秋に未就園児と親御さん、冬に幼稚園児と小学生のブロック講座を開きました。
2日ほど記録できなかった回があったのは残念ですが、(それぞれの子への対応に他の回より時間をかけなくてはならなかった日で、
写真撮影をしている余裕がなかった日です)
記録としてもかなりの分量になりました。
特に幼稚園児と小学生の部は、子どもたちそれぞれの個性や思いが
伝わってくるような作品群です。
写真を眺めているだけでひとりひとりの作っている時のいきいきした表情が浮かんできます。
ブロック講座期間の夕食時に、息子とこんな会話を交わしました。
(その日子どもたちが作ったブロック作品はそのまま教室内に残しておいて、後から
うちの子どもたちに披露することがたびたびありました。)
息子 「お母さんのしているブロック講座は、どの子もゼロから作ってるところがいいよな。それから1時間で完成しているってところも。
一番いいところは、その作業が、自分ってこういうやつなんだ、こういう子なんだって具合に、
アイデンティティーを確認する体験にもなってるってことだろうけど。」
母 「そう、アイデンティティー……。これまでそういう風に考えたことなかったけど、確かにそうね。
自分のアイデンティティーと出会える時間、そうした時間が作りたいし、実際、そうなっているわ、たいていね。」
息子 「子どもの個性を育てるとか、才能を育てるとか、魅力的に聞こえる趣旨の習い事や教育プロジェクトは
あちこちでやっているんだろうけど、結局は大人がウンチクなり技能なりを先に教えておいて、
一時的にてきているように見えているものを
褒めるっていう茶番が多いじゃん。
そういうのは、子どもの側からすると、
持ち上げられるだけ、どこかで冷めた感情を抱えがちだと思うよ。大人にいいように騙されているような。
そういうんじゃなくて、どの子にもその子の持っているものってのがあるからさ。
人に見せて、ここんところが自信で、これが自分ってところが
どの段階でもあるはずでさ。
自分が何級でどのレベルで、他の子と競っているレール上の
どの位置にいるのかを確認していくような活動だと、自分のアイデンティティーを垣間見るような
瞬間はないと思うよ。
何を持っていいとするかそのものを自分で創造していくような……他の子の作品を見て、こんなこと考えてるのかすごいな~
と思いつきそのものに感動するとか、色の組み合わせとか、作品のとがったところとかユーモアとか、
そうした一部分だけで価値をお互いに感じあえる場ってのは、
ありそうでなかなかないからさ。
そういう意味で、お母さんのやってる講座は面白いよ」
母 「そう?そう言ってもらえると、うれしいわ。毎回、わたし自身が感動しているから。
作品にってこともあるけど、その子にってことかな?
ひとりひとりの個性は面白いからね。子どもに自由に題材を選ばせたら、大人はエンターテイメント性の高いもの
ばかり選ぶように思うかもしれないけど、実際は寺好きの子やら博物館好きの子、地味な題材に凝りまくる子から、
どこまでも豪華さを追い求めていく子までいて、何を選ぶか自体が個性で、『その子』を表現しているのよね。
ただただ思うままにそれをアウトプットしていく時間って、☆(息子)が言うように、
それぞれの子が自分のアイデンティティーと向き合っている
時間なのかもしれないわ。」
息子 「個性を大事にする教育って、できる限り、多様性を認めていくってことなんだろうけど、
突き詰めると、子どもを伸ばすという大義名分の上で、それぞれの子の持っているものを消したり奪ったりしない
ってことだと思うよ。
それぞれの子のそれまでの歩みとか、その時の立ち位置が、
スタート地点で子どもをふるいにかけてしまうと、どんなにきれいな言葉で飾ったって、
個性を消したり奪ったりすることにつながるよね。
たまには、習い始めて何年目とか、練習を毎日しているか、なんて違いを一掃して、
全てをリセットして、ゼロから自分を表現する時間があるのはいいと思うよ。
それも、次に引き継いで……なんてなくて、その場で完結しているような時間がさ。
どの子も自分に対して、根拠のない自信満々さを持っているだろうし、
それで周囲をびっくりさせたり、喜ばすことができる体験いるよね。
お母さんのやってる講座はそういう時間として、ちょっとうまくいってるのが不思議なくらい成功しているよ。
あまり巧緻性を要求されないブロックってのがいいのかもな。」
母 「そうね。普段、やる気のない構えで周囲に防御をはっている子が、
あふれるような自信満々さで何か作ってる時ほど、うれしい気持ちになる時はないわ。
特に、ブロックで爆弾作りをしている時とか、そういうことあるのよ。
お母さんが子どもの頃は、子ども同士で団地の庭に落とし穴を掘るようないたずらを仕掛ける子は
たくさんいてね、そういうのも才能のひとつ、個性の一つだったわけ。
それでつまらない日常が、ワクワクドキドキするようなものに変化するし、
そういう仕掛け人の子は、多少やんちゃでも子どもの世界では重宝がられていたし、その子も自分の価値を
そこで確認していたのよ。
大人の世界がそうした子どもの世界から奪ってしまった価値とか、価値などないものとして
扱っている価値ってたくさんあるわよ。
大人にしたら問題とか悪のように見えるけれど、それが本当の危険を防止したり、本当の悪
から守ってくれているようなものとか。
子どもの多様性をあるがままに表現させていると、世間的に良いと認められているもの
だけじゃないものの中に、その子独自のすばらしいものが潜在していることはよくあるのよ。
もちろん、悪いことを奨励していくわけじゃないけど……その子の本質が悪いわけでもなくて、
さまざまな物事は善悪、表裏一体で、見る角度によって悪や劣るものとして封じ込めていた何かが、
別の角度から見ると、その子が実現するかもしれない
魅力的な何かを予感させてくれるってことが、物作りの場ではよくあるのよ。」
未就園児と親御さんのブロック講座 (作り方と子どもへの関わり方を親御さんに学んでいただく講座です)
ブロック講座 1日目 (ブロック講座、その後で)
ブロック講座 2日目 (基本を自分で発展させていく方法いろいろ)
ブロック講座 3日目 (乗り物好きくん、ピタゴラスイッチ大好きさん のブロックで動きを作りだす遊び)
ブロック講座 5日目(「ゴム」の性質に夢中になる。「高さ」で遊ぶ)
ブロック講座 6日目(ブロック遊びで考えること、想像することが好きになる 1)
ブロック講座 7日目(子どもがよく考えるようになる関わり方のポイント 1)
ブロック講座 8日目 (子どもの興味に合わせて、基本を発展させたり、応用させたり。)
ブロック講座9日目(それぞれの子の発達段階に合わせた発展のさせ方1)
ブロック講座 10日目 (それぞれの子にとって魅力を感じるレベルの難しさ 1)
幼稚園児、小学生 の部 (子どもたちに自分の作りたいものを作ってもらう講座です)
ブロック講座 11日目 午後(洞窟、牢屋、火山、ジャングル、むかでさそりロボット、すてきなお家)
ブロック講座 12日目 (ブロック遊びと見る力、聞く力、想像する力、考える力 1)
ブロック講座 13日目 (忍者屋敷、クリスマスのキラキラお家、ビー玉コースター ジャングルと滝 1)
ブロック講座 14日目 (将来は歴女?地理女?さんたちの作品。那智の滝と青岸渡寺の三重塔)
ブロック講座 14日目 午後(車が入る時にスライドして上がる扉がある船、ロケット、動物の森と飛行機)
ブロック講座15日目(螺旋を滑り降りるコースが作りたい!ぼくの駅、飛行機のお仕事)
ブロック講座16日目(九九を具現化した九九タワー、合体メカ、屋根のあるお家、遊園地)
ブロック講座 17日目午後 (リサイクルで作った豪邸、ノアの箱舟風飛行機、ドリンクバーのある駅)
ブロック講座 18日目 (ロボット大集合、戦闘機、モノレール、へび年にちなんだロボット)
ブロック講座 19日目午前、午後(からくりの基本を応用させること
ブロック講座20日目(海上のピラミッド、モン・サン・ミッシェル、水族館、ハムスターおせち?すてきなお家2種)
ブロック講座20日目午後(乗り物いっぱいの街作り、ハムスター敷き詰め大流行)
ブロック講座 21日目午前午後 (東京スカイツリー、エレベーター、宝石でできた家、動物ランド、宝石探し)
ブロック講座22日目午前 午後 (お城の縄張り図、冒険迷路、冒険ステージ、戦闘機)
ブロック講座 最終日 (ピラミッドへ続く道、いちごの宝箱、お家、誕生ケーキ、ストーンヘイジ)