虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

「子どもの世界から、想像力も創造力も思考力も全開にして本気で遊び込む機会がなくならないように」

2014-10-26 20:54:57 | 通常レッスン

 

年長さんのAちゃん、Bちゃん、Cちゃんのグループレッスンの様子です。

最近、教室では工作熱が再燃しています。

教室に着いた子どもたちに、「今日は何がしたい?」とたずねると、

元気過ぎるくらいの声で「工作!工作!」という返事が返ってきました。

「どんなものが作りたいの?自動販売機や自動改札機なんかを作るのもいいし、

遊園地やお家を作るのもいいわよ。お人形やペットやアクセサリーを作ってもいいし、

それ以外に好きなものがあったらそれを作ってもいいわよ」と言うと、

Aちゃんが、「福引のガラガラが作りたい」と言ってから、

「それとほかの全部、作りたい!」と言いました。

すると、Bちゃん、Cちゃんが目をキラキラさせて、

「わたしたちも、全部、全部作りたい」と言いました。

 

実は、教室の小学生の中には、

「どんなことがしてみたい?あんなのどう?こんなのどう?」と

関心を持ちそうな活動を並べながらたずねても、開口一番、

「何もない」「ムーリー」「面白くない、何もしたくない」と返す子らもいるのです。

そうした姿に度々胸を痛めているので、

「あれもこれもやりたくて仕方がない、やりたいことがいっぱいある」という

未知の体験に対する子どもらしい情熱を前にすると、

「子どもの世界から、想像力も創造力も思考力も全開にして本気で遊び込む機会が

なくならないようにこれからも地道にがんばっていこう」という思いを新たにしました。

  

福引のガラガラ作り。ビー玉が出てこなかったので、穴を大きくしているところです。

 

遊園地作り。

 

 

AちゃんもBちゃんもCちゃんも、算数の学習もいきいきと取り組んでいました。

「何番目」の問題の応用や四方からの観察の問題、

お金の学習(100円、10円、1円)など。

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午後にレッスンに来た小学2年生のDちゃんEちゃんとDちゃんの妹の年中のFちゃんも

今日やりたいことに工作を選びました。

Dちゃんは迷路、Eちゃんは巻き上げ式エレベーター、

Fちゃんは回転する遊園地の乗り物を作りたがりました。

 

さらにEちゃんは、エレベータの横にティッシュペーパーの空き箱で

マンションを作っていました。

 

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算数タイムにサピックスの通信教材(小学3年生 3月)の問題を解きました。

 

さんざん考えた挙句、物事をじっくり考える慎重派のDちゃんが、

「きっと答えはないと思う。だって、ありえないもん」と音をあげかけた問題。

二人の希望で、紙に図を書きうつして、再チャレンジ。

 

見えにくのですが、最終的に手で操作できる形のパーツを切って考えてみると、

解けました。


火山に夢中! 噴火実験がしたい!

2014-10-25 17:48:56 | 初めてお越しの方

風邪でメンバー二人がお休みだった年長グループのレッスンで。

「どうしても火山の噴火実験がしたい」ということで、地域のお祭りに行くのを我慢して

教室に来てくれたAくん。

教室には、『世界一おいしい火山の本』という、

食べ物を使って火山について学ぶ実験の本があるのですが、

今回はAくんの希望で巨大なブロックの火山から溶岩が流れ出るところを再現しました。

 

 

噴火に使ったのは、水と食用色素と重曹とクエン酸です。

 

最初に水と食用色素とクエン酸を混ぜた液体をセットし、あとから重曹を入れると

ドッと赤い液体が溢れ出しました。

床には透明シートを敷いていましたが、なかなかの惨状……。

 

水を足しているところです。

 

Aくん、大大満足だった様子。

 

ついでにいただきものの実験道具で、空気圧や水圧の実験をしました。

 

Aくんが最初にはまったのは妖怪やモンスターです。

小脇にモンスター百科を抱えて、四六時中、「怖いよ……」と

モンスターについての雑学を披露してくれていました。

学校の怪談話なんかも大好きでした。

それが今年になったあたりから、興味が広がりはじめ、今は宇宙の話題に夢中です。

教室では、「動物園の始まり」や「散髪の始まり」など、

現在目にするさまざまな物事の起源を探る『もののはじまり館』を

面白がっていました。

読むだけでは面白くないので

メソポタミアのシュメール人が作ったという貸した物や数を記録するための道具の

「トークン」をAくんといっしょに作りました。

Aくんは他に、剣道の「面」が野球のキャッチャーマスクになったことや

大昔のトイレや動物園の始まりなどに驚いていました。

 

算数タイムのひとこま。

 

「下から1段目の右」「下から3段目の左」といった、

指示を出してカードを手にいれてから、

カードについているじゃんけんで勝負。

写真は手に入れたカードの得点計算をしているところです。

 

グーは1点

チョキは2点

パーは3点としています。

 

最近考える力がどんどん伸びているAくん。

カードがたくさんになっても間違えずに計算していました。

 

トップクラス問題集1年生から何問か問題を出すとどれもよくできていました。

 

写真は左のブロック(24)は、右のブロック(3)何個分にあたりますか?

 

という問題。

数が少ないものだと即答できていたのですが、これは少し難しかった様子。

一生懸命考えていました。

 


自閉症の子たちのための幼稚園の見学   LAKESSIDE CENTER for AUTISM

2014-10-24 21:35:08 | 初めてお越しの方

(過去記事です。)

アメリカのシアトルに行った際、自閉症の子たちのための幼稚園を見学させていただきました。

センターのなかには、さまざまな目的で使われているたくさんの部屋があります。

自閉症の子6人に対して、定型発達の子2人のグループでレッスンしている子たちもいましたが、

ひとりひとりの子どもが専門のセラピストとふたりで

自分の課題に取り組んでいる姿もあちこちで見られました。

↑子どもが自由な遊び方をして楽しむ手作りの教具。

背後には、らせん階段を登ってから

ジャンプする木製の教具があります。

 

 

↑幼稚園でのスケジュールの流れが

イラストで提示されているコーナー。

↑子どもが「ゲームをしたい」と言ったときは、

いくつかのなかからゲームを選ばせます。

他のおもちゃも同様です。

ドールハウスだけでも

何種類もあってびっくりです。

最初に「○○をしたい」と言ったら、

選ぶうちに、「やっぱり別のことがしたい」

と言うのは許されておらず、自分が最初に決めた枠のなかで

やりたいことを選ぶ練習をしているそうです。

 

 

 

施設のなかには三輪車や車といった乗り物もあって、

廊下で運転してもいいことになっていました。

写真には全て収まってはいないのですが、

広めの部屋の奥に絨毯敷きのグループレッスンをするコーナーがあって

アイパッドを使って朝の会をしていました。

子どもひとりに専門のセラピストがひとり付いています。

自閉症の子たちに混じって

定型発達の子らも朝の集会で学んでいました。

朝の集会が終わると、それぞれその子の発達の課題をサポートするセラピストが

アートコーナー、運動のコーナー、知能の訓練コーナーなどに

子どもといっしょに行って、課題に取り組んでいます。

↑階段を上っていって、飛び降りるコーナー。

そうした取り組みをしたくないときに、

階段の下にもぐってカーテンを閉めることができるようになっています。

感覚遊びのためのコーナー。

米や豆類などを

触って遊ぶためのコーナー。

触って遊ぶ素材は、たくさんの種類が用意されていました。

 

 

 

子どもが読書をしたり、気持ちを落ちつけたりするコーナーが

ところどころにあります。

↑子どもの気分が落ち着かない時、好きな部屋を選んで

そこで活動します。

↑おもちゃの棚の右横の廊下の奥に

椅子が置いてあるのがわかりますか?

言葉がしゃべれない子でこの椅子が好きな子がひとりいるので、

その子のためにいつもその位置に椅子を置いているのだそうです。

ひとりひとりの子の好みや特徴や発達段階がとても

大切にされているからか、

自閉症の子どもたちはどの子も穏やかで笑顔をたくさん

振りまいていました。

アメリカの教育施設をいくつか見させていただいて(私立幼稚園や私立小学校など)

一番驚いたのが、「えっ、こんなところに?」という場所に

独創的な手作りアートが飾ってあることです。

子どもや先生などの写真をテーマにしたものが多いです。

↑は先生方の子ども時代の写真が飾ってあって、「どの先生の子ども時代でしょう?」と

当てるボードです。

施設長さんは、和風の部屋(でも日本ではありません)をバックに

おかっぱ頭という姿。

とてもかわいらしかったです。

教室の壁に8つの目玉を貼り付けた蜘蛛が……。

 

 

↑教室は、アートをするスペースはアートのスペースとして

構造化されています。

自閉っ子が今からそこで取り組みをすることを

意識しておけるように、テーブルに「自分の顔写真がついている札」(もしかしてその子のマークだったかも)

を貼ります。

↑自閉症の子の幼稚園では、とにかく同じ種類ものものいっぱいあります。

人形の家にしても、ガムのような口のなかのトレーニングに使うお菓子にしても

大量の選択肢から自分の意志で選ぶということが

重要視されています。

一方で、自然な形で集団行動のトレーニングもたくさんあります。

でも、日本のように子どもを集団のひとりとしての枠に閉じ込める感じはなく、

集団の参加者となる振舞いを学ぶという雰囲気です。

 

変な顔の人形は、当てっこゲーム。

耳から手を入れて、触るだけで、

中にあるおもちゃを探します。

部屋は、集団で過ごす場所と個人、個人でトレーニングする場所とで

絨毯敷のコーナーと木製の床に分かれています。

戸棚の間仕切りがあり、気が散らないように布がかけられています。

↑ダンスなどをする部屋で、「日本のソフトを使っています」といって見せていただいた

ゲームソフト。

「とても内容がいいけれど、少し難しいので、

幼児向けのものができるとうれしい!」というお話でした。

外の遊び場は、専門のセラピストといっしょでないと

親といっしょでも入ることはできません。

 

↑前回までの記事で書いた

ひとりの子のために設置された椅子です。

右横は、集団行動がしんどい時に、自分の体調に合わせて選ぶ個室です。

それぞれの部屋はそれぞれできることが異なり、外から遮断された状態で

セラピストと自分だけで

活動したりリラックスしたりすることができます。

 

アメリカでは、独創的な自己表現と、自分で選択することが、

どこでも大切にされていました。

が、一方で、そうした個人主義がわがままにつながらないように

他者に分け与えることや、差別をしないことが、

幼児期から徹底的に教育されていました。

河合隼雄先生が、

『より道 わき道 散歩道』という著書のなかで、

「欧米人と付き合うとき、インテリの人たちが厳しい倫理観を身につけていることに

感心することがある」と書いておられたのを

思いだしました。

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日本人の倫理が「場」に依存しているのに対して、

彼らは「個」に根差した倫理をしっかりもっていると思った。

このような、個人が唯一の神とつながる関係における倫理観は

個人主義が利己主義に陥るのを防いでいる。

これに対して、日本人が自由を求めて「イエ」を破壊し、

「世間様」の目を気にしなくなり、キリスト教抜きで欧米の個人主義を輸入するならば、

それは容易に利己主義になってしまうのではないか

と危惧される。さりとて、一部の人が主張するように、欧米の個人主義を拒否して、

日本の古い「イエ」社会に戻ることは、

もちろんできないことである。

日本人は、個人主義になっていくとしても、それを支える倫理観をどのようにもてばいいのであろう。

 

      (『より道 わき道 散歩道』  河合隼雄 創元社 P112)

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ハンディーキャップのある子たちと 『ピッケのつくるえほん』で創作活動や学習をする時のポイント 2

2014-10-24 16:46:19 | 通常レッスン

ハンディーキャップのある子たちと 『ピッケのつくるえほん』で創作活動や学習をする時のポイン

の続きです。

 

自閉っ子が繰り返すひとりごとを

ピッケのつくるえほんで文字にしていくと、読むことと書く(文字を打つ)ことに

興味を持つきっかけになります。

 

Aくんは他者の誘いに乗って何かするのが苦手な上、

新しいことにチャレンジすることに尻込みする子です。

いっしょにこの日のレッスンの時間割りを作った時は、

「絵本を読んでもらう」や「工作」の後に「ピッケのつくるえほん」を入れて

いたのですが、いざその時間になって、お友だちのBちゃんが

『ピッケのつくるえほん』で遊んでいるのを見ると、

そわそわと落ち着きなく歩きまわっていました。

わたしが、「Aくん、時間割見てよ。3番目はピッケのつくるえほんって

書いていると。」と呼ぶと、それを無視するように、

電車のおもちゃのドアに指を入れて、

「いたたたた~!電車にはさまっちゃったよー」と繰り返していました。

そこで、Aくんのひとりごとを何に何がどうしたのかわかるよう書きなおして、

声を出しながら、

「いたいいたい!でんしゃのドアにゆびがはさまっちゃった」

と書こうとすると、

Aくんが寄ってきて、画面を覗きこみました。

そして、「でんしゃの……」の部分から自分で文字を探して打ち始めました。

キャラクターの手の痛い部分に赤い丸をつける作業にも積極的でした。

 

いったん興味を抱いて作業に慣れてくると、機械の操作を

すぐに覚えてしまう自閉っ子はよくいます。

いっしょにレッスンしていた5歳の自閉症のBちゃんも

このアプリで絵本を作るのは2回目ですが、自分で家具を設置して

人形を椅子に座らせたり、テーブルに食べ物を乗せたりしていました。

Aくんがお友だちの真似をすることはめったにないのですが、

今回はテーブルに食べ物置いたり、キャラクターにおにぎりを食べさせたりと

積極的にBちゃんの模倣をする姿がありました。

AくんとBちゃんが気に入っていた操作です。

キャラクターをドラックして、表情のパーツから

大きな口を開けているものを選びます。

きのこのアイコンをクリックしてから

りんごのアイコンをクリックし、

出てきた食べ物のパレットから好きなものを選んでドラックして

開いた口のところに持っていく……という作業。

言葉で書くとややこしいけれど、

 

 

Aちゃんはこの一連の操作をひとりで全部した後で、

偶然開けた表紙の画面もこんな風に作っていました。

食べているシーンでは手の位置を気にしていなかったBちゃんですが、

「(キャラクターを)椅子に座らせて!」と言う時は

手や足を動かしたがりました。

キャラクターを長押しすると身体のパーツが動くことは理解したようですが、

うまく扱うのは難しかったようです。

Aくん、Bちゃんとこんな画面を作りながら

ついでに数の学習もしました。

 


安価で簡単に作れるピタゴラ装置

2014-10-24 15:12:49 | 積み木  ピタゴラスイッチ
子どもってピタゴラスイッチの番組が大好きですよね。
 
高価なクーゲルバーンのような積み木を購入したというお話もけっこうお聞きします。
 
見栄えはイマイチですが、子どもをとても喜ばせ、考える力を育てる
 
ピタゴラ装置の作り方を紹介します。

ホースを適当にカットし、それをたてに半分に切ります。
 
ブロックで台を作るとできあがりです。

さまざまな角度にビー球が転がっていきます。
 
ホースは好きな場所で簡単にカットできる上、つぶれにくく、
 
おまけに安全面で優れています。
 
ビー球がどんどん転がっていく様を、子どもはとても喜びますよ。

ホースのサイズは、穴がビー球と同じか少しビー球より大きいくらいのものを選ぶと、
 
切ったときちょうど良いサイズになります。
 
 
 
巨大なピタゴラ装置を作りました♪
 
 
 
 
『想像の自由 と 現実の不自由』 ピタゴラ装置の話
 
 
 
 
ピタゴラスイッチ研究部 と フロー

虹色オンライン教材について質問をいただいています。

2014-10-23 12:49:21 | 虹色オンライン教材

虹色オンライン教材(ブログ左上のイラストをクリックしてくださいね)についての質問をいただいています。

 

閲覧期間が終わると見れなくなりますか?

閲覧期間は念のために設けていますが、期間を過ぎても長い期間見ていただけます。

 

教材を続けていく上でわからないことがあったら答えてもらえますか?


ブログの記事上でできるだけ答えさせていただきますが、
すべてについて必ずお返事できるかはわかりません。

「算数のじゃんけんの仕方等の動画がついている」という

話題を目にしたことがありますが見つかりません。

 

算数のじゃんけんの動画は、工作に虹色オンライン教材ではなくて、

すでに発売を終了しているブロックのオンライン教材につけていたものです。

工作の虹色オンライン教材には算数のじゃんけんの仕方の動画はついていません。 

 

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④質問メール

はじめまして、最近先生のブログに出会い参考にしている毎日です。
私には新4年生の息子と新2年生の娘がおります。
二人とも広汎性発達障害と診断されており、支援学級に在籍しています。
娘はADHDの要素があります。
いままで、これといった取り組みをしておらず
先生のブログを拝見しては、
恥ずかしく後悔するばかりです。
オンライン教材をやってみようとも思うのですが今からでも大丈夫でしょうか?

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虹色オンライン教材のもくじは下に紹介する内容です。

よくばり過ぎるほどの内容を詰め込んであるのは、工作に親しむことが、

自己表現する楽しみを味わって「手先の巧緻性を高めるだけでなく、

「算数にしても国語にしても理科にしても社会にしても、全ての学科が大好きで得意だ!」

という気持ちにつながり、

主体的に意欲的に学ぶ心を育んでほしいという願いを込めているからでもあります。

 

算数の項目にしても、理科や社会の項目を見ていただくとわかるように

内容は幼児向けではなく、

小学校高学年くらいまでの学習のベースとなるものを扱っています。

 

横に(2歳から~)といった表記があるので

「小学生になったら始めるのは遅いかも……」と戸惑うかもしれませんが、

勉強が苦手な子や好きになれない子、

発達障がいのある子たちが学校の教科学習で感じている理解の穴を埋めるために

難しい内容であっても、それほど幼い子であっても直感的にわかるように体験させる方法を

工夫しているという意味でもあります。

 

特に視覚優位の子が論理的に物事を考えていくことができるように

配慮して作っています。



『虹色オンライン教材 学ぶことが好きになる工作遊び』もくじ


序章  (教材の使い方など)

第1章 巧緻性を高める活動を楽しんでみよう
 • 1.1 貼る1 (水・のり・テープ) ◆A 1歳~

 • 1.2 貼る2 (セロハンテープ)  ◆A 1歳~

 • 1.3 貼る3 (木工用ボンド)   ◆A 3歳~

 • 1.4 切る1 (はじめてのはさみ)  ◆A 1歳~

 • 1.5 切る2 (いろいろな線を切る) ◆A 3歳~

 • 1.6 塗る1 (「書く」から「塗る」へ)◆A 1歳~

 • 1.7 塗る2 (クレヨン・水性マジック・絵の具)◆A 2歳~

 • 1.8 折る 丸める   ◆A ☆C2歳~  

 • 1.9 穴を開ける  ◆A 1歳~

 • 1.10 縫う 織る  ◆A 4歳~

 • 1.11 ひもを裂く(さく) やぶる  ◆A 2歳~

 • 1.12 かたどる なぞる はんこを押す けずる ◆A 3歳~ (見せてあげるなら2歳~) 


 • 1.13 巧緻性を高める教具 ◆A 3歳~


 • 1.14 創造性を体現することで子どもは変わる

第2章 体感を通して学ぶものづくり

 • 2.1 足を意識する工作 ◆A 3歳~ (作ってあげるなら2歳~) 


 • 2.2 手や指を意識する工作 ◆A 3歳~ (見せてあげるなら2歳~) 



 • 2.3 頭を意識する工作  ◆A 3歳~ (作ってあげるなら2歳~) 


 • 2.4 身体を意識する工作  ◆A 5歳~  (見せてあげるなら3歳~) 

 • 2.5 身長について学ぶ工作 ◆A 5歳~  (見せてあげるなら3歳~) 


 • 2.6 大きな紙の上で 大きな布の上で ◆A 2歳~

 • 2.7 自動ラーメン製造機 (動画)☆C 3歳~  (見せてあげるなら2歳~) 


 • 2.8 引く 引っぱる 揺れる すべる ☆C 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 



 • 2.9 押す 下げる ひねる ねじる ☆C2歳~(見せてあげるなら1歳~) 



 • 2.10 動くしかけを取り入れた みんなの作品 (見せてあげるなら1歳~) 


 • 2.11 砂や粘土の感触を楽しむ工作 ◆A 1歳~

 • 2.12 色や音を意識する工作 ◆A 1歳~

 • 2.13 なぜベビーと一緒に工作を楽しむ必要があるのですか? (動画) ◆A 1歳~

 • 2.14 なぜベビーと一緒に工作を楽しむ必要があるのですか? ◆A 1歳~


第3章 幼児の生活を再現してみよう

 • 3.1 1日の暮らし  ★B 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 


 • 3.2 手洗い・うがい (動画) ★B 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 
• 3.3 家にあるもの (テレビなど)★B 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 
• 3.4 ゴミ箱 (動画) ☆C 5歳~(見せてあげるなら2歳~) 


 
 • 3.5 お料理      ★B 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 


 • 3.6 わたしと家族とペット★B 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 


 • 3.7 お散歩の後で   ★B 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 
 • 3.8 身近なお仕事 (郵便屋さん)★B 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 



 • 3.9 お店やさん ★B 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 


 • 3.10 幼稚園 学校 ★B 4歳~ 6歳~

 • 3.11 ちょっと遠出したら ★B 2歳~

 • 3.12 いちご摘み (動画) ★B 3歳~

 • 3.13 体験の整理の手助けとなる劇遊び ★B 4歳~(見せてあげるなら2歳~) 



 • 3.14 個性に応じたものづくりにするためのコツ (動画)
 • 3.15 個性に応じたものづくりにするためのコツ

第4章 ものづくりに算数の世界を取り入れよう

 • 4.1 1対1対応  ○D 2歳(見せてあげるなら1歳~) 

 • 4.2 1~10までの数 ○D 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 • 4.3 10の合成 足し算 ○D 3歳~

 • 4.4 順序 位置関係 ○D 4歳~

 • 4.5 基本の形  ☆C 4歳~ 

 • 4.6 時計 カレンダー ○D 5歳~ (見せてあげるなら3歳~) 

  • 4.7 ごっこ遊びで数に親しもう ★B 4歳~(見せてあげるなら1歳~)


 • 4.8 定規を使う ◆A 3歳~


 • 4.9 コンパス・分度器を使う ◆A 6歳~(見せてあげるなら4歳~) 

 • 4.10 ゲームでさんすう 1 □E○D 4歳~(作ってあげるなら3歳~) 

 • 4.11 ゲームでさんすう 2 □E○D 4歳~(作ってあげるなら3歳~) 


 • 4.12 大きな数の計算 ○D 6歳~

 • 4.13 図形のまわりの長さを体感する  (動画) ◆A 6歳~(見せてあげるなら3歳~) 
 


 • 4.14 面積 ◆A 5歳~ (見せてあげるなら3歳~) 


 • 4.15 水のかさ・体積 ◆A 5歳~(見せてあげるなら3歳~) 


 • 4.16 展開図 ◆A 5歳~(見せてあげるなら3歳~) 


 • 4.17 多角形と多面体 ☆C 5歳~(見せてあげるなら3歳~) 


 • 4.18 分数につながる算数 ○D 5歳~(見せてあげるなら3歳~) 
 
 
 • 4.19 ものづくり体験の不足が小学生の「見る」力を低下させている 

第5章 平面から立体へ 形を作る楽しさを味わってみよう

 • 5.1 丸める 輪を作る 「平面から立体へ」☆C 2歳~

 • 5.2 画用紙のコンパスで円を書こう (動画) ■G 3歳~

 • 5.3 コンパスの使い方 円の形   ☆C 4歳~

 • 5.4 三角すいの作り方 (動画)  ☆C 4歳~

 • 5.5 円すいと三角すいを使った みんなの作品 ☆C 5歳~

☆C • 5.6 不思議な紙の世界 ピラミッド  ☆C 5歳~
 

 • 5.7 線路の切り替えとトンネル ☆C 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 

 • 5.8 きかんしゃにのって (動画)☆C 3歳~(見せてあげるなら1歳~) 
 • 5.9 のりもの大集合!みんなの作品☆ ☆C (見せてあげるなら1歳~) 

 • 5.10 画用紙で作るドールハウス (動画) ☆C 4歳~ 

 • 5.11 「折る 丸める」で作る建物  ☆C 3歳~ (見せてあげるなら2歳~) 


 • 5.12 望遠鏡作り 探検ごっこ (動画)★B 3歳~

 • 5.13 立方体作りゲーム (動画)  □E 5歳~

 • 5.14 絵は描くけれど 立体作品を作ろうとしない時に 3歳~

第6章 回転や力の働きを理解する からくり工作

 • 6.1 1つの穴からいろんな発見をしよう  ■G 2歳~(見せてあげるなら1歳~)

 • 6.2 段ボールの穴を使った からくり装置 (動画) ■G☆C 2歳~(見せてあげるなら1歳~)


 • 6.3 からくり装置1 ■G ☆C3歳~(見せてあげるなら2歳~)


 • 6.4 からくり装置2 ■G ☆C3歳~(見せてあげるなら2歳~)


 • 6.5 紙コップのビー玉落とし 3種類 (動画) ■G ☆C3歳~(見せてあげるなら2歳~)


 • 6.6 紙コップのビー玉落とし 3種類     ■G ☆C 3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 6.7 ティッシュ箱で作る自動販売機 (動画) ■G ☆C 2歳~

 • 6.8 ティッシュ箱で作る ビー玉転がし (動画)■G ☆C  2歳~

 • 6.9 ストローと紙皿で 回転する台を作ろう ■G ☆C 4歳~ (見せてあげるなら2歳~)


 • 6.10 くるくる回るよ 回転寿司 (動画)■G ☆C 4歳~

 • 6.11 回転寿司 軍艦巻きの作り方 ◆A ☆C 2歳~


 • 6.12 回転寿司 握り寿司の作り方 ◆A ☆C 2歳~

 • 6.13 遊園地の空中ブランコ (動画)■G ☆C (見せてあげるなら2歳~)

 • 6.14 2種類の空中ブランコ メリーゴランド■G ☆C 4歳~ (見せてあげるなら2歳~)

  • 6.15 2種類の不思議な映写機 ■G ☆C 4歳~ (見せてあげるなら2歳~)

 • 6.16 紙コップで作る プチ映写機 ■G ☆C4歳~ (見せてあげるなら2歳~)
 • 6.17 気分はピタゴラ装置 (動画) ■G☆C 4歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 6.18 くるくる回るよ ビー玉が転がるよ みんなの作品☆ 2歳~

 • 6.19 工作で子どもが自発的に工夫・発展するようになるために  ◎H 

第7章 幼児のIQアップのための教材と遊び

 • 7.1 幼児向けトランプ            □Eルール 2歳~

 • 7.2 間違い探し 大きさくらべ 隠れているもの ●F 3歳~ (見せてあげるなら2歳~)

 • 7.3 何が消えたのかな? 道具の名前 ●F 3歳~ (見せてあげるなら2歳~)

 • 7.4 重なる順序 同じ形に分けよう ●F 3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 7.5 順番 違う組み合わせ 左と右 ●F 4歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 7.6 観覧車 (動画) ●F 5歳~ (見せてあげるなら4歳~)

 • 7.7 四方から見た図 長さくらべ ●F 5歳~ (見せてあげるなら4歳~)



 • 7.8 穴から見えるもの 穴を重ねる ●F 5歳~ (見せてあげるなら4歳~)

 • 7.9 線対称 鏡に映った図形 ●F 5歳~ (見せてあげるなら4歳~)

 • 7.10 重ね点図形 点描写 ローラーの模様  ●F 5歳~

 • 7.11 教室で作った教材いろいろ

 • 7.12 レストランごっこでIQアップ ●F 5歳~ (見せてあげるなら2歳~)

 • 7.13 作りながら考える ロボット製作 ◎H 5歳~(見せてあげるなら3歳~)
 • 7.14 ものづくりを通して 幼児期からの子どもは伸びる

第8章 科学とつながるものづくり


 • 8.1 風や空気の働き1 ◆A 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 
 
 • 8.2 風や空気の働き2◆A 2歳~(見せてあげるなら1歳~) 

 • 8.3 風船 (動画)◆A 1歳~

 • 8.4 光の働き ◆A 4歳~(見せてあげるなら2歳~) 

 • 8.5 鏡の働き ◆A 5歳~(見せてあげるなら4歳~) 

 • 8.6 レンズの働き 目の錯覚  ◆A 4歳~(見せてあげるなら3歳~) 

 • 8.7 水の働き1 ◆A ■G 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 

 • 8.8 水の働き2 ◆A ■G 3歳~(見せてあげるなら2歳~) 
 
 • 8.9 磁石の働き ■G 3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 8.10 不思議な動き■G3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 8.11 電池・モーター■G 5歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 8.12 失敗から考える事例 ◎H 5歳~(見せてあげるなら3歳~)


第9章 図鑑と親しむものづくり

 • 9.1 昆虫  ■G  2歳~(見せてあげるなら1歳~)

 • 9.2 魚 水辺の生き物 ■G 3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 9.3 動物 鳥 人の身体 ■G  2歳~(見せてあげるなら1歳~)

 • 9.4 植物 鉱物 ■G  4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.5 宇宙 1 ■G  4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.6 宇宙 2■G 4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.7 恐竜■G  3歳~(見せてあげるなら2歳~)

 • 9.8 世界の国々■G    4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.9 日本の歴史1 (忍者)■G 4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.10 日本の歴史2 (忍者)■G 4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.11 博物館の資料を参考に ■G  4歳~(見せてあげるなら3歳~)

 • 9.12 水洗トイレのタンクのしくみ (動画)◎H 6歳~(見せてあげるなら5歳~)

 • 9.13 サイホン作用 (動画)◎H 6歳~(見せてあげるなら5歳~)

 • 9.14 親の「正解」を押し付けない◎H

第10章 虹色教室通信 リンク集
 • 10.1 工作ワークショップ in 東京  2010.11
 • 10.2 工作ワークショップ in 大阪  2010.11
 • 10.3 工作ワークショップ in 名古屋  2010.10
 • 10.4 工作ワークショップ in 大阪  2010.10
 • 10.5 絵本大好きクラブ in 大阪  2010.9
 • 10.6 工作イベントin 滋賀  2010.7
 • 10.7 幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 他

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<もくじについての解説です> 

「9歳の壁」という言葉を耳にしたことがありますか?

9歳くらいまでの具体的な学習では、きちんと授業についていけていた子が、
それ以降の学習の内容に抽象的になるため、
乗り越えることができない壁に突き当たることが多いことを指摘した言葉です。

9歳くらいまでの学習は、目で見たまんま覚えて、反射的に答えが出せるように訓練すれば
良い成績が保てるような内容ですが、
そこからは、次第に頭の中でイメージを操作して、
思考力を使って解いていかなければならない内容に変化していきます。


抽象的な思考ができるようになるには、

五感を通して、身体を通じて体感した感覚の蓄積や

おもちゃや物と関わりながら具体的に考える体験の蓄積が

たっぷり必要です。



抽象的思考の基盤となる体験をいくつか挙げますね。

◆A 目と手の協応

 1歳くらいから、目と手を協応させる遊び、手指の感覚を育てる遊び、身体を使ってする遊び
がはじまります。

★B 象徴遊び

 2歳くらいから、つもりやみたてがはじまり、
  3歳くらいから、ごっこ遊びがはじまります。
  模倣や社会的役割の理解と獲得が進みます。

☆C 構造遊び

 2歳半くらいから。
 空間認知、創造性、仲間との協調性が育む遊び。

○D 数の世界

数の敏感期を育む体験
 

□E ルールのある遊び


●F 知恵遊び

■G 目で見て、触れて具体的に操作しながら学ぶ体験 

◎H 抽象的思考を育む




工作以外でもさまざまな遊びを通じて、上のような体験ができますが、
工作の良いところは、わざわざおもちゃを買わなくても、いらなくなった空き箱や紙があれば、
あらゆる種類の体験を簡単につくりだすことができることです。

『虹色オンライン教材 学ぶことが好きになる工作遊び』を購入してくださった方が、
子どもにバランスのよい体験を与えるための指針となるように、
◆A~■Gまでの遊びについてのアイデアを載せている記事を紹介します。


小学校受験をするとしたら……

2014-10-23 11:34:17 | 通常レッスン

小学校受験は、子どもの成長にとって、とてもリスクが高いチャレンジだと思います。

たとえ上手く合格したとしても、プラス面よりもマイナス面の方が

大きくなる可能性があるのです。

それでも受験をさせたいと希望される親御さんはたくさんいますし、

そうしたご相談をいただいた場合、虹色教室でもそのフォローをしています。

その場合、親御さんといっしょに受験という枠を超えた長いスパンで

その子の成長を考えながら、子どもの個性と長所をしっかり捉えて、

小学校受験をすることによる弊害をできるだけ減らす方向で話し合っています。

不合格だったとき、途中で受験をやめたがったとき、

プリントをするのを拒絶したとき、伸び悩んだとき、

不安や怯え、チック、無気力、攻撃性が強くなるなどの問題が起きたとき、

子どものことを一番に考えて対処できるかどうかといったことも、

とても調子が良いときにもしっかり考えておくテーマだと思っています。

いざ、受験勉強をはじめると、さまざまな問題が起きます。

たとえば、プリント形式のテストは得意だけれど、絵は苦手という子がいます。

そうした子に、「人はこう描くのよ」「木はこんなふうに描くの」

「春の絵ならこんなものをこんなふうに描いて、こういうバランスで配置するのよ」

とお受験に受かるための描き方を教えるのは簡単です。

「丸描いて、チョン~♪」という絵描き歌のイメージで教えたり、

ステレオタイプのお手本の絵を暗記させていけば、

絵が苦手な子も描けるようにはなるのです。

受験向けにそうした指導本やDVDも出ているようです。

受験に合格するためならやむえない……受験する子たちは、みんなしているし……

と考えるかもしれません。

しかし、絵というのは、子どもの心身の発達と深い関わりがあるものなので、

そのような絵の教え方をすることは、子どもの成長の核の部分や創造性の育ちを

壊すことにもなりかねないのです。

「たかが、絵でしょう? そんなオーバーな……」と思うかもしれませんね。

絵の教え方だけの問題ではないのです。

小学校受験を目指した働きかけにおいての、大人の教え方や接し方は、

ひとつ間違うと、後々まで、子どもの成長のバランスを崩してしまうかもしれない

危険を含んだものだと考えているのです。

乳幼児から大人まで、誰もが、「自己の充実を求める気持ち」と

「大事な人と気持を繋ぎ合って安心感を得たい気持ち」の二つの欲求を持っている

と言われています。

これらの二つは、人間が抱える根源的な欲望で、

それらのバランスを取りながら、人の思いや行動が生まれてきます。

「自己の充実を求める気持ち」は、「私は私」という心で、

自分の思いを表現したり、自分らしくあることを望んでいます。

その気持ちの中で、自己肯定感と自信が育まれ、

アイデンティティーの自覚に通じているそうです。自己を表出する心です。

「大事な人と気持ちを繋ぎ合って安心感を得たい気持ち」は、

「私は私たち」という心で、相手の気持ちに気づき、認め、周囲の人を主体として

受け止める心です。その気持ちの中で、信頼感と許容する気持ちが育まれます。

周囲と共に生きる心です。

絵は、子どもの内側からの衝動から生まれてきます。

それは自分自身を表現する行為だし、

自由や自分らしさを周囲の人々に宣言する行為でもあります。

でも、そうした創造的な活動が、

最初のスタート地点から、評価を目的とした「教える」ものだとすると、

「私は私」という心を表現する機会を失って、

「これをしなさい」「あれをしなさい」と指示を出してくる大人の願望を

実行していくのが子どもの生となってしまうのです。

ですから、もし小学校受験をさせることを決めたのなら、

がむしゃらに合格を目指して邁進するのではなくて、

子どもの「自己の充実を求める気持ち」と

「大事な人と気持ちを繋ぎ合って安心感を得たい気持ち」が

バランスを崩したり、抑圧されたりしていないか細心の注意をしながら、

自然に愛情をこめて、遊び心をたくさん取り入れながら

受験の準備を進めていく必要があるのではないでしょうか。

他の子の進み具合を見て、心を乱されないよう自分のエゴに気をつけて、

もし受験がうまくいかなくても、子どもにとって、「やってみてよかった」という

すがすがしい思いが残るようにする義務が、

まだ生まれて数年しか経っていない子に受験を強いる親には

課せられると思っています。

 

(一部に『子どもは育てられて育つ 関係発達の世代間循環を考える』 

鯨岡峻 慶応義塾大学出版会 を参照しています)

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<四方からの観察>

今日は年長さんたちのグループレッスンでした。

小学校受験を予定している子たちなので、受験問題から、それぞれの子が苦手な

分野を学びました。



正面、背後、右横、左横からの見え方を推理する問題です。

最初、子どもたちは、どの位置からの見え方も、

自分が見ている正面からの見え方と同じだと考えていました。

そこで、紙箱の4面にのぞき穴を作って、

4面からの見え方の違いを体験してもらいました。



すると、それまで、「わからない」と言っていた子たちも、

しっかり理解することができました。

子どもにとって、『しほうからのかんさつ』の問題は、実物を見せて教えても、

ピンとこないことが多いのです。

横からの見え方を教えていても、本人はどの位置のときも、

上から見ているということもあるのです。

ですから、箱に穴を開けて、見える範囲を狭くすると、

たちまち、すんなり理解する場合があります。

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<歯車の問題>

「一方のはぐるまを赤いやじるしの方向(時計回り)に回すと、

もうひとつのはぐるまは、どのような回り方をするか?」という問題。

応用は、いくつかのはぐるまを並べて、回り方を考えます。



実際、手を使って回しながら、

「あっ引っ張られる~」とか、「髪の毛を引っ張ったらイタイイタイ!」などと、

歯車を擬人化して回るときの様子を表現すると、すんなり理解する子たちがいます。


歯車は、紙皿を何枚か重ねて、外側を切り抜いて作っています。




図鑑を見ながらごっこ遊び

2014-10-22 15:28:58 | 通常レッスン

ごっこ遊びが煮詰まってきたら、図鑑の知識を取り入れると

遊びが発展することがあります。

写真は、飛行機ごっこの最中、図鑑にあった「空港地図」をブロックで再現してみたところです。

建物や滑走路などを作ることで遊びが広がります。

 

 図鑑に載っている荷物のチェックやパスポートの提示といった
 
「飛行機に乗るまでの流れ」を再現して遊ぶのも楽しいです。
 
教室では、図鑑を見ながら、忍者屋敷やお城のなわばり図などを
 
再現して遊ぶことがよくあります。
 
図書館でさまざまな図鑑を借りてくるのもオススメですよ。
 

4歳児さんたちのおしゃべり 5歳児さんたちの物語の算数

2014-10-22 15:25:34 | 初めてお越しの方
 
4歳児さんたちのおしゃべり。

★くんが、「ぼくが生まれる前にねぇ、お父さんとお母さんが結婚したん
 
だよ」と、すごいでしょっ と自慢するように言いました。
 
それを聞いた☆ちゃんが、ちょっとあやふやに、
 
「うちのお父さんとお母さんは私が赤ちゃんのときに結婚したよ
 
(たぶん……という様子)」と言いました。それを横で聞いていた●ちゃん。
 
「じゃあぁ、赤ちゃんだったけど、結婚式のときはお留守番してたの?」
 
と心配そうにたずねました。

考え込む☆ちゃん。
 
「だったらさぁ、いっしょに連れてってもらったらいいんだ。結婚式に」と
 
★くん。
 
一同、そうそうその手があった~!とほっとしてから、大笑い。
 
「ウェディングケーキを作ろうか?」とたずねると、

「ケーキを作りたいけど、ウェディングケーキはいや!」と☆ちゃん、
 
●ちゃん。

「なら、お誕生日ケーキ?」

「そんなのいやー!」

そう言いつつも黙々とケーキの飾りつけをする子どもたち。

「だったら、ぐりとぐらが森の中で焼いたケーキにする?」とたずねると、

「そうするー!!」「わたしもそうする!!」
 
「ぐりとぐらのケーキがいい!」

と元気いっぱいの返事が返ってきました。

 

想像力と創造力がとっても豊かな年中さんの★ちゃんと

年長さんの☆ちゃんレッスンです。

「お話を聞かせて!」と言うので、

算数に関わるお話を即席で作って、二人に質問を投げかけてみました。

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<ものがたりの算数>

ある日のこと。

クッキーがたくさん、たくさんあったのよ。

先生が1枚食べてみると、まだたくさんあったわ。

もう1枚食べると、まだたくさんあったの。

それでね、もう1枚、もう1枚、もう1枚、もう1枚って食べて、

しまいに9枚食べたらね、

びっくりすることが起こったの!

クッキーが少ししかなかったのよ!!!

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この話はふたりに大受けで、

ついでに「少しって何枚くらいだったと思う?」とたずねると、

なかなか抜け目のない答えが返ってきました。

「だって最初に何枚だかわかんないと、どれだけ残ったかなんてわかん

ないわよねー」と★ちゃん。

「ねー」と☆ちゃん。

「初めが100枚だったら?」とたずねてみました。

「ええーっ!!」と★ちゃんはびっくりした声をあげてから、

疑り深い口調になって、

「それね、1枚、1枚って食べても、少しになるの?」とたずねました。

「おっかしいよねー」と☆ちゃん。

正確に答えがわかるわけではないけれど、

100という数の食べ物の量と、それをある程度食べてもたいして減らな

いという経験があるようです。

「じゃ、最初が10枚だったら?」とたずねてから、10の指を見せて

1本、1本折り曲げて9枚分曲げると、

二人とも当たり前のことを聞く……とふんがいしたように、

「それは、す、こ、し、でしょー!」と言ってから、

ちょっと自信なさげになって、1が少しなのか、ただの1なのか

二人で相談していました。

 

そんな算数のお話をしたあとで、足し算、引き算の文章題をいくつか

出すと、二人ともとても喜んで解いていました。

 

最後にもうひとつ <ものがたりの算数>

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魔法使いがいてね。

1枚のクッキーに魔法をかけました。

ちちんぷいぷい~エイ!1枚のクッキーたくさんになあれ。

(エイのところで、クッキーをたたくまねをします)

ほらね。こまごましたかけらが、いっぱいいっぱい。

たくさんのクッキーになったわよ。

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この話にお腹がよじれるほど笑っていた★ちゃんに、

「本物の魔法使いじゃないから、しょうがないわ。こんな魔法でも。

だって、この魔法使いは魔法使いの格好をしていた☆ちゃんのお母さん

だったんだもの」というと、

今度は☆ちゃんも涙が出るほど笑っています。

 

そこで、「でもね、たくさんのかけらはあっという間になくなったの。

なぜだと思う?」とたずねました。

 

いつも奇想天外なストーリーを思いつく★ちゃんが、「そりゃあ、

どろうぼうが持ってったってことも考えられるけど、

あんまりそういうことはないわね。

どろぼうはあんまりこういうところにいないから。アリかもしれないわ。

アリはちいさいけど、みんなで力を

あわせてうんしょうんしょって運ぶこともあるんだから。

それと誰かがたべたのよ。子どもとか。

でも、先生。これはうその話?本当の話?」

「うその話」

二人は笑いながら、「うそなんかついたら、本当にあったことかって

信じちゃうじゃない」

「そうよ。わたしのお母さんが魔法使いの格好していたって、

本当かと思っちゃう」

「あら、でも、絵本のなかのものがたりはうその話もあるわよ。

先生のするお話は算数のものがたりだから、作ったお話なのよ。

ね、二人とも絵本にでてくるクマやうさぎがおしゃべりしていろんな

ことをする話は本当の話だと思う?」

「ちがうよ。それはうその話だよ」と★ちゃん。

「でも、クマやうさぎがおしゃべりする話は、どれもみんな

うその話なのかな?

 それとも、ほんのちょっぴりは本当に話もあるのかな?」と

聞きなおすと、真剣な表情で考えていて、

「やっぱりおかしいもん。きっと全部、うその話」「そうそう」という

返事が返ってきました。

 

わたしが、「うそのお話を考えるのもなかなか難しいよ」と言うと、

★ちゃんが、「そんなことないよ。うそなんか誰でもかんたんかんたんに

つけるんだから。

幼稚園の◎くんだって、いっつもうそつくんだから」と言いました。

「どんなうそ?」

「きのうきゅうしゅうに飛行機で行ったっていうんだよ」

「きゅうしゅうでは何を食べたの?」

「ラーメン!」

「それは、凝っているうそねぇ。でも、本当にうそをつくのって簡単

かな?」とたずねると、★ちゃんの次のような返事が返ってきました。

「うそなら★も簡単につけるよ。あのね、きのう、くつやさんに行ったら

おばけがいたの。そのおばけのなかには、☆ちゃんが入っていて、

☆ちゃんの中には奈緒美先生が入っていて、

奈緒美先生のなかには、★のお母さんが入っていて、

★のお母さんの中には☆ちゃんのお母さんが入っていたのよ。ほーらね、

うそついたわ」

「面白いうそね。なかにはいってるってどんな風に?」

「マトリョーシカちゃんみたいに。パカッと開けたら、

どんどん小さくなっている人が入ってるのよ」

 

それは、なかなか魅力的なうそですね……。

こんなふうに★ちゃんは、お話を考えるのが大好きで、

☆ちゃんは、一日がどうして24時間なのかとか、宇宙や星のこととか、

時間の流れや天体の動きや身の回りのありとあらゆることが不思議で

ならない子です。

☆ちゃんとそうした話をしていると話が尽きません。

いつも遊んでいる仲良しさんの二人ですが、

興味を持つことや、理解する内容がずいぶんちがっています。

子どもの個性って面白いなとしみじみ感じます。


『10才までに覚えておきたい ちょっと難しい1000のことば』

2014-10-21 20:21:29 | 国語

『10才までに覚えておきたい ちょっと難しい1000のことば』

(アーバン出版局)を参考に、教室のみんなで作っています♪

 

どういう意味かたずねると、「あきあきする」は「秋みたいになること」といった

トンデモな答えが返ってくることがしばしば……。

子どもたちが言葉の意味を間違えたものを整理していってます。

こうした活動をしていると、子どもたちの言葉に対する感受性が高まっていくのを

感じます。