虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

忍者修業 と大阪城めぐりのまとめ

2017-10-22 19:18:56 | 記事のまとめ(リンク)

大阪城内めぐり中、刻印石広場で忍者修業。

術は、『乱太郎の忍者の世界』尼子騒兵衛 文絵  朝日新聞社 を参考にしました。

乱太郎……とありますが、内容はきちんとしたものです。

『かたたがえ退き』

曲がり角を曲がったとたん、その場で壁にはりついて、

追手をやりすごす。敵が行きすぎたら、元の方向へ逃げる。

 年長のAくんが、『かたたがえのき』を実践中。

敵は曲がって行ってしまわずに、かくれんぼの流れになってしまうことが難点。

『隠れみのの術』

荷物などの中に隠れて敵方へ潜入したり、逃れたり

する方法。

2歳のBくんとと小4のCちゃんでで仲良く『隠れみのの術』で荷物に

化けています。が、近くを通ると、Bくんの声が……。

Bくん、橋にタッチ。

『逢犬の術』

敵の家に忍び込む際、犬がいたら、ほえられないように

逢犬の術で対処。 

★ エサをやって手なずける。

★ 毒エサ。

★ 合う犬の術(メス犬にはオス犬。オス犬にはメス犬をつれていって

気をそらせる。

2歳のBくんとと小4のCちゃんペアで『逢犬の術』の犬役に名乗りをあげてくれたのですが、

ただお菓子をもらって食べるだけで終わってしまいました。いまいち、わかりにくい術……?

 『観音隠れ』

敵に背を向け、壁などにピッタリはりついて

動かず、耳で敵の気配を感じる隠れ方。

闇夜にはあう術ですが、昼日中に観音隠れをしているAくんは、

バレバレでした。

『ウズラ隠れ』

草むらなどにうずくまり、石のように動かず、敵をやりすごします。

繁みに潜るのはとても面白かった様子。

でも、お尻に泥がついた子も……。

 

『キツネ走り』

つま先だけで一直線に走る、キツネのような走り方。

キツネは肩はばふが狭いので、足あとが一直線になるそうです。

この走り方で後から来る人が前の人の脚あとをたどると、

敵はこちらに何人いるかわかりません。

 

『タヌキ退き』

逃げるとき、敵か背後にせまったら

急にその場でうずくまり、勢いのついている敵が

ぶつかって倒れたすきに、逆方向に逃げます。


移動中、2歳のEくんが突然うずくまったため、後ろから来た

年中のお兄ちゃんFくんが転びそうになりました。

「あっ、タヌキ退き!」の声があがりました。

↑歴史博物館の考古学研究所のカメラをのぞくと、発掘中の穴に

お風呂にでも入るように収まっているEくんの姿が!!

 

『合いことば』

合言葉はたくさんあって、一日に何度も変えることが

あったそうです。

月ー日 山ー森 谷ー水 山ー波 花ー実 など。

刻印石広場の石の陰に隠れて、合言葉を言い合って

遊びました。合言葉が違って

敵だとわかった瞬間、大爆笑。ただの覚え忘れかもしれませんが。

 

『忍びのいろは』

2つの漢字を組み合わせた◆を、いろは48文字にあてはめた暗号。

秘密の手紙を書いたといわれているそうです。

 小2のGちゃんから小2のHちゃんへ忍びの手紙。

解読したい方は、忍びのいろはを参照してください。

1569年、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスにより信長に献上された

コンペイトウを忠実に復元したお菓子。

Iくんのお母さんからいただいたので、大阪城内でみんなで食べました。

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「大阪城めぐりの準備」


ゴールデンウィークに予定している『大阪城めぐり』。

小学生の子たちに企画と準備をゆだねています。

 

上の写真は、大判小判を作っているところです。

純金50パーセント、不純物50パーセントの大判とか、

純金量75パーセントの『天正長大判』など、

注文に応じて、金と不純物(ビー玉)を混ぜて、熱して溶かして、平たくして

大判小判を作る真似。

参加しているのは、まだ割合を学んだことがない子らですが、

こうした大判小判を作る遊びを通してだと、ちゃんとパーセントについて理解して

遊んでいました。

小学生主催の『大阪城めぐり』は、それぞれの子の「ここ気になる」「これが好き」「ここが見たい」

「これ面白い」「ここをみんなに教えたい」をクローズアップしながら、

大阪城内を探検しようという企画。

 

新小3のAくん。

大阪城の紙の模型のはじっこにある小さい家のようなものを指して、

「これ何?」とたずねていました。

「何なのか、調査しにいくのを企画に盛り込もうか?」と言うと、

「そうしたい」とのこと。

「ブロックで大阪城を作りたい」と言っていたAくんは、何と大阪城内に入る手前のスペースと

この小さな小屋のようなもの(○○でしょうけど)を作って、「完成」とのこと。

「えっ、大阪城は?」と突っ込みたくなったけれど、

有名な石垣でも、豪華な天守閣でもなく、

こういう部分に注目するところが子どもならではで面白いなと感じました。

戦国時代の人々と水の関係について、「飲み水は井戸以外を利用することがあったのか」や

「城内には他にも井戸があるのか」など調べてみたい気もしました。

 

アクセサリー作りが好きなBちゃん。きれいな着物や兜の制作をしたがるかと思いきや、今回は、「渡ろうとすると、パタンと上がって

渡れなくなる橋が作りたい」とのこと。

普段のアクセサリー作りの業を駆使して、

切ったストローを橋の板代わりに貼りつけていってます。

几帳面なBちゃん。石垣はピンセットで貼っていきました。

 

 

敵が現れるとこの通り。

こうした防御の模型の他に、(他の日ですが)攻める戦法の模型を作っていた子らもいます。

『もぐら攻め』土を掘って、下から攻める戦法です。

天守閣の各階ごとの見どころパンフレット作り。

 

 

教室に置いている『豊臣秀吉』の学習マンガ

夢中になって読みだしたBちゃん。

天守閣の中には、豊臣秀吉の生涯をわかりやすく紹介してくれるコーナーがたくさんあるので、

こうして事前にマンガで豊臣秀吉について知っておくと、『大阪城めぐり』の日も、

興味をそそられるものがたくさんあるのではないかと思いました。

『天下をめざせ!戦国合戦パノラマ大図鑑』という本を購入したところ、

男の子たちに大人気です。

それが、なぜか豊臣秀吉でも徳川家康でもなく

「石田三成が戦った合戦が見たい!」と言う子がいるので、

理由をたずねると、「妖怪ウォッチに石田三成が出てたから」とのこと。

その後も、教室に来る大半の子は、「妖怪ウォッチに石田三成が出ていた!」と言い、

子どもたちの間で石田三成が歴史上の人物でダントツの人気になっています。

『関ヶ原の合戦すごろく』を見ても、すぐに石田家の家紋に気づく子どもたち。

徳川家の家紋は、おまんじゅうの模様扱い。

それにしても、関ヶ原の合戦では、石田家の旗、元気ないですね。

大阪城めぐりの日、子どもたちが見たがっているもののひとつは、城の出入り口付近にある『巨石』です。

『わくわく城めぐり』という本のこんな解説を読んであげると、

ゲラゲラ笑いだす子、「見たい見たい」と身を乗り出す子、「どうやって運んだの?」と

疑問を口にする子など、いろいろです。

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第一位の巨石が、桜門桝形にあるタコ石。

「わぁ、大きい!こんな巨石、いったいどうやって運んだの!?」

と無邪気に感動してしまいますが、巨石に限って驚くほど薄っぺらかったりします。

横に寝かせればそんなに苦労せずに運べそう…。

やることがキュートすぎ。

『わくわく城めぐり』萩原さちこ 山と渓谷社

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子どもたちは、現場でどれだけ薄いのか確かめたい模様。

 

巨石を運ぶ時、石の下に丸太を置いて転がしたり、

海藻を使ってぬるぬるさせて滑らせたり、

舟の下にくくりつけて運んだりしたそう。

楊枝の上をひもをつけた石を引っぱっりながら、

後ろの楊枝を手前に置いていくと、子どもたちが大喜び。

どんなことも実際にやってみると面白いですね。

 

図鑑や教材を作るのが大好きな新小3のBちゃん、Cちゃん。

学習漫画を参考にしながら

豊臣秀吉の生涯を紹介するパンフレット作りをしていました。

 

 

「先生、この本、何年に生まれたかは書いてるけど、生まれた日が書いてないよ。

豊臣秀吉が生まれたのっていつ?」とたずねるので、

 パソコンで、「豊臣秀吉 生まれた日」で検索させることにしました。
 

すると、

天文5年(1536年)1月1日
天文5年(1536年)6月15日
天文6年(1537年)2月6日 の3通りの説があることがわかりました。

この子たち、以前、<月はこうしてできた>という4通りの仮説を

光のショーの形で演じた( 「見えない世界」の栄養 5)ことがあったので、

「漫画の本に誕生日が載ってないと思ったら、実は、3通りの仮説があった」という

状況がすごく心に響いたようで、

「1月1日に生まれたなんて怪しすぎる」等の話題で盛り上がっていました。

 

 

今回も純金と不純物を混ぜて、天正大判作り。

子どもたちの知恵で、ビー玉も金塊もひとつが5gという設定で、純金75%の割合を調整していました。

今回の企画と準備には、お城マニア、歴史マニア、最近は世界史も大好きになったという

新1年のEちゃんが参加してくれました。お城への熱い思いが伝わってきました。

 

女の子たちにとっても人気がある黄金の茶室。

天守閣の3階で見ることができるそうです。

茶室の小物を作っていたDちゃんが、

「どうしても写真みたいな形にならない」と苦戦していた金の台子。

これを完成させるのに何度もやりなおしたため

小一時間かかっていました。

 

Dちゃんの努力と時間を無駄にできない……とばかりに、

みんなで立方体の描き方を学習しました。

工作好きの子らは驚くほど上手にサラサラ描くのにびっくりしました。

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 戦国時代の『天正長大判』は、現存する金貨としては

世界最大です。

縦 約17㎝、横 約10㎝ の

当時のサイズ通りに『天正長大判』を作りました。

 

下の小さいコインは、直径、約17㎜ の 『太閣円歩金』です。

 

右のオレンジ色の長い紙は、

検地のものさしであった『検地尺』です。

1尺は、約30.3㎝(×と×の間)です。

 

図鑑で見るのと、実物と同じ大きさのものを手に取るのは大違いです。

大きさに驚いたり、小ささに感動したり……。

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3年生と4年生の子らのレッスンで、『大阪城めぐり』の話を持ちかけたら、

「え~!!」というブーイング……!「自分たちでやること決めたい」とのこと。

 

「たまには、決まったテーマでやろうよ」という説得にしぶしぶ応じた

にも関わらず……

「ミニチュア好き」というこのグループの好みに合わせて、

歴史絵本を見ながら大阪城ができた戦国時代の城作りの様子をミニチュアを使って再現することにすると、

これまでにないほどの大盛り上がりでした。

 

教室のミニチュア人形(50体100円で買ったもの)に、かさをかぶせたり、衣装を着せたり、

仕事用の小物をこしらえたりしました。

たださらっと絵本を見るのではなくて、

作って再現するとなると、「ふんどしを締めてる!」とか、

「半分裸になって仕事している」とか、大騒ぎする材料がたくさんあった模様。

笑い過ぎて、息も絶え絶えの子どもたち。

 戦国時代の城作りは、エジプトのピラミッド作りの様子と似ているところがたくさんあります。

丸太をたくさん並べて、重い荷物をひもで引っ張って運んでいたり、

石をどんどん積み上げていったり……。

作りながら、たくさんの発見がありました。

 

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 算数レッスンでは、和差算と時計算を学びました。

ふたつの数がある時、「どちらも同じ」か、「どちらかが多いか」の

どっちかですよね。

 

「どちらも同じ」の場合、「和が、100」といえば、

「それぞれ50」とすぐわかります。

「どちらかが多い」時、「差が、20」というと、

「どちらも同じ」より20多いということで、「どちらも同じ」の数がわかります。

 

そうした和と差の関係を、目で見て直観的にわかるようになってから

線分図を学ぶと、理解が進みます。

 

写真は、ピッケのつくる絵本で物語を作るのが大好きなAくんの

『大阪城のパンフレット』の一部。

先日、ドラマで勝新太郎が演じる姿を見て以来、

豊臣秀吉の大ファンになったのだとか。

 

 


「質のいい保育は、子どもの人生を変える」という言葉 3

2017-10-20 21:10:22 | 幼児教育の基本

(↑小2のAくんが作ったビーバーの巣です)

 

保育の質の研究で、

 

授業や課題活動の中で

保育者から与えられた知識から学ぶ「授業中心」カリキュラムと、

 

遊びの中での人とのかかわりの中で子ども自身が学ぶ

「遊び中心」カリキュラム



の研究では、授業中心のカリキュラムで社会性の発達に

多くの問題がみられました。

知的な発達についての両者のカリキュラムの差はまったくなくて、

暴力や万引き・薬物使用など反社会的行動の回数は

「授業中心」カリキュラムの子どもたちが、他の二倍以上と

非常に多かったのです。

 

社会性の発達にそれほど大きな差が出た理由は、

授業中心のカリキュラムでは、保育者から、

人との関わりを学ぶうえで必要な援助をあたえていないため、

そうした対人関係能力が獲得できななかったのではないか、

あるいは、「授業」中心保育では

「子どもが大人から指示を受け続け、子どもの自発性の発揮が

いたずらや失敗として扱われることが多くなり、

自己の自発的な能力発揮についての罪悪感」をもたらし、

自ら積極的にかかわろうとする意欲や好奇心が育たなかった

のではないかと述べられています。

 

『保育の質を高める』で取りあげられていた、

ガーランドとホワイトのロンドンの保育園の運営と実践の比較と

分析によると、

保育園によって保育者と子どもとの会話の基本的な

スタイルが異なっていたそうです。

園によって、まったく対照的な会話が日々繰り返されるので、

その中で展開される子どもの充実感、積極性、他者への基本的な

信頼感などに大きなちがいがでることが予想される、とありました。

 

ガーランドらは、保育園を単位として、

保育者と子どもの関係を

「肯定的な関係」「否定的な関係」と名付けて、

基本的な子どもの見方や子どもの行動理解の仕方をもったものと結論しています。

 ガーランドらによると、保育者と子どもの関係の性質が、

子どもの発達に決定的な重要性をもっている、とのことです。

 

★ 活動を開始・選択するのは誰?

 <肯定的な保育者と子どもの関係>

子どもたちは、何を、いつ、どのように誰と遊ぶかを自分で選んで、

一日の大半を過ごしている。


<否定的な保育者と子どもの関係>

一日の大半の時間は、大人が決定した活動で構成され、

大人が活動を開始し、コントロールしている。

 

★ 子どもの製作物の展示方法

<肯定的な保育者と子どもの関係>

子どもの作品は自己表現として評価されており、

そのためたくさんの作品が壁に飾ってある。


<否定的な保育者と子どもの関係>

子どもの作品は、おとなの基準にどれだけ近づいたかで

評価されており、そのための少数の「模範」が飾ってある。

 

 

★ 子どもの問題行動の保育者によるコントロール方法

<肯定的な保育者と子どもの関係>

子どものもつ内的な自己統制力を信頼した対話型のスタイル。

(対話と合意にもとづいて、個別的に、大人への注意と変わらない口調で

話をする)

 

<否定的な保育者と子どもの関係>

子どもの内的自己と自己統制力に信をおかず、子どもへの

命令・避難・物理的強制など外的な手段に訴える対決型の

スタイル(大きな声で、はじめからトラブルを予想したイライラした口調)


 

★ おしゃべりや悪口への対応 

<肯定的な保育者と子どもの関係>

クラスの中での子どもたちの会話が多く、うるさい。対立や敵意の

感情の表現が許されている。

 

<否定的な保育者と子どもの関係>

静かにさせようとする保育者の試みが

頻繁になされる。子どもの間の敵意の表現が

ただちに抑えられる。

 

 

★ おしゃべりや悪口への対応

<肯定的な保育者と子どもの関係>

身のまわりの世話をするとき以外にも、大人から子どもへの(愛情

表現や慰めの)身体的なふれあい行動がみられる。

 

<否定的な保育者と子どもの関係>

身の回りの世話以外には、身体的なふれあい行動はほとんど見られない。

 

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保育の質は、子どもの発達にこれほど大きな影響を及ぼすもの

であることが指摘されているのに、日本では

保育園の側も保護者の側も

保育の質について真剣に話し合われることがほとんどありません。

 

 『保育の質を高める』の中で、大宮勇雄先生は、

保育の質とは、「プロセスの質」(子どもたちの日々の

保育園生活の中での経験の質)のことであり、

あくまでも、「顧客満足度」によって評価されるものではない

と強調しています。

 

でも、日本の保育の現場は、顧客・消費者にとっても

「満足度」が重要で、サービス提供者にとって購入意欲を左右する

「人気」や「満足度」ばかりが注目されているようです。

 

大宮勇雄先生は、

保育の質を顧客満足度で測ることの

最大の問題点は、

社会全体の利益としての「すべての子どもたちの発達」保障という

課題意識ははるか後景に退かざるえない点にある

と述べています。


市場主義は、「子どもの発達への権利」という視点を
欠落させたものといえます。
 
 

 


忍者が大好き♪

2017-10-19 22:24:13 | 記事のまとめ(リンク)

忍者好きの子たちとした活動の様子(過去記事です)

をいくつかアップすることにしました。

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『ブロックで忍者屋敷』

年中のAくんと年長のBくんといっしょに忍者屋敷を作りました。

(AくんとBくんのお母さんたちにも手伝っていただきました。)

 

武家屋敷のからくりの一つです。

途中までしか階段がないので落ちてしまう危険な廊下。

下にはとがった竹が……!

 

手前の黄色い部分は『刀かくし』です。

 

『刀かくし』の床をめくると、刀が隠してあります。

 

『どんでん返し』です。

 

Bくんはブロック制作や工作がとても得意な子です。

天井から降りてくる梯子を作っています。

 

一休さんやきっちょむさんのとんち話が大好きなAくん。

忍者の逃げ方や隠れ方の知恵にとても興味を持っていました。

↑は、『水とんの術』水中に隠れて、そのまま逃げます。

 

他に『木とんの術』や

『火とんの術』なども再現して遊びました。

 

手裏剣を折っているBくん。

 

何を作ろうかと『忍術・手品のひみつ』を熱心に見ていたBくんは、

忍者の剣に目をとめました。

ブロック人形に剣を持たせるのでは物足りなかった様子です。

割り箸をつないで、自分用の剣を作っていました。

 

バッチリ決まっていますね。

 

『おしいれ』という板を押すと地下道への

入口が開くからくりです。

 

字を書くのがブームのBくん。

 

算数タイムに推理ゲームをしました。

 

 トランプや手を使った計算遊びも面白かったです。

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『忍者屋敷のどんでん返し』

 

 NHKの大河ドラマの『真田丸』。

子どもたちにも人気があるみたいですね。

教室で大阪城に出かけて以来、歴史に興味を持つようになった子がたくさんいます。

新年中~新年長の子らのレッスンで、(新小3のお姉ちゃんも参加)

忍者屋敷のどんでん返しを作ることになりました。

「大きくて自分たちが通れるのがいい」と言うので、ちょうど

サイズの大きいダンボールをいただいたところなので、子どもたちと

どんでん返し作りにチャレンジすることにしました。

自分たちの身体のサイズに合わせて、とびらの四角を切り抜いて、

とびらを半分に分けた位置に伸びるポールを貼ります。

回転とびらの横の長さの半分の位置にしるしをつけているところです。

ものさしを使わず、ポリひもを使って半分の位置を測ったのが印象的だったようです。

「( ポリきもを)半分に折ればいいのか!」と感動の声。

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前回の記事で紹介した『マイコー雑記』というブログの

「STEM分野での活躍に繋がる空間認識力は工作など『組み立て体験』を通して高められる」を示す研究まとめ

という記事で、こんな話題が紹介されていました。

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ある調査では、科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学 の分野で高い成果を収めた人々は、

平均的なアメリカ人よりも、実践的なクラフトや趣味についての広範囲な体験を持っているとのこと。

例えば、木工、メカニックス、電子機器を用いた活動など。

一生を通してこうした活動に従事する人は、

特許を認可されるような発明品を生み出す傾向にある、とのこと。

 

「子どもたちのモノづくりの体験を、これからも応援していきたい」と強く思いました。

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前回の続きは、近いうちに書きますね。

どんどん溜まってくる写真を、とりあえずアップしていきます。

 

年長さんの★くんが作っていた『忍者屋敷』です。

板をスライドすると……床が抜けて……

 

この通りまっさかさま。

何の変哲もない松の木は、くるっと回転させると……。

忍者が潜んでいました。

くるっと回転させる仕組みは、線路の切り替え用の回転部分を利用しています。

 

製作時間が終わる頃に空中を滑り降りる忍者が作りたくなった★くん。

試行錯誤の末、空中移動が成功しました。

忍者屋敷にはさまざまな隙間や穴に忍者が隠れています。

★くんとお父さんのふたりで

断面図を推理する問題にチャレンジしてもらいました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー『女の子の忍者屋敷作り』

物作りが好きでたまらない小1のAちゃん。今回、何がしたいのかたずねると、

「忍者屋敷が作りたい」とのことでした。

Aちゃんには、屋敷の家部分にあたる基本の形の作り方を学んでもらいました。

100円ショップのスパンコールで簡単工作

の舞台に似た作り方ですが、今回は同じ高さの形を量産するため、

紙の折り方を工夫しました。

Aちゃんは工作慣れした子なので、基本の作り方をどんどん発展させて

自分なりの世界を広げていました。

 

形を作り出す折り方に強い関心を寄せて、

「同じサイズの長方形2枚を重ねて、3対1くらいの比率で折ってから

一方をひっくり返して貼りあわせると長方形の筒の形になること」や、

同じサイズの左右対称な台形4枚を貼り合わせるとお城の石垣の形になること」などに

心から感動していました。

(↑写真の右上に小さく映っているのが、長方形2枚をひっくり返したときの様子です)

 

感動したときのAちゃんの口癖は、

「すごい!すごい!家に帰ってから、もう一回全部自分でやってみたい。もう一回、最初から全部自分で作りなおしてみたい」です。

 

 

Aちゃんの畳はタイル風でした。

スパンコールのカギと星で忍者の武器ができました。

 

算数が得意なAちゃんは、最レベ1年生の問題は、最後の算術特訓の問題以外は、

最高レベルのものもすべて簡単だったという話でした。

でも、算術特訓にあった集合の問題では混乱しているようでした。

そこで、「16人子どもがいる」という前提を頭に入れたうえで、

えんぴつをもらった14人の子を白丸でかきだし、

えんぴつもけしごむも両方もらった10人の子を黒丸でかきだしでから、

「14+10=24 子どもは全部で24人であっているかな?」とたずねました。

「それはおかしい!だって、子どもは全部で16人。」

「そうよね。ねこが好きな人?ってたずねて、Aちゃんが手をあげて、犬が好きな人?ってたずねてもAちゃんが手をあげたら、

1,2、2人だなってカウントすると変よね」

そんな話をしながら

どんな風にこの問題を整理したら正しい答えが出るのか、

いろいろ試してみながら話しあいました。

Aちゃんは集合の問題に興味がわいたようです。しっかり理解して解いていました。

「三角形の3つの角を切り取ってあわせると180度になる」ことを利用した手品を披露して遊んでいたら、

Aちゃんが四角形で試したがりました。

Aちゃんの予測は、「丸になる(360度のことのようです)」そうです。

正解。

わたしが「、四角形の4つの角をたすと、360度になるのよ。」と話すと、

Aちゃんは傍らにあった電卓に何かを打ち込んでから、「やっぱり、360度になった!」とうれしそうな声をあげました。

「360度というのは、三角形の3つの角の合計の180度を2回たしたものじゃないか」と

思ったそうなのです。

 

確かに折り紙で見ると、半分までの円にあたる形が180度なら

丸いかたちが360度だというなら、それをふたつたすと360度になるんじゃないか」と予測するのもわかります。

Aちゃんは物作りを通して、実際目にしているものを使って

さまざまな視点から物を考える習慣が身についている子です。

 

 


「質のいい保育は、子どもの人生を変える」という言葉 2

2017-10-17 19:48:56 | 幼児教育の基本

 

アメリカの『幼児期に質のよい保育を受けたかどうかが

子どもの将来にどのような影響を及ぼすか』の研究で、

わずか1~2年間の半日保育で、しかも保育を経験してから

15年以上もの年月が経過しているにもかかわらず、青年期に直面する

社会的自立の課題の達成度を示すほとんどの項目で、

大きな違いがみられることがわかりました。

 

このような研究結果によって、「質のいい保育は子どもの人生を変える」こと

が明らかになったそうです。

そうして生まれた保育の質研究で、アメリカのある研究者は、

「最近、各州の保育行政当局がペリー・プリスクール

(保育者一人あたりの受け持ち人数は6人で、資格と意欲を兼ね備えた保育者と、

それをバックアップする研究者など、保育を科学的に実践し支援する体制が

充実していた)の再現を目指しながら、

他方では、低劣な保育条件

(教師一人当たりの受け持ち人数が二十人を上回るような条件)で

保育しているところがいまだにあるのは

驚くべきことである。それは、子どもたちにとって利益のない、

たんなる託児というべきものであり、むしろ一つの損失とも

いうべきものである。」と語っています。

 

この「子どもたちにとって利益のない」「一つの損失」

とまで指摘されている

保育者一人あたり3、4歳児20人というのは、

現在の日本の幼稚園・保育所の基準よりも「好条件」でもあります。

つまり日本の保育現場は、低劣な保育条件と批判されているものより

ひどい設定条件となっているということです。

 

それはいかに日本では、幼児期の子どもの保育の質について

無頓着であったのか、気づかされます。

 

日本の園では、敏感さや内向性、発達の凹凸、母子分離の難しさなど

さまざまな理由で、集団になじめない子に対して、ないじめないことを

問題し、子ども側の態度を改善していこうとする働きかけが主となっています。

 

でも、考えてみたら、

二十人というのは、保育への投資を「損失」に変えてしまうような

「質の低い保育」に結びつきやすいことは、欧米の「保育の質」

研究によってすでに明らかにされている

のにも関わらず、日本で、それ以上に質の悪い保育があたり前となっている

ことを思うと……

また、「保育の質」とはどのようなものか、

間違った認識が広がっているため、小人数保育の場もまた

質が非常に悪いものになっていることを考えると……

 

子どもが集団になじめない状態にあるなら、

子どもを変えることばかり考えるのではなくて、

まず保育の質、保育者のあり方、環境などについて

見直していく必要があるのではないか、と感じました。

 

まず、劣悪な環境かどうかを調べるする機能くらいは

あってもいいと思うのですが……。

 

次回に続きます。

 

 


ちりめんモンスターの水族館

2017-10-15 09:06:58 | 理科 科学クラブ

 

海老を食べている最中の魚を発見!!

 

 

 

小2の女の子たちのグループレッスンで、

ちりめんじゃこの中に混ざっているタコやエビ、他の魚類などを探し出して、

水族館を作りました。

スーパー等で売っているちりめんじゃこはよく選別されていて、

こうしたチリメン以外の魚介類があまり見つからないので、

http://www.kanejo.com/tirimon/tirimon.html

の会社で、ちりめんモンスター探し専用のちりめんを購入しました。

 

虫眼鏡を覗くと、不思議な世界が広がっています。

 

 

算数の学習では、大きな数の目盛りを読む練習と算数の文章題を解きました。

苦手があるとお聞きしていたのですが、どの子もしっかり理解してよくできていました。

 

 


「質のいい保育は、子どもの人生を変える」という言葉 1

2017-10-13 18:24:51 | 幼児教育の基本

福島大学人間発達文化類学教授の大宮勇雄先生は、

『保育の質を高める』という著書のなかで、世界の保育の「質の研究」は、

「質のいい保育は、子どもの人生を変える」ことを伝えています。

 

本書では、保育環境が子どもの将来にどのような影響を及ぼすのか追跡した

結果が紹介されています。

 

興味深かったのは、子どもの「集中度」に着目した「保育の質」研究です。

 

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子どもは、そのもてる力を充分に発揮しているとき、

もっともよく発達するといわれます。そういう時、子どもは集中力を増し、

活動が長時間継続するはずです。

そこで、子どもの集中力が高まり持続することに、

どのような保育の条件・要素がかかわっているかを調べることで、

「保育の質」の中身が見えてくるであろうと、(イギリスの保育施設で)

研究が着手されました。

(子どもたちの言葉や表情から「目当てをはっきりもっている」

「単調な繰り返しでなく、工夫や新たなアイデアがみられる」

「計画やイメージをもって遊んでいる」

と判定されれば集中しているという判定をすることにしました。

遊びの継続時間、子ども相互の会話の活発さなども指標として使われています)

                   

その結果、「集中」を促す活動には特徴があることがわかりました。


子どもの「集中」を促す活動は、

いずれも「子どもが何か目に見えるものを構成したり、つくり出したりする活動」


 であり、「目標達成のために、いまの自分の行動が役に立ったかどうかを

活動そのものが子どもたちに示す」性質をもっているということです。


つまり「現実世界に対するフィードバック機能をもった」活動と呼んで、

そういう性質をもった遊具や教材を積極的に活用するべきだと提案しています。


次に集中を促す条件としては、人間関係がかかわって二つの要素が

大事であることがわかりました。

まずひとつは、「そばに保育者がいる」ことです。

「必ずしも働きかけなくても」保育者の姿が近くにあるだけで、その後の

活動への集中の高まりがみられました。

それは大人の存在が、子どもにとっては周囲からの雑音や誘惑の緩衝材となっていて、

興味のあるものへの集中を持続させるからであろうと解釈されています。

 

もう一つは遊びの人数で、二人で遊んでいるときが

もっとも「集中」が多く表れ、ついで数人での遊びと続き、

一人遊びのとき、集中度はもっとも低くなりました。

 

「子ども同士の社会的交わりは、対人関係能力獲得の『教室』である

だけでなく、そのもっとも複雑で創造的な思考が見られる場面でもある」と結論

づけられました。

          『保育の質を高める』大宮勇雄  ひとなる書房 より引用 (一部、省略しています)

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今回の記事は引用文ばかりになってしまったのですが、次回に続きます。

 

 


自ら学ぶ子が育つ教育とは?(ペスタロッチとフレーベルに学ぶ

2017-10-12 15:23:56 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

この記事を探しているという声をいただいたので再アップします。

 

久しぶりに読んだ『人間性の最高表現』

(偉大な芸術家や科学者などが、自己実現していく姿を記録した本です)

というP・フェルッチの著書で

ペスタロッチとフレーベルの教育への姿勢を読みました。

 

現在、あまりにも軽視されている大人のあり方で、忘れないように

書き写しておきたかったので、記事にすることにしました。

 

「民衆教育の父」と称されるペスタロッチについて、P・フェルッチが

こんなことを書いています。

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一瞬一瞬の観察で、教育者たちは子どもたちの成長や発達にともなう才能の変化に、

どんなとらえにくいことでも気づくことができます。

それは、知性、心身のバランス、感情面の成長、好奇心、自律などの変化です。

このプロセスは、ほかの生き物に見られる発達とも似ています。

生物学的な比喩は、すぐれた教育者たちにたびたび使われてきました。

というのも彼らは、生徒たちのなかに、自分固有のルールに従い、自分のペースで展開する、

生き生きした自律的な進化を認めるからです。


(省略)このような眼差しを注がれると、成長していく子どもたちは

深い尊敬と自信を呼び覚ましてくれます。

そして、教育者が強制する必要なしに、子どもたちのなかに自律的なプロセスが続きます。

付け加えなければならないものは、何もありません。

すべての知恵と善が、すでに子どもたちのなかにあるのです。生徒たちから学ぶことが

教育者の務めであり、その逆ではありません。

 

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フレーベルもモンテッソーリも子どもたちのなかに、

自然発生的な自律性が生じるのを見ていました。

子どもたちのなかに普遍性を見つけることは、教育の最も重要な原点です。

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学び成長している子どもは、単に、自分の務めをこなし、先生の期待を満足させようと

している個人ではありません。

それどころか、一人ひとりの子どもすべての子どもで、それは、

万物の法則に従って宇宙を動きながら、全宇宙の秩序を

映し出している一つの星のようなものです。

成長している子どもは、やはりかけがえのない個人であると同時に、普遍的な

調和の現れでもあります。

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前にも書いたのですが、今、マイコー雑記のマイコさん、たまきさん、

ワーキングマザーさん、ともえさんらと、

「子どもたちのために、何かしたいね」と話しあっています。


子どもたちの人生に本当に役立つような贈り物とは、

それぞれの子の両親や祖父母、身近な大人たちが、

次に挙げるような良い教育者の資質を自分のなかに育てていくことじゃないかな、

と感じています。

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 ● 私たちが選択したことを実際に試み、恐れることなく世界を探検する

手助けをしてくれる人。

そしてもし私たちが失敗したり、困った問題に巻き込まれたりしても、

私たちは裁かれないということを知っている。

 

● 私たちができること、なれるものを示してくれ、新しい発見がどんな喜びを

生み出すか、示してくれる人。

 

● どれほど陳腐なものであっても人生に持ち込み、

それをいきいきした魅力いっぱいのものにする人。

 

● 私たちが自分で何か探し出すように励まし、

私たちを自分の才能に結びつけ、私たちが学んだ

ことは自分がやったことなのだと気づかせてくれる人。

 

● 私たちを退屈させたり、眠りこませたりすることは決してしない。

ただちょうどよい量の夢を見せて、

常に私たちの注意を呼び覚まし、刺激する用意ができている人。

 

● 苦労せずに学ぶ手助けをし、そのため私たちは、学んでいることが、

深いところではずっとわかっていたことだと感じる。

 

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<おまけ>

金貨があふれるしかけ。


写真は重いハンディーキャップを持っているAくんとの遊びの一コマです。

Aくんと水遊びをしている時、水がコップからあふれる瞬間、

手をたたいて喜ぶ姿を目にしました。

そこで、紙コップの内側に、ひもを(ガムテープでしっかり)貼りつけて、

あふれる瞬間を味わえるしかけを作りました。


Aくんは、まだほとんど言葉がない子ですが、

透明の筒(100円ショップのお茶を入れる入れ物)のなかをよく観察していて、

紙コップの高さよりたくさんの金貨を入れるとあふれることに気づきました。

また、

また、ひもを引っ張りながら集中力を持続させて、次にあふれる瞬間が来ることを

予感したわくわくする表情でひもを引きあげていました。

 

何度も何度も金貨をあふれさせるAくん。

遊びを通して、Aくんに次に起こることを期待する心が育ちつつあるのを

感じました。



 


子どもの好きなものに敏感になる

2017-10-11 23:50:37 | 幼児教育の基本

 

子どもの好きなものに敏感になる

 

子どもが好きなもの。

好きなおもちゃ、好きな色、好きな感触、好きな活動、好きな展開、

好きな景色、好きな言葉。

身近な大人がその子独自の「好き!」に敏感になることは、

その子の潜在能力を最大限に伸ばす手助けとなります。

また、子どもにとって毎日がわくわくの連続となり、

何にでも意欲的に真剣に取り組む態度がはぐくまれます。

 

子どもの「好き」に敏感になるということは、

ただアニメのキャラクターが好きだとか、果物が好きといった

漠然とした把握の仕方ではなくて、

「どんどん物を積んでいくときの……あっ今にも落ちそう、

ヒヤヒヤするなぁといった場面で、

この子いつも真剣な表情になっているな。崩れた時は大笑い。

ヒヤヒヤドキドキするような手に汗握るような展開が好きなんだな~」

「この子は自分のアイデアに耳を傾けてもらった時、一生懸命になるな」

「この子は自然の美しさに敏感だな。落ち葉を踏みしめる感触まで楽しめる

感性を持っているな」

「この子は虫や動物が大好きだな。その動きをいつまでも観察している。

生き物がどんな暮らしをして、何を食べて、どんな活動をしているのか、

喜んで想像しようとするな」

というように子どもの好みをよりていねいに眺めることです。

子どもが好むものというのは、その子の感性や才能やその時期必要としている

発達上の課題と結びついているものです。

たとえば、いつも道の縁の段差になっている部分を歩きたがる子がいるとすると、

その「好き」は、

その子の身体能力の高さを表しているのかもしれないし、

ちょうどバランス感覚が急成長する時期なのかもしれないし、

ちょっとドキドキするようなことが好きな

チャレンジャーな性質がそうさせているのかもしれません。

そのいずれにせよ「またぐずぐずして!はやく、はやく!」と急かして進むのと、

「この子は今、こういうことが好きなんだな」と気づくのとでは、

その後のその子の成長はずいぶん違ってくるのです。

現実には、それは遊ぶものじゃないから乗ってはだめよ、

と注意しなくてはならなかったとしても、

子どもといっしょに、ヒヤヒヤする高いところを通っていく冒険の話をするとか、

積み木で道路の段差を作っていってお人形を渡らせる遊びに発展するといった

楽しい遊びの発見につながりますから。

子どもは「どうしてそこまで面白いの?」と驚くほどに喜ぶことでしょう。

子どもにとって自分の好きなものとの出会いは、

「自分らしさ」との出会いであって、

個性を輝かせるチャンスでもあるのです。

 

こうした子どもの「好き」を見つけるのに、物作りほど最適なものはありません。

ダイナミックか、几帳面か。きれいな色使いが好きか、

パワフルに大きなものを扱うのが好きか。アイデア重視か、出来栄えに敏感か。

お手本を見る観察力があるのか、自分で考えて動く子か。

科学的な仕組みに関心があるのか、想像力を刺激するものが好きか、

新しいルールを作りだすことが好きなのか。

子どもの作るものの出来栄えばかりに気を取られていると、

子どもの「好き」は見えてきません。

まずいっしょに楽しむこと。作りたがらなければ作ってあげるのもいいです。

子どもが目をキラキラさせる場面があればどんなものを好むのか見えてきます。

「こんなものを作って!こういう風にして!」と注文を出すようになれば、

いっそうはっきりするでしょう。

作るのが苦手だから難しいというときは、

子どもといっしょに他の子の作品や、身近な物の仕組みや、動植物の姿を眺めて

感動するだけでもいいんです。「すごいね。どうやって作ったらいいのかな?

紙をくるくるってしたらできるかな?」と相談しあうだけでも、

その子の心に響くものが何かわかってくるはずです。

 

身近な大人は、子どもの好奇心が世界の不思議に向かって開かれていくよう

導いていくことができます。 

頭と手を使って、工夫し何かを生み出す喜びを伝えてあげることが

できます。

想像力を膨らませて人生を楽しいものにする方法を教えてあげることができます。

 

学ぶことの面白さ。

夢中になること、達成感を味わうことで満たされる気持ち。

世界中に自分の好きなことは溢れていて、好きなことはいつでも

見つけることも探しにいくこともできるし、

自分で作りだすこともできるということ。

 

そうした気づきはどれも、子どもが「好き」なものを通して身につけて

いくことができるものです。

 

最後にわたしが子どもたちに向けて書いた詩を紹介させてくださいね。

子どもに贈りたいものを心に巡らせながら、

ひとりひとりの子どもたちの幸福を願って書きました。

 

 

『小さな友へ』

 

世界をかけぬけ

手当たり次第につかみとるすべは

むずかしいようで 意外にやさしい

 

天指して地面にまっすぐ立つすべ

世界を味わいゆっくり抱きしめるすべは

当たり前のようで

本当にむずかしい

 

小さな友よ 

教えてあげようか

 

朝つゆで顔を洗えば

春を見ることができる

走りたいからと走り

笑いたいからと笑えば

夏に触れることができる

 

友を失って

再び得たなら

秋を感じることができる

未来の花が咲くまでの

ささやかな孤独を愛せるなら

きっと冬を知ることができる

 

あまたの貴重な宝のなかから

ひとつだけひとつだけ

小さな友への贈り物をえらぶとしたら

「答えのない問い」

それがいいだろう

 

 

↑大好きがいっぱい♪


練習を嫌がる子に、記憶する学習に楽しく取り組ませるアイテム

2017-10-10 18:49:24 | 算数

100円ショップの文具です。

 

 

 

練習を嫌がる子に、記憶する学習に楽しく取り組ませるアイテムを紹介します。

一度、嫌がりだすと

どんなに説得してもやろうとしない自閉症スペクトラムの子

の学習をみている時に役立ちます。

(ライトをつけたり消したりするような操作が好きだったり、

最初のとっかかりの気持ちがいいものだと、激しく抵抗していたことが嘘のように

やる気まんまんでがんばれたりする子が多いです)

 

写真のかけ算は自閉症スペクトラムの小学2年生のAくんが

間違えて覚えていたかけ算です。

Aくんは、間違いを正されることが大嫌いです。

そのため、正しいかけ算の答えを練習させようとしても、

興奮状態に陥って、

「九九なんで絶対、絶対、やらない!!」と問題を見ようとも聞こうとも

しない状態になっていました。

 

そこで、夏休みのユースホステルのレッスンで、探偵ごっこや工作で

活躍していた『秘密ペン』(100円グッズです)を使って、かけ算の答え部分を書いてみました。

すると、Aくんは、ピカッとライトを当てて答えが浮き出る様子が見たくて、

喜んで間違えていた九九の練習をするようになりました。

 

 下の写真のようにライトペンの光を当てると、答えが浮き出ます。

 


子どもと遊ぶ時、面倒でもほんの少し手間をかけること

2017-10-09 08:59:22 | 幼児教育の基本

2歳児さんたちと遊ぶ時に、面倒でもほんの少しだけ手間をかけることを

おすすめしています。

手間というのは、遊びの中で、はさみや紙やえんぴつや糊やテープなどを

使う場面や身体を使って、演じたり歌ったりする場面を作ることです。

 

どちらにしてもたいしたことをする必要はなく、

遊ぶ時に、折り紙といっしょに「切る」「貼る」「書く」の道具をセットしておいて、

遊びで必要なものを一回切るだけ、折るだけ、簡単な走り書きをするだけくらいの

ハードルが低い工作をしたり、ごっこの中でお弁当を食べるシーンでお弁当箱の歌の

手遊びをしたり、お誕生日会のシーンでハッピーバースデーを歌ってろうそくを消す

真似をしたりすることです。

 

そんな風に、少しだけ手間をかけて遊びに関わると、

成長するにつれて、子どもが面倒なことを面倒がらずに

積極的にやろうとするようになるので、

その時期の手間は何倍もの楽になって後から返ってきますよ。

 

 

それでは、

2歳1ヶ月のAちゃんと2歳7ヶ月のBちゃんのレッスンの中で、

「少しだけ手間をかける」ってどういうことなのか、具体的な例を挙げて説明しますね。

 

Bちゃんがお母さんとぬいぐるみの動物たちにえさをあげるシチュエーションで

遊んでいました。

そこで、どうぶつにあげるえさを作ることにしました。

折り紙を二度折って、丸を切り抜きます。

すると、一度に4枚のお皿ができあがります。

こんなふうに紙を折り重ねて、一度に何枚か同じ形を切り抜くと、

幼い子たちはいつもびっくりしたり喜んだりします。

くり抜いた穴を覗いて、「めがね」と命名したり、

残った紙を切り刻んで「ごはん」を作ったりして遊びます。

Bちゃんは、モールを丸めてえさを作りお皿に乗せていきました。

 

「手間をかける」って、こんな折り紙一枚で済む、なんちゃって工作で十分なのです。

どうぶつのえさ作りが面白くなったBちゃんは、

うさぎにあげる草の色の折り紙を選んではさみでちょきちょき。

お母さんによると、Bちゃんがこんなに熱心にはさみを使う姿は初めて見たそうです。

 

この日、Aちゃんは引き戸に軽く指を挟んでしまいました。

しばらく泣いた後で指にばんそうこうを貼ってもらいました。

そんな出来事があったので、

うさぎの人形に、「お手々が痛い、痛い。お薬塗って、ばんそうこう貼って!」と

言わせて、先ほどまでBちゃんのお皿だった切り抜きをうさぎの手に

ぺたんと貼りました。

とたんにAちゃんの目がきらきらと輝きました。

真剣な表情でもう一枚の紙をうさぎの手に乗せるとセロテープで貼りました。

ちょどお皿が4枚だったので、うさぎの手にも足にも(どちらも足?)

ばんそうこうを貼って、心から満足そうに息をついていました。

 

 Aちゃんの病院ごっこはしばらく続き、紙を切っては耳や身体に貼りつけていました。

 

Bちゃんがかごに食べ物を詰めて買い物ごっこを始めました。

すでにいっぱい食べ物が入っているのにバナナを押し込もうとしていたので

お母さんが、「バナナは入らないよ」と声をかけていました。

それでもBちゃんはしつこくバナナを入れようとしています。

 

こんな時、「入らないよ」と言うだけではなく

「どうしよう、どうしよう入らないね」と共感しながら

もっと大きなかごを見つけてきて「入った!」と喜びあうとか、

「バナナさんが入りたいよって言ってるよ。牛乳さん、どいて!

ドーナツもどいて!」とかごの中身を減らしてバナナを入れるなど

少しだけ手間をかけてAちゃんの「バナナが入らない」事件に付き合ってあげると、

物のサイズや問題の解決法などの理解が進みます。

また、上手くいかない時に面倒がらずに知恵を使って解決しようとする根気が

身に着きますよ。

 

 

Bちゃんがビー玉コースターのおもちゃに興味を持ちました。

お家にはそうしたおもちゃがないという話だったので、

簡単なビー玉転がしのおもちゃを作ることにしました。

 

箱のの両端に筒を渡しただけの簡単ビー玉スターター。

出口に鈴をぶらさげました。

 

いっしょにビー玉コースターを作っていたAちゃんが、

ビー玉をポケットに入れていました。

今、何でもポケットに入れるのがマイブームなのだそう。

そこでビー玉スターターにポケットをつけることに。

ひもを引っ張ると絵カードが飛び出すしかけもつけました。

 

Aちゃんのお姉ちゃんがコマにはまっているそうです。

そこでいらなくなったCDを使ってコマを作ることにしました。

ついでにお母さんたちには1から3までの数のゲームを作ってもらいました。

 

コマをまわして指でとめます。指で押さえている数だけ

スプーンに玉をもらいます。

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教室でコマ作りが流行っています♪