虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

新選組の池田屋事件のポップアップ絵本

2016-09-05 19:38:35 | 工作 ワークショップ

小学生の女の子たちの間で歴史がブームです。

城好きの子、神社仏閣好きの子、武将好きの子、忍者好きの子といろいろ。

今回は新選組好きの小1のAちゃんが、新選組の池田屋事件のポップアップ絵本を作っていました。

Aちゃんが新選組が好きになったのは一ヶ月ほど前なのだそうですが、その熱の入れようは大したもので、新選組にまつわるほとんどの事件の詳細を事細かに説明してくれました。

 

 

ポップアップのしかけの基本。

 

ポップアップのしかけの基本2.

 

Aちゃんが自分で考えた階段落ちのシーンのポップアップです。

本を開くと自然に立体的になるわけではありませんが、平面から立体に変化するように、上手に工夫されていました。

 

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Aちゃんは小1とはいえ算数がとても得意な子なので今回は分数と角度の学習をしました。

 

分数ゲームの様子です。


「勉強したくない~!」が、「自分にやらせて!」「もっとしたい」にかわる瞬間

2016-09-04 16:15:00 | 算数

ユースホステルのレッスンでのひとこま。

「朝食後に、ちょっとだけ工作してから算数の勉強をするよー」と言うと、小学3年生の子たちが、「えー、勉強やりたくなーい!!」と騒いでいました。

仲良くなった友だちともうすぐお別れなので、いっぱいいっぱいまで遊びたくなったようです。

「ダメ、ダメ。朝食後はレッスン時間の決まりなんだから」と子どもたちを集めると、ぶつくさこぼしていた子たちも工作に参加しはじめました。

が、そんないやいやな雰囲気も、先日、ユースに来ていた子のお母さんに教えていただいた指輪作りを始めたとたん、一変。

「もう1つ作っていい?」「もう1こだけ作ってもいい?」「3こめ作ってもいい?」と言いながら、大きな子から小さな子まで真剣な顔をして指輪作りに興じていました。

 

ラッピングに使う『ラッピングタイ』というモールに似た、袋をしばる道具で作っています。

 

工作が一段落したところで、問題の算数タイム。

今回は、わり算のひっ算をすることにしました。

はじめてわり算を体験する小1の子も参加していたので、

「10このお菓子を5人で分けるといくつずつになるかな?」と指を広げて考えてから、ラミィーキューブを筆算の空欄に置いていくクイズをしました。

すると、その瞬間から、いやいや参加していた子も態度を急変させて、

「わたしにもやらせて、もっと難しいの!」「わたしにも!」「わたしにも!」という大騒ぎになりました。

 

↑の写真の問題にチャレンジしているのは、「わたしもやりたい!」とくりかえしていた年中の女の子。

あんまりやる気まんまんなので、空欄に答えを書き込んで、ラミィーキューブの数字を探しておく問題を出してあげると大満足でした。

 

1,2、年生たちも奮闘しました。

小3と小4の子たちは、4ケタをわるわり算にチャレンジ。

 

この夏、何度かユースホステルで算数のレッスンをしたのですが、工作だけでなく、算数の学習も、どの子も心から楽しんでくれました。

「わたしにやらせて!」と次々と手を挙げる姿に思わず顔がほころんでしまいました。


発達に凹凸のある子たちの学習意欲を引き出すためにしている工夫

2016-09-03 07:43:35 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

 

発達に凹凸がある子たちの就学準備グループの子たちの算数タイムの様子です。

 

集中して活動することが難しい子たちの

学習意欲を引き出すためにしている工夫を紹介します。

 

★ 最初に、「好きなものを選ぶ」行為から学習を始めると、

意欲的に取り組みやすいです。

 

上の写真では、最初にゴリラ、ハイエナ、ライオン、キリン、ワニなどの人形から、

好きな動物を選ぶことから学習をスタート

させています。

 

他の子らから見えないように

手の中に隠すように言って、

次のような質問をします。

 

「その動物の頭につく文字、最初の文字はなあに?」

「その動物は何文字?」

「その動物の一番最後の文字はなあに?」

 

「ラ」とか「4文字」といった

答えをヒントに

他の子らが動物の名前を当てます。

 

こうした遊びは、耳で聞きながら

数を確認する力をつけてくれます。

頭につく文字から動物の名前を簡単に言えた子も

一番最後につく文字から推理するのは難しかったようです。

一生懸命取り組んで、わかった時にはとてもうれしそうでした。

 

★ ゲームをしながら、いくつかの条件を念頭に置いて、数を操作するようにします。


写真は、チケット・トゥ・トライドというゲームです。

ルールを少し易しくして、

数についての気づきが得られやすいようにして遊んでいます。


簡易ルールは次のようなものです。

 

旅行するルートを選びます。

出発する駅と到着する駅に人形を置きます。

チケットはたくさん配ります。

駅から駅に移動する際、指定の色のチケットを必要な枚数出してから、

その間に自分の色の電車のコマを置いていきます。

 

このゲーム、とても面白かったらしくて、なかなかこない順番も根気よく待って

遊んでいました。

途中で、自分のやりたいようにルールを変えようとした子がいましたが、

今やっている正しいルールを守るようにはっきり言うと、

かんしゃくを起こしそうになりながらもぐっと我慢して、指示に従えました。

 

遊びのシーンにみんなで守らなくてはならないルールが含まれていると、

何でも自分流でやりたい子たちには

かなりの負荷がかかります。

それでもやっている活動を面白くて、こちらへの信頼感が

しっかり育っていると、

そうした負荷を引きうけて、ぐっと我慢しながら、

いきいきとした自信に満ちた表情になっていきます。

 

★ 時計の学習では、好きなテレビ番組が始まる時間についての質問や、

子どもがわくわくするような時間についての質問から入ると、楽しく取り組みやすいです。


この日は、「7時55分」といった

あと少しで8時になるという時間の読み方を学びました。

針が動かせる大きいサイズの見やすい時計を利用すると

学びやすいです。

 


めもりクイズ

2016-09-02 08:52:24 | 算数

めもりを読む問題が苦手な子は多いです。

子どもたちがつまずきやすい問題を書きうつしてクイズにすると、友だち同士で解きあって楽しんでいます。

 

150と200の間に10個のめもりがあるということは、ひとめもりはいくつ?

 

ヒントにめもりの数だけ青い玉を用意しています。

 

めもりを読むのがとても苦手なAちゃん。

青い玉を5つ並べてから、

・10円を5に分けると、いくらずつになるか?

・100円を5に分けると?

・1000円を5に分けると?

・500円を5に分けると?

といった問題を練習すると、めもりが読めるようになってきました。


「もう1回!」と「もっと!」の気持ちがはじける瞬間

2016-09-01 21:56:42 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

ユースの記事の続きは、近いうちに書きますね。

 

子どもたちと過ごしていて、何よりうれしいのは、子どもが自分の体験に夢中になって、何度繰り返しても、初めてやるときのように、「もう1回!」「もう1回」とせがむときです。

また、やっている作業に心底熱中して、子どもの姿から「もっと!」の気持ちがあふれでるときでもあります。

 

写真は2才10か月の生き物が大好きな女の子です。

青虫がさなぎになってチョウチョになるまでの様子が写真でできたパラパラマンガになっているミニ本に心を奪われて、何度も何度も飽きることなくパラパラやっていました。

『動物の見ている世界』という仕掛絵本図鑑にも夢中になっていたので、他の生き物たちの目で世界を眺めているように見えるレンズやゴム仕掛けではばたく蝶々を出してきて遊びました。

 

小さい玉を入れてふると、大きい玉がひょっこり現れる手品。

10回以上繰り返しても、「もう1回!」コール。

毎回、オーバーリアクション。

 

3歳10か月のBくん。大人の科学の付録のプログラミングロボットのプログラミング用のシートにマジックで色を塗りました。

これでちゃんと動くのか心配でしたが、ちゃんと認識して進んだり曲がったりしていました。

ロボットや機械ものが大好きなBくんは大はしゃぎ。

 

Bくんの機械好きを受けて、電池とブザーを使ったロボットをつかまえるゲームとじゃんけんゲームを作ることにしました。

ロボットを描いて、ていねいに塗り込むBくん。

「もっと、もっと」の気持ちがあふれていてすてきてす。

おともだちの4才になるCくんは、恐竜を見つけるゲームを作っていました。

上手に描いて、切り抜いた後で、「裏も描く」といって、熱心に描いていくCくん。

 

ロボットをつかまえるゲームと恐竜を見つけるゲームは、これまで紹介した

 

ポケモンゴーのゲーム作りが流行中 (音がでます♪)

と同じしかけです。

じゃんけんゲームは、こうしたゲームに使ったブザー付きの電池ボックスを使った工作で、じゃんけんに勝つとブザーがなるようになっています。

しかけは簡単で、裏に重ならないようにアルミ箔を細く切ったものを3枚貼っているだけです。

 

Cくん作、じゃんけんゲーム。まだアルミ箔を貼っていません。

顔は描いてあげたのですが、じゃんけんの絵は上手にCくんが描きました。

 

Cくん、Dくんが最後まで熱中していたトーマスのすごろくゲーム。