 

 

次回に続きます。


広汎性発達障がいと診断されたり、広汎性発達障がいの疑いを指摘されたら 5

2012-02-03 20:10:35 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

前々回の記事で

「頭で判断したことを自分になじませるために

何段階かステップが必要」

だと書きました。

それについて、「こうすればいい」「ああすればいい」というハウツー的なものを

紹介する前に、もう少し前置きさせてくださいね。

 

実は相互に交流することが難しい子に対して

どのように働きかけたらいいかを説明するのは、

親御さんに直接会ってわたしのすることを見ていただいたところで

誤解を与えてしまう……というか、

伝えることがかなり難しい面があるのです。

 

なぜ伝えるのが難しのか、なぜ誤解を与えてしまいがちなのかという理由を曖昧にしたままで、

「こうしたらうまくいきますよ」「こんな時は、こんな働きかけ方をするといいですよ」といった

アドバイスをすれば、

試しても効果がないだけでなく

かえって子どもとの関係をこじらせてしまうかもしれません。

 

子どものことで少しでも気がかりなことがあると、とにかく「早く」解決法を知って、

「早く」子どもに対して働きかけてみて、「早く」目に見える結果を得たいと思いがちです。

 

でも、大人が「早く、早く」という思いに囚われて

気が急いている時は、その子の活動のペースや感情のリズムや考え方の順序や

他人との距離や秘めている思いや囚われている不安などを

正確に捉えるための自分自身の感受性が

普段以上に弱まっているものなのです。

 

感受性が鈍った状態の大人に働きかけられたり教えられたりすれば、

子どもはさらに困った行動に固執するか

他人との心の交流を遮断して自分のなかに引きこもるかの

どちらかに偏りがちです。

 

発達障がいのある子たちは、声をかけても気づかないほど鈍感に見える時も、

実は過敏すぎるほど敏感で、

他人のちょっとした口調や身体の動きや心のあり様に翻弄されていることが

非常に多いことを実感しています。

 

 

そんなわけで、ハウツーに移る前に

もう少しの間、ぐだぐだと長い前置きを続けさせていただくことにしますね。

 

広汎性発達障がいとは関わりのない話ですが、

先日、京都で工作のワークショップであった出来事について話させてくださいね。

 

ワークショップでは、最初に、子どもたちを集めて、

工作をする時の頭の使い方について説明しました。

大きな画用紙を使って、切り替えのある線路の作り方や、

駅やトンネルなど自分が作ってみたいと思うアイデアをどんどん広げながら

作っていく方法を実演してみせると、見ていた子どもたちから次々と、

「ぼくにもやらせて」「わたしにも描かせて!」という声があがって、

画用紙やマジックを奪い合って積極的に取り組む姿がありました。

 

見本を見せると、「そんなの知っているよ」と言っていた男の子に、

「知っているだけでは、本当に自分の頭を使ったことにならないのよ。

まずね、知っているなと思ったら、じゃあ、自分ならどんなものを作ろうかな、もっといいアイデアが思いつくかな、

工夫できるところはないかなって考えて、

知っていることをどんどん大きく広げていったり、

最初よりもっと良い物に変えたりするのなら、頭を使ったことになるわ。

でも、知っているよって言うのは、誰だってできるでし、そこで考えるのが終わっちゃうでしょ。

今日の工作では、自分の手だけじゃなくて、自分の頭をいっぱい使って工作する方法を学んでもらうのよ」と告げました。

すると、その子はたちまちいきいきとした明るい表情になって、

これから自分が作ってみようとするものや、自分の考えを発表し始めました。

それを聞いた他の子らも、「こうしたら駅が作れると思う」

「こういう風にしたら動くと思う」と、全身全霊で頭を絞って、自分の考えを表現しようとしていました。

 

そうした学習タイムを終えて、子どもたちがめいめいの持ち場に帰って工作を始めた時、

わたしのもとに「ワークショップに遅れて着いたので、作り方を見そびれたので教えてほしい」という親子連れの方が

来ました。他の子どもたちは今学んだことで頭がいっぱいで、意気揚々と

自分の工作に取り組んでいますし、

といってその子ひとりに、「こういう風に作るのよ」と手順を説明したところで、

他の子のアイデアや発言を聞いたり、他の子らのワクワクしたやる気いっぱいの姿のなかに溶け込みながら

学ぶのでなければ、その子のなかに「こんなものが作りたい」という強い意欲を引き出すのは難しい気もしました。

 

そこで少しだけ待ってもらった後で、

「紙皿で分数ゲームのケーキを作りたい子は集まって!」と言って、工作に熱中しきっていない子たちを集めて、

その子といっしょに学んでもらうことにしました。

紙皿にスパンコールを貼っていくだけの単純な工作ですが、

作った後で、自分の家族の人数をイメージしながら

はさみでケーキを切るシーンで

それぞれの子の内面に育っている数学的な感性が垣間見られることが多々あって

面白いのです。

この時も参加していた3歳の女の子が、他の子が父と母と妹と自分の4人分にケーキを分けるのを

見ていて、「わたしは5に分けるの。だって家族が多いから」と言うと、

紙皿全体を眺めて、だいたい五分割できるように指で分ける真似を始めて、それがあまりに

的確だったもので驚きました。

 

そんな風に集まった子らが夢中になって紙皿ケーキを作っている間、

「ワークショップに遅れて着いたので、作り方を見そびれたので教えてほしい」とおっしゃっていた方の

お子さんは、お母さんの後ろに隠れてもじもじしたままで

なかなか参加しようとしませんでした。

キラキラした目のかわいらしい女の子です。

女の子のお母さんは、「ほら、お皿にこれを貼ってごらん」「ほら、あんな風にしているよ」「~してごらん」

と声をかけ続けていますが、

その子は材料の紙皿にちょっと触れたきりで

何もしようとはしません。

 

次回に続きます。

 


ブロックのお城

2012-02-03 13:01:37 | 初めてお越しの方

小学2年生の★くんと☆くんが作ったブロックのお城です。

前のレッスンの時に作った↓のお城を

いくつかの点で改良して、計画的に作っていました。

 

改善点

①配色を整える

②むき出しの床にせずに、ブロックを敷き詰める

③窓の部分が縦長になるように調整する

④入口を2階作る

 

↑の2枚は、★くんが撮った写真です。

 

 


広汎性発達障がいと診断されたり、広汎性発達障がいの疑いを指摘されたら 4

2012-02-03 09:01:04 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

発達障がいなどはない一般的な子が、

自分勝手に見える行動を繰り返したり、

できそうなこともやろうとする意欲すらみせなかったりする時は、

不満が膨らんでいたり、甘え足りなくて構ってもらいたかったり、

自己主張するチャンスを逃していたり、

ストレス過多の生活や感情を無視した生活が続いていたり、

他人との会話や友だちとの遊びが少なかったり、自己肯定感が極端に下がっていたりといった

環境や本人の心の問題が理由である場合がほとんどです。

 

でも、広汎性発達障がいのある子が

自己中心的な態度に固執したり、

見るからにできそうなことを意地でもやらなかったりするのは、

単純に、「本当にできないからしない」というのが、一番の理由のようです。

 

能力の問題で「できない」だけでなく、

 

頭の切り替えが「できない」

 

状況を察することが「できない」

 

一度記憶に刷り込まれたネガティブな映像を忘れることが「できない」

 

自分の身体感覚を自然に実感することが「できない」

 

目で見えないことを言葉だけで正確にイメージすることが「できない」

 

といった本人の意志ではコントロールしようがない

何らかの「できない」物事があって、

見たところできそうなことをやろうとしないという状況に陥っている

ケースがほとんどなのです。

 

注意が必要なのは、原因をきちんと把握せずに

無理強いしていると、

「できない」理由が雪だるま式に膨らんでいくことです。

 

頭の切り替えができないだけで、気分を切り替える方法を学べば

できるようになっていた事柄に対して、

 

「お母さんから怖い声で怒られた」

「先生に厳しく叱られた」

「友だちからからかわれた」という

記憶が重なって、それを耳にしただけで身体をこわばらせて拒絶して、

心と体がどうしても受け付けなくなって「できない」……

そうしてパニックを起こすので、友だちとの距離が広がって

ますます状況が読めなくなって「できない」……

それを心配するお母さんの不安定な心に同調して

フワフワと浮遊するような身体と心が一致していない時間が

長くなって「できない」……

といった悪循環に陥っていく子はとても多いのです。

 

次回に続きます。


広汎性発達障がいと診断されたり、広汎性発達障がいの疑いを指摘されたら 3

2012-02-02 12:38:10 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

前回の続きです。

人形劇の進行にすっかり夢中になった★くん。

自分のことだと、「へただから描かない!ってずっとごねていてもいいのかな?」

「おもちゃをどんどん出して、おかたずけはしないよ!って言っててもいいのかな?」

などとたずねると、

「いいの!」「しないの!もう、いい、ぼく帰る!プン!」と言いきっては

帰り支度を始める★くんですが、

お人形がわがままを言ってひっくりかえっている時には、急にお兄ちゃんぶった口調になって、

「ちゃんとしないとダメだよ。ぼくが、してあげようか?」という言葉が毎回出てくるのです。

★くんはきりんの代わりに太陽の見本を描いてあげた後で、

文字の練習もして、「先生のお手本通りに字を真似するにはどうしたらいいのか」を

しめしてみせました。

 

広汎性発達障がいの子らに人形劇を見せると、

まるでお人形が本当に生きているかのように話しかける子がけっこういて、

その純真無垢な姿に心を打たれる時があります。

 

そんな時、ハッとするのは、

何から何まで「いや!やらない!」の一点張りで、自分が周囲から期待されていることも、

自分の責任も、まったく理解していないように見える子が、

実はなかなか客観的でメタな視点を持っているということなのです。

 

見たところ、いつも好き勝手に振舞っていて、大人が口をすっぱくして繰り返している言葉が

少しも耳に入っていないかのように見える子も、

何がよくて何が悪いのか、自分にどんな責任があって、何を期待されているのか、

どうやって自分を勇気づけて課題を乗り越えたらいいのかまで

わかってたんだ、と気づくことが多々あるのです。

 

★くんにしても、自分がしているのと同じ行為を

お人形がしているのを見ると、「そんなことをしたらいけないよ。こうしてごらん。手伝ってあげようか?」

とお人形を叱ったり、なだめたり、勇気付けたりするのです。

 

でも、いざ自分のことになると、過去に「いやだ!やりたくない!」と言い張ったことがあることは、

同じような場面に遭遇する度に、以前の出来事が思い出されるためか、

急に強い不安にとらわれて、落ち着いて判断することができなくなってしまうようなのです。

 

広汎性発達障がいの子らが、客観的に落ち着いて物事を考えていくには、

「目で見て確かめられる」ということと、

「自分の身体と関係ない」ということが

とても重要なんだな、と感じています。

まず、目で見て確かめられる物を通して、

自分の身体と関わりのないことに対して、

「こんな時はどうすればいいのか、何が正しくて、何が悪いことなのか」

高い視点から眺めて判断を下すことはきちんとできるのです。

それから、自分自身だったらどんな風にすればいいのか、

自分の身体ならどんな風に動かせばいいのか、

頭で判断したことを自分になじませるために

何段階かステップが必要なのです。

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


広汎性発達障がいと診断されたり、広汎性発達障がいの疑いを指摘されたら 2

2012-02-01 14:28:15 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

広汎性発達障がいの疑いがある●くんのレッスンで。

幼稚園に行き始めてから、●くんは、「へただから、できない」と口癖のように

言うようになりました。

ミッフィーちゃんのゲームをした後で、

「ペンギンとひつじのまわるゲームが作りたい」と言いだした●くんと

工作をすることにしたのですが、

「描いてー!描いてー!ひつじ描いてー!」と繰り返すばかりで、

自分では何もしようとしません。

「●くん、ぐるぐるぐるっと描いてみて」と言うと、

「いやー!へただからできない、いやー!でーきーなーいー!」と

大きな声で叫び出しました。

 

幼稚園でお友だちから、「絵が下手だね」といった

指摘を受けるようになって

絵を描くのが恐ろしくなってしまったようなのです。

●くんのお母さんは、このところ、苦手なことにぶつかるたびに、

「できない!でーきーなーいー!」とわめきちらす癖がついている

●くんへの対応にとまどっていました。

 

「いやー!」とわめき始めると、

相手の話にいっさい聞く耳を持たなくなる●くん。

 

そこでわたしは、●くんの好きなきりんやトカゲやへびの人形たちを使って

人形劇をしてみせることにしました。

 

オオトカゲ先生がきりんの子どもに

「お日様の絵を描いてごらん」と言うと、

きりんの子は、「いやー!へただから描かない!いやー!」と言いながら、

画用紙の上で転げまわります。

 

●くんはたちまち人形劇の進行に夢中になりました。

 

次回に続きます。

 

 


2歳児といっしょに工作 (ふみきり と ショベルカー)

2012-02-01 13:52:14 | 工作 ワークショップ

2歳児といっしょに楽しむ工作を紹介します。

↑ 『ふみきり』です。

ペンなどで紙コップに穴を空けて、

曲がるストローを刺して、テープでとめたらできあがり。

曲がるストロー2本で作る『ショベルカー』です。

前の部分だけですが……。

 

 

↑工作ではないですが、

2歳児さんたちとの遊びで積み木やブロックなどで

見本を作るときは、写真の『階段』ように

秩序のあるものを作ると喜びます。