虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

「やればできる!」の研究

2016-02-13 21:56:39 | 教育論 読者の方からのQ&A
 
『「やればできる!」の研究』(キャロル・S・ドゥエック/今西康子/草思社)
を読みました。本のカバーと帯に書かれている紹介文です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
問題がむずかしいとやりたがらない子、むずかしい問題ほど目を輝かせる子、
一度の失敗で、もうダメだと落ち込む人、
失敗すると、何がいけなかったのか考える他人
このちがいはどこからくるのか?

能力や才能は生まれつきではないことを
20年間の調査で実証した貴重な研究です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「やればできる!」の研究 は、
著名な心理学者のキャロル・S・ドゥエックの「学ぶことが大好きで、
何にでも挑戦し、失敗してもめげない子どもに育てるには?」
について20年渡る研究の成果をまとめた本です。

キャロル・S・ドゥエックは、
「個人の知的能力は一定であって、向上させることは不可能だ」という
学者の主張を信じるか、
「訓練を積み、練習を重ね、そして何より正しい方法を習得すれば、
注意力、記憶力、判断力を高めて本当に頭をよくすることができる」と
主張する学者の意見を信じるかで、
その後の人生に大きな開きが出てくるとおっしゃっています。

この本では、自分の能力は固定的で変わらないと信じている人を
「こちこちマインドセット」の人、
人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができると信じている人を
「しなやかマインドセット」の人と呼んでいます。

「こちこちマインドセット」の人は、
自分の有能さを示すことに心を奪われ、
自分の知的能力や人間的資質を確認せずにはいられないそうです。

「しなやかマインドセット」の人は、もって生まれた才能、適性、
興味、気質は一人ひとり異なるが、努力と経験を重ねることで、
だれでもみな大きく伸びていけるという信念を持っています。

ダーウィンもトルストイも、幼少時は凡庸な子と思われていました。
20世紀を代表するアーティストといわれる写真家、
シンディー・シャーマンは、初めて受けた写真の授業で単位を
落としているそうです。
大女優ジェラルディン・ペイジも、君には才能がないから
女優の道はあきらめなさいと諭された経験があるそうです。

才能は磨けば伸びるという信念は、強い情熱を生み出します。
すると、能力はどんどん伸びていくのです。

「こちこちマインドセット」の人は、
現在の能力を示すことにこだわって、時間を無駄にします。
欠点を克服せずに、隠そうとします。
もったいないことですよね。
 
うまくいかないときこそ、粘り強くがんばるのが
「しなやかマインドセット」の特徴だそうです。
「見習いたいな」と思いました。


子育てでも、「こちこちマインドセット」の人と、
「しなやかマインドセット」の人っていますよね。

子どもの現状を見て、先の能力まで決め付けてしまうことなく、
さまざまな活動を子どもとともに楽しんでいると、
いつの間にか期待した以上に子どもは伸びていくものです。
「しなやかマインドセット」で子育てしていると、
必ず良い成果が待っていることを、
虹色教室の生徒さんの成長ぶりで実感しています。

 
上の写真は今年、年長さんになる★くんの作品です。
★くんは多動が激しくて、ひとつのことに数秒間、
注意を留めているのさえ難しい子でした。
最初の頃は、遊びらしい遊びは成り立たなかったのですが、
工作や実験やごっこ遊びに根気よく付き合ううちに、
さまざまな能力が伸びてきました。

今日は★くんのお母さんから次のような言葉をいただきました。
 
「先生が、あと1年すると、ずいぶん楽になりますよ。
だんだんしっかりしてきますよ、とおっしゃっていたのが、
今になって先生のおっしゃる通りだったと感じています。

★は、この間まで体調を崩していて、
ちょっと外出したら吐いてしまうような状態で、
毎日、家で過さなくてはならなかったんです。
それが、退屈して大騒ぎするかと思いきや、
深海魚の本を手作りするんだといって先生に教えていただいた方法で、
ずっと本作りに熱中していました。
全く字に興味を持とうとしなかったのに、魚の名前が書きたいから、
文字を教えて欲しいと言ってきたり、魚のサイズや海の深さの数値を書きたいと言ってきたりしていました。工作も次々と作っては楽しんでいました。

虹色教室でいろいろ体験するうちに、ひとつだけの興味にこだわらず、
恐竜や電車や昆虫や海の生き物たちなど、
さまざまな方向に好奇心が広がるようになってきてよかったと思っています」
 



↑ 地層にも興味がある★くん。砂の層を作って遊びました。

学力をつけること と 個性的な強みを伸ばすこと

2016-02-13 20:26:14 | 教育論 読者の方からのQ&A

先日、次に年長さんになる女の子たち3人グループの親御さんたちと

それぞれの子の今後の教育について話し合う時間を持ちました。

年長さんともなると、それぞれの子の個性的な才能や強みといったものが

かなりはっきり見えてきます。弱点もしかり。

 

小学校受験用のテストの出来不出来とか、音楽ができる、手先が器用、

スポーツが得意といった外から測定したり 評価したりできる能力とは別に、

ひとりひとりの子にはその子ならではの特別な強みといったものがあります。

そしてそうした個性的で特別な強みを伸ばすには、身近にいる親御さんが、

「この子は算数が得意」とか、「この子はプールが○級」といった

表面的な子どもの能力の捉え方ではなく、

その子が『どのような子』で、『どのような可能性を秘めている』のか

よく見極めて理解してあげることが大切だと感じています。

この3人の女の子たちは、2歳、3歳の頃から虹色教室に通ってくれています。

それで 私は、まだヨタヨタ歩きながら片言でおしゃべりしていた時期からの

遊びの好みや集中の仕方、困ったことにぶつかったときの解決の仕方、

人との関わり方や記憶の保ち方、何をするときどれくらい熱中するか、

柔軟性や創造性、想像力を使ってどのようなことをするか、物の選び方や判断の仕方、

色や形への敏感さ、身の回りの世界への興味の持ち方などを

具体的なエピソードを記録しながら見守ってきました。

すると、どの子も、他の子と比べようがないくらい突出した強みを持っていて、

子どもの多様な個性と才能のすばらしさに目を見張るのです。

それは既存のテストでは測りようがない種類のものです。

 

このグループの女の子たちはあと1年ほどで小学生です。

親御さんたちに、「小学校の6年間で、学校や習い事での成績を上げることだけを

教育としないで、『その子独自の個性的な強みを伸ばす』という視点で、

環境や体験させたいことを考えてみてはいかがでしょう。」と提案し、

それぞれの子の能力や伸ばし方について話し合いました。

『その子独自の個性的な強みを伸ばす』というのは「音楽が得意そうだからピアノを

購入して、レッスンに通わせる」という意味ではありません。

もう少し大人が想像力を使って子どもを眺めたときに見えてくるもののことです。

女の子のひとりは、明るくて活発で次々遊びを思いつき、おしゃべりで

よく知恵が働く子です。

その遊ぶ姿からわかるのは、『想像力』と『思考力』と『社会性』の高さです。

こうした能力を生かせるものに、「作文」があります。

(他にもいろいろあるでしょうが……)

もしこの子が文章を書くことに興味を持ったなら、身の回りのさまざまな出来事に

アンテナを張って、自分の心で感じ取り、自分の頭で考えたことをどんどん言葉に

していくことでしょう。

だったら、「作文指導のある通信教材を取る」とか「国語教室に通わす」とかすると

いいのか……というと、それはかえって強みをつぶすことにもなりかねません。

子どもは個性的ですから、何をさせたらよいか考えるときも、

その子の得手不得手や好き嫌いについてよく考えてから選ぶ必要があります。

私は、あまり急いて外注することに頼らず、親が無理のない程度にその子専用の

オリジナルの教育をしてあげるのがいいのじゃないかと思っています。

たとえば、この女の子でしたら、活発に動き回ることやおしゃべりは好きだけど、

机に座ってする地味な作業はめんどくさがるタイプですから、

無理強いすれば文章を書く力がつく前に、作文嫌いにさせてしまうかもしれないのです。

この子にとって文章力をつけることが才能を開花させるためにとても大切だと思うなら、

「低学年や中学年の間は、子どもには自由におしゃべりさせて、

それを親御さんが書き取って読み物に仕上げてあげて、

自分が体験したり考えたりしたことを文章として読める楽しさに気づかせてあげる」

くらいの教育が、家庭で大事になってくるのかもしれません。

こんな風に書きましたが、必ずしも、子どもの才能を伸ばすために

親ができるだけのことをしてあげないと……と必死になる必要はないと思っています。

子どもは自分に必要なことを自分で探し出してくる力がありますから。

それならどうして、年長さんの親御さんに、

個性に応じた教育の必要性を説いているのかというと、

それを意識しないまま小学校に入学すると、さまざまな外の評価に翻弄されるうち、

その子が持っていた特別な才能は跡形もなく消えてしまった……ということが

よく起こるからなのです。

その子がもともと持っているものの価値をきちんと把握しておいて、

子どもが成績がふるわなくて自分に自信を失いかけているときも、

親御さんはぶれずに支え続けてあげることが大事だと感じているのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こうした話をすると、ハンディーキャップを持った子を育てている親御さんが、

「うちの子には、特別な才能らしきものはひとつもありません」と

おっしゃることがあります。

でも実際は、そうしたハンディーを持っている子こそ、そうした特別な能力を

持っているものです。

才能や強みというものを狭い選択肢の中で限定して捉えているために、

隠れている能力が磨かれずにそのままになっている場合がほとんどなのです。


「やりたい?」「やりたくない?」と気持ちをたずねすぎて、メンタル面が弱い子が増えている? 

2016-02-13 07:22:57 | 日々思うこと 雑感

遊びでも勉強でもお手伝いでも、子どもの気持ちを尊重しようという思いから、

「これ、やりたい?」「やりたくない?」と子どもにその時の気持ちを

訪ねすぎる親御さんがいます。

まだ、1、2歳の子を相手にするときにも、親が提案する何かを見せて、

「やりたい?」「やりたくない?」とたずねたり、

そうたずねないまでも、飛びついてやりはじめたら「あっ、食いついた!」と喜び、

気乗りしないようだと、大人がおろおろし、

「ちょっとしてみたら?なら、こっちをしてみる?」と

やたらスタート時の子どもの気持ちに過敏になっているのです。

 

親がそのように子どもの気持ちに過敏に一喜一憂すれば、子どもは当然、

自意識過剰になって自分のその瞬間の気持ちや気分に集中するようになります。

子どもが、自分が「それをしたいかどうか」や

「やったら楽しいか」「得するか」にばかり敏感になるのです。

 

もしかしてうまくできないかも、やったらつまらないかも……と思うだけで、

簡単な遊びも工作もするのが億劫……、それこそ携帯ゲームすら

(ルールを覚えなくてはならないので)めんどくさい(上手な子に頼んでポイントだけ

いれてもらう)なんて子もいて気になっています。

ですので、それこそ勉強や他の課題で「ちょっと苦手」「ちょっとめんどくさそう」

というものにぶつかれば、やりもしないうちから、「やりたくない」と自分の弱さを

守ることに一生懸命になります。

もちろん、子どもの気持ちを無視して、「あれをしろ」「これをしろ」と動かして

いいわけでもないのです。それはそれで、さらに深刻な心の問題を生むかもしれません。

 

でも、「やりたいか」「やりたくないか」という自分の気分が、

いちいち親を喜ばせたり、がっかりさせたりするといった結果につながったり、

気分というのが、面倒なことを避けられる免罪符となったりすることを繰り返せば、

メンタル面での危うさを身につけていくのは避けられないのではないでしょうか。

 

前々回の記事で、

「そうして至れり尽くせりしてしまってお客さん状態を過ごした子らというのは、

必ずといっていいほど、ちょっとぞんざいな他人の姿が目に入っていないような行動を

取ります。遊ぶ時に拾った木の実を投げ合ってみたり、大人の指示を無視して

駆けまわったり……」ということ書きました。

これは他人からそのように接遇されることだけでなく、親がわが子をお客さんのように

扱って、子どもにおうかがいを立てては、「喜んでくれた」「がっかりさせてしまった」

「お得な体験をさせてあげられた」「レベルアップできるアイテムを身につけさせて

あげることができた」「子どもを喜ばしてあげるものを見つけることができない」

「キラキラおめめが見れた!」と一喜一憂することが子どもへの愛情だと捉えてしまうと、

子どもは自分がその体験を通して

「成長していく主体」「変化し、進歩していく存在」という実感が持てません。

 

そして、無料サンプルのモニターでもしている気分で自分の人生に参加して、

苦手なものや学んで克服しなくてはならないものに対して、

「これはおいしいね」「これはまずいね」とコメントする立場になってしまいます。

「国語の漢字はおいしいけど、読解問題はまずいから食べない」

「計算は好きだけど、図形問題はきらいだから食べたくない」というように。

 テレビを見ながら、「面白い」「面白くない」と判断して、チャンネルを変えるスタンスで

学習に参加するようになります。

 

「やりたい?」「やりたくない?」と気持ちをたずねるとき、

子どもが何かする際の最初の気持ちや判断に圧力がかかりすぎるきらいがあります。

 

実際、人が成長するときや、学ぶときというのは、

気になるけど、「きらいー」って言いたい複雑な気分から、

しているうちにだんだん身体がなじんでいって、

「もしかして面白いかも」と思えて、やり終えたらスカッと気持ちよくて

自分が変化しているとか、最初はただその空間でいっしょに過ぎているだけで

無関心だったのに、無関心のまま終わることが何度かあった後で、何かの拍子で関わりが

始まって、それまでの苦手意識や拒絶心が溶けだして、しまいに、「これ楽しいかも?」

「私はこれが上手にできるかも?」と思うようになる過程だったりします。

 

そこで、まるでカタログショッピングでもするように、

「これを買おう(してみよう)かな?あっちにしようかな?」と

選ぶ時点にやたら力を投入して、

何かをするときは、自分の変化を待たずに、それが「いい」か「悪い」か

評価をしてしまうと、そこには、成長も学びも起こりようがないのです。

 

「やりたくない」と避けていたことも、次に年上のお兄ちゃんお姉ちゃんと

いっしょにするのなら魅力的な作業になるかもしれないのです。

 

いちいち、自分の気持ちを過大評価していると、一度感じた思いが

理由もなく強く刷り込まれて、単なるその日の疲れや気分が、

そのまま「苦手意識」にまでなってしまうこともあります。

 

そのように親御さんが、そのときそのときの子どもの反応にいちいち敏感だと、

子どもは長い目で物事に取り組んでいく姿勢を失うことも多々あるのです。

視野を広げ続けて、さまざまな価値観を取り入れていこうとする態度も

弱まるようです。

 

「そのときは面白くなかったけど、もう一度やってみたら、

どうかわからない」という子どもならではの

以前の失敗はすぐさま忘れて、何度も再チャレンジしていこうとする気楽さが

なくなります。

 

そうした特殊な成長できない心や学べない心を作るのは、

幼児期からの通信教材や習い事を通じて

親が「悪い心の見本」を子どもにたくさん見せてしまうこともあるような気がします。

「悪い心の見本」というのは、「選ぶ」ことと「評価」することが、

自分の仕事であるかのように錯覚させてしまうことです。

 

お金が関わることや、一度始めたら簡単に抜けるわけにはいかないという体験は、

最初に「やりたい」と感じるか、「やりたくない」と感じるか、どっちを選ぶかが、

その後の自分の幸不幸を決めるような印象を子どもに与えます。

 

何度もこうした体験をして挫折している子は、選ぶ際には、

チャレンジが必要なことを避けて、遊園地やショッピングに行くような

その場で楽しみが完結するものを選びがちです。

(何事もやめずに続けて成功しているように見える子も内心は無理しすぎていて、

思春期を過ぎてからの目標のハードルを下げ気味になるように感じます)

 

また、「公園デビュー」なんて言葉があるように、

自然な生きる営みに対して、いちいちメンタル面に強い負荷がかかることのように

解釈してしまうのも「悪い心の見本」の一例だと思います。

 

いつでもどこでも「正しさ」と「平等さ」で、子どもの世界から苦しいことや

悲しいことや理不尽なことを一掃してしまうことも、

子どもが何に対しても本気になれず、生きることにしらけてしまう原因を

作るのではないでしょうか。

 

子どもの世界でも、友だちは、「デビュー」なんていう最初の一瞬で、

できるできないが決まるものではなくて、

勝手に自分側からだけの目線で友だちに○×つけられるものでもなく、

「自然に素直に関わり合っていれば、いずれ、かけがえのない親しさが生まれて

くるかもしれない」という長い時間の経過のなかで自分も相手もともに変容しながら

できてくるもののはずです。

 

そうした良い変化が起こるには、

「自分」や「自分の生きている場所」や「人」に対するゆったりした信頼感が必要です。

最初に自分の気持ちに過度に集中してしまうと、何をするにも気持ちがすくんだり、

妙に冷めた商品でも見定めるような視線で人や出来事を眺めるようになってしまうでしょう。

 

子どもを観察するとき、近視眼的になったり、感情移入したりして、

変化の流れにある子どもの一瞬、一瞬を、大人の心で乱してはいけないと感じています。

 

子どもが「やりたくない」と言って、親御さんのもとに来たとき、

その気持ちをしっかり受け止めてあげることは大事です。

 

でも、そこで、「やりたくないなら、こうしよう、ああしよう」と

すぐさま大人が解決してしまったり、

「どうしてうちの子だけ」と他の子と比べて悩む行為は、

「大人の心で子どもの成長に向かう流れを乱している」ことになると思います。

 

子どもはそうやってそれまでの自分の殻を破らなくてはなない事態に出会って、

何度も安全な親御さんのもとに来てエネルギーを充電して、

黙ってゆっくり待っていてもらったら、自立心にスイッチが入って、

「同年代の仲間入りをしてうまくやっていきたい」

「親しくなりたい」「あの子のように上手に~できるようになりたい」「認められたい」

というそれまでなかった新しい課題を胸に育んでいきます。

上手くいかないこととの出会いは、そのまま成長しようとする意志の誕生へと

つながっているのです。

 


レインコート と 毛の長いモルモット

2016-02-12 20:38:11 | 工作 ワークショップ

 

年長のAちゃんが、黄色い色画用紙を上のように折って、

面白い形の屋根やベッドができないか試していました。

そこで、わたしもAちゃんの作った長方形の先を三角に折ったものを使って

何か作ってみることに。

 

人形用のレインコートができました。

「ホント、形って面白いよね~」と子どもたちと言いあっています。

 

↑ 折った後、セロテープで貼って、裏返します。

 

輪ゴムを切ってひも状にして、セロテープで貼ります。

 

紙に軽くしわをつけます。

 

ゴムの端をビーズに通してから結びます。

輪ゴムがセロテープにつきにくいことを利用した工作です。

 

教室で人気の毛の長いモルモット作り。

 

100円ショップで↑のような毛糸を購入。

 

玉のひとつを切りとって両面テープを貼ります。

 

毛糸(100円)を巻いて、マジックで目をつけたらできあがり。

(小さいネール用の黒ビーズをつけてもかわいいです)

 

 

子どもたちは画用紙に目を描いて貼るのが好きなようです。

↑はうさぎで、↓は虫だそうです。

 

虫ランド

 

↓モルモット用遊具。


お母さんたちに「教えないコツ」を教える 

2016-02-12 08:50:35 | 算数

小1年のグループレッスンの算数タイムでの話。

 

次のような□が抜いてある式が書いてあるプリントを配っていました。

6 □ 3 □ 1 = 10

6 □ 3 □ 1  = 8

6 □ 3 □ 1  = 4

□のなかに、+か-を入れて、答えがあうようにする問題です。

 

「簡単そう」「おもしろそう」と飛びついて解いていく子らがいるなかで、

☆ちゃんはどうして解いたらいいかわからなくて、

「わからない~」ととまどっていました。

そこで、☆ちゃんのお母さんが☆ちゃんのそばにきて、

答えを書き込む場所を指さしながら、

ひとつひとつ解説して答えがわかるように誘導していました。

 

わたしが「☆ちゃんにこの問題を通して教えたいこと」と、

「お母さんの教え方から☆ちゃんが学ぶであろうもの」が

真逆ともいえるものだったので、

失礼とは思いながら、お母さんに教えるのを控えていただくようにしました。

 

☆ちゃんのお母さんは、

「だとすると、(家でも)教えないようにしたらいいんでしょうか」と

困惑した様子で質問しておられました。

 

確かにわたしは手取り足とり教えすぎるのはよくないと思っていますが、

単純に自分でしなさいと突っぱねる形で、「教えない」わけではないのです。

外からは「教えていない」ように見えるときも、

「教えない態度」のなかに、

今この時間にこの子に学ばせたいと思っている(教えたい)ことはあるにはあります。

 

ただそれをその場で言葉で伝えることの難しさを感じもして、

一度、記事のなかで、わたしが何を教えようとしていて、何を教えないようにしているのか、

言葉にして整理してみることにしました。

 

わかりやすいように

自転車の乗り方を子どもに学ばせる過程を例に挙げて説明してみますね。

 

初めて自転車の乗り方を覚えようとする子の耳元で、

「足をぐるぐる回して、右に曲がる時にはハンドルを右側に向けて、

左に曲がる時はハンドルを左に向けるのよ」といった説明をたくさんしていると、

頭で考えれば考えるほど、前を見ることや手元への注意がお留守になって

しょっちゅう転ぶようになるかもしれません。

さらにあれこれ言葉で教えようとすると、

自転車にまたがること自体ビクビクするようになって、

こぎだすことができないかもしれませんね

 

わたしなら自転車に初めて乗る子に最初に学ばせたいと思うのは、次のことです。

 

◆ 何度か転びそうになるかもしれないけど、

実際転んでみるとそんなに怖くないよ、ということ。

 

◆ 方法がわからない間も、

何度かやってみると、身体でコツがつかめてくるということ。

 

◆ うまくいかないことや、わからないところがあった時、

自分で気づいて言葉にしてみると、

きちんと教えてもらえるということ。

 

算数の問題も先に言葉で教えておいて、

絶対、転ばせないように、ミスさせないように、

「わからない」と言って不安になることがないように大人が先まわりして言葉で

教え過ぎると、「失敗」や「わからない」いう経験にぶつかるたびに

パニックを起こして、思考停止状態になって何も学べなくなってしまうのです。

 

上手な転び方を教えることは、

勉強をしていく上でも大事なことだと思っているのです。 

 

ただ「教える」ことと、

「教えない」けれど「教える」ことの違いの例を挙げますね。

 

上の写真は、教室にあるおもちゃのレジのボタンです。

右下の「¥」ボタンを押すと、

レジの引き出しが飛び出てくる仕掛けになっています。

 

子どもが引き出しを開けたがって

困っていると、「¥」ボタンを指しながら、「ここを押すのよ」と

おっしゃる親御さんがいます。

そこで子どもが数字のボタンを押しかけると、

「ちがうよ、こっちこっち。ほらこれを押すのよ」と誘導します。

 

こうした教え方をすると、子どもは大事なことを学び損ねてしまいます。

 

レジには16個のボタンがついています。

全て押していって「開くかな?」「開かないな」「開くかな?」とやっていくのは

効率的じゃありません。

そうした効率的ではない遠回りをいとわないのが幼児とも言えます。

幼児が世界を知ろうとする方法は貪欲で、苦労を苦労とも思わない一面があるのです。

そうして、ひとつひとつ押してみて、「開かない」という事実も体験した上で、

「開いた」ボタンにたどりついた時、(意味としては理解できていなくても)

体感としては次のようなことを学習しているのです。

 

◆1本の指でひとつずつボタンを押していって確かめると、

16通りの押し方がある。

 

◆「右から2番目の上から1番目」といった位置の感覚が目でわかる。

 

◆ 試行錯誤するのには、だいたいこれくらい時間がかかるというイメージ。

時間がかかっても根気よく取り組めば、解答にぶつかるし、

達成感が味わえるということ。

 

ですから、同じ教えるにしても、レジのおもちゃの前で「どうやったら開くの?」と

困った表情をしていたら、

「このボタンかな?」「こっちかな?」と1や2のボタンを押してみせて、

後は子どもに任せるならいいですよね。

また、「あっ、これ開かないな。ということは、このボタンじゃないな」など

大人の思考の過程をつぶやきにして、思考方法の型を学ばすのは大事です。

 

でも、ちがうボタンを押そうとするのを阻止するように、

「それじゃなくて、こっちを押してごらん。ほらっ」と教えるのでは、

子どもに魚の釣り方を教えようとして、大人が勝手に釣ってしまって

魚だけ手渡すのと同じになってしまいますよね。

 

小学3、4年生の子に出題した算数の文章題の一部です。

それぞれの人が1~4までの数字が書いてあるカードを4枚ずつ持っていて並べます。

同じところに同じ数字がそろうと、数字同士をかけて、

そろわなければ数字同士を足して、合計得点を右に示しています。□の数を当てます。

 

この問題、科学クラブの3,4年生たちに出したところ、

どの子も実験をする時の試行錯誤をする手順に慣れていたので、

迷いつつですがしっかり解けていました。

 

こうした問題を解くには、

いったん「間違いかもしれない」という数を置いてみて、

誤った答えが出たという事実を足がかりに、

「30に近い数字が出たから、大きい数同士は合っているはず。

小さい数字だけ入れ替えてみよう」という予想を立てられる力がいります。

 

そのためには、ミスを恐れない勇気や、

「間違いを足がかりにして正しい答えに近づいたことがある」という

体験が必要です。

間違いを恐れて、「正しい答えがすぐに思いつかないなら

大人に答えを教えてもらおう」とする

受動的な態度が身についてしまった子には、

このくらいのレベルからの問題が手に負えなくなってくるのです。

 

ですから、虹色教室の学習タイムでは、

勉強には「先生の教えることをそのまま暗記して繰り返し練習して覚える学習」と、

「失敗を気にせず、むしろ失敗することに誇りを持って、

そこから学びを引き出す学習」の二種類あって、どちらも大切なんだな、と気づくように

「教える」と「教えない」のあり方のバランスを取っています。

子どもが小さなパニックに陥りつつも、それを乗り越えるまで見守るという

過程にていねいに対応できるように少人数で学習させています。

ですから、そこでも擦りキズさえ負わせないような学習のさせ方をしていたのでは、

あまり意味がないのです。

勉強でも怪我をしない程度の転ぶ体験はたくさん必要だと感じています。

具体的に言うと、数問のうち1問くらいは、「どうすればいいのかな、わからないな」と

1分程度は頭を絞るくらいの体験をさせるということです。

また子どもが「わからない」といって困ったからといって

大騒ぎせずに、「わからない問題は誰にでもあるのよ」と

わからない問題にぶつかった時に冷静に対処する方法を教えてあげることです。

現在の教育の場では、子どもが必ず時間内にわかるように

考えなくても解ける問題ばかり出題して、少しでも頭を絞る時間があると大騒ぎして

子どもに即座に答えられない子は、

頭が悪い子だと思いこませるような対応をしているのをよく見かけます。

 

極端にミスを恐れる子は、ちょっとミスしたくらいで動じない大らかさが

身に着くように、教えるのを控えてサポートしています。

お母さんが1問1問、その時間内に正解しているかどうかを気にしすぎると、

子どもは正解にこだわるあまり、自分の頭では理由を考えずに、

大人が教えた解答を丸暗記して答えるようになってます。

すると3年生くらいまではよい成績を保てても、

それ以降の思考力を問われる問題でつまずくので注意が必要です。


折り紙の帯を1とすると……ブロックの塊を1とすると…… 2

2016-02-11 19:01:06 | 連絡事項

小学2、3年生のグループレッスンで。

ブロックで作った1のカステラについての切り方を考えています。

 

10個ブロックがつながった塊が1つのカステラだったときに、

0.1とは、どれだけにあたるでしょう?

 

20個のブロックがつながった塊が1つのカステラだったときの

0.1は、どれだけでしょう?

 

どうして、0.1という数は同じなのに、

ブロックの数が変化するのか、子どもたちとの話しあいを通して

考えを深めていっています。

 

5分の1、10分の1といった分数についても

包丁で切る動作をしてみながら意味を探っています。

 

物差しの目盛りについてもいろいろな意見がでました。

1センチメートルを1とすると、1ミリメートルはその1に対して、

0.1にあたるということは、大発見。


折り紙の帯を1とすると……ブロックの塊を1とすると…… 1

2016-02-11 18:57:17 | 算数

小学3、4年生の子たちのレッスン。

角度にしろ、距離にしろ、分数にしろ、

バラバラの知識としてはけっこう知っている子どもたち。

それらを統合させた問題にチャレンジしました。

 

時計の長針と短針の間の角度を求める方法です。

折り紙の帯が、1時間として……。

20分に色をつけていろいろ考えてみます。

 

★ 20分を分数で表わすと……?

1時間を1とすると何分の何?

 

★ もし1時間に30㎞進む乗り物があるとすると、

20分だと何㎞進む?

 

★ 時計の長い針は1時間に360度進みますね。

20分だとどれだけの角度進む?

 

★ 時計の短い針は1時間に30度進みます。

20分だとどれだけの角度進む?

 

「わからない」と困っていた子に、お友だちが説明していました。

「わかった!!」ということです。


デュプロブロックで動くしくみ 3

2016-02-11 18:27:58 | 連絡事項
体操選手のうしろのレバーを押すと、一回転してトランポリンの上に着地します。
トランポリンにはビニール袋を折って使っています。
 
 
体操選手が飛び跳ねるしかけです。
回転させるには人形を乗せる部分にすきま(空間)を作ることがポイントです。
写真では分かりにくいですが、押すボタンになっている緑のブロックは
半分ずらして付けられています。
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
近づけると爆破するおもちゃ。
ウルトラ・マグネットが なぜかデュプロの溝にぴったりはまります。
片方を少し浮かせて近づけると…!! 爆発します。
このおもちゃは 下のシンプルなタイプの方が迫力のある動きをします。
デザイン重視なら こちらですね。
 
 
これが シンプルな近づけると爆破するおもちゃ
かなりの迫力で磁石が引っ付きあうとともに ブロックがひっくり返ることもあります。
 
 
爆破の瞬間!
 
 
<デュプロで作ったえさをついばむ鳥>
 
尾の部分を押すと起き上がり手を離すと えさ箱の方へたおれる…
そんな単純な動きも作るとなると 左右の重さの調節が難しいです。
こうしたおもちゃを作ることで「てんびん」や「てこ」への興味も生まれます♪
 
 

デュプロブロックで動くしくみ 2

2016-02-11 18:23:08 | レゴ デュプロ ブロック
レゴ デュプロ ブロックと幼児雑誌(小学一年生直前準備号)の切り抜きを使って
動くテレビを作りました。5分で作れますよ♪
どうして絵が横に動いて、画面が変化していくのか?
子どもは不思議がります。
 
動くテレビの作り方です。写真だけでわかりますか?
カチッとはめるとぴったりサイズになります。
手動です。

デュプロブロックで動くしくみ 1

2016-02-11 13:00:29 | レゴ デュプロ ブロック
レゴ デュプロ ブロックで バスケットゲームを作りました。
シーソー型のブロックを押さえると 玉が飛びます。
理科の学習への興味付けになります。

幼い子は ビー球でなく発泡スチロールなどを使い
口に入れないように よく見ていてくださいね。