虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

長文の文章題で、子どもが即座に「わからない~」と言う時は? の補足です。

2016-10-09 07:17:05 | 算数

前回の長文の文章題で、子どもが即座に「わからない~」と言う時は?の記事のなかで、

「物を作るのも遊ぶのも全力投球の4人。そうした物作りや遊ぶ力が、さまざまな種類の問題をしっかり自分の頭で考えて解いていく

馬力となっています」と書きました。

どうして物を作ったり、一生懸命遊び込むことが、勉強をする上での力につながっていくのか、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。

何度か、読ませていただいているどんぐり倶楽部三重教室やまぼうしのブログで、ヒトの思考力や感情や精神が、じっくり味わって体験する時間が短かかったり、

意味のわからない事をさせられ続けたり、やりたくない事を強制され続けるとどうなるのか、管理されすぎたり、速さを求められるとどうなるのか、

単純な繰り返しばかりし、「唯一の正解」があると感じる時間が長かったり、受け身な時間が長かったりするほどどうなるのかについて、ていねいに言葉にしておられました。

とても共感する内容でした。ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

興味のある方はぜひこちらの記事に目を通してくださいね。


歴史のカードゲーム

2016-10-08 11:13:41 | 通常レッスン

過去記事ですが、歴史カードの遊び方について質問を受けていたので再アップします。

『タイムトラベル日本歴史カード』を使用して、教室流の簡単な遊び方で楽しんでいます。

何となく雰囲気が似ているという判断で2枚あわせに選ぶルールなので、幼稚園の子でも楽しく遊べます。

 

きょうだいの行事などが重なって参加できない子が多かった今回の難問算数研究部。

 

前回のレッスンで顔を合わせたばかりで、これまではあいさつを交わす程度だった★くんと☆くんですが、今回は、いつも仲良くしているお友だちがお休みだったので、いっしょに頭脳パズルをして遊びだしました。

きっかけは、ある1問で★くんが悩んでわたしに声をかけてきたことです。

☆くんを呼んで助っ人に入ってもらうことにしました。

すると、ふたりとも頭を使ったり、物を作り出したりするのが大好きな子なので、すっかり意気投合!

 

「こうなんじゃない?」「ああ、こうしたらいいよ」と意見を出しあって、こんなに問題をクリアーしたのだとか!

クリアーしたカードが扇子になっています。

 

その後、ふたりは、エトボイラのピタゴラスイッチ風のおもちゃで「これまで他の子たちがしたことがないビー玉の転がり方を考える」と言ってはりきっていました。

 

面白いアイデアをいろいろ出していたふたりは、だんだん難しい技に挑戦したくなったようです。

「高い位置から転がり落ちたビー玉が床ではねて、再びレールに戻ってゴールを目指す」という、本当にできるのか怪しいような組み方に挑戦していました。

 

そんな難しい技が可能なのか怪しかったのですが、きちんと成功していました。

女の子たちが、携帯で動画を撮影することもできました。

 

遊びと同様、算数の問題も本気で解いていました。

今回取り組んだのは、算数オリンピックの予選問題の数々です。

今回、いつもの部屋が借りられず、机をいつものように設置できなかったので、床で解いています。

 

写真は、みんなで歴史カードでゲームをしているところです。

「同じ時代」と感じた2枚を選んで、同じ時代だったら取れます。

歴史の知識があまりなくても、この服装とこの服装は似ているな、この画風とこの画風は似ているな、という写真から受ける印象で選べるので、気楽に遊べて楽しいです。

人気は安土桃山時代と弥生時代、明治時代でした。


100円ショップのスパンコールで簡単工作 2

2016-10-07 18:02:59 | 工作 ワークショップ

100円ショップのスパンコールをいくつか購入したので、それを使った工作を子どもたちと楽しんでいます。

年中のAちゃん、Bちゃん、Cちゃんのグループの様子です。

スパンコールで何を作りたいかたずねると、Aちゃんはお家から持ってきた蓄光ビーズをころがす「迷路が作りたい」とのこと。

Bちゃんは、お家から持ってきたうさぎの人形の住む「お家が作りたい」とのこと。

Cちゃんは「お家が作りたい」という話でした。

そこで画用紙を準備していると、ハローウィン用のおばけとこうもりと黒猫のスパンコールの魅力に負けたのか、その間に3人とも、「お化け屋敷の迷路が作りたい」という意見に変わっていました。

簡単な迷路の作り方を教えると、三人三様、何ともかわいらしいお化屋敷を作っていました。

 

途中で、二段ベッドとお風呂と台所が作りたくなったCちゃん。

お風呂の二段ベッドの作り方を教えました。

2年生の算数問題の「ふたのない箱の作り方」でお風呂作り。

 

山折りを繰り返して、入り口を切り取ると……。

 

 

単位の変換を学ぶゲームを作って遊ぶと作るのも遊ぶのも、とても盛り上がりました。

お兄ちゃんがいるCちゃんには、10カード6枚で、1時間の時計カードと変えるゲームも覚えて帰ってもらうことに。


考える方法と行き詰った時の解決法 1

2016-10-07 18:02:23 | 通常レッスン

年長のAくん、Bくん、年中のCくんの算数の時間にこんなことがありました。

サピックスのぴぐまりおん(1・2年生)の『のりものけん』という問題を解いていた時のことです。

この問題は、園児にはいきなり解くのは難しいので、問題を解く前に、12枚綴りの切りとることができるチケットを作り、おもちゃを並べて作った遊園地の乗り物を選んで遊びました。

 

コロコロカー    のりものけん 2まい

コーヒーカップ   のりものけん3まい

メリーゴーランド  のりものけん 4まい

グライダー      のりものけん6まい

ジェットコースター  のりものけん8まい

 

という決まりです。

「グライダーに乗りたい」と言って6枚の乗り物券を切りとって渡し、残りの6枚で何に乗ろうかと考える……という遊びをしてから、ワークの問題を読みます。

ワークの問題を読む時、一区切りごとに、「どういう意味かわかる?」とたずねて、理解度を確認しています。

 

「みんなは ゆうえんちに きています。どういう意味かわかる人?」

「はい、みんながゆうえんちにきたってことでしょう?」とAくん。

「そうよ。みんなっていうのは、すすむくん、だいちくん、かおりちゃん、がんちゃん、めぐちゃん、けいこちゃんね。」

 

「のりものけんを 12まいずつ かいました。どういう意味でしょう?」

「のりものけんの、この点々って切ってある券が12あるから、それを買ったってことでしょう?」とBくん。

 

「次は難しいよ。ちょうどなくなるように みんなはのりものに のりました。ちょうどなくなるってどういうことかな?ちょうどじゃない場合ってどんなことかな?」

この質問には、Bくんが必死になって答えてくれました。

「あの、ジェットコースターに乗って8枚出して、それからコロコロカーに乗って、もう一回、コロコロカーに乗って全部なくなるのは、『ちょうどなくなる』ってことで、もし、ジェットコースターの後で、コーヒーカップに乗ったら、ちょうどじゃない」

「そうね。Bくん。よくわかったね。コーヒーカップに乗ったら、券が1枚だけあまるから、1枚だけで乗れる乗り物はないものね」

「のりものに 1かい のるのに ひつような のりものけんの まいすうは 右のとおりです。意味がわかる人?右のとおりってどういうこと?」

「この右の絵のところの、コロコロカー2まいとかいうところでしょ」とAくん。

 

こんなふうに一区切りごとにわからない部分がないかていねいにたずねた後で、『れい』をしっかり見るようにうながします。(『れい』を見て気づいたことを言葉にしておくのもいいです)

 

「グライダーに 1かい、 コロコロカーに□かい のったよ。」とすすむくんの言葉から、12枚のチケットの色を塗り分ける問題で、3人とも考え込んでいました。

 

すると、Aくんが、「先生、ブロックを使ってもいい?」とたずねました。

許可すると、グライダーの6枚を除いた6枚分のブロックを持ってきて、コロコロカーに何回乗れるのか考えて、きちんと解けました。

BくんもAくんからブロックを譲り受けて、解くことができました。

 

 

Aくんがブロックを使うことを思いついたように、考える方法のレパートリーをいろいろ持っているといいですよね。

子どもたちが、考えるためにいいアイデアを思いついた時はみんなでその良さを確認して、アイデアを共有できるようにしています。

 

 小2のDくんがレゴでコマを飛ばすマシーンを作っている時、こんなことがありました。

初めて、ギアや滑車を使ったレゴに挑戦したDくん。

解説書の絵を見ながら、意気揚々と作っていました。

中盤あたりに差し掛かった時、「ずいぶんできたね。どう?面白い?」とたずねたところ、ため息をつきながら、「途中でわかんなくなってきた。やっぱ、難しいな」とつぶやきました。

どうするのかとしばらく様子を見ていると、「はぁ~」と深くため息をついてから、何やら決意した様子で、「いいや!戻ろっ!」というと、それまで作っていたパーツをバラバラにしだしました。

それから、説明書の3の図を指して、「先生、ここからやりなおすことにした」と言いました。

「それなら、今度は、1手順終わるごとにあっているかチェックしようか?」ときくと、「そうする」とのこと。

そうやって、1手順ずつチェックする間、わたしはチェックしている内容を「穴の位置は、左から3番目、うん、あっているね」

「ギアとギアがきちんとかみあっているかがポイントよ。ちゃんとかみあっていたらクルクル回るからわかるわ」などと、口に出して確認しました。

 

 

そうして前にため息をついていた中盤あたりに差し掛かった時、Dくんは、「もう自分でできるよ。チェックしなくても大丈夫」と自信ありげに言うと、最後まで自分の力で仕上げました。

Dくんはうれしくてたまらない様子で、「もっともっと作りたい」と言っていました。

このコマ飛ばしマシーンを他の子らにも見せる時、わたしはみんなに、Dくんが自分で考えた行き詰まった時の解決法について話しました。

「Dくんはね、最初、自分でどんどん、どんどん作っていったの。でも、途中でだんだんやり方がわからなくなって、どうしたらいいか

わからなくなったのよ。そうして、行き詰ってしまった時、Dくんはどうしたと思う?」

他の子らは首をかしげて聞いていました。

「Dくんは、こんなふうにしたの。まず、せっかく作ったブロックをバラバラにしていって、最初の方の3番目の図に戻ってやりなおすことにしたの。

それから、ひとつの図を完成させる度に、先生のチェックを受けて、ちゃんとあっているかどうか正確に確かめるようにしていたの。

簡単でわかりきっていることも、そういう意味があったんだなって理解しながら進んでいったら、先に進めば進ほど簡単になっていって、途中からは自分ひとりで全部仕上げることができたのよ」


ブロックスで面積当てクイズ (ブロックスがなくても遊べます)

2016-10-07 08:01:18 | 算数

※ブロックスがない場合、厚紙に方眼がついたものを切り分けると、同様の遊びや学びを体験んできます。


小1の3人グループのレッスンで、ブロックスというゲームで遊びました。

正規の遊び方は知っている3人ですが、この日は、自分たちが考えたルールで遊びたいということで、「一番面積が大きい正方形を作った人が勝ち」というルールで勝負。

私が作った 8×8=64(平方センチメートル)を超えるということで、「8×8なんてしょぼいよな~」「11×11で作るからさ~」と生意気な口をききながら作っていました。


ブロックス勝負……同じ色で正方形を作るのはきついと判断した3人……

いきなり一致団結して、「みんなで合体させて、大きいの作ろう!」と言い出すが早いか、写真の15×15の正方形を作って、「勝った!」「勝った!」と笑っていました。

「それにしても、15×15の面積は、九九では答えが出せないね。

答えを出すよい方法はあるかな?」と問うと、すべて数えきろうとするYくん。

「そうね。全部数えるのは良い方法だけど……。大きすぎる場合、切って分けてから考えることもできるよね」と言うと、

10×10=100なら3人ともすぐわかるということで、その(延長)線で4つの面に切り分ける案を出し、

10×10と、5×10、5×5、10×5の4つの面に分けると良いということで意見が一致しました。

この3人、幼児期に工作や積み木、ブロック遊びをたっぷりしてきたので、面や立体について、さまざまな角度から考えていくことがとても得意です。

幼児期のもの作り体験は、図を見ると、補助線が自然に浮かんでくる状態を作ります。

また、習っていなくても新しい問題解決の方法を思いつくことも上手です。

こうした能力も、工作などで養えます。

ブロックスなどを使って、直感的に面積を理解する遊びをしていると、中学入試で『面積図』を使って、平均やつるかめ算などを考えていくことも得意になっていきますよ。

 

ゲームで遊んだあとで、『面積当てクイズ』と『周りの長さ当てクイズ』をしました。

写真のものでしたら、「5×6-2×2」というかけ算の形で答えを出します。

周りの長さは、「5+6+5+6+2×4」です。

面積は、「5×2+2×2+2+5×2」という答えも出ました。それも合格です。

この3人グループの子たちは、知識をインプットするのでなく、遊びの体験を豊かにし、もの作りする楽しみをたくさん教えてきました。

それと同時に、幼児期は、たくさんおしゃべりして言葉の力を育て、1年生になってからは、そうした語彙力の豊かさが読む力につながるように、気をつけてきました。

といっても遊びの中で、少しだけそうしたことに気をつけてきただけですが、

1年生も後半になった今、2,3年生用の文章題の問題を見せると、長い文もきちんと理解しながら解いていました。

たくさんだらだら学ばせるのでなく、本人が自分で「やりたい」という分量を、集中して考えながらするようにしてきたことは、きちんと力につながっていると感じています。


まだ答えのない未知の答えを探しにいく 

2016-10-06 19:45:53 | レゴ デュプロ ブロック

下の記事は過去のものなのですが、青文字部分の話題は、今日のことです。

少し前に、ちょっとうれしい報告をいただきました。

抽象語の理解とワーキングメモリーの弱さが気になる子のための算数の支援

の記事の時は年中で、「わからない~」を繰り返していたAくんのお母さんから。

 

無事、小学校受験に合格したそうです。

1年前は、「わからない、わからない」と考えるのを避けていたたAくんですが、問題の一つひとつを手で操作しながら考えられるよう工夫してあげると、ちょっとずつですがねばり強く取り組むようになってきました。

Aくん、合格おめでとう♪

 

ブロック講座でいちごの宝箱の作り方を教えていた時のこと。

4歳のAくんが、貝殻や宝石の形のキラキラグッズを作ったばかりの宝箱に、あふれるほど詰め込んでフタを閉めようとしました。

ところが、フタは宝箱の内側にはめこむように作ってあったので閉まりません。

それを見たAくんのおばあちゃんが、「中に入れ過ぎているから閉まらないのよ。中に入れているのを少し出しなさい」とアドバイスしていました。

Aくんは、ひとつも取り出したくないほど、「宝をいっぱい入れたい」という気持ちが強かったようで聞きいれません。

そこでわたしは、Aくんといっしょに、「せっかく入れた宝をひとつも捨てないで、同時にフタがきちんと閉まるようにする方法」を考えてみることにしました。

 

「いちごの箱がもう数段高くなるようにブロックを重ねると、フタがきちんと閉まるようになった」という解決法というほどものではなく小さな小さな工夫ですが、こうした対応が、Aくんたち子どもに与える影響は大きいです。

普段の生活上のあれこれを学ぶ時や解答のある問題を考える時は、「中に入れ過ぎているから閉まらないのよ。中に入れているのを少し出しなさい」のように、

うまくいかない原因を知って正しい対処法を学ぶのはいいことです。

ただ少し間を作って、子どもが自分で理由に気づいたり、それを言葉にして問題を解決するのを待ってあげるともっといいでしょうが……。

 

ただ、ブロックや工作や自由遊びの場で、「こういう風にしたい!」という自分の中の願いや意志のせいでうまくいかないことにぶつかった時は、

「こういう風にしたい!」という願いや意志自体を帳消しにして、従来のやり方に従うばかりでは、子どもが頭を使う範囲が狭くなってしまうと感じています。

 

大人があるねらいで作ってあげたもので、子どもが突拍子のない遊び方をした時、今度は、その突拍子のなさを活かしつつ、最初のねらいを実現する方法をいっしょに考えてあげると、子どもは考える作業に主体的に参加するようになっていきます。

そんな風に接していると、子どもの中に生じたいたずら心もこうやりたいという欲望も、まだ答えのない未知の答えを探しにアイデアを練っていく動機になります。

 

同じ日にこんなことがありました。

2歳のBくんに上の穴からビー玉を入れて、横から差し込んだ棒を引き抜くと、ビー玉が落ちて行くというおもちゃを作ってあげました。

が、Bくんはビ-玉が落ちていくことには関心がなく、ビー玉を入れる穴にブロックの棒を差し込みたがっていました。

その後、わたしがひもを使って押したブロックがピョコンと飛び出すしかけやゴムを使ったおもちゃの作り方などを紹介していると、Bくんのお父さんが、それらを改良してこんな面白いおもちゃを作っていました。

 

真ん中のボタン(出っ張っているブロック)を押すと、「へぇ~ボタン」のように、心地よくポンポン押すとへっこんでは元に戻るのです。

 

ボタンの下に輪ゴムがしかけてあります。

 

ブロック講座で仕入れたアイデアを下地にして、Bくんの「上部の穴から押しこみたい」という思いを大事にしてあげている面白い作品だな、と感心しました。


100円ショップのスパンコールで簡単工作

2016-10-06 06:54:55 | 工作 ワークショップ

実験が大好きな年長のAちゃんと年中のBちゃん。

教室に来るたびに「実験!実験!今日は実験がしたい!」といいます。

「前回も前々回も、実験とゲームをしたら算数の時間がきちゃったから今回は工作もしようよ」と持ちかけて、鳥の羽根を使った『レントゲン』を作りました。

ついでに100円ショップのハローウィンコーナーで手に入れたスパンコール類を使って、何か作ることにしました。

 

「スパンコールかわいいね。何が作りたい?」とたずねると、「劇場が作りたい」とAちゃん。

実験好きのふたりなので、作りながらあれこれ実験を試みることができる影絵劇場の作り方の基本を教えることにしました。

 

スパンコールのサイズが小さいので通常の画用紙を折って4分割したものを2枚使います。

 

4分割した紙2枚をそれぞれ半分に折ります。

1枚は、上の写真のように山折りした部分が残るようにコの字型に切ります。

 

2枚の紙を貼り合わせると、こんなポップアップ劇場ができます。

 

内側に折って折りたためます。

おばけがつらせるように、透明の釣り糸(テグス)を天井部分に橋をかけるように貼りました。

 

スパンコールをつらしたり、床面に貼ったりするとかわいい影絵劇場ができました。

 

小さい化粧ボトルにせんたく糊と水と食紅と透明ビーズを入れて光の色を変えるボトルを作りました。

すると、Aちゃんがそのボトルを使って面白いことを発見しました。

角度を調整しながらボトルの曲線に光を当てると劇場の幕が開いたり閉じたりするように見えるのです。

とても神秘的で、本物の劇が始まるようです。

 

虫眼鏡のなかにおばけのように立っている黒猫。

 

ふたりが一番喜んだのはアルミテープ(折り紙の銀紙で十分です)をスパンコールの鏡の枠にはめたものに光を当てた瞬間です。

床においた鏡に向かって光をあてているのに、壁面に反射した光が映ってまるでシンデレラの物語の世界の魔法の鏡のように見えたからです。

 

コルトエクスプレスとドメモのゲーム。どちらも楽しく遊べました。

 

算数では、数カードを使った2ケタや3ケタの数作り、たし算とひき算を学びました。

AちゃんもBちゃんもとても算数が得意になってきています。


お父さんやお母さんに悪態をつきまくる子の心 6

2016-10-05 08:15:21 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

 Aちゃんがどうしてお父さんやお母さんに悪態をつくのかというと、ひとつに「何らか得があるから」という理由があります。

Aちゃんが大騒ぎするのは、たいてい勉強時間。

周囲の怒りをかう言葉をつらねたり、わめきちらしたりすると、「そんな言葉使っちゃいけません」「どうしてそういうこと言うの?」と注意されたり叱られたりすることになります。

すると、一時的なものとはいえ、「勉強が難しくてわからない」という悩みや「わたしはできない子」という自信のなさや

「できないかもしれない」という不安感はどこかへ消えてしまいます。

代わりにお母さんの注意を集められるし、悪い言葉を吐いていると自分の強さを感じるので、Aちゃんにするとそのまま勉強を続けるより、ずっといきいきした高揚感を得られることになります。

学習にともなう不快感から逃れるために困った態度を身に着けていた子は、Aちゃん以外にも何人かいます。

1年生の自閉症スペクトラムのBくんは、学習場面になると、心ここにあらずの状態になって、目の焦点があわなくなって、

視線を宙にただよわせたまま何を問いかけても聞こえないようにふるまいます。

お菓子が大好きなので、そんな時もお菓子の話題を耳にすると急にしゃんと姿勢を正して受け答えします。

また別の年長の自閉症スペクトラムの男の子は、他の子といっしょに活動する時間や学習時間になると、静かに集団の場を離れて、ごろっと横になって呼んでも聞こえないようにふるまっていました。

これといったハンディーキャップはないものの、苦手を前にすると、年齢よりずっと幼い(イヤイヤ期の)子のような態度になって、耳をふさいで、泣きわめく1年生の女の子もいます。

そんなふうに嫌なことから逃げるために困った態度を身に着けてしまった子たちも、潜在的には、

成長しよう、自立していこう、できるようになりたい、自分に自信を持ちたい、もっと褒められたい、がんばりたい、親や友だちに認められたい、いいことで注目されたい、という思いの種を持っています。

また、最初の記事でも書いたように、ていねいにつきあっていると、そうした子たちは純粋で心が優しい一面や突出した才能などを持っていることに気づきます。

周囲が、そういった良い面にスポットライトをあてて、子どもの心が自立や成長に向けて歩みだしたときには、それがどんなに小さな芽でも認めて大切にしていくと、

最初は注意していないと気づかないほどの変化があり、次第に同じ子とは思えないほど劇的に変容していく姿があります。


抽象語の理解とワーキングメモリーの弱さが気になる子のための算数の支援

2016-10-04 20:42:14 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

 年中のAくんは、発達にゆっくりした面のある男の子です。

何か指示されると、言われたことを耳で保っておくことができず、考える作業を抜きにして、「わかんない」と言うことがよくあります。

また、ことばの抽象的な理解が進まないことも、Aくんの「わからない」と言い張る癖に拍車をかけています。

 

Aくんのお母さんは、小学校に入ってから授業についていけなくなるのではないかと気にかけて、お家で簡単なワークなどに取り組ませているそうです。

でも、問題を読んであげると、「わからない」と返ってくるので、「これは、こういう意味で、こうやって、こうやって」と手を変え品を変えて解説してようやく理解に至るというお話でした。

Aくんの語彙力やワーキングメモリーの問題を思うと、Aくんのお母さんが今から少しずつワークなどに取り組ませていることはわたしも賛成でした。

が、Aくんのお母さんの解説の仕方は、少し改善する必要を感じました。

というのも、Aくんが「わからない」といった時点で、「こういうふうに解くのよ」「こういうふうにするのよ」とやり方を教え込む形で関わっているため、

Aくんの持っている「ワーキングメモリーの弱さをどのように補ったらいいか?」と「抽象的な言葉の理解力をどうやって高めるか?」という二つ問題が、何の手立ても打たれないままになってしまうからです。

 

(最レベ1年生)

 

そこで、わたしは、Aくんが普段しているものより少し難しいワークの問題を使って、どのようにAくんに教えたらいいのかお母さんに学んでいただくことにしました。

 

「のりこさんは まえから 5ばんめです。」のところまで読んで、

「どういう意味かな?」とAくんにたずねました。

Aくんは開口一番、「わかんない」。

 

それまでお母さんは、「わかんない」と言われると、

「前からってことは、こっちが前でしょ。だから、前から5番目だから、こっちから、1、2、3、4、5と指で押さえて、この子がのりこさんでしょう?」

という具合に教えていたようです。

わたしは、こういう場合、最低限のヒント以外は与えません。

まず、もう一度、「のりこさんは まえから 5ばんめです。」と読んで

「まえからって、どういうことかな?」とたずねました。

「ここ」と前を指すAくん。

「それなら、のりこさんは まえから 5ばんめですっていうのは、どういう意味?」

すると、Aくんは、自分で前の子から、1,2,3と数えていって5番目の子を指しました。

「それは誰?」と聞くと、「わからない」と答えます。

「わからない時はどうするの?さっき、読んだところに名前があったね」と言うと、Aくんは、「の、り、こ……」とたどたどしく読み始め、わたしが読みを手伝ってあげると、5番目を指して、「のりこさん」と答えました。

そこで、続きの「のりこさんの うしろは よしこさんです」を読んで、どういう意味かたずねると、Aくんはのりこさんの後ろを指したまま、黙っていました。

「その子の名前は何というの?」とたずねると、「わからない」と言います。

「わからない時はどうするんだった?」「もう一度、読む」とAくん。

「そうよね。のりこさんの うしろは よしこさんです、って書いてある」

「わかった、よしこさん」とAくん。

 

Aくんと3並べゲームをしました。

相手は2歳になったばかりの妹さん。

ふたりはなかなかいい勝負でした。

Aくんは「たてかよこに3つ並べると勝ち」というルールはわかったものの、2つ並んでいて、あとひとつそれに続けて玉を置けばいい場合も、どうすればいいのかわかりません。

偶然、勝った時は、3つ並んだから勝ったということはわかっていて、並んだ玉を指さして、「やったー」とポーズを取るものの、

それなら、どこに玉を置けば3つ並ぶのか見当がつかなくて、でたらめにあちこち置いていきます。

 

妹ちゃんも、「順番に置く」ことと「根気よくゲームの進行につきあうこと」はできているものの、まだ幼いので、ルールがピンときていません。

Aくんは本気でがんばっているのですが、「3つ並べる」という目的のために、自分がどんな行動を取ったらいいのか、イメージすることが難しいようでした。

おかげで何となく参加させられているBちゃんと、真剣そのもののAくんがちょうどいい試合を展開していました。

理解してゲームをしているとは言い難いAくんですが、何度もそのゲームをやりたがっており、3つそろった場面では、何が起こっているのか察しているようだったので、

Aくんに、お家でも繰り返し取り組むとといいゲームだと思いました。

 

そこで簡単にゲーム盤作り。お家にあるおはじきで遊ぶそうです。

ゲーム後、Aくんが得意そうに、「ぼくは3回勝って、Bちゃん(妹)は1回だけ勝った」と繰り返すので、

「AくんとBちゃんは、どちらが何点勝ったの?」とたずねると、

「ぼくが勝った」とAくん。

「そう、Aくんが勝ったね。何点、Bちゃんより多く勝ったの?」と問いなおすと、

「ぼくで、3点」とAくん。

 

そこで、指で1と3を作り、重ねて、「いっしょ」の部分と、「おおい」部分を目で確かめられるようにした上で、

「Aくんくんは、何点、Bちゃんより多く勝ったの?」と問うと、何度も間違えた後で、少し神妙な顔をして指の「おおい」部分を見つめながら、

「ぼくが2点勝った」と正しい答えを言いました。

 

教室では『トパーズ』という計算ゲームが人気なのですが、今は販売されていないようなので、Aくんが持っているという『パレオン』というカードゲームを使ってトパーズ風に遊ぶことにしました。

場にでているカードと同じ色のカードを出していきます。

たてやよこにつながった★の数を自分の得点にします。

 

10点ごとにキャラクター人形と変えて遊びました。

遊んだ後で、「自分の得点は何点でしょう?」と数える時間が重要です。

上の写真は、10、20。30……31、32、33と数えて、33です。


お母さんたちに「教えないコツ」を教える 

2016-10-04 09:25:13 | 算数

小1年のグループレッスンの算数タイムでの話。次のような□が抜いてある式が書いてあるプリントを配っていました。

6 □ 3 □ 1 = 10

6 □ 3 □ 1  = 8

6 □ 3 □ 1  = 4

□のなかに、+か-を入れて、答えがあうようにする問題です。

 

「簡単そう」「おもしろそう」と飛びついて解いていく子らがいるなかで、☆ちゃんはどうして解いたらいいかわからなくて、「わからない~」ととまどっていました。

そこで、☆ちゃんのお母さんが☆ちゃんのそばにきて、答えを書き込む場所を指さしながら、ひとつひとつ解説して答えがわかるように誘導していました。

 

わたしが「☆ちゃんにこの問題を通して教えたいこと」と、「お母さんの教え方から☆ちゃんが学ぶであろうもの」が真逆ともいえるものだったので、

失礼とは思いながら、お母さんに教えるのを控えていただくようにしました。

 

☆ちゃんのお母さんは、「だとすると、(家でも)教えないようにしたらいいんでしょうか」と困惑した様子で質問しておられました。

 

確かにわたしは手取り足とり教えすぎるのはよくないと思っていますが、単純に自分でしなさいと突っぱねる形で、「教えない」わけではないのです。

外からは「教えていない」ように見えるときも、「教えない態度」のなかに、今この時間にこの子に学ばせたいと思っている(教えたい)ことはあるにはあります。

 

ただそれをその場で言葉で伝えることの難しさを感じもして、一度、記事のなかで、わたしが何を教えようとしていて、何を教えないようにしているのか、言葉にして整理してみることにしました。

 

わかりやすいように、自転車の乗り方を子どもに学ばせる過程を例に挙げて説明してみますね。

 

初めて自転車の乗り方を覚えようとする子の耳元で、「足をぐるぐる回して、右に曲がる時にはハンドルを右側に向けて、左に曲がる時はハンドルを左に向けるのよ」といった説明をたくさんしていると、

頭で考えれば考えるほど、前を見ることや手元への注意がお留守になってしょっちゅう転ぶようになるかもしれません。

さらにあれこれ言葉で教えようとすると、自転車にまたがること自体ビクビクするようになって、こぎだすことができないかもしれませんね。

 

わたしなら自転車に初めて乗る子に最初に学ばせたいと思うのは、次のことです。

 

◆ 何度か転びそうになるかもしれないけど、実際転んでみるとそんなに怖くないよ、ということ。

 

◆ 方法がわからない間も、何度かやってみると、身体でコツがつかめてくるということ。

 

◆ うまくいかないことや、わからないところがあった時、自分で気づいて言葉にしてみると、きちんと教えてもらえるということ。

 

算数の問題も先に言葉で教えておいて、絶対、転ばせないように、ミスさせないように、「わからない」と言って不安になることがないように大人が先まわりして言葉で

教え過ぎると、「失敗」や「わからない」いう経験にぶつかるたびにパニックを起こして、思考停止状態になって何も学べなくなってしまうのです。

 

上手な転び方を教えることは、勉強をしていく上でも大事なことだと思っているのです。 

 

ただ「教える」ことと、「教えない」けれど「教える」ことの違いの例を挙げますね。

 

上の写真は、教室にあるおもちゃのレジのボタンです。

右下の「¥」ボタンを押すと、レジの引き出しが飛び出てくる仕掛けになっています。

 

子どもが引き出しを開けたがって困っていると、「¥」ボタンを指しながら、「ここを押すのよ」とおっしゃる親御さんがいます。

そこで子どもが数字のボタンを押しかけると、「ちがうよ、こっちこっち。ほらこれを押すのよ」と誘導します。

 

こうした教え方をすると、子どもは大事なことを学び損ねてしまいます。

 

レジには16個のボタンがついています。

全て押していって「開くかな?」「開かないな」「開くかな?」とやっていくのは効率的じゃありません。

そうした効率的ではない遠回りをいとわないのが幼児とも言えます。

幼児が世界を知ろうとする方法は貪欲で、苦労を苦労とも思わない一面があるのです。

そうして、ひとつひとつ押してみて、「開かない」という事実も体験した上で、「開いた」ボタンにたどりついた時、(意味としては理解できていなくても)体感としては次のようなことを学習しているのです。

 

◆1本の指でひとつずつボタンを押していって確かめると、16通りの押し方がある。

 

◆「右から2番目の上から1番目」といった位置の感覚が目でわかる。

 

◆ 試行錯誤するのには、だいたいこれくらい時間がかかるというイメージ。

時間がかかっても根気よく取り組めば、解答にぶつかるし、達成感が味わえるということ。

 

ですから、同じ教えるにしても、レジのおもちゃの前で「どうやったら開くの?」と困った表情をしていたら、

「このボタンかな?」「こっちかな?」と1や2のボタンを押してみせて、後は子どもに任せるならいいですよね。

また、「あっ、これ開かないな。ということは、このボタンじゃないな」など大人の思考の過程をつぶやきにして、思考方法の型を学ばすのは大事です。

 

でも、ちがうボタンを押そうとするのを阻止するように、「それじゃなくて、こっちを押してごらん。ほらっ」と教えるのでは、

子どもに魚の釣り方を教えようとして、大人が勝手に釣ってしまって魚だけ手渡すのと同じになってしまいますよね。

 

小学3、4年生の子に出題した算数の文章題の一部です。

それぞれの人が1~4までの数字が書いてあるカードを4枚ずつ持っていて並べます。

同じところに同じ数字がそろうと、数字同士をかけて、そろわなければ数字同士を足して、合計得点を右に示しています。□の数を当てます。

 

この問題、科学クラブの3,4年生たちに出したところ、どの子も実験をする時の試行錯誤をする手順に慣れていたので、迷いつつですがしっかり解けていました。

 

こうした問題を解くには、いったん「間違いかもしれない」という数を置いてみて、誤った答えが出たという事実を足がかりに、

「30に近い数字が出たから、大きい数同士は合っているはず。小さい数字だけ入れ替えてみよう」

という予想を立てられる力がいります。

 

そのためには、ミスを恐れない勇気や、「間違いを足がかりにして正しい答えに近づいたことがある」という体験が必要です。

間違いを恐れて、「正しい答えがすぐに思いつかないなら大人に答えを教えてもらおう」とする受動的な態度が身についてしまった子には、このくらいのレベルからの問題が手に負えなくなってくるのです。

 

ですから、虹色教室の学習タイムでは、勉強には「先生の教えることをそのまま暗記して繰り返し練習して覚える学習」と、「失敗を気にせず、むしろ失敗することに誇りを持って、

そこから学びを引き出す学習」の二種類あって、どちらも大切なんだな、と気づくように「教える」と「教えない」のあり方のバランスを取っています。

子どもが小さなパニックに陥りつつも、それを乗り越えるまで見守るという過程にていねいに対応できるように少人数で学習させています。

ですから、そこでも擦りキズさえ負わせないような学習のさせ方をしていたのでは、あまり意味がないのです。

勉強でも怪我をしない程度の転ぶ体験はたくさん必要だと感じています。

具体的に言うと、数問のうち1問くらいは、「どうすればいいのかな、わからないな」と1分程度は頭を絞るくらいの体験をさせるということです。

また子どもが「わからない」といって困ったからといって大騒ぎせずに、「わからない問題は誰にでもあるのよ」とわからない問題にぶつかった時に冷静に対処する方法を教えてあげることです。

現在の教育の場では、子どもが必ず時間内にわかるように考えなくても解ける問題ばかり出題して、少しでも頭を絞る時間があると大騒ぎして子どもに即座に答えられない子は、

頭が悪い子だと思いこませるような対応をしているのをよく見かけます。

 

極端にミスを恐れる子は、ちょっとミスしたくらいで動じない大らかさが身に着くように、教えるのを控えてサポートしています。

お母さんが1問1問、その時間内に正解しているかどうかを気にしすぎると、子どもは正解にこだわるあまり、自分の頭では理由を考えずに、大人が教えた解答を丸暗記して答えるようになってます。

すると3年生くらいまではよい成績を保てても、それ以降の思考力を問われる問題でつまずくので注意が必要です。