虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

算数難問研究部 4回目 (体積、角度、入試問題、線分図で考える文章題) 1

2013-03-10 18:28:58 | 算数

 

算数難問研究部が発足。算数好きの小3生、小4生が集まりました。

算数難問研究部 2回目 (動点、角度、断面図、積み木の問題) 1

算数難問研究部 2回目 (動点、角度、断面図、積み木の問題) 2

算数難問研究部3回目 ひもにつながれた犬 表に増えていくものを整理すること

 

4回目の算数難問研究部の活動の様子です。

 

今回、自由時間にした遊びで一番人気があったのは、地図のついたカードを使った

「県の人口当てゲーム」です。

いただきものの地理カードでわたしが考えた適当なルールで遊んでいただけなのですが、

推理の好きな小学生たちのツボにピンポイントではまって

大盛り上がりでした。

 

このカードは、日本全国の県ごとに2枚ずつカードがあって、

1枚の表面は地図上に色を塗った形で描いてあり、

その裏面には特産品や県の特徴が4つイラストで描いてあります。

もうひとつの県のカードの裏面は、県の地図と、面積と人口が書かれています。

 ゲームのルールはこうです。

 

適当な県のカードを一枚選んで表面(人口が見えないよう)にして

場におきます。


このカードの県の人口を、それぞれが言い当てていって、

一番近い数字を言った人が勝ちです。

 

人口を当てる際に、その県の特産品のカードとヒントとなるカードを3枚指定して、

見ていいことにしています。またその県に行ったり、住んだりしたことが

ある人は、自分が見聞きしたその県についての印象を話します。



最初に「神奈川県」の人口を当てることになりました。

神奈川県の特産品や県の特徴は、次の4つ。


だいこん、箱根寄木細工、相模湾、ペリー来航。


だいこん畑とか海とか、人口が少なそうなイメージ。


ヒントとなるカードは、子どもたちが相談して決めています。

「近いから。都会だから」ということで、千葉県を選びました。

千葉県の人口、612万人。

もう一枚を選ぶ時点で、神奈川県のサイズが小さめなことに着目した子が、

同じくらいのサイズの県ということで、ヒントに富山県を選びました。

人口は110万人。

 

「110万人……?」とどよめきが起き、「それなら、神奈川県は、110万人と612万人の

間だろうと予測する子ら。

 

残り一枚のヒントを選ぶのに、「東京がいい」だの、「東京は、人口が多すぎるよ。何千万とかいってるんじゃない?」と言う子がいて、

静岡県が選ばれました。

人口380万人。

 

本当は、これでヒントは終わりなのですが、どうしても東京も見ておきたいということで、東京もチェックしました。

1284万人。

 

それから神奈川県の人口当てタイム。

270万人とか、450万人といった数値が出た後で、答え合わせをすると、

「892万人」でした。えっ?と驚く子たち。「やっぱり都会だから?」

 

その後、愛知県の人口当て。

ひとり愛知県から来て参加している子がいて、「市の人口なら知っている」と

ニコニコしていたのですが、考えてみると、愛知県に市がいくつあるのか

わからないし、愛知県内でも市によって人口がかなり異なるはずですよね。

単純に

その子の市の人口に市の数をかけたらいいわけでもないとわかって、悩んでいました。

そこで着目したのが、自動車産業。

 

ひとりの子がヒントに広島県を選びたがりました。

「なぜ?」とたずねると、「名古屋で有名な自動車の工場の支店があるから……とのこと。

兵庫県なんかも候補にあがっていました。

 

こんな風に進んでいく人口当てゲーム。

「旅行に行ったら、田んぼばかりで田舎だった」とか「住宅がいっぱいあった」とか

「都会だった」とか、自分の印象を語ったり、

テレビで見聞きした情報から推理したり、県の面積で判断したり、それぞれが推理するために

オリジナルのアイデアで挑んでいけるところがとっても面白かったです。


次回に続きます。


相談 (「言葉の遅れのある子に文字を教えてはどうか」とアドバイスをいただきました。) 3

2013-03-10 16:48:47 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

☆ちゃんが話す言葉は発音があいまいだったり、息継ぎせずに一気に言おうとするためか

早口だったりして、ちょっと聞き取りにくいです。

でも、言っている内容は的確です。

おそらく☆ちゃんはおしゃべりしていない間も言いたいことがいろいろあるのでしょう。

でも、話すことにはかなり抵抗があるようで、

自分の思いを言葉にするのは困難なようです。

 

そんな☆ちゃんに文字を教えるとしても、

コミュニケーションはあくまでも口でする会話を中心にした方が

いいようにも思いました。

それ以外の方法でコミュニケーションが成り立つようになると

ますます☆ちゃんがしゃべることを避けるようになるかも

しれませんから。

 

今現在も、☆ちゃんの身振りで上手に言いたいことを伝えることができる力が、

☆ちゃんのしゃべらなくていい状況を生んでもいるのです。

 

☆ちゃんへのこれからの対応で大事なのは、文字を教えて

目だけで操作できることを増やすのではなく、

できるだけ楽しいリラックスした雰囲気で、言葉をよりたくさん使う機会を作って、

声を出す困難さを減らしていくことのように思えました。

 

たとえば、今の親子のやりとりだけでは、さまざまな言葉を使うことがありませんから、

「わかったら、名前を言って取ってね」といったルールで、

「赤くて、黒いぶつぶつがついているよ。くだものよ。なあに?」

などと質問して、絵カード取り遊びをするのもいいかもしれません。

 

好きなものや楽しいものについて、

お母さんの側から、

質問を投げかけるのもいいかもしれません。

その際、「☆のお人形はどこに行ったの?」といった質問だと、

その方向を指させばおしまいですから、

「かばんの中に何と何が入っているの?」とか、

「かもめにえさをあげようね。かもめさん、飛んでくるかな?歩いてくるかな?どっちかな?」

のように、「言葉」で答えないと答えにならないような

質問にするようにします。

 

☆ちゃんとお母さんのやりとりを見ていると、

お母さんが、「それ」や「あれ」といった言葉をよく使うことや、

言葉を省略しがちなのが気にかかりました。

☆ちゃんと会話する時には、

「それ」ですむものを言葉にして話すといいのかもしれません。

 

「それ片付けなさい」と言う時でしたら、

「犬のお人形を引き出しの中に片付けなさい。」という具合にです。

 

 

 

 

 

 


遊びが育むやる気 と 問題を乗り越える力

2013-03-10 16:36:02 | 日々思うこと 雑感
教室にレッスンに来ていただいている ぽんみかんさんから、
こんなコメントをいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
前回のお教室のすぐ後で、たいへんタイムリーな記事でした。

息子のぽんすけはものづくりに目覚めたのはいいけれど、
作りたいけどうまく作れない→癇癪!!
思いついたらすぐ作りたい!!でも今は駄目→癇癪!!
エネルギーが日に日に増大して、これからこれをどうしていくかと思っていた矢先でした。

もし、「お母さんはいつでもあなたの工作に手を貸しますよ、スタンバイしてますよ」「工作教室で、きちっと材料が整っていて、今工作の時間ですよ」
と言う状態だったら・・・・・という言葉を読んで、
また、ふるまりさんの記事を読んで、はっとしました。
・・じっくりぽんを見つめて、とことん付き合って、まずは何でもつくれるよ!ということをメインに考えていた第一ステージは終わったなと感じました。

朝晩の家事等で「今すぐはできないよ~」と言われ、泣いてわめいて、嫌っていうほど我慢した後は、待ってましたとばかり「ママ、終わった!?つくろ~!!」と目を輝かせ、
今までまったく旨くいかず、どうアプローチしていいかいまいち分からなかった、「お手本を見る」「説明をきく」が少しずつできるようになってきました。

まだまだ治まる気配の無い反抗期やあまのじゃくぶりに、ちょうど、こちらで紹介されていた保育士おとーちゃんさんの叱り方の記事を拝見し、奈緒美先生のおっしゃっていた「わがままに対する積極的な対応」の意味と自分の対応がどうかを繰返し考えていた時期でもありました。

なんでもかんでもお膳立てせず、ぽんに振り回されず
『「新しくこんなことしてみたい、自分の全力をこれに傾けてみたい」
と閃いたとき、一瞬の迷いも、大人への遠慮も、罪悪感もなく、
自分をその中にどっぷり投入できる……』
そんな体験をいっぱいさせてあげられるようにしたいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 

ぽんみかんさんがコメントをくださった過去記事は、
これまでもう何度かアップしたことがあるものなので、
「もう読んだ」という方もいらっしゃるでしょうが、ちょうど「遊ぶ力」について記事を書いたところなので、
コピーして貼っておきますね。
 
 
 
『お母さん、火って何から出来ているの?』という
6歳のタロウくん、2歳のハナちゃんの日々をつづったブログを
いつも楽しく見させていただいています。
このタロウくんとハナちゃんの思いつきや工作の仕方……言動もですが、
うちの子たちの小さいころにすごく似ていて、
読ませていただいているうちに思わずうちの子たちが小さいころにタイムスリップしています。
失礼ですが、お母さんのふるまりさんのゆるい対応(ごめんなさい~)も、私の子育ての手抜きワザとそっくりで……
世の中、似たような方法で子どもと付き合ってく方もいるもんだな~とちょっとびっくりしたりもしています。

そんなふるまりさんの★タロウのプレゼン失敗と、本当の「問題解決能力」という記事に、次のような思いがつづってありました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
タロウには(ゆくゆくはハナにも)、自分のやりたいことをやるために、どんな状況であっても諦めずに努力する力、をつけていってもらいたいと思っています。
そのためには、少々の困難(この場合はダンナのダメ出し)にもくじけず、
「では、どうすれば良いのか」
を考える力をつけていくのが大事なのかな、と。

でも、そうやって、「問題を乗り越えていく力」というのはなかなかエネルギーがいるもので、そのためには、その原動力となる、「~したい」という強い思いがなくてはダメです。

子供であれば、遊びがその原動力となると思いますが、その遊びを通じて、「~するためにはどうすれば良いのか」という対応能力を、つけて行ってもらいたいなーと。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読ませていただいて、
そうそう~うちの子たちのやる気と自発性と
何があってもめげずに問題を乗り越える力や、くじけなさは、
小学生時代に毎日、毎日、
遊んで遊んで遊びつくしたあげく作られていったものだな~と思い当たりました。

どちらかというと、うちの子たちは、飽きっぽかったり、人間関係で、打たれ弱かったりする所があったのですが、
子ども同士わいわい群れてする遊びは自然に子どもをたくましくしてくれるな~と思います。

前にも書いたことがあるのですが、
娘が5、6年生、息子が2、3年生のとき、近所の子どもたちといっしょに、
息子を社長にして、そそそ会社という架空の会社を立ち上げていました。
娘と娘の友だちは、いつも息子をからかったり、
キツイ言葉をかけたりしているのですが、社長に祭り上げているあたり……
遊びを生み出す発想力に関しては息子のことを一目置いてたんでしょうね。
「この子の思いつくアイデアに乗ってたら、はずれがなく面白いはず……」と。

娘と娘の友だちは、いつも社長より一段上の会長職か何か……のような
立ち位置にいて、陰の支配者のようにも見えました。

この会社、子どもたちの思いつくままにどんどん事業を広げて、
(よく思いつくもの……と呆れるうちに……)
テレビゲーム製作部門、おもちゃ製作部門、販売部門、映画制作部門、販売部門、プレイパークの運営……
あげくの果てには、学校経営にまで手を出していました。

それで、近所の低学年を勧誘して、面接試験をし、社員研修までおこなっていました。
この試験とか、社員研修といったアイデアや内容は、ほとんど娘の友だちが考えていました。
「将来はシナリオライター?」と思うほど、おもしろおかしい文章やアイデアがつらつら出てくる子なんです。
二階で好き勝手に遊んでいるのですが、時々、聞いていると、
このそそそ会社の面接試験も、経営している学校の入学試験も、世間の価値観の逆さまなのです。

「トイレに行ったあとで手を洗いますか?」といった質問には「いいえ」と答えないと減点されて、試験に落とされたりするのです。
本気で試験に挑んでいた子が、泣きながら試験に落ちた~と私のところに訴えてきたこともありました。

時折、バーッと外に出て行っていなくなったな~と思うと、
バタバタ駆け戻ってきて、また遊びが再開するという繰り返し……でした。
 
子どもって、親が選ぶ「良いこと」だけでは育たないな~

と子どもが大きくなるにつれて感じます。

子どもの気持ちを前向きでチャレンジャーにしてくれるのは、
失敗したってどうってことない、飽きたら次を考えれば済む~という
環境のゆるさだったりします。

「新しくこんなことしてみたい、自分の全力をこれに傾けてみたい」
と閃いたとき、一瞬の迷いも、大人への遠慮も、罪悪感もなく、
自分をその中にどっぷり投入できる……

それが子供だけでする自由な遊びのよさですよね。

思い通りにいかないことが多いこと、
頭をしっかり使わないとすぐ退屈すること、
きょうだいも、友だちも、
自分から働きかけて、一生懸命、説得するなり、ぶつかりあうなりしないと、
親や大人たちのように、簡単に折れてくれないこと……

とにかくジレンマを感じる場面に何度もぶつかるし、
考えてもみなかった事態に遭遇することもよくあります。

でも、それが、「どうしてもこれがやりたい!」という気持ちに駆り立ててくれるし、退屈ついでの言い争いが、多少のことにくじけず、
あきらめず、どうすればいいのか考え続ける
挑戦し続ける姿勢を作ってくれるのです。

私は毎日の子どもの生活に、退屈や無駄やけんかや、
大人から見ると「無意味で非効率的」なことがたくさんあるといいな~
と感じています。
また、親の私が正しいと思う考えとは対極にあるものも
チラホラあるのがいいな~とも。

実際、子どもたちがかなり大きくなってみると、
私が価値をおいていなかったものが、子どもたちを鍛え成長させてくれていたことがよくわかります。

ふるまりさんの記事にもうひとつリンクさせていただいて↓
★「輪ゴムをひっかけてあそぼう」オモチャ

タロウくんが地団駄を踏んで、「これがしたいんだ~」「これじゃなきゃダメなんだ~」と訴えて、その熱意におされて、しぶしぶ
工作準備に手を貸す様子が描かれています。

これを読んで、そうそう~もし、最初から、
「お母さんはいつでもあなたの工作に手を貸しますよ、スタンバイしてますよ」
だったり、
「子どもに工作をしてほしいのは、本人よりお母さんかもしれない」って
状況だったり、
「工作教室で、きちっと材料が整っていて、今工作の時間ですよ」
だったりしたら、
それほど工作に熱が入るのか……
工作以外のことまで、貪欲にやりたいがんばりたいという気持ちが起こるのか、
疑問だな……と感じました。

こうしたところに、子どもをやる気にさせる、主体的にさせる
原動力が生まれる瞬間が潜んでいて、
それは大人が「がんばって」作ろうとするとすごく難しいことだな
と感じるのです。

まず、本気で交渉すれば相手が動くという経験なり信頼感がベースにあって、

それでいて、まあまあ手ごわかったり、
思い通りいかなかったりして、
軽いジレンマや、

必死に、あの手この手でぶつかる時間があって……

つまり、時間に追われていないことが大事で、
その後、人と人との間で自分の思いが達成できたという満足感が残るという経験


そうした繰り返しのなかでこそ、
自分の知力や、技術力や、体力や、精神力の限界が把握できるし、
自分が何がやりたいのか、
内面から湧き上がってくるものを実感できるのですよね。

2歳くらいの子でも、
新しいおもちゃを渡しても見向きもしなかったりするのに、
お友だちが持っていると欲しくなる、
取り合うとさらに欲しくなって、
ものすごくやってみたくなる、
いつもならすぐに飽きてポイなのに、渡したくないからおもちゃに熱中するという瞬間がありますよね。

そうやって人と人との間でジレンマを抱きながら、自分の気持ちがワーっと湧いてくるから、
いろんなことに夢中になれるようになるのですよね。

もちろん勉強だって、

大人の期待に応える形ではなく、
また級とか賞とか、プレゼントとか関係ないところで

「自分自身の心が強く強く何かを欲した経験」がベースになって、
がんばれるようになるのだと感じます。

うちの子たちの小学生時代のことを思い返すと、
何が良かったのかって、
大人の価値観に真っ向から反抗して、好きなように無駄をやりつくして、
ひとつも「大人のため」が入っていない世界で
自分のしたいことをした~
やりたいことのエネルギーがいくらでも湧いてきたという
経験なのでしょうね。

そこで、すっきりとゼロの自分になって、

自分の人生にどんな計画を思い描こう、
この人生に自分の知力、技術、体力、精神力の全てを投入して
何をやってやろう!

って力が湧いてきたのでしょう。
そして、今度は、一歩、現実の世界にも
足を踏み入れて、その力を勉強なり、人との関係の構築なりに
使い出すのだと思います。

相談 (「言葉の遅れのある子に文字を教えてはどうか」とアドバイスをいただきました。) 2

2013-03-10 08:53:40 | 初めてお越しの方

☆ちゃんと同じ年頃の○ちゃんが、いっしょに粘土遊びをしたり、

工作したり、

ままごと道具で遊んだりする姿から、こんなことに気づきました。

 

☆ちゃんはお母さんと遊んでいる時は、あまり言葉を使おうとしません。

何か言おうとしているという素振りだけで、お母さんが☆ちゃんの言いたいことを察して

応じてくれるということが大きそうです。

といっても☆ちゃんのお母さんはそれほど過保護に接しているというわけでもありません。

 

☆ちゃんは、ちょっといじわるなほどに

本人の要求がこちらに通じていないように振舞わないと

言葉を使おうとしないのです。

知恵のある子なので、うまく通じない時は

実力行使で自力でなんとかしてしまいます。

 

ただお友だち相手だと、要求が通らないだけでなく

自分のものまで奪われたり、

同じ要求がぶつかりあったりします。

 

☆ちゃんもさすがに黙っていられないのか、

自分の言いたいことをちゃんと言葉にしていました。

 

場面にあった適切な言葉が言えています。

 

 

とはいえ、とても息苦しそうだし、舌の使い方がうまくいかないようでもあります。

また、自分の言いたいことがうまく言葉で表現できない

イライラが高じて、お友だちを威嚇したり追い払ったりする態度になってしまうことも

何度かありました。

 

お母さんと顔を見合わせて笑いあう様子や、

わたしの言う言葉に対して、笑顔が広がったり、照れてみたり、ワクワクした好奇心いっぱいの表情を

浮かべていたりする様子からは、

感情の世界の発達の良さが感じられるのに、

言葉がうまく出てこないために、

お友だちとの関わり方が幼いまま留まっているように見えることが気にかかりました。

 

次回に続きます。

 

 

 

 


相談 (「言葉の遅れのある子に文字を教えてはどうか」とアドバイスをいただきました。) 1

2013-03-09 21:13:10 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

3歳4ヶ月の☆ちゃんは、身体の発達がゆっくりだったため療育園に通っています。

自閉傾向はなく、知力にこれといった遅れは感じられない子です。

他の発達に比べ、言葉がゆっくりなのが気になる、と療育先で指摘されているそうです。

先日、そちらで「文字を教えると言葉を話すようになる子もいるので、文字を教えてみて

はどうか」とアドバイスをいただいたのだとか。

 

わたしは療育の先生の指摘はもっともだと思う反面、

☆ちゃんに今、文字を教えるのは控えるか、

かなり慎重に行った方がいいようにも感じました。

 

またそう感じながらも、文字を学べば、ひとつひとつの音を発する際に

音の違いを意識しやすくなるでしょうから、

そうした面での利用を主にして教えていくのは

大事なことなのかもしれない、とも思いました。

 

つまり利用の仕方に注意して文字を教えるということです。

 

確かにわたしも言葉が出なかったり、言葉に遅れがあったりする子に

文字を教えるといいんじゃないか、と思うことがあるのです。

 

言葉のない5歳の男の子の記事で紹介した★くん

そのひとりで、

言葉を発することが難しい理由が、身体の機能の問題にあって、

声を発することができないから、知恵が発達しても、

伝えたいことや相手から受け取ることが進歩していないようだったからです。

 

もし、文字や絵カードを使ってコミュニケーションが可能になったら、

2語文や3語文を理解して、使っていけるような潜在能力を

今の遊びや生活の姿から感じられるからでもあります。

 

また、言葉の出ない広汎性発達障害の子という記事で紹介した2歳の★くんも、

そのひとりです。

★くんは目で判断する能力がとてもいいにも関わらず、

音の違いをきちんと聞き分けられているように見えないような

印象があったからです。

文字を教えることで、今までどこで切れていて、どれとどれに違いがあるのか曖昧模糊としていた

耳から入ってくる言葉を聞き分けられるように

なるかもしれないと感じたのです。

 

そんな5歳の★くんや3歳の★くんと

☆ちゃんの困り感はかなり異なるように見えます。

まず、耳での聞き分けはとてもよくて、一度さらっと説明しただけのことも

正しく聞き分けて、それを行動に移すことができているのです。

ですから耳で聞き分けやすくなるために、文字を学ぶ必要はなさそうです。

 

また、声を発する機能という面では、

舌を思うように動かすのが難しそうだし、

ある程度の長さの言葉を発すると、息苦しさを感じているようにも見えるものの、

自分が言いたいと思っていることを、言えることは言えているのです。

 

ただ言葉を口にすることはとても苦しそうで、

どうしても言葉を発さずにはいられないような

気持ちが高まった時だけ、言葉を口にしているようです。

 

次回に続きます。

 


年中さんたちの算数タイム 問われている内容が2つ以上ある時

2013-03-09 17:15:04 | 算数

年中さんのグループの算数タイムです。

 

数字の書いてあるカードをいくつか並べての出題です。

 

「右から2番目の数と左から3番目の数の違いはいくつでしょう?」

 

「右から3番目の数と左から2番目の数を足すといくつになるでしょう?」

 

といった問題を解いています。

 

まず、「それぞれの位置にある数をつきとめてから計算する」という作業をした上で、

それぞれの数を引いたり足したりしなくてはなりません。

 

「次にすることをいつもお母さんに指示されている」という過干渉な

関わり方をされている子は、

こうした問題が苦手になりがちです。

 

みんな一生懸命解いていました。

こうした問題の他に数の分解や数の並び方などをしました。

色水実験用の実験道具やマジックサンドをいただいたので、

みんなで化学実験を楽しみました。

市販の実験用キッドだけでは物足りなくて、

本物のレモンを加えて色の変化を調べたり、紅茶にレモンを加えて色の変化を調べたりしました。

 

子どもたちに「大事な検査する道具よ」と言ってリトマス紙を配ると、

レモンの汁に赤いリトマス紙をつけて、怪訝そうな顔をしていた子が

青いリトマス紙をつけたとたんに「あっ!青から赤に変わった~!」と大騒ぎしていました。

お迎えにきた親御さんにも「青いリトマス紙をレモンにつけると

赤くなるんだよ」と報告していました。


ポップアップ絵本の作り方を学ぶ  星座を作って遊ぶ

2013-03-09 09:16:48 | 工作 ワークショップ

年長さんのふたごちゃん、●くんと★ちゃん、3歳の☆ちゃんの

レッスンの様子です。

 

 

★ちゃんが教室にある『けっこんしきのしょうたいじょう』という

ポップアップ絵本を見て、感激していました。

そこで、「この絵を使って、ポップアップ絵本の作り方を勉強してみる?」

とたずねると、「うん」と大きくうなずきました。

 

★ちゃんは「こういうものが作りたい」と思うと

材料集めから完成まで全て自分でこなせる子です。

(前回のレッスンの作品です。ダンボです)

ですが、今回は、

素材に絵本のカラーコピーを使用して、動かす仕掛けの作り方を学ぶことを

中心にした工作をしました。

★ちゃんは一度、身に付けた技術を、さまざまな物作りの場面で

何度も活かそうとします。ですから、自発的に自由に制作する時間と

手本を見て、教わりながら、新しい技術を学ぶ時間の

どちらも大切だな、と思っています。

 

ポップアップの作り方は、こんな風に学びました。

 

★ちゃんが気に入っていた『けっこんしきのしょうたいじょう』の絵本で

好きなページを選ばせて、それを二枚カラーコピーします。

実際のポップアップ絵本の作りを参考にしながら、

どんな風な動きを取り入れたいのか、★ちゃんとよく話しあいます。

 

★ちゃんは宝箱の蓋が開くようにしたいと言いました。

こんな風に蓋を開ける仕掛けなが、蓋の部分の一方をテープで貼ると良いですよね。

その後、★ちゃんはもとのポップアップ絵本にはない

自分なりの「こんな風にしたい」を主張しはじめました。

 

どうも、蓋が開くだけでは、宝物が落ちてしまうので、

ちゃんとアクセサリーが収納できるようにしたかったようでした。

「ここをカッターで切って、それからパッて開く時にアコーディオンカーテンのところみたいに

ビヨンビヨンになっているようにしたいのよ」と言いました。

 

そこで、宝箱に切り込みを入れた後で、三角形を貼りつけておることで、

折りたためる入れ物の作り方を教えました。

他に、本の中を動物が動く仕組みや、開くとちょうちょが舞う仕組みなどを

★ちゃんが理解できて再現できるレベルで教えました。

☆ちゃんも同じ絵本を手伝ってもらいながら作りました。

 

☆ちゃんは、その後でしたアクセサリー作りが楽しかったようです。

 

★ちゃんと☆ちゃんが工作にはげむ間、

●くんは星座を作って遊んでいました。

とても面白かったようで、さまざまな星座作りにチャレンジしていました。

 

星は蛍光の素材でできています。星座黒い布をかぶって観測中。


「おもちゃでいっぱいの部屋」 という記事を読ませていただいて……2

2013-03-08 22:24:04 | 工作 ワークショップ

電池で動くおもちゃは刺激が強いので、ほんの少しの間は

子どもの興味を強く惹きつけます。

 

教室には、そうした電池で動くおもちゃ類もいろいろあります。

(そのほとんどは分解したり改造したりするための100円グッズですが……。)

今日も3歳の子どもたちにいただきものの汽車のおもちゃを見せてあげると、

汽車が自分の力で線路をひっくり返して進んでいく姿が大受けでした。

といってもその興味が長く続くわけではないし、

そのおもちゃだけで遊びが発展していくわけではありません。

 

でも新しい刺激にワクワクしている時に

「これを工作で作ってみる?」とたずねると、

たいていの子たちは、「する!」「作る!」と答えます。

この日の汽車のおもちゃを見た3歳の子どもたちも

とても意欲的に工作に取り組んでいました。

はみだした線路を上に曲げると、子どもたちの見立ての世界では、

電池で動くおもちゃのように面白い動きで電車が

進んでいるのです。

そうしていったん創作熱に火がつくと、その後はおもちゃには

見向きもせずに、熱心に物作りに興じていました。

 

いちごのへたを作るために、「つまむ」作業をしているのです。

丸めたいちごにポツポツ穴を開けていくのも、とっても面白かったようです。

物作りの時間に、ただ作らせるのではなくて、人との関わり方や関わる楽しさを

たくさん体感できるようにしています。

 

お友だちの興味に自分も関心をしめすこと。

お友だちの真似をしてみること。

お友だちのアイデアを知ること。

自分もアイデアを考えてみること。

お友だちに教えること。

材料を選んだり、作業を楽しんだりする際に、「お店屋さんに自分で買いに行く形」や「宅配が届く形」

などごっこも取り入れます。上の写真は、「何色にしますか?」とたずねられて、お店屋さんでいちご作りに

必要な粘土を注文しているところです。

3歳児さんたちにそうして材料を選ばせていると、

1歳4ヶ月の妹ちゃんまで、わたしの隣に椅子を持ってきて、ちょこんと

腰かけて、粘土を選びたがっていました。

 

教室ではこんな風に電池のおもちゃ類ともつきあっています。

 

次回に続きます。

 


「おもちゃでいっぱいの部屋」 という記事を読ませていただいて……1

2013-03-08 13:14:12 | 幼児教育の基本

 

保育士おとーちゃんの子育て日記というブログで

おもちゃでいっぱいの部屋 1

おもちゃでいっぱいの部屋 2

という記事を読ませていただきました。

 

そういえば、6年ほど前にこんな記事を書いたことがありました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私の家族からもらうプレゼントは
たいてい 教室で使うおもちゃにしてもらっています。
今年のクリスマス 自分からのプレゼントも含めて
3種類のおもちゃが増えました。
ひとつは 
オークションで安く競り落としたままごとセット。
写真のアイロンセットやベッドの他に
食べ物 食器 レジ‥とかわいらしい道具が
ダンボールいっぱい届きました。

あとのふたつは 「切り紙ができる折り紙セット」
「100円ショップの800円!!ブロック」

それで 問題は最初のままごとセットです。
いつも教室に来たらままごと道具に飛びつく子どもたちが
目の色を変えて遊びだしました。
ところが ところが‥
どの子も だんだん元気がなくなるのです。

「いつもみたいに面白くない‥」

6歳のYちゃんは「先生 あんまりおもちゃを買ったらいけないよ。
片付けるのだって大変になるし‥‥‥」と
かごにおもちゃを放りこみながら ブツブツ‥。
(まだ ろくに遊んでないんですけど‥)

そういえば つみきのひとつをバーコードを読み取る機械に見せかけると
目を輝かせて遊びを膨らましていた子らが
しらけきった様子で きれいにできあがったおもちゃを
触っては飽きて
触っては飽きてを繰り返しています。

これまで デコレーションボールでケーキやお弁当を作っては
順列や数の世界に興味を発展させていた子らが
なんてつまらなそうに
遊んでいるんでしょう!?

子どもは不完全でシンプルで
自分の想像力や作る作業
アイデアや根気を必要としているおもちゃが
本当に好きなんだなぁ!
としみじみ再確認しました。

せっかく買ったおもちゃですが 
何かアイデアを加えて 子どもに語りかけてくれるおもちゃになるまで
片付けることにしました。
店頭では キラキラ光っている魅力的なおもちゃたちが
子どもたちを 飽きっぽく考えることが苦手な子に
させていくのでしょうか?

6歳の子に叱られて 心から反省した出来事でした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

保育士おとーちゃんの子育て日記の
「おもちゃでいっぱいの部屋」を読んで
さまざまな思いが心の中を駆け抜けていきました。

ひとつは、うちの子たちとおもちゃとの関係。
うちの子たちの幼児期や小学校時代は、何を与えるべきか
といったことはあまり考えず、欲しがるものを適当に与えていました。

が、デパートのおもちゃ売り場に連れて行っても、よほど強く惹きつけられたもの以外は
買ってもらいたがるようなことはなく、
最新のゲームのルールの面白さやおもちゃの仕組みなどを
感動して眺めてまわった後で、
帰宅してからは
子ども自ら、それに似たものを手作りしていました。
 
見たり聞いたりしたものを自分の発想で何か作りだしたり、ごっこ遊びに取り入れたりするのが
一番楽しいことのようでした。

娘が小1で息子が3歳の時にわが家にパソコンが来て、
やりたがれば自由にパソコンで遊ばせていましたし、
DSやファミリーコンピューターも欲しがるままに与えて、何をやりたがろうと自由にさせていましたが、
それもじきに、「プログラミングをしてゲームを自分で作る」といった
創造的な使い方がメインになっていました。
 
それは保育士おとーちゃんさんの言葉を借りれば、
うちの子たちは「遊ぶ力」が身についていたから
といえるのかもしれません。
また思考力や想像力、創造力を使う喜びや楽しさも、それらの力の使い方も
よく知っていたからでもあるのでしょう。
 
でもそれってうちの子らに限ったものじゃないのです。
 
教室に通ってくるほとんどの子……ハンディーキャップのある子らも含めて90%以上の子が、
遊ぶ力さえついてきたら、
いちいち大人が遊びを制限したり、選んで与えなくても
想像力や創造力をフルで使うような遊びにしか関心をしめさなくなりますから。
 
教室に来始めた当初こそ、目新しいおもちゃに次々手を伸ばしていく姿がありますが、
少しすれば、子どもたちの遊びの好みは
大きく変化していくのです。
 
 
教室には障害のある子のためにそろえたものや
「子どもが大きくなったので……」といただいたものなど、
知育玩具がら電池で遊ぶものまで、それは多種多様のおもちゃがあります。
ADHD傾向のある子たちや自閉傾向のある子たちには、
そうしたおもちゃがありすぎる状態はよくないかな……なんて心配していた時期もあったのですが、
心配に及びませんでした。ハンディーのある子たちほど、
一度、物作りや科学実験の仕方などをマスターすると、他に目移りせずに
そうした活動に夢中になっていきますから。
 
そんなにたくさんのさまざまなおもちゃがあったところで、
子どもたちに自由に遊びを選ばせると、
1番人気があるのが工作、次にボードゲームと科学実験、その次がお人形遊びやごっこ遊びという
結果になるのです。
結局、教室に着いてからの30分間ほどの、自由に何をしてもいい時間にも
工作か実験かボードゲームをすることになっています。
 
 
次回に続きます。
 

マンガ雑誌の原稿を描いてもらいました♪

2013-03-07 21:27:33 | 虹色文庫出版局

小2の★ちゃんに近々開く予定のマンガ雑誌の編集会議向けの原稿を描いてもらいました。

「写真を撮るよ」と言うと、「描いている風でしょう?」とポーズを取ってくれた★ちゃん。

でも、それではまるで、「り」の書き順を間違ったかのよう!?

 

 

エネルギッシュで創造力溢れる★ちゃん。

勉強の休憩時間にサラサラッと6枚の原稿を仕上げてくれました。

(算数の学習もばっちりでした♪)

 

わが家の鳥さんたちがモデルのマンガです。

 

ラブちゃんに同時に「好き」と告白したカーコちゃんとチェリーちゃん。

恋のライバルとなった2羽は、「町一周のリレーー対決で、

どっちがラブちゃんを恋鳥?にしようか

争います。

 

試合当日、ラブちゃんは判定に。

 

試合は飛ぶのが得意なチェリーちゃんに決定。

でもチェリーちゃんが喜んだのも束の間、

「自分たちで人のこと

きめないで」とラブちゃんが泣きながら訴えます。

 

そして告白。

「カーコちゃんが好きなの。ずっと言えなかった」とのこと。

 

最後に二羽はラブラブのカップルに……

というストーリーでした。