発達に凹凸がある子たちの就学準備グループの子たちの算数タイムの様子です。
集中して活動することが難しい子たちの
学習意欲を引き出すためにしている工夫を紹介します。
★ 最初に、「好きなものを選ぶ」行為から学習を始めると、
意欲的に取り組みやすいです。
上の写真では、最初にゴリラ、ハイエナ、ライオン、キリン、ワニなどの人形から、
好きな動物を選ぶことから学習をスタート
させています。
他の子らから見えないように
手の中に隠すように言って、
次のような質問をします。
「その動物の頭につく文字、最初の文字はなあに?」
「その動物は何文字?」
「その動物の一番最後の文字はなあに?」
「ラ」とか「4文字」といった
答えをヒントに
他の子らが動物の名前を当てます。
こうした遊びは、耳で聞きながら
数を確認する力をつけてくれます。
頭につく文字から動物の名前を簡単に言えた子も
一番最後につく文字から推理するのは難しかったようです。
一生懸命取り組んで、わかった時にはとてもうれしそうでした。
★ ゲームをしながら、いくつかの条件を念頭に置いて、数を操作するようにします。
写真は、チケット・トゥ・トライドというゲームです。
ルールを少し易しくして、
数についての気づきが得られやすいようにして遊んでいます。
簡易ルールは次のようなものです。
旅行するルートを選びます。
出発する駅と到着する駅に人形を置きます。
チケットはたくさん配ります。
駅から駅に移動する際、指定の色のチケットを必要な枚数出してから、
その間に自分の色の電車のコマを置いていきます。
このゲーム、とても面白かったらしくて、なかなかこない順番も根気よく待って
遊んでいました。
途中で、自分のやりたいようにルールを変えようとした子がいましたが、
今やっている正しいルールを守るようにはっきり言うと、
かんしゃくを起こしそうになりながらもぐっと我慢して、指示に従えました。
遊びのシーンにみんなで守らなくてはならないルールが含まれていると、
何でも自分流でやりたい子たちには
かなりの負荷がかかります。
それでもやっている活動を面白くて、こちらへの信頼感が
しっかり育っていると、
そうした負荷を引きうけて、ぐっと我慢しながら、
いきいきとした自信に満ちた表情になっていきます。
★ 時計の学習では、好きなテレビ番組が始まる時間についての質問や、
子どもがわくわくするような時間についての質問から入ると、楽しく取り組みやすいです。
この日は、「7時55分」といった
あと少しで8時になるという時間の読み方を学びました。
針が動かせる大きいサイズの見やすい時計を利用すると
学びやすいです。