虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

詰将棋に似た先を読む力を育てる手作りゲーム 『ニュートリーコ』

2013-12-15 13:22:51 | 算数

簡単に作ることができる

詰将棋に似た数学的な『ニュートリーコ』というボードゲームの作り方を

紹介します。

 

写真のように5×5のマスと

色の異なるコマを3つずつ作るとできあがり。

 

<ルール>

最初に↑の写真のようにコマをセットします。

赤チーム、緑チームで、自分の色のコマを

タテ・ヨコ・斜めにまっすぐ3つ並べた方が勝ちです。

★ コマの動かし方に特徴があります。

順番に自分の色のコマをタテかヨコかナナメに動かします。

その時、相手のコマの手前かボードの壁まで止まることができません。

どこまでも滑って行くようにコマを動かします。

 

自分の好きな場所で止まることができないため、

3つ並べるには、何手順も先の

コマの動きを読んでいかなくてはなりません。

 

幼児や小学校低学年の子が将棋をすると、コマの動かし方を覚えることに

気を取られて、先を読むことまでできないものです。

このゲームは、シンプルな作りのため、幼い子たちも

自然に先を予測しながら遊ぶようになっていきます。

 

 

ネットで、『ニュートリーコ』で検索すると

オンラインゲームを楽しむこともできますよ。

 

クリスマスとお正月用に手作りゲームを作った1年生の子たち。

算数の学習もきちんとできていました。


みんなの工作作品 ♪ (工作記事のまとめ)

2013-12-15 08:57:07 | 工作 ワークショップ

スペースシャトルを作りました♪

 

レオナルド・ダ・ウ゛ィンチのグレートカイトとスウィングブリッジ

 

「この頃、動くしかけに興味しんしんという4歳前後の子たちとする工作」

 

工作をするうちに、算数や国語が得意になっていくための小さな工夫

 

知恵、アイデア、意欲のバトンタッチ

 

なめこのマスコットの作り方

 

ハンディーキャップのある子たちと工作

 

「嵐が穴に落ちる番組」とポップアップ絵本作り

 

1歳児さん、2歳児さんと工作を楽しむコツ

 

ピッケの絵本の作品展で作ったドールハウス


継次処理能力が優れている子、同時処理能力が優れている子 4

2013-12-14 14:12:35 | 教育論 読者の方からのQ&A

継次処理能力が優れている子、同時処理能力が優れている子 3

の続きです。

先の文で、こんなことを書きました。

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継次処理タイプも同時処理タイプも

一長一短があり、良し悪しや損得は比べようがありません。

 でも、教室で見ていると、同じ結果を出していても、親から注意を受けたり、叱られたりするのは

同時処理タイプということが圧倒的に多いので、

どうにもこの認知様式の子らの自己肯定感の行方が心配でこのタイトルで記事を書くことにしました。

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うちの息子もそうなのですが、

発達上の問題や凹凸はあまりないのに、

継次処理能力と同時処理能力のバランスが悪くて、

極端に同時処理に偏った頭の使い方をする子がいます。


直観が優勢で、創造的な子に多い気がします。


(一方で、凹凸はないのに、継次処理に偏った頭の使い方をする子には、

感覚が優勢で、秩序を好み、色や数に敏感な子が多いようです。

今回の記事では、同時処理の子の話を中心に書いていますので、継次処理タイプの子の

話は次の機会に書かせていただきますね。)


同時処理能力による理解の仕方は、まず全体をざっくりと大雑把に把握して、

最初にゴールを見極めてから、取りかかるという方法です。

 

同時処理能力に偏った頭の使い方をする子を見ていると、

学習する内容は同じでも、

同時処理能力を使って、それをすることができるかできないか

で結果に雲泥の差が出ることがあります。

 

うちの息子が小学生の時もこんなことがありました。

漢字が苦手な息子は、6年生になるまで、漢字テストでさんざんな

点数を取っていました。6年に進級する時期、私立中を受けたいと言い出したので、

受験用のでる順の問題集にあった200字をそれぞれ割り箸の先に貼って、

おみくじを引く感覚で漢字を学ぶことができるようにしてあげました。

すると、作って間もないうちに、「全部覚えたからテストしてほしい」と言ってきました。

 

半信半疑で、テストしてみると、どれもしっかり覚えていました。

 

200字のけっこう複雑な漢字が覚えられるのに、

10問だけの通常の漢字テストでミスを連発していた理由は、

ただ怠けていたからというより、同時処理能力が優勢の子にとって、

全体を把握したり、ゴールを見極めたりしにくい暗記や作業が主の勉強は

頭が働きにくいからのようです。

息子に聞くと、10字でなく200字覚える方が、特徴で分類したり、

難易度でランキング付けしたり、意味とへんやつくりの関係を調べたりできるので

記憶しやすかったそうです。

 

わたしも同時処理に偏った頭の使い方をするので、

同様の体験がたくさんあります。

注意しなくてはならないのは、

そうやって短期間で一気にゴールまで飛んでしまえても、

長い時間をかけてコツコツと積み重ねてきた人と同じというわけではなくて、

中身にはやはりスカスカした部分があるし、

うっかりミスを起こしやすいということです。

 

100問やってみて、できるようになったから終わりじゃなくて、

ゴールした後、どうするかが大事になってくるのです。

 

とはいえ、中身にスカスカした部分があるし、うっかりミスを起こすからと、

継次処理能力が優れている人の方法に従って、

スローステップで、1段階ずつ、完璧にしながら学ぶよう強要すると、

少しも頭が働かなくなって、

極端に効率が落ちてしまいがちなのです。

 

やはり、同時処理タイプは同時処理能力が発揮しやすい形で学んで、

それに見合った完成度を高める方法を取るのが一番だと思っています。

 

具体的な「それに見合った完成度を高める方法」については、

次の機会に書かせていただきますね。


子どもの本質的な美点に気づいて褒めると、子どもが変わる

2013-12-14 08:32:23 | 日々思うこと 雑感

過去記事です。

 

シアトルの工作のワークショップでの出来事。

 

もうすぐ5歳という★くんは、内向型の控え目で繊細な性質の男の子です。

集団の場でも、最初は何もせずにずっと観察していて、

誰が何をどのようにやっているのかを把握できるまで

仲間に入ろうとはしません。

 

外向型でテキパキした性質の親御さんは、

★くんの個性を認めて愛情を込めて育てていました。

でも、「アメリカでは自分から前へ前へ出ていって自己主張しなければ、成功はありえない。

評価もしてもらえない」とおっしゃって、

どうすれば、もっと積極的に振舞えるようになるのかという

相談をいただきました。

 

わたしは内向型の子なら、まず内向型の子だからこその長所にたくさん気づく前に

「外向的に振舞うようになるにはどうすればいいのか」と考えることは、

その子の本質的なものを否定することにもつながると

感じました。

 

そこで、「内向型の子は物事をていねいに観察していたり、

内省したり、じっくり考えることが得意だったりするので、

この子はこういう気質の子として、具体的な良い面に光を当てていく方がいいのでは?」

といった話をしました。

工作のワークショップでの

★くんの工作作品は「がちゃぽん」でした。

わたしが見せたお手本から

基本のしかけのアイデアを取り入れながらも

別の素材で別の作り方で工夫して作ってありました。

「がちゃぽん」の投入口が見つからなかったので、

「箱の上の部分にカプセルを入れるための穴をあけたら?」と

★くんにたずねました。

すると★くんは、回転部分を引き出しのように引っ張って、

「こうやって入れるんだよ」と言いました。

おとなしいようでも、他人の言うままにならずに、

きちんと主張するところはしているのです。

その姿から、

「この子はおとなしくて控えめだけれど、

自分の意志や考えがはっきりしている子なんだな」と感じていました。

親御さんたちとの談話中、(滞在先の)Aさんのご主人が

園庭で子どもたちを見てくれていました。

後から、Aさんのご主人からこんな話をうかがいました。

 

遊んでいるうちに、数名の男の子たちが叩き合いをはじめたそうです。

けんかを止めに入ると、

「あの子が最初に手をだした」「あの子が最初に叩いた」「あの子が……」

とそれぞれの子がてんでバラバラのことを口々に言ったのだとか。

 

どの子も好き勝手なでたらめを言うので

困ったご主人は、

けんかの一部始終をジャングルジムの上からずっと

眺めていた★くんを呼んで、

本当はどんなことがあったのかたずねました。

 

すると★くんは、「最初に○○がこんなことをして、次に○○がこうやりかえして、

その後に○○がこういうことをした」

と細かいところまでていねいに説明したそうです。

 

するとそれまで、適当なことばかり言っていた子らが、

「ぜーんぶ、★くんの言うとおりだった!」と意見がビシッと一致したそうなのです。

 

「最初から最後までちゃんと見ているな~」と感心すると、

★くんは急に自信に満ちた態度で

他の子らに混じって遊びだしたそうです。

 

★くんは、内向的で慎重で控え目な本来の性質のままで

褒められたからこそ、

自信に満ちた態度で遊び始めたのだと思いました。

★くんは来たときよりもいきいきとした明るい表情で帰っていきました。

 

練習してできるようになったこととは別に

「これはわたし」という部分について褒められると

本当にうれしいものです。

それは大人だって同じです。

 

わたしもシアトルに来て、思いがけないところで詩を褒めていただくことがあって、

他のどんなことを褒めていただいたときより

うれしい気持ちを味わいました。

 

日々の雑事に追われて自分が詩を書くことがすきだったことすら

忘れかけていたのに、そうして自分の詩について

感想をいただくと、

心の底から元気や自信が湧いてくる思いがしたのです。

 


アイカツのカードが出てくる機械を作りました♪

2013-12-13 21:07:17 | 工作 ワークショップ

年少さんの★ちゃんと1年生の●ちゃんのふたりで、アイカツのカードが出てくる機械を作りました。

コインを入れるとカードが出てきます。

出てきたカードをセットすると画面が変わるそう。

(手動です……)

 

●ちゃんのふたごのきょうだいの☆くんは、ハンドルを回すとビー玉がどんどん上がっいく

からくりおもちゃに興味を持って、作りたがりました。

回すと、棒が上がったり下がったりする仕組みができて、とても喜んでいました。

バトルシップゲームもしました。

算数タイムに★ちゃんはサピックスのぴぐまりおんの1、2年生のワーク(手助けあり)をし、

ふたごちゃんたちは2、3年生用のものを自力でしました。

3人ともとてもよくできていました。


ミニカー遊び、お人形遊びで数学的なセンスを育む働きかけを

2013-12-13 12:30:11 | 積み木  ピタゴラスイッチ

いつもミニカーでばかり遊んでいて、遊びが発展しません」

「いつもお人形ごっこばかりしていて、別の遊びをしたがりません」

なんて相談をよくお受けします。

何度やっても飽きないほど好きな遊びがあるなら、その遊びを思う存分させてあげると

いいと思います。

そうしたいつもと同じ遊びのなかで、数学的なセンスを育む働きかけ

を紹介します。

 

 

 

コツ1  <できあがったおもちゃをそろえすぎず、

積み木やブロックで小道具を作る>

 

最初は大人が作ってあげます。

車なら車庫、お風呂(車が入ります)、道路など……。

人形なら椅子、テーブル、お風呂など……。

 

空間認知能力が伸びるだけでなく、イメージする力がついてきます。

算数の図形分野の力がはぐくまれます。

 

コツ2 <困った場面に遭遇させて、

サイズや量への気づきをうながす>

 

子どもは最初、大きさについてでたらめな感性を持っています。

教えずぎず、たくさん失敗させて、

「あれ、小さすぎる」「あれ、あふれちゃう」といった体験をたくさんさせます。

 

コツ3 <「こんなものがほしい」「こうしたい」と思ったら、頭と手を使って解決する習慣を>

「こんなものがほしい」「こうしたい」と思ったとき、

自分の頭をひねって考えると、必ず良い解決法があるんだ、と実感する

体験をたくさんさせてあげます。

工作も、工作の時間にさせるものではなく、

日常の一こまやいつもの遊びのなかで、

「こうだったらいいな」と実現するツールとして体験させてあげたいです。

 

ブロックや積み木や紙を使って

問題を解決することは、

数学的なセンスを育むのにとても役立ちます。

 


広汎性発達障害の子と創造力、想像力を使った遊び

2013-12-13 08:33:14 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

過去記事です。

年長さんになった広汎性発達障がいの◆くん。2歳の頃は自閉的なしぐさがたくさん見られじっとしていなかったそうで、

虹色教室に通いはじめた3歳当初は人と目を合わせたり、交流したりすることに

非常に困難を抱えていました。

 

現在は、語彙が豊富でごっこ遊びや工作が大好きな子に成長してきています。

 

ずいぶんしっかりしてきているとはいえ、

まだ机に座って長時間作業をするのは難しいですし、

全体への指示も通りにくいですから、◆くんのお母さんは来年の就学を非常に気にかけておられます。

 

◆くんはエレベーターや工場のベルトコンベアーなどの機械が大好きです。

教室で大きなサイズのマジックハンドを見つけて大喜びしていたので、

「天井から吊らしてUF0キャッチャーみたいにウィーンと動くようにしてあげようか?」と

たずねると、

「そうだ!そうそう、ひもをね、こっちからあっちにつけてね、それからぶらさげるといいんだ。

ひもだよ。ひもがいる!」と跳びはねて喜びながら答えました。

 

写真のように椅子に商品を並べてスーパーマーケットのようにセッティングしてから

マジックハンドを吊らして可動式の機械のようなものを作りました。

 

ひもを操作して、取りたいもののところに移動させた後は、

写真の通り手動でつかんでおります~。

 

◆くんとごっこ遊び。

◆くんの好きなアイテムは、「トイレ」「階段」「警察」「牢屋」「カミナリ」です。

◆くんは自閉っ子特有のこだわりがあるので、人形遊びをしていても、

まるで脚本のある劇を繰り返し演じているようにワンパターンのストーリーになりがちです。

今回も、ドールハウスの二階にお気に入りのトイレを設置して、

わたしにねずみの人形を渡すと

「奈緒美先生、はやくトイレに来てよ~」と、言います。

人形がひたすらトイレにかけこむというストーリーで遊ぶつもりです。

 

そこで、「しめしめ、誰もいないな。泥棒に入っちゃうぞ。そうだ!トイレを盗んでいこう」

と人形に言わせて、トイレを盗んで、おもちゃの陰に隠しました。

 

少し前の◆くんなら、わたしが自分の考えている通りのストーリーを演じないと、

「だめだめ!」とかんしゃくを起こして、おもちゃをめちゃくちゃにしてしまったり、

わたしのしていることを無視したりしていたはずです。

 

でも最近はずいぶん柔軟になって、新しい展開にユーモアや知恵で応えることができるように

なってきています。

 

わたしが強盗の人形を使ってトイレのおもちゃを隠してしまうと、◆くんはパトカーで

強盗の人形をつかまえにきて、牢屋に放り込みました。

それからプラズマボールという放電するおもちゃを

牢屋の上で光らせて、「カミナリがなってるよ~」と脅かしていました。

 

先にも書きましたが、◆くんは興味の範囲が狭くて、ひとつのものにこだわるため

遊び方がワンパターンになりがちです。

 

でも、それまでに一度でも体験を共有したことで、

興味を持てたり、心地いいと感じたものは、

こちらが覚えていて遊びに取り入れるようにすると、

新しい展開に遊びを広げていくきっかけとなりました。

 

たとえば、◆くんは教室に着くなり「郵便屋さんが、お手紙を集めていたよ!」と報告してくれましたし、

前回のレッスンでは郵便セットが入っている箱を開けて楽しんでいましたから、

「ドールハウスで遊ぶ時も、手紙が配達されたり、手紙を出しに行ったりするストーリーを入れる」

といったことをするのです。

広汎性発達障がいのある子は、

いくら別の場面で「郵便」を話題にし、別のセットで郵便ごっこをして遊んだことがあったとしても、

ドールハウスのなかのお人形の世界で手紙をやりとりさせるようなアイデアは

思いつきにくいです。

 

想像する力に弱さがあるからです。

でも、いっしょに遊ぶ大人が、そうして本人が他の場面で喜んでいたものを、

別の場面でも再体験できるようにフォローしてあげると、

楽しんだり考えたりする世界が広がっていきます。

 

また、「泥棒が何かを盗んでいったから、それをパトカーに乗った警官が捕まえにきて、

牢屋に放り込んだ」のような単純なストーリーの展開でも、

世の中の仕組みについてそこそこ興味を持っていなくては難しいのです。

 

ですから、簡単すぎるほどの内容でいいので、次の真新しい展開を

子どもが考えなくてはならないような言葉を人形に言わせるようにします。

 

たとえば、牢屋の中の泥棒に

「火事だ~警察が火事だよ、はやく消防車きて!」と言わせたら

どんな反応が返ってくるでしょう?

「ねぇねぇ、テレビが見たいよ。牢屋のなかにテレビを持ってきてよ。7時になったら、ペンギンのアニメ、

やってるんだよ」と言わせたらどうなるでしょう?

 

人形のどれかが、「お腹が痛い痛い。助けてよ」と言ったら?

 

おばけがやってきて、暗いくらい夜の街を散歩しようよと誘いに来たら

どんな反応が返ってくるでしょう?

「いらっしゃい、いらっしゃい、きゅうりが安いよ。3本百円だよ。1本おまけしておくから、

買ってよ。」と警察署に野菜を売りに来る人が来たら、どんな反応を返すでしょう?

 

広汎性発達障がいのある子にとって、そうした働きかけに何らかのフィードバックを返すか、

とりあえず新しく展開するストーリーを楽しむことができるというだけでも

新しいステップへ踏み出す体験になります。

 

あくまでも本人が自分で主導権を握って、自分で遊びを展開していくことが主となりますが

遊びがワンパターンに陥って、本人のしたい展開が一段落着いた時には、

少しだけ新しい要素を加えて、想像したり考えたりするパターンを増やしてあげることも

大事だと思っています。

 


自閉症の子と遊ぶ時の工夫、絵本を読む時の工夫

2013-12-12 15:42:15 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

まだ言葉がほとんどない3歳の自閉症の★くんと

言葉は少ししゃべれるものの会話や相互の交流が成り立ちにくい4歳の●くんの

レッスンの様子です。

 

★くんも●くんも紙製の建物の模型が大好きです。

●くんは、模型をどんどん横に並べていってから、

それに添って飛行機を飛ばして遊んでいました。

 

途中でスカイツリーにぶつかりそうになると、飛行機をスカイツリーの側面に添わせるように

上向きにしたり、下向きにしたりして、超えさせていました。

 

そんなその子ならではの遊び方を目にしたら、

わたし自身もそれを真似したり、

他の遊びにその動きを取り入れたりしています。

そうすると、こちらのすることに興味を持ってもらいやすくなるからです。

 

また、そうした一部分を取りだした遊びをわたしが真似ることで、

自閉症の子同士の遊びが成り立つこともよくあります。

 

↑ 駐車場に車をセッティングしている●くんに興味津津の★くん。

相手のすることに興味が出始めると、

おもちゃを奪い取ろうとしたり、

自分の遊びに介入しようとする相手を追い払おうとしたりするような

揉め事が増えてきます。

衝突しそうな時に、どちらの子もおもちゃが手にできるようにしたり、

いっしょにいるからこそ楽しいと感じるような遊びに持っていったり

してフォローしています。

●くんが、鍋に食べ物を入れて混ぜていました。

自閉症の子がおままごとをする場合、いつまでも混ぜる作業ばかり続けていたり、

ひとり遊びに終始したりしがちです。

適度な介入で、遊びに流れや広がりを作ってあげるといいと

思っています。

「混ぜるだけ」で遊んでいる子には、「卵を割って、混ぜて、フライパンにそれをそそいで、

焼く」といった遊びのお手本を見せたり、

飲み物を用意するところを見せたりするのです。

お手本は、ひとつひとつの動作がわかりやすくて、「コンコンと叩く音」や「ジャラジャラとたくさんの物がぶつかりあう音」など

音を楽しめるようにしたり、綿や粘土やビー玉のように感触を楽しめる素材を使うと

模倣しやすくなるかもしれません。

また、物作りへの興味が育つように、ブロックや空き箱で、

遊び道具を作るところを見せるようにしています。

 

 

 

絵本を読む時、虫めがねのような枠のある小道具を使うと、

いっしょに同じ部分を注目しやすくなるかもしれません。

 


おもちゃや教具を購入する際に気をつけること 

2013-12-12 09:06:36 | 初めてお越しの方

教室で使っているおもちゃの紹介をするたびに

心に引っかかっていることがあります。

写真だと、ひとつひとつのおもちゃにどれくらいの頻度で、どのように関わっているのか

伝わりにくいです。

どうしても完成度の高い魅力的なおもちゃが目を引くと思うのですが、

実際には大人の購買意欲をそそるようなおもちゃは

遊び方が限られているので、

教室では、数への気づきをうながしたり、気分転換をする目的で

短い時間しか遊んでいないことが多いのです。

 

虹色教室では、いつも、最初に好きなおもちゃを選んで自由に遊んでいい

時間を設けています。

「こういうことがしたい」「これはいや」と自分の要求や気持ちを言葉にしたり、

いくつかある中から選んだり、何からするか判断したり、

「自分はこういうものが好きなんだな」と理解したりすることを

大切に感じているからです。

また、子どもが何を選んで、どのように関わっているかを見ることで、

その子の今の関心や発達の段階をこちらが把握しておいて、その日の遊びや学習に活かすようにしています。

 

教室にはいただきものなどで、最初からできあがっている電池で動くおもちゃやキャラクターもののおもちゃなども

置いています。

子どもがそれに興味を抱いた時には、

「それと同じものを作ってみようか」「どうしてそんな風に動くのかな、調べてみる?」と誘って

物作りや実験のきっかけに利用しています。

創造性を刺激するための

触れる見本として使っているのです。

 

それほど厳密なものではないのですが、

自由な時間の後は、ブロックや紙や空き箱を使って

創造的に遊ぶ時間としています。

子どもと過ごす時間の比率でいうと、これが一番長いです。

ブロックのようにシンプルなおもちゃは、想像したり、考えたり、問題を解決したりする

場面が無限にありますから。

紙や箱相手だと、子どもが遊びの中で自分の頭や手を使う範囲はさらにくなります。

それだけ遊びから得るものも

満足も大きくなります。

そうした創造的な遊びが一段落したら、ボードゲームやカードゲームをしたり、

実験をしたりして遊んでいます。

 

おもちゃそのものが魅力的で完結していると、

たいてい、子どもの想像力や

思考力を使う部分はほとんどないものです。

 

算数の教具として使用するとしたら、それはそれで

使い勝手がいいこともあるのですが、

もともと遊び込む体験が少ない子、つまりごっこ遊びや創造的な遊びを自分で膨らましていく力が弱い子に、

できあがったおもちゃや知育玩具(パズル等)を

おもちゃとして与えるのは、子どもの伸びていく可能性を狭めるようで心配しています。

 

写真は3歳8ヶ月の★くんのブロック遊びの様子です。

★くんはブロックの線路をつないで、とてもうれしそうにしていました。

というのも、以前は線路と線路をつなぐのがやっとだったのですが、

線路の裏にブロックをつけて、高架にすることができるようになったからのようです。

線路がつながって大満足の★くんは、「駅がいるよ」と言って、

基礎版を線路の脇に置いてから、

「エスカレーターが作りたい」と言って、階段状にブロックをつなぎました。

ブロック用のテーブルまでエレベーターをつなぎたかったようなのですが、

あまり長くなると崩れてしまいますから、途中で中二階を作ってあげました。

それを見て、大満足の★くん。

いっしょに図鑑を見ながら駅を作っている時、

★くんが電光掲示板に強い興味を示しました。

そこで、文字がくるくる回って変化する電光掲示板の見本を作ってあげると、

自分でも作り始めました。

ところが★くんの作った輪っかが大きすぎて、

うまく取りつけることふができませんでした。

 

そこで、ブロックを太く大きくして、落ちないようにでっぱりを作って

あげると、感激していました。

「○○ようちえんはおやすみです」と掲示板で訴えているそうです。

子どもにすると、どんなにすばらしいおもちゃよりも、

「自分の心にヒットしたこと」

「自分ができるようになったこと」

「自分が考えたこと」

の方が魅力があるのです。

★くんは、その後もひたすら電光掲示板を作り続け、

自分が書ける「し」と「も」を駆使して、

「○○~って書いてある!」と自分流に読んで遊んでいました。

 

★くんは、今、数にとても敏感な時期にあります。

でもそうした数への理解は、数を学ぶために作られた教具で遊ぶ時よりも、

自由度の高い遊びの場面で、自分の「こんな風にしたい」が思う存分、満たされた時に

深まることが多いです。

 

★くんにしても、お気に入りの列車の車庫を作っていた時に、

「列車を全部、車庫に入れたい!」と思い

必死になって車庫を作っていって、基礎板が足りなくても、

「もっといる!下の板のところ、もう1枚、いるよ!もう一枚!」

と必死に懇願している時に、

強く数を意識していたのです。

 

 

 

あちらとこちらでバラバラに作っていた作品をどうしてもつなげたくて、

板を坂にして接続していました。

その後、写真下のビルのような作品を設置して、「富士山だよ」と

言っていました。

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虹色教室にはさまざまな種類のたくさんのおもちゃがあります。
そのひとつひとつのおもちゃについて、
「遊んだらそれでおしまい」「ちょっと遊んだら飽きちゃった」という結果で終わらないように
いろいろな工夫を凝らしています。
今回は、教室でどんな工夫を凝らしているのか
書いていこうと思います。
工夫 その1
 
おもちゃで遊んで興味を持ったら、易しいシンプルな作り方で
そのおもちゃを工作で作り、
その原理がわかるようにしています。
「どんな形をしているのか。どんな仕組みで動いているのか。
そっくりに作るにはどうすればいいのか。どんな素材を使えばいいか。うまくいかない時にはどうやって解決するのか」
おもちゃをよく観察して、身近にある材料で再現しています。
子どもが興味を持つものはさまざまです。先日もこんなことがありました。
工作タイムになっても、
「警察署のドールハウスで遊びたい」と言っている子がいたので、
「それなら警察署を作ってみる?」とたずねると、こっくりしました。
といっても、それほど大がかりなものを作るわけではなく
本人がこだわっていた
スライドさせて開け閉めする牢屋のドア部分を再現すると
満足していました。
今でこそ教室には多種多様のおもちゃがそろっていますが、わが子が幼い時は
ほとんどおもちゃらしいおもちゃは家に置いていませんでした。
その代わり、今と同じように、デパートのおもちゃ売り場で見かけたおもちゃが面白そうなら
それを手作りし、(なんちゃって手作りで、適当な出来上がりです)
いっしょに遊園地等に出かけた後は、子どもたちが自ら遊んできたアトラクションを
紙で再現して遊んでいました。そのためおもちゃはなかったけれど、
世界中のありとあらゆるボードゲームやおもちゃで遊んだなぁ~という懐かしい思い出があります。
おもちゃを選ぶ時、質の良いおもちゃか、安価なおもちゃか、たくさんある方がいいのか、少なくていいのか、
迷うことと思います。話の途中ですが、おもちゃ選びについて書いた過去記事を貼らせていただきます。
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子どもの個性に合わせたおもちゃ選び


おもちゃを選ぶとき、木製などの質の高いものを
与えなければならないか…というと
必ずしもそうではないと思います。
子どものタイプによって、おもちゃの質より遊び方や自由度が大切で、
100円グッズや紙があれば十分…という子もいるのです。

うちの子たちもそうでしたし、特に息子は、紙とえんぴつとハサミさえあれば
満足している子でした。教室の2~3歳の子にもこうした子はいて、
おもちゃの扱いは少し雑なのですが、
自分のこしらえた工作物は、
宝物のように大切にしています。
目で見るものより、想像したことや見立てたこと、アイデアやルールに惹かれるようです。

前回紹介した質のよいおもちゃにじっくり取り組むことも、
材質よりもその背後にある想像の世界に遊ぶことも

どちらも優劣つけがたいことです。

どちらが良いかでなく、子どもの個性と気質と学び方によっておもちゃ選びのポイントはずいぶん変ってくると思います。

お金のかかり具合も、雲泥の差ですが…。

感覚が優れていてクオリティーの高い材質やデザインのものに惹かれる子は、
1歳、2歳の子でも、ヨーロッパ製の木でできた教具を
何度も何度もやりたがったりするのです。

その繰り返しのなかで、ほんの少しのペグの高低や、
木製ビーズの形のちがいを見分けるようになります。
まるで指先に目がついているようで、そうした子の遊ぶ姿を眺めていると、
いつも、強い感動を覚えます。
そうした子は、遊ぶごとに数学的な感性が高まっていくようです。遊びながら科学の法則を学び取っていきます。

(幼児は幼いほど材質の違いに敏感なので、
まだ自分で選べないような小さな子に知育玩具を買い与えるときは、
できればプラスチックではなく、材質もデザインも色の配色も優れたものを
選ぶ方が良いように思ってます。)

一方、おもちゃの材質ではなく、
目に見えない価値に惹かれる子には、
おもちゃを与えるより、道具やアイデア(博物館や人形劇、工作物の展示会などに連れて行ったり、作品集やカタログなどをたくさん身近においておく)
や自由な時間や手助けや褒め言葉、いっしょに遊びに付き合ってあげることなどが大切だと感じています。
お金がかからない分、労力や配慮はたくさん必要です

写真は小学生の頃、息子が手作りしていたゲーム類(モノポリーらしい)の一部です。ゲーム好きなので、人生ゲームとかモノポリーなどを
気の遠くなるようなエネルギーを注ぎ込んで作っていました。
何百枚というカードの全てに、従来のゲームを参考にしながら…
自分で考えたさまざまなアイデアを盛り込んで
書き込みをしているのです。

息子にとっては、おもちゃの質よりも
自分の頭のなかのアイデアと作る過程に魅力があったのだと思います。

おもちゃの与え方について考えさせられるこんな話があります。

17回現代日本美術展大賞を最年少で受賞し、
テレビ番組の『ウゴウゴルーガ』や
音と光を奏でる楽器『TENORIーON』などを手がけ、
絵本の『100かいだてのいえ』の作者でもある岩井俊男氏の子どもの頃のお話です。
あるとき、母親から「もうおもちゃは買いません」と言われたのだそうです。
かわりに工作の道具や材料を与えられたことから
ものづくりに目覚めたのだそうです。

高価なおもちゃを買うもよし…。
おもちゃを与えないもよし…。

どちらにしても想像力と創造性に満たされた
家庭内の空気が大切なのでしょうね。

 

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工夫 その2

 ひとつのおもちゃでいろいろな遊び方を考えます。

 

たとえば、↓のリンクは「くもんのキューブ積み木」というおもちゃを使った遊び方の工夫です。

遊びだけでなく、小学校受験問題や小学生の算数の教具などにも活用しています。

 

★くもんのキューブつみき 虹色教室風遊び方!? 1

★くもんのキューブつみき 虹色教室風遊び方!? 2

★くもんのキューブつみき 虹色教室風遊び方!? 3

★くもんのキューブつみき 虹色教室風遊び方!? 4

 

このようにどんなおもちゃもいろいろな使い方をして遊んでいると、子どもの思考力や発想する力が高まってきます。

 

また、「新しいおもちゃがほしい」と思った時に、お家にすでにあるおもちゃに

少し手を加えたら、その遊びができることがよくあります。

 

例として、「豪華なドミノ」がほしかった場合、レンガ積み木とブロックを使って遊んだ時の様子と」

「カナヤック」のゲームを、「生き残りゲーム」を使って遊んだ時の様子を紹介します。

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ドミノは楽しく遊びながら、数に強くなったり、
指先の巧緻性が高まったりするよいおもちゃです。

おうちにあるドミノをさまざまな仕掛けのある
豪華な…??ドミノにする方法を紹介します。

デュプロで作る段差です。

台になるブロックを写真のように少しずつずらすことで、
安定した台ができます。

小さいサイズのブロックだとだとさらに細かいしかけも作れると思います。

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ハバ社のイヌイットの魚釣りをモチーフにした☆「カヤナック」
とうゲームがあります。
以前、おもちゃコレクターの方から、教室にお借りしていたのですが、
とても魅力的で子どもたちが大喜びで遊びました。

ただこのゲーム、つり竿が大きくて、先がとがっているので、
つい夢中になって他の子のしているのを覗き込もうとしたり、
つり竿を振り回したりすると危険なので、ヒヤヒヤ……。
それと、魚の代わりの金属の玉が、あまりに小さいので、
遊んでいるうちに無くしやすいという難点もありました。

そこで、生き残りゲームの盤とジオマグの磁石を使って、このゲームを再現。
イヌイットの世界の素朴な美しさはほぼ皆無……ですが、
子どもたちには大盛況でした。

100円ショップで売っている「ジオマグもどき」と、
お家の空き箱でも楽しく遊べるので、おすすめです。

魚釣りの竿にジオマグの棒を使うと、
かなり短い状態で遊べる上、
長い竿として使っているときも、磁石でついているので、危なくありません。

幼い子の魚釣り遊びにぴったりだと思いました。

子どもは魚釣り遊びが大好きですが、
おもちゃのつり竿は転んだり取り合うと危険なので、
安易に渡せないですから。


また、釣ったとき、金属の玉が磁石に引っ付いてくるのを、
子どもは喜んで数えます。
「落ちそうで、落ちない……」のって、ドキドキして面白いですよね。

生き残りゲームでカヤナック遊びをする場合、
金属の玉を穴の中に落として、仕掛けておき、(くぼみがあるので、きちんとおさまります)
自分の番のときに、レバーを動かして、魚を探しつつ
魚釣りを楽しみます。
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工夫 3

 

まだその遊びをするのは難しい月齢の時には、ルールを「赤ちゃん向け」「幼児向け」に変えて、

子どもが楽しめるレベルにしています。

 

★ブロックを買ったものの、ひっくり返して「おしまい~」です…

★ウルトラマンカードの遊び方♪

★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 1
★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 2
★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 3
★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 4

★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 5

★「チケット トゥ ライド」 幼児も遊べる遊び方 6

 

 

 


100円グッズでブロックの世界をレベルアップ ♪

2013-12-12 08:23:37 | レゴ デュプロ ブロック
100円グッズでブロックの世界をレベルアップする方法を
紹介します。

自転車に取り付ける点滅ライトです。
ひっかけがついていて、押すだけで
点滅ライトになる簡単なタイプがおすすめです。

ひっかけにわごむをかけます。
それで、ブロックで作った消防車やパトカーにつけると
ライトが点滅して迫力ある乗り物ができます。

100円ショップの点滅ライトは、
戦隊物や女の子のプリキュアグッズなどをブロックで作るときも役立ちます。