虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

「こんな絵本作りたい!」

2016-10-21 21:32:40 | 通常レッスン

3歳のAちゃんが、メイシーちゃんのポップアップえほんを見て、「こんなの作りたい」と言いました。

紙の引っ張ると、じょうろから水がでてくるように見えるページです。

Aちゃんといっしょにパンチで穴をあけてこんなえほんを作りました。

帰り際だったので絵はわたしが描いてあげたのですが、自分が「これがいい」と選んだものなので、ポップアップのしかけに強い興味をしめしていました。

 

Aちゃんは白い部分にピンクや赤を塗って、穴からさまざまあn色があらわれるようにして大喜びでした。

(写真を撮りそびれて残念です)


できた!自分で気づいたからうれしい

2016-10-21 21:29:07 | 算数

「このところ学校から帰ると外へ飛び出していって遊んでいます。どろんこになって帰ってくることもあるけれど充実しているようで、そうして自分の体力の限界ギリギリまで遊んでくると、心が安定しています。」

お母さんからそんなお話をうかがっていた小2のAちゃん。

「初めてチャレンジする「どこから手をつけたらいいかわからない」という問題に強い子です。

 

遊ぶときもエネルギッシュですが、頭で考え出してからの粘り強さもたいしたものなので、わたしも「ちょっと厳しいかな?○ちゃんには難しすぎるかな?」と思う課題をヒントなしで与えることがよくあります。

どこでギブアップするか、様子をうかがっているのですが、「全然、わかりません~!」と訴えてきたときも、「それなら、何か絵を描いてみたら?」

というヒントとも言えないようなヒントだけで、丸を描いて、半分に線を引き、さらにそれを分けて数字を書き込んでいました。

こうした経験は皆無なのに、自分なりに工夫して、何かの形を作り出す力は工作で培ってきたものだな、と思います(Aちゃんは大の工作好きです)。

 

Aちゃんが絵を描いて悩んでいたのは次の問題。

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ゆう子さんは、もっていた おはじきの 半分 を なくして しまいました。

そしてのこりの うち 17こを 友だちに あげると、24こに なりました。

ゆう子さんは、はじめおはじきを何こもって いましたか。

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24+17=41

まで書いて、5分以上うなっていました。

「Aちゃん、その問題は難しいよ。今日できなくてもいいよ」と言いかけたら、

「あ~足せばいいんじゃない?41と41を!!」と自分で解き方に気づいたようでした。

「だって半分なんだから、半分が41ってことは、41がふたつあれば、もとの形でしょ?」とのこと。

「さすが~」「Aちゃん天才~!」といっしょに勉強していたお姉ちゃんたちに褒められて、よほどうれしかったのか「問題を書き写して、ほかの子にも解かせてあげたい」と言い出しました。

 

「はっけん」とタイトルに書いています。

「Aは天才!っていうのも書こうかな?」というので、「それはね、みんな他の子たちや先生がいっぱい言ってあげるから自分で書かない方がいいよ」というと、

近くにいた6年生のBちゃんも(Aちゃんは6年生のお姉ちゃんとお姉ちゃんの友だちといっしょに通っています)、

「そうよ、そういう言葉はね、自分で言ったらおしまいよ。他人に言ってもらうんじゃないと……」とアドバイス。

 

 カタカタ落ちていく木のおもちゃを製作中。

 

ブロックスでも遊びました。


ハローウィンの帽子作り  円すいの展開図

2016-10-20 21:55:10 | 算数

小2のAくんBくんのレッスンの様子です。

AくんもBくんも少し前からコンパスや電卓を使ったさまざまな算数遊びに熱中しているので、今回は円すいの展開図のまわりの長さの求め方を学んで『ハローウィンの帽子』を作りました。

 

半径2センチの円と半径6センチの円を使います。

 

基本は、ひっついている小さい円と大きい円です。

モールを使って、小さい円の円周と大きい円の一部(扇形に切ったもの)との関係を理解します。

 

2センチの円の円周をモールではかります。

 

 

大きな円の円周にモールを乗せて、モールの両端から円の中心に線を引きました。

 

大きな円を扇形に切り取ってテープでとめると、円すいができました。

 

「毎回、モールを使うわけにはいかないよね。もったいないから。このモールでした作業が計算でできたらいいよね」というと、「電卓ならどんな計算でもできるよ」と豪語するAくん。

 

大きい円の直径×3.14÷360×□=小さい円の直径×3.14

 

「どうして360で割るのかというと、分度器の小さい小さいめもりでいったん割って、そのめもりのいくつ分にあたるのか角度を求めるのよ」

といった話をすると、物作り等で、分度器やコンパスを使うのに慣れているふたりはよく理解していました。

 

小さい円(半径2センチの円)その2倍の半径の円を描いて、帽子のふちを作ります。

これを切り取る際、円を半分に折って切るのですが、Aくんはだいたい中心あたりに円を描いたからという理由で折り紙を半分に折って切ろうとしていました。

「円の中心をとおるように折らないと円が半分にはならないよ」と声をかけたのがきっかけで、円の中心を意識するようになっていました。

確かに円を半分に折る時に円の中心を通る線で折ると必ず半分になるのは不思議で面白いことです。

 

とても感心したのは、Bくんが

大さい円周を360で割ったもの × ? =小さい円周

という計算式を見て、

小さい円周 を 大さい円周を360で割ったもの で割ったら「?」の答えを出せると、すぐに理解していたことです。

 

少し前から流行っている手作りのポケモンカードバトル中、

左のポケモン × ? =右のポケモン

の?倍かを求める電卓遊びの時、「謎の数字3.333333333」などができることに驚いて、夢中になって、「?」を求める計算を繰り返していたからのようです。

 

夢中になって学んだり遊んだりしたことが、次々とつながっているのを感じます。

 

今回作ったシャボン玉の膜を作るための三角すい。


暗算って必要? 学校では教えない計算法も算数を学ぶ上で大事 7

2016-10-20 14:00:39 | 算数

とにかくボードゲームが大好きで、ゲームで遊ぶうちに、すばやく読んで理解する力がついている●くんに、小学2、3年生用のぴぐまりおんの問題を出してみました。

これは、次のゴンドラがくるまで1分間かかる観覧車についての問題です。

 

1つのゴンドラに、2人か3人か4人乗ることができます。

今、1番目と2番目のふたりが、ふたりだけでゴンドラに乗った場合、9番目と10番目の子がいちばん早く乗るまでの時間と、いちばんおそい場合の時間について考えるものです。

こうした問題は、計算などの経験がない子も、生活体験が豊かで、自発的によく遊び、自分なりの意見や考えを口にする子は、幼稚園児でも解けますが、

学校での成績優秀な小学生も、苦手な子は苦手です(大人の方でわからないという方も時々いらっしゃいます)。

 

●くんも年長さんですが、「ゴンドラに乗る人数はいろんな場合がある」ということを理解して、指で絵図に、2つずつ、4つずつなど丸を描く素振りをしながらきちんと解いていました。

 

子どもが素のままの対象を見ながら考えていく力というのはかなり高いものがあって、もし物を並べる行為の延長上で、問いを投げかけると、

低学年の子らも、規則性の問題や概数の問題なども自分で考えて解いてしまう子はけっこういます。

 

そのためには、

「目で見ているものからルールや秩序を見つけ出そう」

「より良い方法を工夫してみよう」

「まず目でよく見て自分の頭で考えてみよう」

「よく観察すれば、解法の糸口がつかめるはず」

というスタンスが身についていなくてはなりません。

 

そのように自発的に自分で考えていこうとする姿勢は、受動的に大人から教わるという姿勢とけんかしやすいです。

 

もちろん学校に通いだしたら、自己流で考えるのをちょっと引っ込めて、先生の指示をよく聞いて、その通りに練習していかなければならないことはたくさんあります。

学習の多くはそのように、学ぶ必要があります。

 

けれども、それにはバランスが大切です。

お家に帰れば、お母さんやお父さんが言うことに疑問も抱かずに、指示されるままに行動し、遊びや日常生活で自発的に自分で考えながら何かをやりとげる時間がほとんどなくて、

学校では先生の言うことを「絶対的な正しいこと」として、

「意味なんかわからなくても先生の言うとおりにしておきさえすればいいんだ」

「先生の言うことをちゃんと覚えてればいいんだ」

という気持ちで過ごしていたとすると、いろいろ困ったことが起こってくるのではないでしょうか?


【20日追加】2016年秋単発レッスン追加日程【24日締切】

2016-10-20 00:08:28 | 連絡事項


こんばんは~

今夜も日付が変わってしまいましたorz

 

昼間に予定していたのですが、お昼寝してしまいこのような時間に…

お待たせをし申し訳御座いません。

 

さて、今夜はサクッと参ります。

 

とその前に…

コメントの投稿がうまく出来ないという方が増えております。

ご連絡先記載の場合は、gooブログの規制に引っかかっているためなので、メールアドレスの@を☆に変えて再度投稿を試してくださいませ。恐らくこれで投稿出来るかと思います。

 

その他の方で同じようなことが起こる方は、何回か連続して投稿して頂いても大丈夫ですのでお試しください。こちらですべて確認しながらご連絡、拝見致しますのでご安心ください('ω')ノ

(拝見しているのは主に先生で私は必要な際に確認しご連絡する係です。)

 

それでは、昨晩の記事を読まれていない方もいらっしゃると思いますので、重複致しますが、再度ご説明をさせて頂きます。

先日、募集させて頂きましたこちらの記事…秋の単発レッスンイベント平日ver.で御座います。

 

こちらにご応募(コメント)頂いた方を対象に、少ないですが、追加の日程をご用意致しました。

今回も平日午前を中心に幼いお子様向けの算数レッスンを行いたいと考えております。

 

各日程4組を予定しておりますが、お子様たちの年齢や学年に応じて調整致しますのでご参加が難しい方が出てくることご理解下さいますようお願い申し上げます。

 

それでは、前回同様、イベント参加希望コメント投稿での諸注意です。

 

※申し込みに際しての注意事項※


・応募コメントは全て公開させて頂きます。ですので、H.Nにご本名を記載されますと投稿できたかご確認して頂くことが出来ません。

また、コメントの内容(本文)に個人情報…メールアドレスやお子様の名前など…も同様です。ですので、必要事項以外の記載内容には十分お気を付けくださいませ。←この場合は公開致しません。

 

・対象年齢につきましては、小学生・幼稚園児(相当年齢)・未就園児(ベビー)と大まかに分けております。

ご参加のお子様1名につき、3000円の参加費用がかかります。

 

・こちらからのご連絡の都合上、短い期間となります。

締切は10月24日(月)正午を予定しております。応募者さまが多数の場合は早めに締め切ることが御座いますこと、ご容赦ください。なお、参加者さま発表は、後日、ブログにて行います。

 

・申し込み内容についてですが、下記記載事項をコピペしてお使い頂ければ有難いです。お住まいの都道府県につきましては、詳細などを送る際に事務Kが参考にさせて頂きます。遠方の方で各種予約が必要な方には優先的にご連絡を早めに致します。

 

必須記載事項…【学年】・【年齢】・【性別】→希望日程の番号

自由記載事項…【お住まいの都道府県】

 

それでは、追加の日程です。

 

①11月1日(火) PM3時~5時

②11月7日(月) AM10時~正午

③12月1日(木) AM10時~正午

④12月1日(木) PM3時~5時

⑤12月12日(月) AM10時~正午

 

以上、5日程の追加となります。

可能な限りお越し頂けるよう配慮致しますが、ご兄弟の年齢が離れている場合は同日でのレッスンをお受け出来ません。例えば1歳のグループレッスンに7歳の兄も参加など。

 

未就園児のお子様のレッスンは、基本、保護者さま同席となりますので上記の例えの場合ですと、7歳兄を付き添いとしてレッスンの場にご同席頂くことも可能な場合が御座います。

 

但し、付き添いの方が多くなること…ご夫婦でお越しの方が何組をおられる場合はご同席が難しい場合もあること、ご理解下さいませ。

 

それでは、今夜はこれにて…

どろん(*ノωノ)

 

ぐっない


暗算って必要? 学校では教えない計算法も算数を学ぶ上で大事 6

2016-10-19 10:49:13 | 算数

『小学校までにつけておきたい力と学童期への見通し』(かもがわ出版)の著者の丸山美和子先生は、

「言語の力を育てながら数量概念の形成を促し、その上で、生活の中で具体物を数的に操作する活動を保証しないと、理解が不十分なまま機械的・パターン的に計算ができるようになっても本当に生きた学力につながっていかない可能性がある」

といったことをおっしゃっています。

わたしも同じ意見です。

わたしが100-1や10+10+12のような暗算ができないために、算数につまずきがでていると思われる子とは、

「数量概念の形成があやふやなのに、計算方法だけパターンで暗記していった子」と、

「普段、大人の指示が多いので、大人のいうことに盲目的に従う癖がついている子。大人の意見が強すぎて、自分の考えに自信が持てない子」

の2タイプが多いと思われます。

 

虹色教室では、遊びや物作りを通して、この具体物を操作する体験がふんだんにできるように配慮しています。

そして、自分のしていることを言葉で表現し、人とやりとりする力が育つようにしています。

 

すると、計算訓練をしたりドリルをこなしたりしなくても数学的な思考力がしっかり育っていくことを実感しています。

 

教室では遊びの最中や遊びの後で、「算数タイム」というのを設けていて、算数の文章題や図形や計算の問題を出したり、数学パズルをしたり、

「アルゴ」や「ラミィキューブ」のようなゲームをしたりしますが、ほとんどの子は訓練しなくても、その子の月齢や学年をはるかに超えた問題を、自分の知恵絞って解くことができます。

 

自分の頭で考えて、初めて目にする問題も解くことができるようになるには、計算や文章題の解き方を教えたり訓練したりするのではなくて、

その前に確かな数量概念が形成されるよううながす必要があります。

 

数量概念の形成をどうしたらうながせるのか、最もよく知っているのは幼い子どもたちです。

質量保存の法則を理解するようになるまでの子は、どの子もしつこいほど水を移し替えたりビー玉を入れ替えたりしますし、

数の一対一対応を理解するまでの子は、一つひとつ物を手にしては「はい、どうぞ」と手渡したり、一つひとつつまんでは

窪みに入れていったりします。

 

四則計算を理解する前の子らは、好んでままごとをやりたがり、分配したり、他の子からもらったり、あげたり、自分の分が減るのを嫌がったり、物の売買を再現したりします。


暗算って必要? 学校では教えない計算法も算数を学ぶ上で大事 5

2016-10-18 23:10:32 | 算数

前回の記事で次のようなことを書きました。

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ひとことで、「見る範囲」「考える範囲」がわからないために新しい問い方をされるとそれまでできていたことが全くできなくなる、といっても、

その子が自閉傾向がある子(広汎性発達障害、アスペルガー症候群などの診断を受けている子)か、知的障害のある子か、LDを持っている子か、ADHD傾向がある子か、さまざまな問題を重複して抱えている子か、

一般的な子ではあるけれど日常体験や遊び等が極端に不足している子かによって、困り方も異なるし、対応の仕方も違うものになってくると思います。

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自閉っ子の場合、記憶力がいいので、自分が記憶している方法とは異なる解き方にぶつかると、それまで作りあげてきたルールが崩れてわけがわからなくなる、

あいまいな部分を含むものは、不安で手が出せなくなる、などの理由で混乱することがよくあります。

一方、知的なゆっくりさんの子の場合、ルールに気づけない、教えてもらい定着するまで付き合ってもらわないと、あたり前のように思われることも理解しにくい、ということができない原因となるようです。

 

たとえば、たいていの方は、

「はるこさんがおりがみを3まいもっています。いもうとののぶこさんは2まいもっています。

おともだちのたろうくんは5まいもっています。

はるこさんとのぶこさんとたろうくんのおりがみをあわせると、なんまいになりますか」

という問題があれば、

「はるこさんが~なんまいになりますか」まで読んでから答えると思いますよね。

 

でも知的ゆっくりさんの子のなかには、(設問一)と書いてある後のどこからどこまでを読んで、どれとどれについて考えて、答えを出すのかということに気づいていない子がいるのです。

「読んでね」というと読むけれど、読み終わってから「何が書いてあった?」とたずねると、首をかしげて、ひとつも覚えていないこともあります。

 

記憶するのが難しいということもあるのですが、「読む時は、ちゃんと読んだことを考えながら読むのよ。ここ、ここ。頭で覚えておくのよ」と説明してはじめて、

「あ~読むって、字を言っていくだけじゃなくて、何が書いてあるかわかろうとすることなんだ」と気づくことも多々あるのです。

 

また、読んでもの全てが考える範囲ということを知らなくて、設問の最初に、3と2という数字が出てきた時点で、「3+2だから5」と言ったり、

この問いについて考えるということもどこかへ行ってしまって、「えっ、19?えっ、じゃあ、36?」と問いとは全く関係ない思いついた数字を答えたりすることもあります。

とはいえ、それほどまでにわかっていないのかというとそうでもなくて、「今読んでいた問題のどこからどこまで見て、考えるの?」と問いかけて、

指で問題の範囲の枠をなぞらせると、ちゃんと解けるようになることがあるのです。

 

先日、こんな間違いをした子がいました。

上の段の文字と、その文字を入れ替えてできる言葉を線でつなぎなさいという問題。

 

上の段に「りあ、かいす、だんぱ」といった文字が並び、

下の段に「ぱんだ、すいか、あり」といった言葉が並んでいます。

 

当然、「りあ」と「あり」 「かいす」と「すいか」 「だんぱ」と「ぱんだ」を線で結んでいくのですが、

その子は、「りあ」と「ぱんだ」「かいす」と「すいか」「だんぱ」と「あり」を線で結んでいました。

 

解いている間中、上の文字と下の文字しか見ていません。

 

そこで、「この問題はどこからどこまで見るんだったかな?」とたずねて、指で見る範囲をなぞらせるようにすると、「あ~そうか、そうか」と言いながらきちんと結びなおしていました。

 

この子は絵を描くのがとても苦手で、目や口の位置なども髪の毛の上の方にちょこちょこっと書き込んで「できたできた」と言います。

描く前に顔全体を指でなぞらせて、目鼻口などを指先でチョンチョンと確認させてから、描く作業に移る、といった配慮が必要なのかもしれません。

 

自閉傾向などはないけれど知的な面での問題を持っている子は、人と関わりながら何度も繰り返し練習するのを嫌がらないし、繰り返し噛み砕くように教えると、ゆっくりながらにきちんとできるようになっていく面があります。

またひとつひとつバラバラには理解しているけれど、それらがつながっていないだけ、ということもあります。

教える時に言葉だけで教えずに手の平や指を使って体感でマスターさせるようにすると覚えやすいようです。


1、2歳の子が夢中になる手作りからくりおもちゃ

2016-10-18 14:42:45 | 0~2歳児のレッスン ベビーの発達

1、2歳の子が夢中になって遊ぶ手作りおもちゃの作り方を紹介します。

3分ほどでできます。

 

基本は「お菓子の空き箱の底に穴をあけて、ひっくり返して土台となるものに貼っただけ」で、これはこれで、どんぐりを上から入れると下の取り出し口から出てくるのがうれしくて何度も遊ぶ子たちがいます。

これに回転する形を取り付けると、幼い子たちが考えながら遊ぶおもちゃになります。

お菓子の空き箱を土台にする箱に貼ります。

写真のように土台となる箱に穴をあけます。

お菓子の空き箱の上部にどんぐりやビー玉の投入口をあけます。

 

丸いチーズの空き箱を貼り合わせてから、上の写真のように箱の一部を切り取ります。

お菓子の空き箱の側面を切り取って、丸いチーズの空き箱を入れたらできあがり。

 

上からビー玉を入れてから、チーズの空き箱を回転させると、下の穴に落ちます。

 

こうしたおもちゃで1、2歳の子たちはとても集中して考えながら遊びます。

 

中が見えるように箱をくりぬいて、ガチャポンやプリン等の容器を貼ると中のようすが見えて面白いです。

 

2歳のAくんの希望で、先ほどのおもちゃに、回すと上がったりさがったりするしかけを取りつけました。

 


暗算って必要? 学校では教えない計算法も算数を学ぶ上で大事 4

2016-10-18 07:58:14 | 算数

話が少し脱線しますが、知的なゆっくりさんの小3の☆ちゃんのレッスンで、こんなことがありました。

この子はこれまで繰り返し訓練してきたことに関してはかなり上達して、4ケタの足し算引き算とか短い文を読んで、そこに書かれている内容についての問いに答えることはできるようになっています。

 

ところが、それまでやったことがないプリントをさせたり、教具を見せて問いかけると、驚くほどでたらめな答えを言います。

どれも☆ちゃんが今できていることからすると易しいはずの問題です。

 

たとえば算数用のタイルを使って、38という数を作るとします。

10ずつの塊が3本とその下にバラバラのタイルを8並べます。

☆ちゃんは数についてずいぶん理解が進んでいて、足し算引き算だけでなくかけ算や割り算の学習にも取り組んでいる子ですが、その38個のタイルを指して

「あと2つ増やすといくつになるかな?」と問うと、

「10」と答え、

「よく考えて」とうながしても、その間違いに気づけないのです。

 

「あと2個増やす」という言葉に引きずられるのか、38個のタイルの下の8個だけをじっと見ています。

 

「☆ちゃん、☆ちゃん。この問題はどこからどこまで見ればいいのかな」

とたずねて、指で見る範囲の枠をなぞることを

教えると、「40」と正しい答えが言えるようになりました。

 

このように見る範囲の枠を指でなぞってから、算数の文章題や国語の問題を解くようにいうと、たちまちとんでもない間違いが減ってきました。

 

☆ちゃんは「問題がわからない」というより、自分が相手をしている範囲、見る範囲がわからなくて、目についた一部の情報に反応して、パッと思いついたことを言ってしまうようなのです。

ですから、「見る範囲」「考える範囲」の枠を指でなぞる仕草をすると正しい判断ができるようになる場合もたくさんあるのです。

この「見る範囲」「考える範囲」の捉え方の問題は、前回まで書いてきた「暗算ができるできない」(この書き方は誤解を生む可能性があるのですが)ことで起こってくる問題と近いものがあります。

前回の記事に次のような質問をいただきました。暗算の話の続きを書かせていただく前に質問にお答えしますね。

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自宅で塾を開いています。小2の生徒さんで全く同じ反応を示す女の子がいます。

反復練習で計算や漢字はなんとか学校の進度についていけるようになりましたが、やったことのない問題や教具を使って問いかけると、解けません。

何が原因で思考が停止してしまうのか・・・彼女の頭の中が見えるようになりたいです。

彼女の中で「何か」がひっかかて、次のステップに進めない状態になっているのはわかるのですが。

その「何か」が見えなくて・・・

先生のおっしゃっている、「見る範囲」「考える範囲」の枠を指でなぞる仕草・・・とは具体的にどういったことなのでしょうか。

「枠」とは何を指しているのでしょうか。

すみません、どうも具体的なイメージがわかなくて。

今後の指導の参考に是非させていただきたいので、ご回答いただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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ひとことで、「見る範囲」「考える範囲」がわからないために新しい問い方をされるとそれまでできていたことが全くできなくなる、といっても、

その子が自閉傾向がある子(広汎性発達障害、アスペルガー症候群などの診断を受けている子)か、知的障害のある子か、LDを持っている子か、ADHD傾向がある子か、さまざまな問題を重複して抱えている子か、

一般的な子ではあるけれど日常体験や遊び等が極端に不足している子かによって、困り方も異なるし、対応の仕方も違うものになってくると思います。

わたしが教えていて実感しているのは、「見る範囲」「考える範囲」について配慮することで、急激に成績が伸びることがよくあるのは、広汎性発達障害やアスペルガー症候群などの診断を受けている子たちです。

こうしたハンディーを持っている子たちは記憶力がとてもいい子が多くて、状況によってルールが変わったりしない決まった秩序が守られている場で高い能力を発揮します。

「見る範囲」「考える範囲」については、パソコンのソフトを利用するなど、いつも決まったルールで動き、決まったフィードバックが返ってくる教材を使うと短期間に驚くほど能力が伸びることがあります。

 

自閉傾向のある子たちの「見る範囲」「考える範囲」については、また次の機会にくわしく書かせていただきます。

前回の記事の知的ゆっくりさんに対する「見る範囲」「考える範囲」を指でなぞるという方法については次の記事で書かせていただきますね。


暗算って必要? 学校では教えない計算法も算数を学ぶ上で大事 3

2016-10-17 16:42:55 | 算数

暗算について、自分が感じていることを言葉にしようとして、「上手く説明できない。どう書いても誤解が生じそう」と壁にぶつかって悩んでいました。

そもそも、「暗算」という言葉を使ったのが、よくなかったのかもしれません。

 

最初に取りあげた

100-1とか10+10+10

のような見ると自動的に答えが浮かぶような問題を、

「100のくらいから10借りてきて……」とか「1のくらいの0と0と0を足したら……」

と解いていくことって結局、何がいけないのでしょう?

 

『まなびを学ぶ』 (苅宿俊文 佐伯 胖 高木光太郎 編/東京大学出版会)という著書に、こんな話が載っています。

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赤ちゃんは新生児模倣の時期を過ぎると、しばらく模倣しなくなり、むしろ、他者の行為から対象物の物理特性に気づいて、あとは「自分で」工夫することで目的行為を達成するという学習がはじまります。

対象世界の因果関係や「アフォーダンス特性」(対象がある主の行為を誘発する特性)の把握にもとづいて、道具や装置の使い方を学んでいきます。

でもマニュアルのような「教示的指示」が示されると、対象物の道具的機能特性を自由に活用するという思考を停止させて、

いわば「この道具はこのことのために、こう使うもの」というように、機能的固着を生み出します。

実験によると、チンパンジーが、すぐに「自分で」やり方を工夫して問題解決できることを、人間は、「教示」されてしまうと、明らかにそれが無意味であることが「考えればわかる」はずのことでも、「盲目的模倣」をしてしまうことを示している。

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算数の世界も、教わってできるようになることも大事なのですが、同時に、

「対象物の物理特性に気づいて、あとは自分で工夫することで目的行為を達成する」

「対象世界の因果関係やアフォーダンス特性対象がある主の行為を誘発する特性)の把握にもとづいて、道具や装置の使い方を学んでいく」

に近い学び方をしていく一面もあります。

 

他者から教えてもらうだけでなく、自分で対象と向き合って自分の内部にある力を目覚めさせていくことや磨いていくという学び方も算数に含まれているのです。

兄弟姉妹がたくさんいた時代、

物を分けあったり、お手伝いをしたり、花いちもんめやおはじきや陣取りのような数や量への気づきをうながす伝承遊びがどこでも行われていたような時代なら、

算数においても、自分で直接、対象物の特性に気づいて学びとっていくということが、いちいち意識しないでも行われていたのだと思います。

でも現在は、

「幼い子にまでマニュアルのように言葉で教えていく。自分で学ばせず、教示する」ことが、流行しています。

そうして「教わる」ことが増えて、「自分で考える」機会が減ったためか、問題を見ると、「自分で考える」スイッチを停止して、大人の言っていたことを再現するのに一生懸命というバランスの悪い考え方をする子がいて気にかかっているのです。