虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

算数の世界に触れることが楽しくなる遊び

2016-09-13 09:49:41 | 算数

トングで「デコレーションボールを2個ずつ配り、いくつになったか数える」

課題をしています。

「2つずつ配るのをやってみたい子?」とたずねると、ハイ、ハイ、と元気に手が上がりました。

4歳の子を筆頭に3歳の子もきちんと2つずつ置いて、数えることができて、うれしそうでした。「もう一回やらせて」と何度もせがまれました。

 

子どもたちが大好きな数を数えながら、小物を並べていく課題。

「19、20!」と数えて置いたあとで、20個目を戻して、

「20引く1はいくつ?」とたずねると、まだみんなわからないのですが

「19だったね」というと納得しています。

こうした並べながら計算する遊びは、さまざまな年齢の子たちとしています。

子どもたちが一つひとつ手に取るたびにわくわくするような小物を100個くらい集めておくと算数の世界に触れることが楽しくなります。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おまけ 3、4歳の子らとする工作  <劇場>

 

箱の前の面をくり抜きます。最初に切り込みを入れて、子どもがはさみで切りやすいようにしてあげます。

 

モールやふくろを閉じる材料に、描いた絵を貼って動かします。

写真では、ちょうちょを作って遊んでいます。

 

この工作は、作ったあとで、物語を聞いたり、作ったり、演じたりする楽しみに発展させることができます。


すてきなブログの紹介  Follow your bliss

2016-09-12 20:03:25 | 日々思うこと 雑感

ぜひ訪問していただきたいすてきなブログを紹介します。

 

Follow your bliss  です。

 

何度かいただいたコメントを記事内で引用させていただいたことがあるのですが、

教室にいらしている別の親御さんたちから、「コメントの内容に共感した」という声をいただいくことがちょくちょくありました。

投稿したコメントに隠れファンができるなんてすごいですね♪

 

 

 


じゃんけんゲーム機の改良♪ 改良♪

2016-09-12 07:17:54 | 工作 ワークショップ

じゃんけんゲーム機は教室の遊びのなかで自然と生まれたシンプルな電子工作のひとつです。

電池ボックスにブザーをつなげたものを使って音を出しています。

3、4歳の子でも簡単に作ることができるので、とても人気があります。

 

<基本の作り方>

①紙を折って穴を6つあけて、ぐーちょきパーの絵を描きます。

穴も描き方も子どもの好きなように。

 

②一方が自分の側だとわかるように絵やマークを描きます。

 

③裏返して自分が勝つ手(自分パーで相手がグー)といった組み合わせの穴を

アルミ箔でつなぎます。

重なる部分は、紙などをはさんで電流が流れないようにします。

 

④電池ボックスにブザーをつないだものコードの先っぽにはクリップを結びつけておきます。

できあがり。

 

小1のAちゃんがゲームとしての面白さが増すように

中央部分についたてをつけていました。

とっといい改良案。

 

これもAちゃんのアイデアの、ねこと魚、犬と肉……等のマッチングでブザーがなる

ゲーム。

 

Aちゃんがこのゲームを改良する姿を見て、わたしもひとつ改良アイデアを思いつきました。

実は、このゲームはブザーを使っているので、どうしても、「ジコチューゲーム」にならざるえないところがあったのです。

主役が勝った時にブザーがなるシステムなので、子どもが大人に遊びにつきあってもらうことはできても、子ども同士対等に遊べないのです。

ブザーではなく豆電球やLEDを使うのなら、アルミ箔のつなぎ方の工夫で、勝った側に光がつくという判別法があるのですが、

ブザーだと、「音が出るケース」と「出ないケース」という無理のある勝敗方法にしたところで、「あいこ」がどちらかに入ってしまうので難しかったのです。

 

「やっぱりブザーだと、対等に遊べるじゃんけんゲームを作るのは無理があるのかな?」と考えていた矢先、ちょっと無理やりな設定ですが、こんな方法を思いつきました。

 

ボードを半分に切り離して、位置をずらすと勝敗が逆転するように

アルミ拍をつないでおく。

ずらすときに、自分側の勝利でブザーがなるときに自分の側の順番であることがわかるように

赤い色があらわれる穴をそれぞれのスペースに作っておく。

 

こんなふうに作ると、本来のじゃんけんとはちょっと違う遊びになるけれど、主役側(かつとブザーがなる側)を交代しながら楽しく遊べるゲームができますね。

 

そんな改良ネタを息子に披露すると、面白がったあとで、アルミ箔のつなぎ方はややこしいけど、ブザーふたつ使うと勝った側がなるようにできなくもあによ」と言いました。

「でも、ブザーだと置く場所を離していても、どちらのブザーがなったのかわかりにくいんじゃないの?」

「ブザー自体にちょっと細工することができるよ。

ブザーも人間の口と同じで音が出る部分の穴を適当にふさいだり、音が響くような形のものを取り付けると音を変化させることができるんだよ。

いろいろと実験してみて、それぞれのブザーの音を変えておけば、2タイプの音で勝敗を判別することができるはずだよ」とのこと。

そうか……と納得。

 

ブザーは日本橋でひとつ50円で購入しています。


風船うさぎモコちゃんのカレンダーが届きました♪

2016-09-11 20:09:12 | 通常レッスン

いつも訪問しているペットの癒しブログの『風船うさぎモコちゃん』の手作りのカレンダーを購入しました。

来年用ですが、教室でのカレンダーの問題の学習時に活躍しています。

 

<31日の月、30日の月、それ以外の月の覚え方>

グーの手をにぎって、ひとさし指の根本にある山の頂上から1月がスタート。

でも、暗記するだけだと、時間が経つと忘れてしまいます。

ひとさし指を立てて、1の指で1月からスタートと言います。

 

2月は28日でうるう年の時は29日ということを知っている子には、「2月は少ない日だから、谷のところ。だから1月はその前の山の頂上からスタート」と教えます。

 

2月の日数が少ないことにピンとこない子には、クリスマスは12月、お正月は1月。どっちも楽しくて、たくさんあるといい日だよね。だから31日。

1月は山の頂上。31日からスタート」と説明します。

 

順番に、1月は31日、山の上。

2月は28日でうるう年は29日、谷底。

3月は31日、山の上。

4月は30日、谷底。

5月は31日、山の上。

6月は30日、谷底。

7月と8月は夏休みだから特別。どっちも山の上。31日。(そう言って、小指の根本の骨を2度たたきます。

 

9月は30日、谷底。

10月は31日、山の上。

11月は30日、谷底。

12月は、31日、山の上。クリスマスはとっても楽しみ。たくさんある日がいいね。

 

小学2年の女の子たちが選んだベストファイブ。

カレンダーを見ながら、算数のクイズ。

 

「10月3日から7日までは、7ひく3で求まるかな?」

「できる。」「求まる」と子どもたち。

 

でも数えてみると、7-3=4の4日じゃありません。

「どうしてかな?」と問うと悩んでいます。

 

そこで、Aちゃんが作ったくまのしおりでこんな問題。

 

「1番から5番までのくまの数は、5-1で求まるかな?」

「ちがう!ちがう!」と子どもたち。「1多くなる」とのこと。

 

でも、どうしてちがうのか、言葉にすることはできない様子。

言葉にはできないけれど、どうしてそうなるのか、興味がわいたようです。

 

複雑な算数の文章題にもいろいろチャレンジして

楽しい時間を過ごしました。

 


『苦手』がもたらす良いこと

2016-09-10 09:32:26 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

 汐見稔幸監修の『発達障害の再考』という本の前書きにこんなことが書かれています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「発達障害」は今や一般用語になりつつあります。「発達障害者支援法」ができ、「特別支援教育」が始まり、「早期発見・早期対応」が叫ばれる世の中ですが、

では、この社会は、発達障害を持つと言われる人たちにとって、以前より生きやすい社会になっているのでしょうか?

そもそも、発達障害を持つと言われる人たちは、本当に「早期に発見され」「早期に支援され」なくてはならない人たちなのでしょうか?

そこに、多様性を忌避するこの社会の歪みを感じるのは私だけでしょうか。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この数年、わたしも同様の思いを心にくすぶらせています。

発達障害をもつといわれている子たちについてもそうですが、実際に発達障害を持っているかどうかはまだ疑いの段階で、「成長過程でちょっと気になるところがある、発達の順序に偏りがある」という子についてはなおさら、何の疑問もさしはさまずに療育し、支援することを最善手ととらえていてもいいものか迷いがあります。

9年前、わたしがブログをはじめた当初は、今なら重度の自閉症と診断されるほど特徴がきわだっていても診断名がつかず、保健所に相談に行っても、療育等の紹介をしてもらえない、という話をよく聞きました。

それから年を追うごとに、育て方に悩んでいる親御さんに手が差し伸べられるようになってきたな……と安心していたら、最近は、「えっ、この子が療育に通っているの?ただ内向的で敏感なだけじゃないの?」

「えっ、この子も療育に?ちょっと体験不足は感じるけど、ごく普通の子では?」と親御さんの話を聞いて、びっくりすることが増えてきました。

 

 療育も支援もプラスの行為なのだから、やって悪いはずがないともいえるけど、「子どもを早期に判別し、気になるところがあれば療育へ」というシステムがあたり前になるほど、

親も子どもも社会も園も学校も家庭も、それに付随する子ども観や人間観に影響されていくように感じもします。

 

といっても、ほとんど問題なしと見える子でも、小学3年生くらいの想像力や抽象的な概念を扱う学習に入ると手も足も出なくなる姿を目にしているので、

ただ過剰診断と片付けて、発達障害の情報を切り捨てたらいいとも思えないのです。

 

質問への返事 オンライン教材を活用する上での「コツ」を教えていただけますでしょうか? 1

の記事でとりあげたコメントのなかにこんな言葉がありました。

 

<息子は「決められたレール」「外の評価」を求めることが人一倍苦手で、且つ、興味を持ったことに熱中できる性質は、障害と呼ばれるかもしれないのですが、私は「才能」だと思っていて、大切にしてあげたいです。
また、先生がブログでかかれていたように、苦手がある分、「得意」を伸ばすことで社会生活を活き活きとすごしてほしいと心から思っています。>

これを読んで、以前、虹色教室通信で書いた、苦手がある分、「得意」を伸ばすことで社会生活を活き活きとすごしてほしいという言葉とは別の捉えで、普段、感じている『苦手』についての思いを言葉にしてみたくなりました。

 

日々、たくさんの子どもたちと接していると、『苦手』というものについて、常識的な捉えとは別の意味を感じることがよくあります。

一般的には、『苦手』はできるだけ早く克服すべき弱点であり、よくないもの、なおすべきもの、その人の価値を下げるものととらわれがちです。

でも、テストの点で振り分けるように子どもを眺めるのではなく、それぞれの子の個性的な成長の軌跡に根気よくつきあっていると、『苦手』は必ずしもその子の足を引っ張るだけのものではないことに気づかされます。

『苦手』は、ときにその子の『得意』をはぐくみ、『得意』が失われてしまわないための一時的な防御壁の役割をはたすことがあります。

たとえば、性格タイプのちがいによって、発達する順序に早いもの遅いものの違いが出ますが、ゆっくり発達する面は、個性的な強みを伸ばす仕事に一役買っていて

わざわざ好機を狙っていたかのように、得意が確立したところで発達しはじめるのをよく目にします。

 

感覚が優れている子たちは、利発な子でも、新しい概念に触れると、急に物分かりが悪く見えるときがあります。

いったん習得すると、自在に扱えるようになるほど上達するのに、直観や思考が優れている子なら瞬時に理解することにわかるまで非常に長い時間を要するときがあるのです。

 

高い知力を感じさせる子が、ひき算を習っても、なかなかできるようにならないということも起こります。

発達障害等の疑いはなくても、感覚が優れている子たちは、新しいチャレンジに消極的だったり、切り替えが苦手だったり、

集団での活動に無関心だったりしがちです。

 

それらのひとつひとつを、〇〇認知力は何点、社会性は何点と数値化するならば、感覚が優れている子たちのそういった面は、能力の凹のところであり欠如部分でしかありません。

 

でも、工作、カードゲームやボードゲーム、頭脳パズル、実験、算数の学習、自由遊びなどさまざまな場面で子どもを観察していると、感覚が優れている子の『切り替えの悪さ』は、他のタイプの子にない集中力や持続力と表裏でつながっているのがわかるのです。

 

新しいことへの慎重さは、新しい刺激に目移りせずに、ひとつのことを完璧に習得するまでやり続けための時間を保障する助けとなっています。

それは、感覚タイプの子のわかるまで時間を必要とする性質は、わかりきったことも身体で納得するまで繰り返そうとする持続力と関連があるのかもしれません。

 

早い段階で「わかった」と全体を把握するのが苦手なところは、飽きずに細部のデーターの蓄積できるという長所をもたらしてもいます。

 

感情が優れている子たちは、じっくりと考えていく作業や、記号化されたものを嫌がるところがあります。

これはこのタイプの子らの苦手なところといえるけれど、それは周囲の意見と衝突せずに上手に空気を読みながら対応していく姿と表裏一体でもあります。

確かに物事を正確に分析しようとしたり、時間をかけて自分の考えを追っていては、環境に臨機応変に対応するのは難しいのかもしれません。

感情が優れている子たちの『苦手』は、人とかかわりながら感覚的な作業をすることや生活の中で直観を使って問題を解決したり、友だちとゲームに興じたりするなかで、ゆっくりと克服されていきます。

ゆっくり克服されることで、アカデミックな世界にあるものが、実生活に根差したものとつながりやすくなります。感情が優れている子たちは3年生くらいで好んで高学年向けの物語の本を読むようになることが多いです。

 

直観が優れている子たちの次々と新しいことに手を出してはすぐに飽きてしまうところや持続力のなさやコツコツと努力して積み上げることに苦手さを生んでいますが、それは裏を返すと、

好奇心が強さた、短期間にやさまざまな経験をつないで類推する力の高さにつながっています。

大雑把にざっくりと作業し、ていねいにデーターを検討したり、正確に物事をちぇっくしたりするのが苦手なところは、直観が優れている子たちの欠点ではあるけれど、

その苦手のおかげで、想像力で未知の部分を補ったり、これまで試されなかった方法で難題を解決したりします。

 

思考が優れている子たちはぐずぐずと考えていて慎重すぎて行動できなかったり、気難しかったり、自分の考えに夢中で、社会性の面ではゆっくりしている印象があります。

それは思考が優れている子たちの苦手といえるけれど、他者の目に自分はどのように映っているか頓着しないおかげで、問題を解いているときにミスしても、「まちがえた」と思ってしゅんとしたり、

大人や友だちの視線を気にして頭をフリーズさせたりせずに、正しい答えに行き着くまで考え続けている姿をよく見ます。

 

周囲の変化に影響されにくいことが、(非常に敏感で、影響されやすいから、頑固な態度で影響されない場を作りだす子もいますが)熟考していく上での持久力につながっているように感じます。

 

生き物は進化の過程で自立や成長を遅らせることで、高等な力を身につかせるという戦略をとってきています。

生まれてすぐに立ち上がり、短期間に自立して生きていく生き物がいる一方で、人間の赤ちゃんは周囲に完全に依存して暮らす未熟な時期がとても長いです。

ゆっくり育つ部分があること、苦手を持っていることが、高度な能力を発達させるための助けとなっているのです。

生物のそうした奇妙な進化の戦略を思うと苦手とは何なのか、ゆっくり育つもの、遅れがある部分とは何なのか考えさせられます。

 

そういえば、夏に出版した本を……

PHP研究所の方々にお世話になっているというのに……がんばって、宣伝しなくては……

どうぞよろしくお願いします。

PHP研究所から本を出版させていただきました。

詳細はこちらで見てくださいね。(購入もできます)

http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83303

初めての出版でドキドキしています。どうぞよろしくお願いします。

ご購入を検討してくださった方に心から感謝します。 

 

書店での購入やアマゾンでの購入ができないため送料がかかってしまい申し訳ありません。 

※一般書店では購入できません。こちらのHPよりご注文いただけます。

http://family.php.co.jp/


ひとつのことにじっくり関われる素地

2016-09-10 07:45:15 | 通常レッスン

 

小学3年生の女の子たちと、空気の圧力で水を飛ばす道具を作って遊びました。

うまくいかないとき、「こうかな?」「こうじゃない?」とあれこれやってみて、やっているうちに「そうだ、こういうことやってみよ!」と閃いて、ためしています。

一人の子のアイデアで、ストローの先に空気の吹き込み口にプラスチックのコップを取りつけてみたら、うまくいきました。

 「遊び」に近い自発的な活動のなかで何かに夢中になって関わると、学習する時の考える力の持久力が変わってきます。

 

理科実験や工作の後で解いた「つるかめ算」などを面積図で解く問題。

 

集中して頭を使うような遊びをした後は、見たことがない問題を解くときに、柔軟に多角的に考えて、自力でやりきろうとする態度がアップします。

 

「もっと問題を出して!」とやる気が高まっていたので、つるかめの足が200近いケースなど大きな数で問題を出しました。

すると、「結局大きい数になったって、筆算する時に(ケタが)増えるだけでしょ?」と自分なりに基本を応用させて解いていました。

 

そういう姿を見ると、「あれもこれも」と将来役立ちそうな知識を詰め込んだり、技能を訓練するよりも、「ひとつのことにじっくり関わることを楽しめる」素地を養うことが大事だな、と思いました。

それは「うまくいかないとき、わからないとき」に簡単に他人に頼ったり、放りだしたりしないで、自分で試行錯誤をしていくことにつながります。

子どもの遊びの世界を豊かにすることは、そのまま子どもたちの学力の向上につながっていくことを今回も強く実感しました。


壊れたミニライト と 元素キャラ図鑑(まわりの長さの問題も)

2016-09-10 07:43:31 | 通常レッスン

年長のAちゃんが「落としたら壊れて光らなくなった」という、何かのおまけとしてもらったらしい小さいライトを持ってきました。

電流が流れるように金属片をつなげると、無事、光りました。とはいえ、元通りカバーを取りつけてスイッチをスライドさせると光るように戻しそうだったので、工作の部品として利用することにしました。

 

↑の写真は、『元素キャラ図鑑』です。

昨年中、教室で『えれめんトランプ』が人気だったので、興味をもう少し掘り下げるために購入した図鑑です。

元素がキャラクターになって紹介されている図鑑ですが、それぞれの特徴を捉えた姿が面白くてわかりやすいのです。

 

『銅 Cu』が、頭に10円を貼り付けた姿で、「電気をよく通す、人類最古の金属です」と説明されていたので、Aちゃんが、「本当に10円玉に電気が通るのか試したい」と言いました。

そうして10円玉をライトの金属片の代わりにつないだところがこの記事の最初の写真です。

ちゃんと光りました。Aちゃんは、とても感動した様子。

 

 

壊れたライトは、こんなふうに『おようふくやさん』の看板の後ろに貼りつけました。

ライトの下にある箱の一部に穴を開けています。

 

お店にライトがついています。

 

小さい洋服作りにはまったAちゃん。あっという間に4枚作っていました。

 

 

まわりの長さの問題を考えています。

たて1センチメートルでよこ3センチメートルの板を組み合わせたものの、まわりの長さを求めています。

最初は少し戸惑っていましたが、だんだん慣れてきて、少し凝った形もきちんと正解していました。

 


大型フェリーで佐賀から神戸港へ と 両替ゲーム

2016-09-09 21:28:54 | レゴ デュプロ ブロック

年中の★くんと☆くんのレッスンの様子です。

最近、「船にはまっている」という★くんと大型フェリーを作って遊びました。

 

☆くんは宇宙と学校の怪談ブーム。

37歳になったら、宇宙まで続くエスカレーターを作るそうです。
今はペットボトルと紙コップで宇宙衛星作り。

 

ブロックの扱いに慣れている★くんは、少しだけ作り方のコツを教えると 、自分のアイデアも混ぜながらどんどん作っていました。

 

↑の写真は、「ひもを引っ張ると車を乗り込ませるための扉が上がる仕組みです。
作り方は、簡単です。

 

写真のようにひもを下の部分にはさんだブロックの扉を、ロックで作った枠に取り付け、ひもを上部に引っかけてからブロックでとめるのです。

子どもがとても喜ぶ仕掛けです。

 

★くんはできあがった船に大満足、「佐賀港を出発して大分経由で神戸港に着く」というストーリーで、船の検査をしたり、車や乗客を乗り降りさせたりして遊んでいました。

遊ぶうちに、半分泣きそうになって、「家でもこんな船が作りたい!おんなじのが作りたい!家でもこれで遊びたい!」と言いました。

★くんの話では、デュプロは家にもたっぷりあるけれど、お家にはブロックの基礎板があまりないということでした。

 

そこで、家でも大型フェリーが作れるように色画用紙を船の床部分のサイズに切ってあげました。
画用紙を床にした船作りは☆くんが手伝ってくれました。

 

でも★くんは船を作るだけでなく、動かして遊びたかったようなのです。

そこで、画用紙に輪ゴムを貼って、船の形の枠に装着できるようにしました。これなら、自由に動かして遊べます。

とはいえ、基礎板で作るより難しい上、作る時も遊ぶ時も心地よさが少し劣りはします。

 

★くんは少し不服そうにしていましたが、何とか納得して色画用紙の船の床を持って帰りました。

 

算数タイムの両替遊びの様子です。

 

黄色1枚と赤2枚が交換できます。

赤1枚と青2枚が交換できます。

黄色を3枚ずつもらって、よりたくさんの青を手に入れる遊びです。

 

この遊びに初めてチャレンジする★くん、☆くん。

最初はルールがよく飲みこめない様子で、黄色いコインを差し出して、「赤いコインを3枚ください」などと、自分の好きな要求を出していました。

が、失敗を重ねるうちに、両替の意味がきちんとわかってきました。だんだん面白くてたまらない気持ちになってきたようです。

 

溜めこんだ青を数えるふたり。

 

全て青に交換できてうれしくてたまらない様子の★くんと☆くんは、「次は緑や白のコインも入れて遊びたい」と言いました。

 

そこで、少しややこしいルール。

 

赤1枚と黄色3枚を交換。

黄色1枚と白2枚を交換。

白1枚と緑3枚を交換。

 

交換してもらうには、交換したいコインを差し出して、必ず欲しいコインの色と枚数を言わなくてはなりません。

赤いコインを3枚ずつもって、できるだけ多くの緑のコインを手に入れます。

 

せっせと溜めた大量の緑のコイン。

 

ふたりともがんばって数を数えていましたが、途中で疲れてしまった★くんが、あー疲れちゃったというリアクションをしてから、「ぼくは数えるのはやめるよ。数えないよ」と☆くんとわたしに宣言しました。

「じゃあ、★くんは0枚ね。数えないと数がわからないから、0枚取ったことにするね」と言うと、すると★くんは大慌てで、「1,2,3,4……と数え始めました。」

がんばって最後まで数えて、大満足。

もう帰る時間が来たというのに、★くんも☆くんも満面の笑みを浮かべて、「もう1回やりたい」と言っていました。


県の人口当てクイズ

2016-09-08 20:52:44 | 通常レッスン

算数難問クラブの過去記事から問い合わせのあった、「県の人口当てゲーム」を紹介します。

いただきものの地理カードで、わたしが考えた適当なルールで遊んでいただけなのですが、推理の好きな小学生たちのツボにピンポイントではまって大盛り上がりでした。

このカードは、日本全国の県ごとに2枚ずつカードがあって、1枚の表面は地図上に色を塗った形で描いてあり、その裏面には特産品や県の特徴が4つイラストで描いてあります。

もうひとつの県のカードの裏面は、県の地図と、面積と人口が書かれています。

 ゲームのルールはこうです。

適当な県のカードを一枚選んで表面(人口が見えないよう)にして場におきます。

このカードの県の人口を、それぞれが言い当てていって、一番近い数字を言った人が勝ちです。

人口を当てる際に、その県の特産品のカードとヒントとなるカードを3枚指定して、見ていいことにしています。

またその県に行ったり、住んだりしたことがある人は、自分が見聞きしたその県についての印象を話します。

最初に「神奈川県」の人口を当てることになりました。

神奈川県の特産品や県の特徴は、次の4つ。

だいこん、箱根寄木細工、相模湾、ペリー来航。

だいこん畑とか海とか、人口が少なそうなイメージ。

 

ヒントとなるカードは、子どもたちが相談して決めています。

「近いから。都会だから」ということで、千葉県を選びました。

千葉県の人口、612万人。

もう一枚を選ぶ時点で、神奈川県のサイズが小さめなことに着目した子が、同じくらいのサイズの県ということで、ヒントに富山県を選びました。

人口は110万人。

 

「110万人……?」とどよめきが起き、「それなら、神奈川県は、110万人と612万人の間だろうと予測する子ら。

残り一枚のヒントを選ぶのに、「東京がいい」だの、「東京は、人口が多すぎるよ。何千万とかいってるんじゃない?」と言う子がいて、静岡県が選ばれました。
人口380万人。

本当は、これでヒントは終わりなのですが、どうしても東京も見ておきたいということで、東京もチェックしました。
1284万人。

それから神奈川県の人口当てタイム。

270万人とか、450万人といった数値が出た後で、答え合わせをすると、「892万人」でした。えっ?と驚く子たち。
「やっぱり都会だから?」

その後、愛知県の人口当て。

ひとり愛知県から来て参加している子がいて、「市の人口なら知っている」とニコニコしていたのですが、考えてみると、愛知県に市がいくつあるのかわからないし、愛知県内でも市によって人口がかなり異なるはずですよね。

単純に、その子の市の人口に市の数をかけたらいいわけでもないとわかって、悩んでいました。

そこで着目したのが、自動車産業。

ひとりの子がヒントに広島県を選びたがりました。

「なぜ?」とたずねると、「名古屋で有名な自動車の工場の支店があるから……とのこと。

兵庫県なんかも候補にあがっていました。

こんな風に進んでいく人口当てゲーム。

「旅行に行ったら、田んぼばかりで田舎だった」とか「住宅がいっぱいあった」とか「都会だった」とか、自分の印象を語ったり、テレビで見聞きした情報から推理したり、県の面積で判断したり、

それぞれが推理するためにオリジナルのアイデアで挑んでいけるところがとっても面白かったです。


【質問への返事】オンライン教材を活用する上での「コツ」を教えていただけますでしょうか? 1

2016-09-06 22:23:44 | 工作 ワークショップ

コメント欄でこんな質問をいただきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

はじめまして。

最近、こちらのブログを知って、目から鱗が落ちっぱなしです。

5歳年長の息子がおりますが、発達障害の診断は受けていないのですが、親としてはグレーゾーンかな、と思っています。

集団行動を取れない(興味がないことはしない、指示や注意に従わない、どうにかやったとしても上の空でそわそわしている)ところがあり、幼稚園でもすごく叱られています。

興味を持ったことに対する集中力があり、何時間でも熱中しており、時間が来ても何しても自分が満足する前に切り上げるのがすごく苦手です。

3~4歳の頃、恐竜にはまって、寝て覚めても恐竜に夢中だったので、福井の恐竜博物館に長時間滞在してきたのですが、既存の研究成果の知識(恐竜の分類の仕方)などを音声ガイドを借りたいして「知識として」教えたら、すっかり恐竜に興味をなくしてしまいました。

別に、恐竜じゃなくても良いのですが、「大好き」が一つ失われてしまった(それも私の対応が悪いせいで)のが残念であり、これからも繰り返してしまわないか、不安です。

私自身は、小学生の時からいくつも習い事や塾を掛け持ちし、母の親心だとはいえ、完全「アウトソース」「外の評価」に翻弄されて生きてきたので、決められたレールをがんばることしか分からないのです。

ただ、息子は「決められたレール」「外の評価」を求めることが人一倍苦手で、且つ、興味を持ったことに熱中できる性質は、障害と呼ばれるかもしれないのですが、私は「才能」だと思っていて、大切にしてあげたいです。


また、先生がブログでかかれていたように、苦手がある分、「得意」を伸ばすことで社会生活を活き活きとすごしてほしいと心から思っています。

こちらのブログに大変共感し、虹色オンライン教材の購入を検討しているのですが(本当は教室に行けたらどれだけよいかと思いますが、募集がなさそうなので)、私が教材を使って対応するとなると、教材通りに「教えよう」としてしまいそうで不安です。

工作を「楽しむ」だけなら、息子は一人で毎日好きなように楽しんでますし(私はできたものを見て感心してみせるだけ)、下手に私が関わることで、悪い影響を及ぼしてしまったら、、と思いつつも、虹色オンライン教材への興味は捨てられないという状況です。

言葉でご説明いただくのはすごく難しいと思うのですが、教材を活用する上での「コツ」を教えていただけますでしょうか?

「子どもは小さな哲学者」、ぜひ読みたいと思います。息子は、おしゃべりできるようになってからは「なんで?」が口癖で、ずっと言っていました。私はその一つ一つにできる限り正しい知識を、やさしい言葉で説明する努力をしてきましたが、そのアプローチは「知識の押し付け」でしかなかったので、息子の思考力や関心を削いできたのではないか、という気がします。


じゃあ、どんな風に対応したらよいのか、この本を読んで、気づくことができたら良いな、と思っています。

とりとめもない長文、失礼いたしました。ぜひ、ヒントをいただき、教材を活用したいと考えていますので、よろしくお願いいたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

虹色オンライン教材(工作編)についてのご質問ありがとうございます。

コメントに、

「寝て覚めても恐竜に夢中だったので、福井の恐竜博物館に長時間滞在してきたのですが、既存の研究成果の知識(恐竜の分類の仕方)などを音声ガイドを借りたいして「知識として」教えたら、すっかり恐竜に興味をなくしてしまいました。」

 とありました。

「どうしてお子さんが興味をなくしてしまったのか」を探ることが、ご質問の オンライン教材を活用する上での「コツ」になるかと感じました。

工作を通じての子どもとのかかわりは、わたしにとって、その子がどんなことを面白いと感じ、どんな活動を心地よいと思い、どんな会話を喜ぶのか、

どんな点に注意を向け、どんな時に熱心さが増すのか、どんな感触を好み、どのような質のどんな手助けを望んでいるのか、何にユーモアを感じ、何を重要視しているのかなどを知る機会です。

わたしから子どもへ、作り方のヒントを教えることもありますが、わたしが子どもから「その子がどのような子か」について教わることの方がはるかに多いです。

子どもに恐竜の分類の仕方などを「知識として」教えたとたん、子どもが恐竜に興味を失ってしまったわけは、親御さんが、

子どもが恐竜のどんなところに魅力を感じているのか、強さへのあこがれを引き出してくれるからなのか、

姿形の美しさを見比べたいのか、知識を披露するのを楽しんでいるのか、

寝ても覚めてそれについて考える「好き」という気持ちに浸るのが心地いいのか、

自分が恐竜になったかのような気分を味わっているのかといったことに興味を抱かなかったため、

子どももまた、自分自身の心に耳を傾けるすべを失ってしまったからではないかと思います。

 

虹色教室のオンライン教材は、工作が上達する方法を伝えるというより、子どもが好きな活動に取り組むとき、動きながら何を学び、どのような能力を発達させていくのかについてのヒントを提供するものです。

また、どのような活動が、主体的な学びのスイッチを入れるのか、具体的なアイデアを紹介しています。

英国バンガー大学心理学教授エミリー・クロス氏のこんな言葉が取り上げられています。

 

「新しい神経科学の研究では、学習者が動き、行動し、交流する場では、脳の働き方自体が変化し、子供の学習過程を加速すると分かっています。

それでも動きのない消極的な学びでは、こうした脳の活動は見られないんです」

「人は、単に観察するよりも、自らの身体を従事させた方が、新しく獲得するスキルをよりよく吸収しやすいんです」

 

 こうした言葉を念頭において、子どもに知識を教えるよりも、子どもの行動や言葉から多くを学び、子どものまなざしが向かっているものに関心を寄せ、そこに潜む可能性や知的な面白さをいっしょに探求していくのがいいかと思います。

 

写真は感情が優れている2歳のAちゃんとのキューブ積み木を使った創作風景です。

この子の面白いは、キューブによって生まれる「高さ」や「囲い」で日常にあるエピソードを再現するところにあります。

また、自分で問題を解決することに喜びを感じています。

階段の上で、「高いよー助けて」と呼ぶお人形に、Aちゃんは、階段を下りていくことを教えて大満足です。

何度も何度もこの遊びをしたがります。

 

積み木の囲いはおうちになったりお風呂になったりします。

カギをかけて買い物に出かけたお母さんが帰宅し、カギをあけて家に入り、子どもたちと抱き合って再開を喜びあうことを楽しんでいます。

 

同じ2歳児さんでも、感覚が優れている子たちは、ひたすらキューブを並べて美しい秩序を作りだすことに熱中するかもしれません。

直観が優れている子たちは、奇想天外な自分のひらめきを表現したがったり、ダイナミックに積み木を活用することを面白がるかもしれません。

思考が優れている子たちは、「こうしたい」「ああしたい」という自分のなかの壮大な考えに沿ったものを作るよう大人に催促したり、キューブのひとつを指さして、

「ここから水が出てくるところで、この下に水の通っていくホースみたいなのがずっと通っているんだよ」と説明することに喜びを覚えるかもしれません。

 

同じ話を繰り返しますが、オンライン教材を活用するコツは、工作ってこういうものという先入観を捨てて、子どもが工作という活動を通してどのような喜びを得ているのか、知るように務めることです。