春休みの算数クラブに、この春、年長さんになる子たち4名が集まってくれました。
レッスンの前に、ひとりの女の子(★ちゃん)のお母さんから、
「家で工作をよくしますが、この1年程、同じようなものを作っていて
発展しません。アドバイスがいただきたいです」と伺いました。
また、「ゲームや物作りに誘うと、乗り気で一緒にするけれど、
とてもあっさりしていて、自分で再びやろうとしないです」という相談も受けました。
工作を発展させるには、次のような活動が自分でできるようになるよう
手助けするといいです。
<工作活動を発展させる工夫>
① 興味を持った物は、実物を見ながら作ってみる。
★ちゃんは、教室に着くなり、ドアが開閉するセブンイレブンのお店のおもちゃに興味を
持っていました。
ボタンを押すとドアが開く仕組みが面白かったようです。
また、お母さん方が席をはずしたあとで、
「昨日、トイレの仕組みを作ったんだよ」と言いました。
「どうやって作ったの?水が流れていく部分のふたをはずして、流れる水を貯めている
タンクを覗いてみたの?」とたずねると、
「ううん、教室のブログ見て作った」とのこと。
すると男の子たちが、「それさ、ウ○○とかが流れていく方のじゃないよね。
手を洗うところの方だよね。だって、ウ○○が流れていく方の便器をはずしたら、
汚いもん。」と言って、ゲラゲラ笑いました。
「そうよ。それは汚すぎる。手を洗うところのタンクのふたのことよ。
はずして中をのぞいたことがある?」とたずねると、全員首を振りました。
でも見てみたい、とのこと。
それを聞いて、作るときに本物を見ながら、
「どうなっているのかな?」「どうやったら作れるかな?」
「どんな材料を使えばいいかな?」と考えたことがある子は少ないんだろうなと
思いました。
②図鑑を見ながら作ってみる。適した図鑑がない場合、ネット検索するもの良い。
教室では、図鑑を見ながら工作することがよくあります。
恐竜のジオラマ、宇宙ステーション、ゴミの焼却場、世界遺産などを作るときに
役立ちます。音の出る仕組みなどの解説を、参考にすることもあります。
③敏感期の活動が十分にできるような素材を用意する。
子どもはその時期、その時期、集中して取り組みたがる活動があります。
④教具やゲームを作る。
年長さんぐらいになると、知的な活動に使えるものを作ると喜びます。
ルールを考えることや、ルールに沿って遊ぶことが楽しくなってくるのです。
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今日は、子どもたちと相談して、ゲームを作ることにしました。
ゲームのボードは、それぞれ図鑑や雑誌を調べて、好きなものを選ぶことにしました。
男の子ふたりは、『危険生物図鑑』のヒョウのページを選び、
女の子ふたりは、『世界遺産図鑑』のピラミッドのページを選んでいました。
最初は、小学1年生準備号のマリオのページを選んでいた子も、
やはり図鑑の中の何かをテーマにした方が面白そうだと思ったようです。
教室のおもちゃ箱から探し出してきた「危険生物」だそうです。
ピラミッドをボードにした子らは、数字を書くカードを立体にしました。
ゲームを作っている最中、飲みこみがよく実行能力がある★ちゃんは、
黄色と茶色の三角錐を大量に作って、裏に数字を書きこんでいました。
それと同時に、●くんと一緒に危険生物を集めて、
それらを檻に閉じ込める計画を立てていました。
自分のアイデアを大事にしながら、じっくり物を考えていく☆ちゃんは、
長方形の紙を折って、正方形を切りとったあとにあまる紙から、
もう一度正方形を切りとり、その残りからまた正方形を切りとって、
それぞれサイズの異なるピラミッドを作っていました。
☆ちゃんのゲームは、輪ゴムでする輪投げゲーム。
ついでに『表の読み方』を少し学びました。
★ちゃんと男の子たちのゲームは、サイコロを使ったアイテム集めゲーム。
繰り上がりのある計算をすばやくする方法を、遊ぶついでに学びました。
ピラミッドのアイテム。
算数タイムには、繰り上がりのある計算やじゃんけんゲームの結果を予測する遊びをしました。
最レベ1年生の「6と18のちょうど真ん中の数は?」という問題。
答え合わせの瞬間が面白かったようです。
算数タイムでは男の子たちが大活躍。
何度も手を挙げて、解きたがっていました。
写真は、
「よしえさんは 1じから 2じまでの あいだに え を
3まいかきました。 では、2じから、5じまでには
なんまいのえを かくことができますか。」(最レベ1年生より)
の問題を解いているところです。
実際に時計の針を動かしながら、絵の代わりにブロックを置いてみながら
考えるのは面白かったようです。
○くんは正解してとてもうれしそうでした。